公開 2023.05.29 更新 2023.05.29
虹の橋とは?本当にあるの?犬や猫などのペットがいつ渡るのかも紹介

虹の橋とは?本当にあるの?犬や猫などのペットがいつ渡るのかも紹介

ペットが死後渡ると言われる「虹の橋」。作者不詳として全世界に広まった詩に登場するもので、亡くなったペットがその橋のたもとで飼い主との再会を待っていると言います。Instagramでは「#虹の橋で待っててね」というハッシュタグが投稿され、ペットロスに悩む人の救いになっている物語です。

一方で、「嫌い」「気持ち悪い」など、虹の橋の話を好まない人の声も見られます。

この記事では詩の全文や意味のほか、嫌いという意見がある理由も紹介します。「本当にある?」「犬だけでなく猫も渡る?」など、虹の橋について気になることがある方も、ぜひお読みください。

ライター Haruko

執筆者

ライター
Haruko

愛犬の介護のために会社を退職し、現在はフリーランスのライター・編集者として活動中。小学生から一緒にいる17歳の柴犬(♂)が何より大事です。ペットグッズを実際に使って比較する記事をこれまでに多数執筆。その経験を生かし、リアルで新しくて本当に役立つ情報を届けることをモットーにしています。

虹の橋とは?|詩に登場する、亡くなったペットが飼い主を待つ場所のこと

虹を見ている子供と犬

虹の橋とは、作者不明として全世界で知られる詩に登場する場所のことです。

亡くなったペットは、緑が広がる虹の橋のたもとで楽しく遊びながら飼い主を待ちます。やがて飼い主が亡くなるとその場所で再会し、一緒に虹の橋を渡って天国に向かうという物語です。

「虹の橋を渡る」という表現をペットが亡くなった際に使う人もいますが、この詩において橋を渡るのは、ペットと飼い主が再会したあとです。亡くなったときは「虹の橋のたもとに旅立った」という表現が正しいと言えるでしょう。

出典:いのりオーケストラ

■「Rainbow Bridge(虹の橋)」の全文

Just this side of Heaven is a place called Rainbow Bridge.
天国の少し手前に、「虹の橋」と呼ばれる場所があります。

When an animal dies that has been especially close to someone here,
誰かと寄り添いながら暮らしていた動物たちは、

that pet goes to Rainbow Bridge.
亡くなったあと、この「虹の橋」のたもとへと旅立ちます。

There are meadows and hills for all of our special friends
そこには動物たちのための草原や丘が広がっていて、

so they can run and play together.
皆が駆けまわり、ともに遊んでいます。

There is plenty of food, water and sunshine and
たくさんのごはんやお水、日差しもあって、

our friends are warm and comfortable.
あたたかく快適に暮らしているのです。

All the animals who had been ill and old are restored to health and vigor;
病気があった子も年老いた子も皆、健康と元気を取り戻し、

those who were hurt or maimed are made whole and strong again,
ケガや障害があった子も丈夫な体になり、

just as we remember them in our dreams of days and times gone by.
まるで過ぎ去った夢の日々のように過ごしています。

The animals are happy and content, except for one small thing:
動物たちは幸せで充実した暮らしをしていますが、たった1つだけ満たされないことがあります。

they each miss someone very special, someone who was left behind.
それは向こうの世界にいる、彼らにとってかけがえのない人を恋しく思っていることです。

They all run and play together,
ある日、動物たちが駆け回って遊んでいると、

but the day comes when one suddenly stops and looks into the distance.
1匹の犬が急に立ち止まり、遠くを見つめ出しました。

His bright eyes are intent; his eager body begins to quiver.
彼の目は輝き、全身が震え始めます。

Suddenly, he breaks from the group, flying over the green grass, faster and faster.
突然仲間たちから離れ、草の上を速く速く、飛ぶように走っていきます。

You have been spotted, and when you and your special friend finally meet,
彼はついにあなたを見つけたのです。あなたと最愛の友人は再会を果たしました。

you cling together in joyous reunion, never to be parted again.
あなたと彼は固い絆で結ばれ、二度と離れることはありません。

