大麻が犬の健康にいいという話、聞いたことがありますか?にわかには信じがたい情報かもしれませんが、あながちウソではありません。産業用大麻を使ったCBDオイルというサプリメントが今密かなブームなのです。
サプリメント好きのわたしとしては気になって気になって仕方がなかったので、CBDオイルについて調査し実際に愛犬に与えてみました!CBDって一体なに?というところからアイテムの選び方まで細かくレポートしていきます^_^
この記事では、
- CBDオイルとは何か
- CBDオイルの効果と副作用
- メーカーに聞くCBDオイルの安全性
- CBDオイルの選び方
- 実際の使用感(人&犬)
愛犬のてんかんにお悩みの飼い主さんやCBDオイルの使用を迷っている飼い主さんはぜひ読んでみてください♪
目次
CBDオイルってなに?
画像:amazon.co.jp
CBDオイルとは「カンナビジオール」という成分が入ったオイルのこと。てんかんや免疫疾患をはじめとする様々な症状の改善やリラックス効果、睡眠障害などにいいと言われています。
アメリカでは2019年に美容や健康にいいとして人用が大ブームになりました。アメリカのギャラップ社という会社の調査によると、アメリカ人の7人に1人がCBD配合の何らかのものを使用しているそうです。CBDが配合されたグミやガムなんかもスーパーで普通に販売されているとか。人用のCBDオイルを愛犬にあげている人もかなり多いみたいですよ!
またアメリカの市場調査会社(Brightfield Group)によると、CBD関連事業は2022年までに約650億円から約2兆4200億円まで急成長するのではと予想されています。億とか兆とか桁が多すぎてよく分かりませんがとにかく人気が爆発するだろうってことですね。日本ではまだあまり知名度がありませんが、CBDは世界的に注目されている成分です。
CBDオイルは合法?マリファナじゃないの?
CBDオイルは大麻からとれる成分です。芸能人の薬物使用がかなり騒がれている世の中でなので大麻と聞いて引いてしまう人が大半だと思います。わたしもはじめはかなり引いてました(^-^;
でも実は、大麻は大麻でもCBDがとれる大麻は産業用ヘンプといってマリファナとは別物。
マリファナ・・・大麻の葉っぱの部分を乾燥させたもの。タバコのように吸って使用する日本では違法なもの。樹脂を使う場合も。
産業用ヘンプ・・・成熟した茎や種子を加工したもの。衣料品や食品などに使われる。
日本の大麻取締法で禁止されているのは大麻草の花穂と葉の部分(つまりマリファナ)で、成熟した茎や種子由来の産業用ヘンプは禁止されていません。「なんで花や穂はダメで茎や種子はいいのか?」というと、ハイになる物質が含まれている量が違うからなのです。
産業用ヘンプは合法なので、夏の涼しげな洋服やドンキホーテで売っているような車の芳香剤や七味唐辛子なんかにも入っています。どれも体に悪影響はなく安全なものですよね♪また日本で販売されているCBD製品は税関の審査をクリアしているはずなので法的な問題はないのです!
【日本の大麻取締法(抜粋)】
第一条
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
CBDオイルで愛犬はハイにならない?
原材料が大麻だと「うちのコ、ハイになっておかしくなっちゃうんじゃ?」と心配になる飼い主さんもいますよね。私もそうだったのですが、CBDオイルにハイになる作用はありませんのでご安心を。先ほどご説明した通り、CBDはマリファナではなく産業用ヘンプからとれます。産業用ヘンプの種子は七味唐辛子に含まれていることもご説明しました。七味唐辛子を食べてハイになる人はいませんよね?
マリファナをやってハイになるのはTHC(テトラヒドカンナビオール)という成分のせい。CBDには含まれません。「カンナビノイドの科学」という本を書いた昭和大学薬学部の佐藤均教授によると
“THCとCBDは分子式は同じ。でも構造式が違うので体内での作用が異なる”
そうです。例えるならCBDとTHCは生き別れの兄弟みたいな感じ?生まれは同じでも育った環境が違うので性格が違う!THCはハイになりますがCBDにはリラックス作用があります♪
CBDオイルは愛犬の何に役立つの?
