犬の保護活動をしている7名の芸能人
日本にはおよそ300以上の動物保護団体があり、日々、犬や猫の命を守るために活動しています。
その中から芸能人が活躍している団体やプロジェクトをご紹介しますので、気になる活動があればぜひチェックしてみてください。
杉本彩|公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長
東日本大震災で被災した保護猫10匹と、3頭の犬と暮らしているという杉本彩さん。保護活動を始めたきっかけは、ドラマの撮影所で怪我をした子猫に出会い、看病し、譲渡した経験からだそう。
都内のペットショップの中には、店内で杉本さんの団体のPVを流しているお店もあるほど、動物愛護に積極的に取り組んでいる女優さんとして有名です。
犬や猫だけでなく、家畜や実験動物のための活動も行っています。2009年には、リアルファーの反対を訴えるために「毛皮?裸でいいわ!」というヌードポスターを撮影!
多くの動物たちの命を守るために全国を駆け回っています。
主な活動内容 |
・里親会を定期開催
・全国で講演や催事の開催
・国や地方自治体への働きかけ
など |
公式サイト |
eva.or.jp |
滝川クリステル|一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル 代表理事
東日本大震災で被災したラブラドールのアリスちゃんを飼っている滝川クリステルさん。
アリスちゃんは滝川さんと一緒にCMや雑誌など様々なメディアにも登場しています。
滝川さんは昔から犬を飼っていたこともあり、以前から殺処分の問題が気になっていたそうで、2014年に財団を設立。
殺処分ゼロに向けた取り組みの他、アナウンサーの仕事を通して学んだ野生動物の生態系の危機に関してもサポート活動を行っています。
SEKAINO OWARI|動物殺処分ゼロプロジェクト活動支援「ブレーメン」
個性的で斬新な世界観が魅力のアーティストSEKAINO OWARIも、日本の殺処分の現状を知り、2016年に動物殺処分ゼロプロジェクト活動支援「ブレーメン」を始動させています。
SEKAINO OWARIらしいメルヘンなデザインの「ブレーメン」公式サイトでは、活動内容がWEB絵本として分かりやすく紹介されています。
そのため、「保護犬活動って難しそう」「とっつきにくい」と感じていた方も抵抗なく参加できるはずですよ。
特に、2016年に発売された「Hey Ho」という支援ソングは、カラオケで歌うだけでも著作権使用料が支援に充てられるので要チェックです!
ローラ|UNIプロジェクト
保護されたコを含む犬2頭、猫4匹とロサンゼルスで暮らすローラさん。
生活の拠点を動物愛護先進国に移したことで、犬や猫の殺処分に関心を持つようになったそうです。
これまでも滝川クリステルさんの活動に賛同しサポーターとして活躍していましたが、自分でも何かできることをと「UNIプロジェクト」を開始しました。
「UNIプロジェクト」は、Instagramの専用アカウントで、日本にいる保護犬・保護猫の里親募集の呼びかけをしています。
使用している写真はローラさん自らが写真に可愛く装飾したものだそうですよ!
浅田 美代子|Tier Love(ティア・ラブ) 実行委員会代表
動物愛護法の法改正を求めた署名運同や、犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟にも参加している女優・浅田美代子さん。
1匹でも多く引き取りたいという気持ちから、現在は4頭の保護犬と暮らしているそうです。
可愛い保護犬たちが日々殺処分されているという現状が許せず、様々な取り組みを行っています。
浅田さんが代表を務める「Tier Love」は、誰でも気軽に参加できるラフな雰囲気が魅力の団体です。
保護活動だと身構えず、ボランティアを生活の一部として自然に行えるような、楽しく共感できるイベントなどを開催しています。
主な活動内容 |
・イベント、チャリティオークション、オンラインショップを開催
・収益を愛護団体へ寄付
など |
公式サイト |
tierlove.jp |
その他
・デヴィ夫人
動物保護団体アニマルレフュージ、通称アークのメンバーとして支援活動を行う。
公式サイト:動物保護団体アニマルレフュージ
・仲里依紗
NPO法人WAMPERSのチャリティグッズ購入や保護猫を引き取るなどの活動を行う。親子でチャリティTシャツを着た姿をSNSにアップし話題を呼んだ。
公式サイト:WAMPERS
日本の年間殺処分数は?