The happy kisses rain upon your face; your hands again caress the beloved head,
あなたは愛情に満ちたキスを何度も顔に受け、愛おしい頭を再び優しく撫でます。

and you look once more into those trusting eyes,
そして、信頼に満ちたその目をもう一度見つめます。

so long gone from your life, but never absent from your heart.
あなたの人生から長い間失われていたものの、一度たりとも忘れることのなかったその目を。

Then you cross the Rainbow Bridge together…
そしてあなたたちは、寄り添いながら虹の橋を渡っていくのでした……

(日本語訳:INUNAVI)

虹の橋は本当にある?|架空のお話だけど……再会を信じることでペットロスを癒せる

草原で佇む犬の様子

「虹の橋」は架空のお話なので、もちろん本当にあるという証拠はありません。また、虹の橋はどの宗教の考え方でもなく、長い歴史があるものでもありません。

しかし、ペットロスで悩む多くの人にとって救いになっているのは確かです。いつか再会できると信じ心の中で愛犬を思い続けることで、寂しい気持ちが和らぐでしょう。

虹の橋の作者は?|長年作者不詳とされていたが、2023年ついに判明!

草原で座っている犬と飼い主

「虹の橋」の詩は長い間作者がわからないとされていましたが、2023年に、スコットランドに住むクライン=リーキーさん(82)であると判明しました(※)。美術史家・作家であるポール・コウドゥナリス氏の調査によるものです。

クライン=リーキーさんが19歳だったころ、ラブラドール・レトリバーの愛犬メイジャーを失い、その際に虹の橋の詩を制作。1994年に新聞の相談コーナーにその詩を送ったことがきっかけで、徐々に広まったと考えられています。

※参照:Yahoo!ニュース「ペットロスを癒やす有名な詩『虹の橋』、謎だった作者がようやく判明か」

虹の橋の続編|第2部・第3部があとから創作された

橋を渡ろうとしている犬

虹の橋の詩は、クライン・リーキーさんではない別の作者によって続きが作られています。

2部は生前愛情を注いでもらえなかった犬の虹の橋での様子が描かれ、3部では飼い主が悲しみ続けることが虹の橋にいる愛犬を苦しめることが説明されています。

しかし、違う作者が付け加えたものなので、支持しない人も多くいるようです

■「虹の橋」第2部
犬たちの中には、飢え、虐待に苦しみ、誰にも愛されなかった子がいます。
仲間たちが次々と大好きな飼い主と再会し、虹の橋を渡っていくのをうらやましそうに眺めています。
この子たちには飼い主などいません。生涯、そのような人は現れなかったのです。
ある日ふと気がつくと、近くに人が立っています。犬たちと人間との再会をうらやましそうに眺めています。
その人は犬たちと暮らしたことはなく、苦労ばかりの人生で、愛を受けたことはなかったのです。
ぽつんとたたずむ人間に、愛されたことのない犬が近づいていきます。するとそこに奇跡が生まれました。
そう、人と犬は地上では巡り合えなかったものの、本来は出会うべき運命の特別な関係だったのです。
生前に出会う機会を逃してここまできてしまいました。
しかし、今ここに、虹の橋のたもとでふたつの魂は出会い、苦痛も悲しみも消え去り、一緒になるのです。
そして、虹の橋を共に渡り、二度と別れることはないのです。

■「虹の橋」第3部
虹の橋の入り口に「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。
シトシトと冷たい雨が降り、犬たちは寒さに震えています。
ここに降る雨は、残してきてしまった大好きな飼い主の流す涙なのです。
多くの犬たちはこの場所を離れ、暖かい日差しの草原へと駆け出していきます。
そして仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らしています。ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも…。
しかし、飼い主の涙がやまない犬たちは、いつまでたっても雨降り地区から出て行くことができません。
地上に残してきた飼い主と同じ悲しみを受け続けているのです
虹の橋は、飼い主たちの幸せと愛に満ちた想い出によって作られています。
ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。
愛する犬たちは、あなたを幸せにするために神様からつかわされたのです。
命のはかなさと愛しさを伝えるためにやってきました。悲しみだけを残すためにきたのではありません。
愛犬が残してくれた、形にも言葉にもできない様々な宝物を思い出してください。
それでも悲しいときは目を閉じてみてください。虹の橋にいる愛犬たちの姿が見えるはずです。