人も犬も体内にエンド・カンナビノイド・システムという体の調子を整える機能をもっています。長くて言いづらいのでこの後はECSと呼びますね。
食欲・痛み・免疫調整・運動機能・感情制御・発達と老化・認知と記憶・神経保護。細胞同士がうまく働き健康を維持できるようにサポートしている。
ECSの機能は加齢とともに弱まってしまいます。そうすると体はカンナビノイド欠乏症になり、色々な病気にかかってしまうのです。つまり健康でいるためにはカンナビノイド欠乏症を防ぐことが大切。CBDオイルでカンナビノイドの補充が行えるので、病気を未然に防いだり、いま愛犬が悩んでいる症状を抑えたり軽くすることに役立つんです。
と言われてもいまいちピンと来ないと思うので…(^^;
具体的にどんな疾患に役立つのかはこちらの表を参考にしてみてください♪日本カンナビノイド学会の公式サイトに載っている【論文の信頼性レベルを評価した疾患リスト】から、ペットにも多い病気や症状を抜き出してみました!★の数が低いものも今後の研究が期待されています。
ペットに多い病気&症状リスト
疾患名 | 研究数 | 研究結果レベル |
進行性がんに伴う痛み | 2 | ★★★★★ |
嘔吐(合計) | 27 | ★★★★ |
皮膚炎/湿疹 | 1 | ★★★★ |
消化管の炎症性疾患(合計) | 4 | ★★★★ |
咳 | 3 | ★★★★ |
かゆみ | 3 | ★★★★ |
痛み(合計) | 14 | ★★★★ |
不安 | 4 | ★★★ |
神経障害 | 5 | ★★★ |
脳腫瘍/神経膠腫/神経膠芽腫 | 9 | ★★★ |
心臓病 | 7 | ★★★ |
肝炎 | 3 | ★★★ |
発作(てんかん) | 5 | ★★★ |
アルツハイマー病 | 4 | ★★ |
糖尿病 | 5 | ★★ |
緑内障 | 9 | ★★ |
関節炎 | 3 | ★★ |
がん(合計) | 60 | ★★ |
参考サイト:日本カンナビノイド学会
CBDは昔から知られていた成分ですが、健康に役立つ効果についてはまだまだ研究されている途中みたいです。
特にてんかんにいいと言われている理由とは?
てんかんの発作が起きるのは脳内の神経回路がうまく機能せず過活動になってしまうため。CBDオイルを飲むことで過剰な神経伝達を抑えられるみたいです。体の中を適正な状態に戻すよう働きかけるので、発作を起きにくくすると注目されています。
人用ですがアメリカや韓国で承認されているCBDを製剤した「エピディオレックス」というてんかんの治療薬もあり、日本でも承認に向けて厚生労働省に働きかけている団体もあるそうです。
CBDオイルはあくまでサプリメントですが、関節ケアや腸内ケアと違い、てんかんにいいかもしれないサプリメントってなかなかなかったんですよね。扱うペットショップや病院も増えてきているみたいですよ!かかりつけの獣医さんと相談しながら試してみると安心だと思います♪
CBDオイルは病気のサポート以外にも使える?
人用では特にリラックス作用が注目されているCBD。その特性を活かせばペットにはこんな時に使えるんじゃないかな?と思います!
CBDオイルはこんなワンちゃんにおすすめ!
- トリミングやホテルなどを極度に怖がってしまう
- 攻撃性が出てしまう
- 興奮しやすく落ち着きがない
- 環境の変化などでストレスがたまっている
- 認知症などで夜間に起きてしまう
ゆったりと心を落ち着けてよく眠れるようになるみたいなので、愛犬に精神的負担をかけたくないときにいいですね!
人用では危険な副作用が出たことがある
アメリカ陸軍ではVAPEという電子タバコでCBDオイルを吸入した人の多くが頭痛や吐き気や嘔吐、見当識障害などを訴えたそうです。
CBDの蒸気自体には副作用はほとんどないとされているため、この件は電子タバコという吸入方法やオイルの質にも問題があったと考えられています。体にいいと言われているものでも取り入れ方や品質によっては逆効果になることもあると覚えておきましょう。安全性は品質に左右されるんですね!
CBDで起こりうる副作用の例
どんなサプリメントや薬でもそうですが、CBDも人によって必要な量や感じる効果が違います。体がまだあまりCBDを必要としていないのかもしれませんし、たくさん摂りすぎて効果が出ないということもあるでしょう。副作用が強く出てしまう人もいます。次のような症状があるときは使用を見送ったほうが良さそうです。
下痢、食欲低下、倦怠感、貧血、脱力、体重減少など
成分をごまかしている製品もある
海外ではCBDブームに乗っかり配合量をごまかしたりTHCや不純物が混ざったオイルを販売するお店が現れて問題になったそうです。アメリカの食品医薬局よる抜き打ち検査でラベル表記のウソがバレちゃったとか。
日本ではTHCが入っているものは販売も購入も禁止されていますが、ラベル表記のウソはわたしたちではなかなか見抜けません。物が物なだけに購入の際は販売元をしっかり確認しましょう!
