調査トピック
①飼い主さんがドッグフードを選ぶ基準で多いのは「食いつき」や「価格」、最も多い購入場所は「ホームセンター」
②愛犬に与えるドッグフードや犬用おやつのリコール情報が「出ていることを知らない」飼い主さんは72.2%、「チェックしたことがある」飼い主さんは8.2%と少ない結果に
③実際に異物混入などがあった飼い主さんは1.0%、その後製造元の対応に不満があると同じブランドのフードやおやつは購入していない
④製造元には「価格よりも人間同様に犬の健康を守るための安全性」を望む声が多数
愛犬の「ドッグフード」の主な購入先は?
■愛犬のドッグフードの主な購入先
・ホームセンター:37.3%(114人)
・ペットショップ:24.5%(75人)
・ネット通販:23.5%(72人)
・スーパーマーケット:7.5%(23人)
・動物病院:4.9%(15人)
・手作り:0.7%(2人)
・トリミングサロン:0.3%(1人)
・その他:1.3%(4人)
【「その他」の回答】※多い順に記載
知人から譲り受けた(2) / ブリーダーさんから直接購入(1) / フェア(1)
愛犬のドッグフードの主な購入先で最も多い回答は「ホームセンター」37.3%でした。
ホームセンターはドッグフードの種類が多く、さまざまな価格帯のものが販売されているため、選びやすいといったことや、日用品を買うついでに気軽に立ち寄れるといったこともあるのではないでしょうか。
また、コロナ禍においてネット通販の需要も伸びる中、重たいものを運ばなくても家まで配送してくれる一見便利そうな「ネット通販」と回答した飼い主さんが23.5%と少ないのは、送料の問題や、欲しいときにすぐに手に入らないといったことが背景にあると考えられます。
愛犬のドッグフードを選ぶ基準は?
■愛犬のドッグフードを選ぶ基準
・食いつき:190人
・価格:187人
・成分:160人
・粒の大きさ:70人
・無添加:61人
・国産:49人
・ブランド:46人
・カロリー:43人
・口コミの評判の良いもの:38人
・小分けにされている:36人
・粒の硬さ:35人
・動物性タンパク質の種類:20人
・脂質:15人
・ヒューマングレード:13人
・保存期間の長さ:13人
・その他:14人
※複数回答
【「その他」の回答】※多い順に記載
獣医師にすすめられたもの(4) / アレルギー対応(2) / 病気に合わせて(2) / グレインフリー(1) / グルテンフリー(1) / 犬種別(1) / 年齢別(1) / 購入先で食べていたもの(1) / 安くて量の多いもの(1)
愛犬のドッグフードを選ぶ基準で最も多い回答は「食いつき」190人でした。
生きていく上で食べることは大切なことですが、犬によってはドッグフードをイヤイヤして食べないこともあり、「食いつき」を重視する飼い主さんが多い結果となったのではないでしょうか。
また、「価格」も187人と多く、犬が毎日食べるものだからこそ無理なく継続していけるドッグフードを選ぶ基準にしていることが推測できます。
とは言え、安すぎるドッグフードは原材料や添加物に不安が残ることも多く、「成分」や「無添加」といったドッグフードを選ぶ基準にしている飼い主さんも少なくないことがわかりました。
犬種によるドッグフードを選ぶ基準を解析してみた
今回アンケートに協力してくれた飼い主さんの飼っている犬種の傾向を見ると、小型犬が多いことがわかります。
「食いつき」「価格」「成分」では、小型犬も中型犬も大型犬もそこまでドッグフードを選ぶ基準に変化はありませんでしたが、小型犬の飼い主さんは「無添加」や「粒の大きさ」も基準にしていることが多いようです。
小型犬は口も小さく、あまり大きな粒では食べにくいといったことや、食べる量もそこまで多く必要ではなく、1ヶ月に消費するドッグフードの量が少ないため価格が高くなっても無添加のドッグフードを選びやすいといったことが考えられます。
アンケートに協力してくれた飼い主さんの飼っている犬種一覧
【協力してくれた飼い主さんの飼っている犬種一覧】※多い順に記載
柴犬(38) / チワワ(38) / トイ・プードル(36) / ミニチュア・ダックスフンド(29) / 雑種(28) / MIX犬(21) / ポメラニアン(14) / シー・ズー(14) / パピヨン(14) / ゴールデン・レトリバー(12) / ヨークシャー・テリア(9) / ビーグル(8) / ウェルッシュ・コーギー(6) / キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(6) / パグ(6) / ボーダー・コリー(5) / ラブラドール・レトリバー(5) / マルチーズ(4) / フレンチ・ブルドッグ(4) / ジャーマン・シェパード(3) / ミニチュア・シュナウザー(3) / ミニチュア・ピンシャー(3) / シェットランド・シープ・ドッグ(2) / バーニーズ・マウンテン・ドッグ(2) / アメリカン・コッカー・スパニエル(1) / イングリッシュ・コッカー・スパニエル(1) / イングリッシュ・セッター(1) / ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(1) / スコティッシュ・テリア(1) / 日本スピッツ(1) / ドーベルマン(1) / ドゴ・アルヘンティーノ(1) / ペキニーズ(1) / ワイヤー・フォックス・テリア(1) / 甲斐犬(1) / 不明(1)
愛犬の「犬用おやつ」の主な購入先は?
