犬のマッサージって本当に気持ちいいの?
人間同様、マッサージは犬にとっても気持ちがいいもので、実際にマッサージを好む犬も多いです。
犬が気持ちがいいときに見せる表情や仕草は、
- うっとりする
- 目を細める
- 眠そうにする
- 体が伸びる
- ゆったりと横になる
- 呼吸がゆっくりになる
などが挙げられます。
嬉しいことに、マッサージは気持ちがいいだけでなく、さまざまな効果も期待できます。
次章では、マッサージの効果について詳しく解説していきます。
犬のマッサージに期待できる5つの効果
マッサージを行うと、犬がリラックスする、血行やリンパの流れがよくなる、筋肉のコリをほぐすなど以下のようにさまざまな効果があります。
ここでは、それぞれのマッサージの効果について解説します。
①リラックス効果がある
大好きな飼い主さんに優しく撫でられると、犬は緊張がほぐれてリラックスし、とろけるような表情で眠ってしまうことがあります。
実際に、犬は気持ちの良いマッサージを受けることによって幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されるので、不安やストレスが軽減し幸福感で満たされます。
さらに、犬にマッサージすると施術者である飼い主さんにもオキシトシンが分泌されるので、犬のマッサージをしながら自らの癒しにもつながるのです。
②血液やリンパの流れを改善する
犬にマッサージを行うと全身の血液やリンパの流れがよくなり、血行不良による冷えや痛みの改善、代謝UPなどの効果が期待できます。
夏場の冷えた室内や冬場は体温が下がりやすいので、積極的にマッサージしてあげるとよいでしょう。
③筋肉のコリをほぐす
マッサージによって硬くなった筋肉をほぐすと、筋肉疲労の回復を促したり、柔軟性を高めたりする効果が期待できます。
特に運動不足・寝たきりになると筋肉もこわばりやすいので、マッサージでサポートしていきましょう。
④体の不調を発見しやすくなる
マッサージにより全身を触る習慣をつけておくと、しこりや皮膚炎など体の不調を早期に発見できます。
不調を見つけた場合は、症状の悪化を防ぐためにマッサージをする前に病院を受診しておきましょう。
⑤コミュニケーションになる
マッサージを行うと愛犬との触れ合いの時間が増え、愛犬との距離も縮まります。
長時間やらなくても5分ほど(忙しいときは1分でも)マッサージすることで、愛犬が喜び飼い主さんの癒しにもつながるでしょう。
犬にマッサージをする前に確認するべき3つの注意点
マッサージを始める前の注意点として、犬の体調が悪いとき・食後すぐのタイミングは避ける、飼い主さんの手を温めてから行う、リラックスできる環境で行うなどが挙げられます。
ここでは、それぞれのポイントについて解説していきます。
①体調が悪いとき・食後すぐは避ける
食欲や元気がないなど体調が悪いときは、体調の悪化を防ぐためにマッサージしないようにしましょう。
また、食後30分~1時間は消化不良を起こさないためにマッサージを控えることが大切です。
愛犬に持病がある場合は、マッサージを行ってよいか獣医師に確認してから行うようにしてください。
②飼い主さんの手を温めてから行う
冷たい手でマッサージすると緊張が走り犬がリラックスできないので、飼い主さんの手を十分温めてから始めましょう。
また、マッサージのときに邪魔になる腕時計やアクセサリーも外し、犬を傷つけないために爪も短く整えておくようにしてください。
③リラックスできる環境で行う
マッサージは犬も飼い主さんもお互いにリラックスできる環境で行うようにしましょう。
うるさい場所や犬が興奮してしまうような場所で行うと、うまくマッサージできなかったりリラックス効果が得られなかったりするかもしれません。
【動画で解説!】犬が喜ぶ簡単なマッサージの方法・やり方
犬が喜ぶ簡単マッサージの方法を動画で紹介します。
まずは背中や首肩、胸腹など大きな体の部位からマッサージを始めて、余裕があれば顔周りや肉球なども行ってみてください。
各部位のマッサージのコツについては、次章で詳しく解説しています。
【部位別】犬が喜ぶマッサージの5つのコツ
ここでは、犬が喜ぶ簡単マッサージのコツについて部位ごとに解説していきます。
- 背中
- 首肩
- 胸腹
- 顔周り
- 肉球
マッサージを受け入れてくれやすい部位から紹介していますが、犬によっては嫌がる場合もあるので愛犬の反応を見ながら行ってみてください。
①背中のマッサージ
犬の背中は普段から飼い主さんが触れる機会が多いので、抵抗感が少なくマッサージを始めやすい部位です。
まずは頭から尾に向かって、背中(背骨のライン)を手のひら全体で優しく撫でるようにしましょう。
