さまざまなことわざがありますが、犬にまつわることわざをいくつ知っていますか?
ことわざができたのは奈良時代と考えられており、昔の知恵や教訓、皮肉などを簡潔に表せることわざは何百年にも渡って使用されていると考えたら、凄いことですね!
そこで今回は、犬にまつわる日本のことわざや世界のことわざ、犬をリスペクトしたことわざなど、豆知識も交えてご紹介します。
さまざまなことわざがありますが、犬にまつわることわざをいくつ知っていますか?
ことわざができたのは奈良時代と考えられており、昔の知恵や教訓、皮肉などを簡潔に表せることわざは何百年にも渡って使用されていると考えたら、凄いことですね!
そこで今回は、犬にまつわる日本のことわざや世界のことわざ、犬をリスペクトしたことわざなど、豆知識も交えてご紹介します。
目次
犬にまつわることわざはたくさんありますが、よく耳にすることわざをまとめてみました。どんな背景があるのか考えながら見ると、その意味も理解しやすいでしょう。
読み方 | いぬにろんご |
意味 | どれだけ道理を説いて聞かせても何の効果もなく無駄なこと。 |
背景 | 論語は孔子の言論や弟子との問答を、孔子の死後に書き記したもの。内容がとても難しく、 教養がない人には理解できなかったことから、犬にたとえた |
類義語 | 馬の耳に念仏 |
読み方 | うちのまえのやせいぬ |
意味 | 力がないのに後ろ盾があると強がる人のこと |
背景 | 痩せていて弱そうな犬も飼い主の家の前では強気になるから |
類義語 | 内弁慶に外地蔵、虎の威を借る狐 |
読み方 | いぬもあるけばぼうにあたる |
意味 | ①何かをしようとすると思いがけない災難にあうこと ②行動することで思わぬ幸運にあうこと |
背景 | 犬がウロウロと出歩くことで、人に棒で叩かれることがあるということ |
類義語 | 歩く足には泥がつく、触らぬ神に祟りなし |
読み方 | おをふるいぬはたたかれず |
意味 | 素直で愛想のいい人は得をするということ |
背景 | しっぽを振って懐いてくる犬に対して、叩く気にはならないということ |
類義語 | 怒れる拳笑顔に当たらず、袖の下に回る子は打たれぬ |
読み方 | かいいぬにてをかまれる |
意味 | かわいがったり面倒を見てきた人から攻撃されたり裏切られること |
背景 | 自分が可愛がっている飼い犬に手を噛まれたことがそのままことわざになっている |
類義語 | 恩を仇で返す |
読み方 | まけいぬのとおぼえ |
意味 | 面と向かって言えないが隠れて悪口を言ったり、陰でこそこそと威張ったり強がること |
背景 | ケンカに負けた犬が遠くまで逃げてから吠えたり、遠くから人間や犬に対して威嚇して吠えることが由来 |
類義語 | 犬の遠吠え |
読み方 | けんえんのなか |
意味 | とても仲が悪いこと |
背景 | 干支の順番や猟で猿が犬を威嚇した、仲良しだったが熊を前に猿が 犬をおいて逃げ出した、性質の違いなどさまざまなエピソードがある |
類義語 | 水と油 |
読み方 | じまんのくそはいぬもくわぬ |
意味 | 自慢する人は嫌われて誰にも相手にされないこと |
背景 | 糞を嗅ぎまわる犬でも、自慢する人間の糞は避けるというた例え |
類義語 | 自慢は知恵の行き止まり |
読み方 | たのむとたのまれてはいぬもきへのぼる |
意味 | できないことでも何としてもやってみようという気持ちになること |
背景 | 木登りができない犬も、飼い主に頼まれたら木に登ろうという気持ちになる例え |
類義語 | 頼めば越後から米搗きにも来る |
読み方 | たびのいぬがおをすぼめる |
意味 | 家の中では威張っていたり威勢がいいが、外に出ると大人しくなってしまうこと |
背景 | 犬は自分の縄張りを出ると、しっぽをすぼめて小さくなってしまうことの例え |
類義語 | 我が門で吠えぬ犬なし |
読み方 | ふうふげんかはいぬもくわない |
意味 | ささいなことが原因ですぐに仲直りするから仲裁する必要がないこと |
背景 | 何でも食べる犬が食べない(価値がない)のだから放っておくのがいいという例え |
類義語 | 痴話喧嘩は犬も食わぬ |
読み方 | ほえるいぬはかみつかぬ |
意味 | 強がったり威張る人ほど実力がないということ |
背景 | よく吠える犬ほど噛みつく勇気がないことが由来。比較的新しいことわざ |
類義語 | 鳴く猫は鼠をとらぬ |
ことわざは日本のみならず世界中で使用されており、その意味も似たようなものが多いです。
ここでは、イギリスやアメリカで使用されている犬にまつわることわざをご紹介します。
吠える犬はめったに噛まない
日本のことわざ「吠える犬は嚙みつかぬ」と同じ意味で、口先だけの人は実力や実行力が伴わないという例えです。
雨が激しく降る
嵐などによって屋根に登っていた動物が落下する、犬と猫の組み合わせが激しい様子を表すなど、さまざまな諸説があります。
眠っている犬は寝かせておけ
日本のことわざにある「寝た子を起こすな」と同じ意味で、おさまっていることを余計なことをして問題を起こさないほうがいいという例えです。
老いたる犬に新しい芸を教えることはできない
日本のことわざにある「矯めるなら若木のうち」「老い木は曲がらぬ」と同じ意味で、成長してからでは間に合わないことを指し、幼い頃から教育しておいたほうがいいという例えです。