■愛犬の犬用おやつの主な購入先
・ホームセンター:42.8%(131人)
・ペットショップ:26.7%(82人)
・ネット通販:13.7%(42人)
・スーパーマーケット:8.5%(26人)
・おやつはあげていない:4.6%(14人)
・動物病院:2.0%(6人)
・手作り:1.0%(3人)
・トリミングサロン:0.7%(2人)
犬用おやつの主な購入先で最も多い回答は「ホームセンター」42.8%でした。
ドッグフードの購入先で最も多かったのも「ホームセンター」ですが、ホームセンターの犬用品売り場の品揃えの豊富さは目を見張るものがあります。
さまざまな種類の犬用おやつを選ぶことができたり、少量を購入することができるといった利便性の良さが関係していると推測できます。
愛犬のドッグフードや犬用おやつのリコール情報はチェックしてる?
■ドッグフードや犬用おやつのリコール情報について
・リコール情報がサイトに出ていることを知らなかった:72.2%(221人)
・そういったサイトがあるのは知っているがチェックをしたことはない:19.6%(60人)
・リコール情報をチェックしたことがある:8.2%(25人)
愛犬に与えているドッグフードや犬用おやつのリコール情報について最も多い回答は「リコール情報がサイトに出ていることを知らなかった」72.2%でした。
これは、ドッグフードや犬用おやつのリコール情報はあまり公表されないため、自らがインターネットで検索しなければ目にすることはほとんどないことが関係していると考えられます。
人間の食品で問題が発生すればテレビなどのメディアが取り上げたり、製造元がCMや新聞などで公表しますが、ドッグフードや犬用おやつはよっぽど問題がない限りニュースになることはありませんね。
ドッグフードや犬用おやつのリコール情報はとても多く、知らず知らずのうちに問題のあったドッグフードや犬用おやつを愛犬に与えている飼い主さんも多いことが推測されるため、もっと公にしてもらいたいものです。
ドッグフードや犬用おやつに異物混入などがあったと見たり聞いたりしたことは?
■ドッグフードや犬用おやつに異物混入などがあったと見たり聞いたりした飼い主さんの割合
・ない:79.7%(244人)
・ある:20.3%(62人)
ドッグフードや犬用おやつに異物混入などがあったと見たり聞いたりしたことが「ない」と回答した飼い主さんは79.7%でした。
一方で、「ある」と回答した飼い主さんが20.3%もいることから、ドッグフードや犬用おやつの異物混入などの問題は他人事ではないのかもしれません。
SNSが普及した現在では、どんな異物が混入していたか、どんな状態であるかの画像がさまざまなSNSに投稿され、実際に見たり聞いたりする機会が増えたからだと推測できます。
実際に愛犬のドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどのトラブルは?