高品質なCBDオイルの選び方
品質の良くないCBDオイルは副作用をまねきやすいです。ただでさえ日本で暮らしていると大麻由来のものに抵抗があるのに、適当に選んで愛犬に副作用が出てしまったらもう絶対買わないですよね(;^ω^)
CBDオイルを試してみたいと思ったら、まずダメ押しでTHC(ハイになる成分)の有無を確認!!日本にはTHC入りのCBDはないはずですが、念のため忘れずに原材料を確認しましょう。お縄になったら大変です<(/;◇;)/ イヤァアアアアア!!そして販売元があやしい会社ではないかも確認します。次のポイントをチェックしてみてください♪
高品質なCBDオイルを選ぶためのポイント
- 安全性を示す証明書はあるかをチェック
- 抽出方法をチェック
- 商品の説明書きやラベルにフルスペクトラムと書かれているかをチェック
安全を証明できるものはあるか
使用するヘンプの 品質証明書や、第三者機関による成分分析証明書、製造工程にウソがないと証明する宣誓書、税関への提出書類など、購入する側が安全だと思えるようなデータを公表しているお店の製品が安心です。例えばこんな風に商品紹介ページに証明書の画像を載せているといいですね↓
「でも書類とか見てもよく分かんない!」という方は認証マークを探すと簡単です。一般社団法人日本薬用植物研究推進協会という安全なCBD製品の普及を目指している団体によるこんな感じの認証マークです。
画像:一般社団法人日本薬用植物研究推進協会
CBD抽出の際は化学薬品を使っていないか
やっぱり愛犬の口に入れるものなので、 化学薬品を使わずにCBDを抽出しているものが安心です。ちょっと難しいのですが『超臨界CO2抽出法』という方法は二酸化炭素を使った安全な方法です(^^♪コーヒー豆からカフェインを抽出するときにも使うそう。
抽出方法はココを調べてみよう
- メーカーのホームページ(製品の安全性を語っている部分)
- 通販なら商品紹介ページ(隅々まで細かく読んでみる)
- 店頭販売ならスタッフに聞く(CBDを扱っているなら詳しい人がいるはず)
説明書きにフルスペクトラムと書かれているか
ヘンプにはCBD以外にもいろんなカンナビノイドや栄養素が入っていて、それをまるまる摂れるのがフルスペクトラムの製品です。大麻に含まれる THC以外のいいところだけが集まるので成分同士の相乗効果が狙えます。フルスペクトラムと書かれているアイテムが断然おすすめですよ♪
犬用CBDオイルの販売元に安全性を聞いてみた
日本で犬用のCBDオイルを販売している「organy」というメーカーに気になることをメールで質問してみました!
どんなに自分で調べてみてもやっぱり不安が残るときもありますよね。私はこの問合せで安心できた部分が多くありました。メーカーからの回答を少しわたしの言葉で書きかえていますが、意味が違わないよう注意して載せていますのでぜひ参考にしてください。
他の薬やサプリメントとの併用についてはCBDについて書かれたファイルを添付してくれました。それによると、国によっては医薬品扱いになるため他の薬と相互作用を引き起こすこともあるそうです。すでに他のサプリメントや薬を飲んでいる犬は、使用前にかかりつけの獣医さんへ相談するのがベストですね。
また「副作用は全くないですか?」という質問もしましたが、そこに対しての具体的な返答はありませんでした。ただ「CBDの研究はまだまだ結論が出ていないので否定的な意見も分かるけど、これまでの論文や臨床結果で見えた大きな可能性に世界が注目しているんだと思うよ」的なことが書いてあり、なんか納得です(。 ・ω・))フムフム
問い合わせに対応してくださった方がとても親身だったので、誤解されやすい製品をどう安心して使ってもらうかというところにも力を入れてるんじゃないかなぁと感じました。
CBDオイルを愛犬とシェアして飲んでみた
わたしが購入したCBDオイルはこちらです↓
『VIGO PET』という犬猫用のもので、安全性を問合せした「organy」というメーカーの製品です。このCBDオイルは一般社団法人日本薬用植物研究推進協会の認証を受けています。値段は30mlで5,280円。CBDは200mg配合です。ちょっと高いなと思いました(・・;)スポイトタイプになっていて、ゴムの部分をつまむとけっこうな量がガラスの管にたまります。