どんな犬にも良い日はある
どんな人にも良いことが起こるときがあるという意味で、現在のように犬が家族として扱われていない時代に創られたことわざです。
ことわざや慣用句、故事成語などさまざまな言葉がありますが、この違いに明確な境界はありません。
しかし、ある程度の区分をすることはできるので簡単にご説明します。
慣用句とは、2つ以上の言葉を合わせることで元の意味とは異なるものです。
犬にまつわる慣用句では、以下のようなものがあります。
故事成語とは、昔の出来事が元になってできた言葉で、一つ一つに由来となるストーリーがあり、故事成語の多くが中国の古典に書かれているものです。
犬にまつわる故事成語には、以下のようなものがあります。
犬にまつわることわざの多くが、悪い意味で使われていることに気づいた人もいるのではないでしょうか。
犬のことわざはなぜ悪い意味が多いのか、犬をリスペクトしたことわざと合わせてご紹介します。
そもそもことわざとは、教訓や知恵、皮肉などを簡潔に表した言葉で、世代から世代に言い伝えられてきたものです。
日本でことわざが初めて記録されたのは「古事記」の中ということを考えれば、奈良時代にはことわざができ始めたということでしょう。そこからどんどんことわざは広まり、江戸時代に最も盛んに創られ、使われたそうです。(※)
江戸時代といえば、犬は放し飼いがほとんどでした。そこに徳川綱吉が制定した「生類憐みの令」によって多くの保護規定ができ、犬に噛みつかれて怒った人が犬を斬り殺すと切腹を命じられたり、子供でも流罪(辺境や島に送る追放刑)になるなど。
そんな状況なので犬に近づく人がいなくなり、餌をやる人もいなくなったことで野良犬が増えてしまったのです。対策としてあちこちに野良犬のための犬小屋を設けて収容したものの、年間の餌代が現在のお金に換算すると数十億円かかり、それらが税金として超注されるなど、犬に対するイメージは最悪だったようです。
そんな中で創られたことから、犬に対する皮肉も込めて悪い意味を持つことわざが多くなったのかもしれません。
昔の風習や出来事で創られたことわざがそのまま継承されたため、時代が変わった今も使われているのです。
(※)参考:日本ことわざ文化学会「ことわざの世界へようこそ。」
犬にまつわることわざは、悪い意味を持つことわざが多いですが、中には犬をリスペクトしたものもあります。
日本のことわざでは、
などがありますが、イギリスやアメリカなど海外のことわざでは、
といったものがあります。
更に、イギリスでは、
子供が生まれたら犬を飼いなさい。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供が青年になった時、 自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。
という長いことわざもあり、このことわざは「犬の十戒」と同様に多くの飼い主さんの心に響くものとなっています。
日本だけでなく世界中でも犬のことわざは悪いものが多いですが、犬を家族の一員や友人として扱う海外のペット先進国では、犬をリスペクトしたことわざが多い傾向にありました。
犬にまつわることわざは、書籍や映画にも使用されています。ここでは、ちょっと変わった面白い書籍や映画をご紹介!
画像
犬にまつわることわざはたくさんありますが、犬にまつわらないことわざの一語を「犬」に置き換えている犬愛溢れる創作ことわざの本です。著者は『盲導犬クイールの一生』を描いた石黒謙吾さん。
もともとことわざは自然にできたもので、アレンジなどが加えられて進化しているので、こういうことわざも今後できてくるかもしれません。
例えば、「一寸先は闇」を「一寸先は犬」に変えてみたら…?考えるだけでクスっとしてしまいますね。さまざまな創作ことわざが出てきて、その解説も面白かったり考えさせられるものだったりと、犬好きさんもそうでない人も、ぜひ読んでほしいおすすめの本です。
2022年9月に公開された日本映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、香取慎吾さん主演の夫婦喧嘩を題材にしたブラックコメディ映画です。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」ということわざにもあるように、たいていの夫婦喧嘩は些細なことが原因ですぐに仲直りするものですが、その夫婦喧嘩が夫婦喧嘩でなくなってしまったら…?
実際にありそうな内容は、夫婦関係のあり方を絶妙に描いた作品で、ことわざからタイトルを取っていることも「上手い」と評判なので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
犬にまつわることわざは悪い意味を持つものが多いですが、歴史を知ると納得できますね。
しかし、犬をリスペクトしたことわざは、犬ならではの素晴らしいものばかり!
さまざまな犬にまつわることわざを、普段の会話にさりげなく取り入れてみてはいかがでしょうか。
執筆者
18歳のチワックスと1歳のチワックス、ポメチワ、0歳のチワックスの4匹と暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。
【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格】