■実際に愛犬のドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどの経験がある飼い主さんの割合
・ない:99.0%(303人)
・ある:1.0%(3人)
実際に愛犬のドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどの経験が「ある」と回答した飼い主さんは1.0%でした。
「ない」と回答した飼い主さんは99.0%と多いですが、単純に100人に1人は異物混入やカビなどの問題があってもおかしくはない割合は決して楽観視できるものではありません。
犬は言葉を話すことはできない上、人間のように口の中できちんと咀嚼して食べるわけではないため、気づかずに食べてしまうことも考えられます。
製造元も細心の注意を払って製造しているとはいえ、人間の食品でさえ異物混入などの問題が度々あることを考えれば、ドッグフードや犬用おやつにもそういったことが起こっても不思議ではないということでしょう。
ドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどがあったら販売元・製造元に連絡する?
■異物混入やカビなどがあったら販売元・製造元に連絡する飼い主さんの割合
・まだそういったことはないが連絡すると思う:84.0%(257人)
・まだそういったことはないが連絡はしないと思う:15.0%(46人)
・実際に異物混入などで連絡したことがある:1.0%(3人)
・実際に異物混入などがあったが連絡はしていない:0%(0人)
異物混入やカビなどがあったら販売元・製造元に「連絡すると思う」と回答した飼い主さんは84.0%でした。
「実際に異物混入などで連絡したことがある」と回答した1.0%の飼い主さんと合わせれば、85.0%の飼い主さんは販売元・製造元に連絡をするようです。
しかし、「連絡はしないと思う」と回答した飼い主さんが15.0%いることから、ドッグフードや犬用おやつに何か問題があっても製造元が気づかず販売を続けるといったことも考えられます。
みなさんどうしてそう思ったのでしょうか。それぞれの実際のコメントをご紹介します。
「ほかの犬にも関係する」「安全性を見直してほしい」から連絡する!
■「実際に連絡したことがある」と回答した飼い主さんの実際のコメント
「入っていた異物が何なのか気になったのと、他の商品にも同じ異物が入っているのでは?と思い販売元へ連絡しました」(女性 / 40代 / 雑種飼い主)
「食べさせてしまった後に気づき、犬の体調面に影響が出たら困ると思ったからです」(女性 / 20代 / ポメラニアン飼い主)
「最初は連絡しないでおこうと思ってましたが、知人に話したらほかのわんこや飼い主さんのためにも連絡したほうがいいと言われて、その通りだと思い連絡しました」(女性 / 40代 / ミニチュアダックス飼い主)
実際に異物混入やカビなどの問題があった飼い主さんでは、ほかのドッグフードや犬用おやつにも問題があった場合や、愛犬の体を心配して連絡をしたようです。
確かに、ドッグフードや犬用おやつは製造ラインで作られていることが多いため、同じ製造ラインで作られたドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビがあっても不思議ではありませんね。
■「連絡すると思う」と回答した飼い主さんの実際のコメント
「愛犬の健康にかかわることだから。他のものも可能性があるなら商品回収などが必要だと思うから」(女性 / 20代 / パピヨン飼い主)
「そのフードを食べている犬のオーナーさんに知ってもらいたい、メーカーに伝えて原因や異物の安全性について調査してほしいからです」(女性 / 30代 / ポメラニアン飼い主)
「今後の対策にしてほしいので連絡します。また、何が原因で問題があったのかも明確にしてほしいです」(女性 / 30代 / チワワ飼い主)
「例えばスーパーで買ったスナック菓子に異物が混入していたら絶対に連絡する。家族同然のペットに対しても、当然同じように対応する」(男性 / 30代 / 柴犬飼い主)
「人間が食べる物と同様に大切な愛犬が口にする物に異物混入などがあったら大問題。どうしてそのような事が起きたのかきちんと説明してほしいし今後の対策も確認したいので」(女性 / 30代 / ゴールデン飼い主)
もしドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどの問題があったら、愛犬だけでなくほかの犬の健康にも関係するから連絡をするという飼い主さんが多く見られました。
そもそも、ドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどといったことはあってはいけないことで、頻繁に遭遇するようなことはありませんが、何が原因でどうしてそうなったのかは製造元にもしっかり考えてもらいたいです。
「面倒くさい」「次に同じものを買わなければいいだけ」だから連絡はしない!