ちょっと緑がかった泥みたいな色です(笑)
人が使用するときは毛細血管が集中している舌下に垂らしてすのがいいそうなので、「れ~」と舌を出してスポイトひとつまみ分ほどを裏に垂らしました。
わたしが飲んでみた感想
感想まとめ
・藁のような匂いと独特のまずい味がする
・穏やかな気分になる。リラックス効果は本当
・ハイになったり具合が悪くなるようなことはない
独特の油と草の匂いがします。藁がぎっしり詰まった部屋に閉じ込められた感じというか、「うえっ」ってなりました(笑)苦手な方が多い味かもしれません。でも水を飲めばあまり後には残りません。なんなら慣れてくると美味しく感じる(;^ω^)
さて肝心の効果はというと、初めて飲んでみたときは特になんの変化もありませんでした。ちょっと拍子抜けというか「なーんだ」みたいな感じです。でもイライラしていた時に飲んでみると、なんとなーくぼんやりするというか眠くなるというか、穏やかになるような感覚がありました。気持ちが落ち着きます。
私は布団に入ると3秒ぐらいで夢の世界へ旅立てるので体感できませんでしたが、不眠で悩んでいる方から人気があるというのは分かる気がします。ただ車の運転前にはやめておいたほうがいいかもしれません。
顔にも塗ってみた
余談ですがCBDは化粧品にも配合されているというので顔にも塗ってみました。アンチエイジング効果があるみたいなので、気になる毛穴の開きにちょっぴりつけました。毛穴が引きしまった感じはしませんでしたが、心なしか翌日肌がふっくらしてる気がしました( ゚Д゚)!
愛犬に与えてみた感想
感想まとめ
・喜んで舐める味
・持病がないと変化は分かりづらい
・与えすぎると軟便になることがある
私の愛犬(10キロ)の目安量は1日約50適とのこと。1日2回なので1回あたりは25適ですが、まずは1滴手のひらにのせて舐めさせました。
味は気に入った模様。なくなってもずっと手を舐めていました。
その後の様子を観察していましたが大きな変化はありませんでした。与えたのが夜だったこともあると思いますがすぐに眠ったのでリラックスはできたのかもしれません。持病が特にないので効果は分かりづらいですね。でも健康維持のために与えてみるつもりです。
数日後
味がすごく好きなようだったのでいつもより多めに与えた日がありました。すると翌日便が少しゆるくなっていました。以前の量に戻すと問題なく、また増やした日はやっぱりゆるくなったのでCBDオイルのせいみたいです。CBDの成分というよりは、単純にオイルなのでゆるくなるのかなぁとも思いましたが、ハッキリしたことはわかりません。少なめにあげれば問題ないので、目安量より少なめに与えています。メーカーでの問合せでも質問しましたが、やはり「表示はあくまで目安量です。お腹がゆるくならないところまで減らしてあげてください」というような回答でした。
まとめ
大麻由来のサプリメントと聞いて始めはとてもびっくりしましたが、調べていくうちに「おや何やら良さそうだ」と感じ、次に実際に使ってみて不安はなくなりました。愛犬に持病がないこともあり変化を実感するにはいたりませんでしたが、製品選びさえしっかりすればCBDオイルは魅力的なサプリメントだと思います。飼い主さんも愛犬と一緒に使えますしね!
そしてなにより、悩んでいる方が多いペットのがんやてんかんなどに使えるところが同じ飼い主としてうれしいです。愛犬が病気で苦しんでいたら症状をやわらげるために何でもしてあげたいと思うのが飼い主ごころですからね。まだまだ未知数な成分とはいえ、CBDオイルがそんな悩める飼い主さんとペットたちの救いの手になることを期待しています!
ちなみに、、、わたしのおすすめCBDオイル『VIGOPET』のホームページはこちら! 気になる人は、チェックしてみてください♩
執筆者
- ペットライター
- 高橋 由紀那
- 犬の管理栄養士 / ペットフード安全管理者
ペットフードメーカーに6年勤務後、現在はINUNAVIライターとしてドッグフードを中心とした記事を数多く執筆。相棒はキャバリアのジタン(10歳)。犬が好き&犬が好きな人が好きです。好きな人たちの生活がより豊かになるような、経験を生かした正しい情報、一歩踏み込んだ内容の記事をお届けします。保有資格:ペットフード安全管理者・犬の管理栄養士・ペット災害危機管理士3級