多くの芸能人が日本の殺処分の現状に衝撃を受けたことをきっかけに保護活動を開始していました。
そこで、ここでは環境省の統計資料※1をもとに、実際の殺処分数を数字で見ていくことにしましょう。
・日本の犬の殺処分数推移
・殺処分の多い都道府県
・殺処分の少ない都道府県
などを詳しくご紹介します。
※1参考サイト:環境省統計資料 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(都道府県・指定都市・中核市別)
ここからは犬の殺処分の現状をご紹介します。上記のグラフから分かる通り、日本全体の犬の殺処分数は減少傾向です。
その背景には、動物の愛護や管理に関する法律が改正されたことなどが関係していると考えられます。
【改正後の法律(一部)】
・ペットショップでの夜間の展示販売禁止
・現物確認や対面説明の義務化(ネット上のみでの生体販売禁止)
・生後56日を経過しない犬猫の販売や引き渡し禁止
・保健所が安易な引取りの申し出を拒否できるようになった
など
このような動物愛護に関する法律の改正には、今回ご紹介した、杉本彩さんや浅田美代子さんなどの団体をはじめとする多くの保護団体の働きかけが大きく影響しています。
また、動物愛護団体による保健所等から犬をレスキューする活動や、里親探しなども年々成果を上げているのでしょう。
それでもまだまだ殺処分0には程遠く、多くの人の協力や意識の改革が必要です。続いては殺処分が特に多かった5県をご紹介します。
犬の殺処分数が多い5県(平成30年度)
上記グラフの通り、残念なことに香川県の殺処分数が突出して多いことが分かります。
この件について香川県は、収容される犬の多くが野良犬であり、攻撃性が高いなどの理由からやむなく殺処分しているとコメントしています。状況を改善するため、動物愛護管理の普及を進めているということです。※2
また、他県に関しては、平成30年に起きた豪雨災害なども殺処分数の増加と関係しているのかもしれません。
※2参考サイト:香川県|県民の声一覧 犬猫殺処分について
犬の殺処分数が少ない8県(平成30年度)
今回の調査では、殺処分頭数が同じ県があったため上位8県をご紹介しています。いずれも頭数は一桁台という結果でしたが、殺処分0を達成した県は残念ながらありませんでした。
しかし、山形県・鳥取県は殺処分0達成まであと一歩というところです。また、京都府は6頭の殺処分がありましたが、殺処分施設への引き取り数自体は47都道府県で最も少ない県でしたので、今後に期待が高まります。
殺処分が絶えない理由は?
殺処分が絶えない理由は、保健所に持ち込む飼い主がいる、飼い主不明で収容されてしまう犬がいるからです。
環境省によると保健所等の施設が引き取る犬の状況の内訳(令和元年の日本全体数)は、
・飼い主の持ち込み・・・3,726頭
・所有者不明・・・31,809頭
となっています。
保健所に引き取られた犬や猫は、数日間引き取り先を待つ時間を与えられた後、行く先がなければ各自治体の殺処分を行う施設へと移送され、その後ガス室で窒息死させられます。
殺処分を無くすためには、保健所に持ち込まれるペットを減らすことがなによりも重要なのです。
身勝手な理由で愛犬を保健所へ持ち込む飼い主
保健所へ犬を持ち込む飼い主はの多くは、
・病気になってお金がかかる
・子供がアレルギーになった
・引っ越しで飼えなくなった
・仕事が忙しい
などの身勝手な理由から愛犬を手放します。
とあるインタビュー記事によると、「捨てても芸能人にもらわれて幸せになるんだ」と、捨てることを正当化する人もいるそうです。ペットを飼う事への意識の低さに驚かされますよね。
保護団体によるレスキューがなければ殺処分されてしまうことをきちんと理解し、大切な家族として最期まで面倒をみるという意思を持たなくてはなりません。
所有者不明の犬が圧倒的に多い
所有者不明の犬とは、
・迷子になってしまった犬
・捨てられてしまった犬
・震災で飼い主を失った犬
・悪質な繁殖業者の経営破綻による遺棄
などです。また、最近では保健所が飼い主からの引き取りを拒否することに目をつけた「引き取り屋」と呼ばれる悪徳業者による遺棄も跡を絶ちません。