■「連絡しないと思う」と回答した飼い主さんの実際のコメント
「そこまで高価なものでもないし、わざわざ連絡するのが手間。買ってからの管理は自分の責任だと思うから自分の管理がきちんと出来てなかったんだなと思う」(女性 / 30代 / チワワ飼い主)
「購入しているフードやおやつは高額なものではないので、多分、次回からその商品を買わないようにするだけで、販売元や製造元には連絡しないと思います」(男性 / 60代以上 / コーギー飼い主)
「ネット通販なので言っても仕方ないと思います」(男性 / 50代 / 雑種飼い主)
「連絡を入れた方が良いとは思うのだが、フードなどは購入イコールすぐに使用するものなので、連絡するのは手間暇がかかってメンドクサイ」(女性 / 40代 / パピヨン飼い主)
「捨てたらいいだけなので、特に連絡はしないです」(女性 /20代 / トイプー飼い主)
「連絡をしないと思う」と回答した飼い主さんでは、もしドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどの問題があっても、連絡をするのが面倒だと感じているようです。
確かに、わざわざ連絡して購入したドッグフードや犬用おやつを指定された場所に送って…と考えると手間暇がかかり、更に購入したドッグフードや犬用おやつの金額が高額でなければ諦めてしまう飼い主さんも多いのかもしれません。
しかしこれは、今回のアンケートではドッグフードや犬用おやつの異物混入やカビなどを実際に経験した飼い主さんは3人でしたが、日本全体で見れば連絡をしないだけでそういった経験をしている飼い主さんが多かれ少なかれいるということが浮き彫りになったのではないでしょうか。
実際にドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビがあったら販売元・製造元の対応は?
■飼い主さんの実際のコメント
「製造ラインで異物が混入したとみられるといった内容の回答と謝罪文、問い合わせた同商品の新品一袋が送られてきました」(女性 / 20代 / ポメラニアン飼い主)
「こちらの話を親身になって聞く様子ではありませんでした。製造元での混入との事だったが、早口で捲し立てる様な、こちらの意見を一切聞かない様子で電話口で一気に理由を話してくれました」(女性 / 40代 / 雑種飼い主)
「○○は代表の方からすぐに連絡がきて、異物の調査も第三者機関で行い、調査結果もきちんと教えてくれてとても良い対応でした。なので安心して今も続けています。○○は無添加だし、袋詰め工程でたまに穴が開くことがあると言われ交換品を送ってくれましたが、それにもカビが生えていました。それをまた連絡すると、お金を返すから口座を教えてほしいとメールがきて、返金よりも製造工程を見直してほしいとメールするとそれ以降連絡はこなくなってしまいました」(女性 / 40代 / ミニチュアダックス飼い主)
※商品名は伏せています
実際にドッグフードや犬用おやつの異物混入やカビなどの問題があった飼い主さんは、製造元の対応に不満を感じているようです。
誠実な対応を見せた1社に関しては飼い主さんも満足して続けているとのことですが、不誠実な対応や飼い主さんの気持ちを無視した一方的な対応は、不満が募るだけで製造元の信用も失われるのかもしれません。
ドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどがあったら愛犬のフードやおやつを変更する?
■異物混入やカビなどがあったらドッグフードや犬用おやつを変更する飼い主さんの割合
・同じブランドは買わないようにすると思う:80.7%(247人)
・変更はせず同じものを与えると思う:16.0%(49人)
・手作りにすると思う:2.3%(7人)
・実際に経験してから同じブランドは買わないようになった:1.0%(3人)
異物混入やカビなどがあったらドッグフードや犬用おやつを変更するかについて最も多い回答は「同じブランドは買わないようにすると思う」80.7%でした。
やはり異物混入やカビなどがあった場合は、製造元に対して不信感が生まれるのかもしれません。
実際に経験した飼い主さんも、「同じブランドは買わないようになった」と回答していることがそれを裏付けているのではないでしょうか。
しかし、「変更はせずに同じものを与えると思う」と回答した飼い主さんも16.0%おり、どうしてそう思うのでしょうか。
みなさんのそれぞれのコメントをご紹介します。
「信用できない」「また同じことがあると思ってしまう」から変更する!