背中の中央部分に慣れてきたらそのまま体の横も同じように毛並みに沿って撫でていきます。
②首・肩のマッサージ
飼い主さんを見上げる姿勢が多く疲れやコリがたまりやすい首や肩回りは、ぜひともマッサージしてあげたい部位です。
犬の首や肩は背中と同じように優しくさすってから、優しい力で軽くつまむようにマッサージしていきます。
頭の付け根、耳の後ろにある「風池(ふうち)」というツボは、人間でも気持ちが良い場所ですが犬も好む部位なので軽く押したりつまむようにすると効果的です。
【首の気持ちいいツボ】
- 風池(ふうち)
…首コリや眼精疲労、自律神経のバランスを調整するツボ
肩回りがつまみにくい場合は、手のひらで包むようにくるくるマッサージするのもよいでしょう。
③胸・腹のマッサージ
お腹はデリケートな部位なので、先に胸の方からマッサージして徐々にお腹の方に進めていきましょう。
まずは胸を上から下に撫でおろすようにマッサージし、そのままお腹まで同様に行います。
横向きや仰向けの場合は、さらにお腹をのの字をかくようにマッサージすると便秘解消効果が期待できます。
④顔周りのマッサージ
犬にとって気持ちが良いポイントとして知っておきたい部位は、目回りやおでこ・眉間です。
ぜひ眉間あたりから目の周りをぐるっと指で一周するようにマッサージしてみましょう。
また、犬は耳を良く動かすため、意外とコリやすいのが耳の付け根あたり。
親指とその他の指で優しくはさむみ、耳先に向かってゆっくりとスライドさせてみてください。
⑤肉球のマッサージ
犬の肉球は普段あまり触らない部位ですが、できたらマッサージしておきたいところです。
前肢の肉球にあるツボ「労宮(ろうきゅう)」と後肢にあるツボ「湧泉(ゆうせん)」を親指で3秒ほど優しく押してあげましょう。
【肉球の気持ちいいツボ】
- 労宮(ろうきゅう)
…心を穏やかに落ち着かせるツボ
- 湧泉(ゆうせん)
…元気が湧いてくるツボ
なお、肉球もデリケートな部位のため、触って嫌がらないか確認しながら少しずつマッサージしてみてください。
犬に好かれるマッサージのポイント
犬に好かれるマッサージのポイントを紹介します。
- 手のひら全体でさする
- 嫌がるところはやらない
- おやつを利用する
それぞれについて詳しく解説していきます。
手のひら全体でさする
マッサージをするときは強く揉んだりせず、基本は手のひら全体でゆっくりとさするように行ってください。
もちろんマッサージする部位によっては、軽くつまんだり指先や指全体を使うなどマッサージしやすい方法で大丈夫です。
また、人のマッサージのように指圧しなくても、優しく撫でるようにマッサージするだけで十分効果は得られます。
嫌がるところはやらない
犬にマッサージをする上で大切なことは、犬に嫌な思いをさせないことです。
触ったときに鳴いたり、急に振り返ったり、逃げようとしたりする場合は嫌がっている・あるいは痛みや不快感があるサインなので、無理せずやめるようにしてください。
継続的に痛がるような様子を見せる場合は、不調を抱えている可能性があるので動物病院に相談することをおすすめします。
また、犬がマッサージの気分ではなくて嫌がる場合もあるので、日を改めてチャレンジするのもよいでしょう。
おやつを利用する
マッサージは、犬が好きなおやつを利用しながら行ってもOKです。
特に初めのころは美味しいおやつを食べさせながらマッサージすることで、犬がマッサージの時間をもっと好きになり継続しやすくなるでしょう。
犬のマッサージでよくある質問
ここでは、犬のマッサージでよくある質問についてお答えしていきます。
犬のマッサージに向いているアロマオイルは?
ご家庭で行う犬のマッサージでは、アロマオイルが犬の体質に合わないリスクがあるので使用しない方が無難です。
動物病院において治療目的でアロマオイルや漢方オイルを使用する場合があるので、詳しくは専門の病院にお尋ねください。
犬のマッサージに関する資格はある?
犬のマッサージに関する資格は、民間資格として存在しています。
犬のマッサージに関する資格を取得したい場合は、以下のような専門校などがおすすめです。
まとめ
犬のマッサージについて解説しました。
マッサージは犬にとって気持ちがいいもので、撫でてもらうのが好きな犬も多いです。
犬の血行改善や筋肉のコリ解消などの健康効果や、飼い主さんと犬がお互いにリラックスできる効果もあります。
実際にマッサージするときは、背中や首肩、胸腹など大きい部位から始めて、余裕があるときは顔周りや肉球などの細かい部位も行いましょう。
愛犬との距離を縮めるコミュニケーションにもなるので、ぜひ今日からマッサージを取り入れてみてくださいね。