引き取り屋は犬や猫を有料で引き取ることでお金を稼いでいます。殺してしまうと違法になるため餌は与えますが、狭いケージの中に閉じ込め、不衛生で病気が蔓延した場所に放置するだけです。
そして面倒を見切れなくなると遺棄します。ずっと狭いケージの中にいた病気の犬たちは、きっと自力で歩くことすらままならないでしょう…。
芸能人も多数参加!犬が飼えなくてもできる保護活動
殺処分の現状に心を痛めていても、「うちは犬を飼えないから何もできない」「保護活動ってすごくお金がかかるんでしょ?」と思っている方や、「何をしたらいいか分からない」という方は多いですよね。
ここからは、犬が飼えなくてもできる保護活動をご紹介します。どれも気軽に始められることばかりですので、ぜひトライしてみてくださいね。
多くの芸能人が賛同!「TOKYO ZERO」
TOKYO ZEROは、すべてのペットが幸せになれる東京を目指して発足した団体です。殺処分施設を、保護犬・猫が新たな飼い主を待つための施設「ティアハイム」へ転換することを目指し活動しています。
ネット署名で簡単に賛同できる他、着なくなった古着(人用)を寄付することが募金につながる「リボンBOX」の普及にも協力しています。
「りぼんBOX」は都内で里親会を開催しているペットショップ等にも設置されていることがあるので、クローゼットの整理がてら保護活動をしてみてもいいかもしれませんね。
【呼びかけ人として活動している芸能人】
久石譲、斉藤和義、SHELLY、太田光代、杉山愛、トータス松本、陳建一、BONNIE PINK門倉健など
公式サイト:TOKYO ZERO
りぼんBOX公式:ブランディア
保護犬カフェに行ってみよう
保護犬カフェとは、里親募集中の保護犬と触れ合えるカフェのこと。カフェの売上金が保護活動の資金となります。
また、実際に飼うことはできなくても、人と触れ合い可愛がってもらえることは保護犬たちにとってとても喜ばしいことです。
まだ全国的に広まってはいませんが、中には複数店舗出店しているカフェもあるので、お近くにお住いの方はぜひ訪れてみてください。
チャリティグッズを買ってみよう
「犬の保護活動をしている芸能人」でもご紹介したように、仲里依紗さんも親子でチャリティTシャツを着た姿をSNSにアップしていました。
チャリティグッズは、この記事でご紹介した団体を含む多くの組織が販売しており、グッズの種類もTシャツやキャップ、バッグ、タンブラー、食器など多岐にわたります。中には自販機で飲料水を購入するだけで募金になるものも。
どれも決して高くはない値段で販売されていますし、特に自販機なら数百円から購入できるのでおすすめの募金活動です。
すでに犬を飼っている方は、購入金額の一部が募金となる犬具やおやつを販売しているお店もありますよ!
【購入金額の一部が募金となる犬具やおやつ】
・ペットグッズのセレクトショップ:INUTO
・寄付金付き犬用トリーツ:「ヤミークッキー」
情報を拡散しよう
犬を飼っている・飼っていないに関わらず、日本に暮らすすべての人に殺処分の現状や保護活動に励む人々の存在を知ってもらうことが重要なため、情報の拡散は欠かせない保護活動です。
迷子犬捜索中の情報や、里親募集の情報、ペットの殺処分に関するニュース、先ほどご紹介した「保護犬カフェに行ったよ~」など、些細なことでも構いません。
・SNSで発信する
・「いいね」を押す
・リツイートを行う
ということが、多くの人のもとへ情報を届けるきっかけになります。小さなことに見えて、実は、命を救うための大きな意味のある行動ですので、ぜひ情報の拡散にご協力ください。
まとめ
この記事では、保護犬活動を行っている芸能人をご紹介し、その所以となった日本における犬の殺処分についてもご説明しました。
また、犬が飼えなくてもできる保護活動もご紹介しています。
日本が殺処分のない動物愛護先進国となる日はまだまだ遠いかもしれませんが、多くの人ができることから少しずつ初めていけば、きっと未来は明るいものになるはずです。
INUNAVIも、日本に生きるすべてのわんちゃん、そして飼い主さんの暮らしがより豊かで愛情溢れるものになるよう、今後も色々な情報を発信し続けていきたいと思います。