■「実際に異物混入やカビなどがあって変更した」と回答した飼い主さんのコメント
「ずさんな管理をしているイメージがついたので、怖くなり変更しました」(女性 / 40代 / 雑種飼い主)
「同じロット番号の製品でそういった問い合わせが他には無いといった理由から健康被害等に関した問い合わせに関する回答が特に得られず、対応に不安が残ったからです」(女性 / 20代 / ポメラニアン飼い主)
「企業の対応が明暗を分けると思います。誠意を持ってきちんと対応してくれればいいですが、まるでクレーマーのように思われ、いい加減な対応をされたら信用できません」(女性 / 40代 / ミニチュアダックス飼い主)
実際にドッグフードや犬用おやつで異物混入やカビなどを経験した飼い主さんでは、製造元の対応に不信感を覚えて同じブランドのドッグフードや犬用おやつは購入していないようです。
■「まだそういった経験はないが変更すると思う」と回答した飼い主さんのコメント
「製造の杜撰さ、適当さというのは企業の体質から生まれるのかなと思います。そうそう信用できません」(男性 / 30代 / トイプー飼い主)
「人間の世界でも異物混入や食品偽装は信用問題になりますが、ペットフードでもそれは同じだと思います。一度信用を失った場合はもうしばらく買いません。企業が改善策を施して絶対に大丈夫という信用や信頼が戻ったときはもう一度考え直しますが、安全が確保されるまでは私としてはしばらく買わないでおこうと考えています」(男性 / 40代 / MIX犬飼い主)
「工場や製造元の管理に問題がありそうで信用出来ないから。犬は身体も小さくて少しのことに影響を受けてしまうので、無理してそこの商品を買う必要もないと思うので」(女性 / 30代 / ヨーキー飼い主)
「すぐに同じブランドを買うことはやっぱり不安なのでできない。また同じことがあるんじゃないかと思ってしまう」(女性 / 30代 / コーギー飼い主)
「ドッグフードやおやつは沢山種類があるので別の商品を試すいい機会だと思って買う」(男性 / 30代 / 柴犬飼い主)
1度何か問題があると、また同じことが起こるのではないかと不安に思う飼い主さんが多く見られました。
愛犬が普段食べ慣れているものを変更するのは抵抗がある飼い主さんも少なくありませんが、それよりも愛犬の健康を考えるようです。
「気に入ってるブランドだから」「面倒」だから変更はしない!
■「変更はせず同じものを与えると思う」と回答した飼い主さんの実際のコメント
「余程のことがなければ変更はしないと思います。飼い主基準で変更するのはペットが可哀想なので」(女性 / 20代 / ポメラニアン飼い主)
「異物混入・カビなどの原因が解明され、適切に対応されればそれで良いと考えるから」(女性 / 20代 / ボーダーコリー飼い主)
「好き嫌いが激しく、気に入ったブランドのものしか食べないので変更はしないと思うから」(女性 / 30代 / パピヨン飼い主)
「今のブランドでないとお腹を壊す」(女性 / 40代 / 柴犬飼い主)
「基本、犬が大好物なものを与えていたので、また食いつきがよいフードやおやつを探すのが面倒だから」(女性 / 30代 / ヨーキー飼い主)
愛犬が食べてくれているものを変更したくないという飼い主さんが多く、「ドッグフードの切り替えや食べてくれるドッグフードをまた一から探すのが面倒」といったコメントが多く見られました。
どんなドッグフードでも食べてくれる犬もいますが、犬によっては慣れないドッグフードでお腹を壊してしまったり、まったく食べてくれないということもあります。
そういった点で、変更するよりは同じものを与えたほうがいいと考えているのかもしれません。
「安心で確実」だから手作りにすると思う!