(出典:さよならの向こう側…愛犬たちとずっと一緒「ペットロスを癒して語り継がれる詩 犬たちの死後を描いた『虹の橋』」

虹の橋の作品|虹の橋にまつわるおすすめの作品を紹介

ペットロスに悩む人にぜひ読んでほしい、虹の橋にまつわる作品を紹介します。

絵本「虹の橋―Rainbow Bridge」

原作の詩を絵本にした作品。お子さんと一緒に読んで、愛犬とのお別れが永遠ではないことを教えてあげるのもよいでしょう

マンガ「虹の橋出張所」

虹の橋のたもとに旅立った犬「ミミコ」の様子を描いた短編マンガです。「うちの子は向こうで寂しくしていないかな……」と心配している飼い主さんは、ぜひこちらの作品をお読みください

小説「虹の橋からきた犬」

会社で孤立した社長が、あるきっかけで子犬を飼い始めます。孤独な男性と愛犬の絆を描いた、長編の作品です。

虹の橋に関するQ&A

虹の橋に関するよくある質問に回答します。

よくあるQ&A

    ペットが虹の橋を渡るのはいつ?

    虹をバックに座っている犬

    原文によると、亡くなったときはたもとで遊んでおり、虹の橋を渡るのは飼い主が来てからです。亡くなったときに「虹の橋を渡りました」と表現する方もいますが、原文が正しいとすればそれは間違いになります。

    飼い主が先に亡くなった場合は、たもとにいる飼い主のもとに犬がやってきて、一緒に渡ることになるでしょう。

    虹の橋が嫌いな人や気持ち悪いと言う人がいるのはなぜ?

    砂浜に残る犬の足跡

    「飼い主をずっと待っているなんて、人間にとって都合が良すぎる」「死を悪いものと捉えて受け入れていない」「宗教じみている」などの理由で、虹の橋の話をあまり好まない人もいます。

    動物は言葉が話せないので、確かに人間は自分の心が安らぐように都合のいい解釈をしてしまうのかもしれません。しかし、それは決していけないことではないので、虹の橋の物語を支持するかどうかは自由です。

    人間が亡くなることを「虹の橋を渡る」と言う?

    墓地にたむけられた白い花束

    「虹の橋を渡る」は人間には使えない表現です。失礼に当たる場合もあるので、ペットが亡くなったときのみ使ってください。

    虹の橋は猫も渡る?

    犬と猫が一緒に草原を歩いている様子

    犬だけでなく猫など他のペットも同じ考えをしてよいでしょう。

    2023年に判明した詩の作者は愛犬に向けて書いていましたが、それ以外の動物も虹の橋で飼い主を待っているという考え方がよく見られます。

    まとめ

    飼い主に抱かれて笑顔の犬

    虹の橋は、犬・猫などペットが亡くなったあとに飼い主を待ち続ける場所です。飼い主が亡くなると虹の橋のたもとで再会し、一緒に渡って天国に向かうとある詩で綴られています

    詩の作者は長年不詳とされてきましたが、2023年に判明。スコットランド在住のクライン=リーキーさんが1994年に愛犬メイジャーに宛てて作った詩であることがわかりました。

    架空のお話であり、「都合よく解釈しすぎ」「宗教じみている」のように苦手意識を持つ人もいますが、信じるかどうかは自由です。愛犬との再会を信じることで寂しい気持ちが和らぐことも多く、ペットロスに悩む人には一度読んでほしい詩です。

    虹の橋を題材にしたマンガや小説などの作品もあるので、ぜひ調べてみてくださいね。

    ライター Haruko

    執筆者

    ライター
    Haruko

    愛犬の介護のために会社を退職し、現在はフリーランスのライター・編集者として活動中。小学生から一緒にいる17歳の柴犬(♂)が何より大事です。ペットグッズを実際に使って比較する記事をこれまでに多数執筆。その経験を生かし、リアルで新しくて本当に役立つ情報を届けることをモットーにしています。

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