■「手作りにすると思う」と回答した飼い主さんのコメント
「手作りであれば原材料が明確で、愛犬に安心して与えられます。一度でも危ない思いをしたら売られているものに抵抗を感じると思います」(女性 / 30代 / ゴールデン飼い主)
「元々ドッグフードと半々にしていたこともあるし、手作りであれば一番安心だから」(女性 / 40代 / アメリカンコッカー飼い主)
「完全なものを食べさせたいので、自分で作るのならば材料もわかるし品質管理がしやすいから」(女性 / 50代 / ワイヤーフォックス飼い主)
ドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどの問題があったら、「手作りにすると思う」と回答した飼い主さんでは、「自分で作ったほうが安心」とみなさんコメントしていました。
食材を自分で選んで購入することができ、調理も自分で行うため安心感という意味では手作りごはんや手作りおやつに勝るものはないでしょう。
しかし、犬が1日に必要な栄養素を考慮して作ることはとても難しく、犬の栄養学をしっかり学ばなければ全てを手作りにするというのはハードルが高いため、みなさんのコメントからも「手作りにすると思う」と回答した飼い主さんが少なかったことがわかりました。
ドッグフードや犬用おやつに関して製造元に望むこと
■飼い主さんが製造元に望むことで多かったもの
・危険な添加物を使用しないでほしい
・無添加なものを増やしてほしい
・原材料の産地を明確にしてほしい
・中国産の食材は使用しないでほしい
・高くなってもいいから安心できる食材を使用してほしい
・人間同様の品質管理
・人間が食べれるレベルのドッグフードや犬用おやつ
飼い主さんが愛犬に与えるドッグフードや犬用おやつに関して、人間の食品であれば当然守られているであろうことや、当たり前のことを製造元に望んでいるようです。
ドッグフードや犬用おやつの安全基準は設けられていますが、その基準が低いことを危惧する声もありました。みなさんの実際のコメントをご紹介します。
ドッグフードや犬用おやつに関して製造元に望むことの実際のコメント
■飼い主さんの実際のコメント
「異物混入などがあったとき、人間の食品と同じようにCMなどで大々的に知らせてほしい。ドライフードなど長く保存できるのはありがたいが、人間が食べても大丈夫位な添加物に留めておいてほしい」(女性 / 30代 / 雑種飼い主)
「人が食べる食品を製造するのと同じ責任感で、ペットフードも製造して下さい」(女性 / 50代 / 柴犬飼い主)
「ペットだからまあコレくらいいいだろうと思わず、少しでも危険性がある物は使用しないでほしい。きちんとしてくれるならば、高めについても良い」(女性 / 40代 / パピヨン飼い主)
「原材料の仕入先を表記する。犬の肉を加工して作ったペットフードの海外ニュースを見たことがあるので、産地、特に国産か否かには気を配っている」(男性 / 30代 / 柴犬飼い主)
「近年スーパーで野菜、お肉の生産者の顔、思いが表記されているのをよく見ますが、ドッグフードも作った人の顔が見られるようにしてほしいです。ただ栄養を考えるだけでなく、ワンちゃんのことをどれだけ考えて作ってくれているかが分かるともっと安心して手に取れると思います」(女性 / 30代 / ゴールデン飼い主)
「いい加減質の悪いゴミみたいなドッグフードを販売するのをやめてほしい」(男性 / 30代 / ビーグル飼い主)
そのほかの製造元に望むことのコメントはこちら
「危険な添加物は入れないで欲しい。人間より小さい体。体調の変化をしゃべって伝えられない。気づいたときには遅いから。そうならないように、人間のもの以上に安全なものにしてほしい」(女性 / 20代 / トイプー飼い主)
「品質としてはアメリカ食品医薬品局(FDA)の基準を満たして欲しいですし、できるだけ中国製の野菜や穀物、肉などは使用して欲しくありません。人間が食べても安全なほど品質を高めて欲しいです」(男性 / 40代 / MIX犬飼い主)
「おやつに関しては着色料が使われていたり、塩や砂糖が入っていたりするので、自然食材で作って欲しい。特に着色料は犬が色で美味しそうとか判断するわけではないので必要さが感じられません」(女性 / 20代 / ラブラドール飼い主)
「最近は少しずつ増えてきていますが、人が食べられるレベルのフードにこだわってほしいです」(男性 / 40代 / チワワ飼い主)
「犬のための健康で長生きしてくれる栄養管理が整ったご飯を作り続けてほしいです。価格の問題も飼い主にとっては大事ですが食べるのは犬です。質と健康とおいしさにこだわった価格でお願いしたいです。正直たくさんメーカーでてる中で選ぶのは大変です。国産だからとは思ってないです。ほんとにたくさんの中から選ぶのって大変です。アレルギーの出やすい犬種の飼い主は悩むばかりです」(女性 / 40代 / スコティッシュ飼い主)
「愛犬家は食べ物を信用して購入していますので、裏切るようなことはしないでください」(男性 / 50代 / ミニピン飼い主)
「犬の健康のことを考えてくれるのであれば、どんなものでもいいと思う。とにかく安く、犬の腹が膨れればいいだろうというものでは犬が可哀そうすぎる。無添加なものが好ましいが、そうするとそれこそカビが生えやすくなるだろうし、しょうがないことも分かるので、犬に優しい気持ちで作ってくれればいいなとだけ思う」(女性 / 30代 / トイプー飼い主)
「犬の食べ物だからといって、人間の食べ物ほど管理や作る過程が甘いのかもしれないが、命の重さを感じて欲しい」(女性 / 60代以上 / MIX犬飼い主)
どの飼い主さんも愛犬のことを考え、安全で安心できるドッグフードや犬用おやつを製造してほしいと望んでいるようです。
販売価格に関して、「高くなってもいい~」「多少高くても~」といったコメントも多く見られ、販売価格を安くしてほしいといったコメントは1つもありませんでした。
ドッグフードや犬用おやつを製造する企業は、飼い主さんの負担を考えて安く提供できるように原材料などを調整しているのかもしれませんが、愛犬の健康意識が高まってきた現在では、「安さ」よりも「安全で安心」なドッグフードや犬用おやつが求められているようです。
今回のアンケート内容
【アンケート調査概要】
・アンケート内容:ドッグフードや犬用おやつに関するアンケート
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:10代~60代以上の全国の犬の飼い主さん306名(男性86名 / 女性220名)
・アンケート実施期間:2021年9月3日~9月4日
アンケート回答者の属性はこちら
■飼い主さんの性別と年代
【女性:220人】
・10代:4人
・20代:68人
・30代:76人
・40代:44人
・50代:25人
・60代~:3人
【男性:86人】
・20代:11人
・30代:28人
・40代:25人
・50代:14人
・60代~:8人
【アンケート項目】
Q1:わんちゃんの犬種を教えてください
Q2:ドッグフードの主な購入先はどこですか?
Q3:ドッグフードは何を基準に選んでいますか?
Q4:犬用おやつの主な購入先はどこですか?
Q5:ドッグフードや犬用おやつに異物混入などがあったという話を見たり聞いたりしたことはありますか?
Q6:愛犬に与えているドッグフードやおやつのリコール情報をサイトなどでチェックしたことはありますか?
Q7:実際に購入したドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビが生えていたなどのことはありますか?
Q8:ドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビが生えていたなどのことがあったら販売元や製造元に連絡しますか?
Q9:実際に異物混入などで連絡した人は販売元・製造元からどんな対応をされましたか?
Q10:異物混入などがあったら、その後フードやおやつを変更しますか?
Q11:ドッグフードや犬用おやつに関して、製造元に望むことがあれば教えてください
まとめ
・ドッグフードや犬用おやつの主な購入先は「ホームセンター」が多い
・ドッグフードを選ぶ基準は「食いつき」が6割以上
・ドッグフードや犬用おやつのリコール情報が出ていることを知らない飼い主さんは7割以上
・実際にドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビが生えていたなどの経験がある飼い主さんは100人に1人の割合
・ドッグフードや犬用おやつの製造元に望むことは「人間同様の食品の安全性」
さまざまなドッグフードや犬用おやつが販売されており、その種類は年々増えています。15歳未満の子供の数よりもペットのほうが多い時代ですから、需要を考えればそれも当然のこと。
しかし、ドッグフードや犬用おやつの安全基準は決められている(※1)とはいえ製造工程の基準は曖昧で、ドッグフードや犬用おやつに異物混入やカビなどといった問題は知らないだけで珍しいことではありません。(※2)
愛犬の健康意識が高まる今、ドッグフードや犬用おやつの原材料や添加物、製造工場にこだわる企業も増え、安全で安心できるドッグフードや犬用おやつを製造してくれていますが、日本国内のみならず海外のすべての企業がそうであるとは言い切れないのが現状です。
すべてのドッグフードや犬用おやつを製造する企業が愛犬の健康を第一に考え、人間同様の品質管理を行ってくれる日がくるといいですね。
(※1)参考:環境省「ペットフード安全基準規格等」
(※2)参考:リコールプラス「ペット用品の回収、自主回収」
執筆者
- ペットライター
-
たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー