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犬の血便の原因は大きく4つ!
犬の血便は様々な原因が考えられますが、大きく分けると以下の4つに分類されます。
犬の血便の原因
- ストレス
…知らない犬や人との遭遇
引っ越しなどの環境の変化。
雷や花火などの音で血便する子も
- 食事
…食べ過ぎ
人間の食事、消化に悪い食べ物を食べた時
食事アレルギーの可能性も
- 異物誤食
…おもちゃの誤食によって腸管が傷つけられる
食中毒により血便することも
- 病気
…寄生虫やウイルスの感染、胃腸炎
腫瘍、ヘルニアなどの病気の可能性
以上が犬の血便の主な原因です。
次章では血便の色から考えられる緊急度や病気を解説します。
血便の色や粘稠度、量からわかることはたくさんあるので必ずチェックしましょう。
血便の色と状態をチェック !黒色?イチゴジャム色?ゼリー状?
ここからは、愛犬の血便を色や粘稠度、量などの状態で分け、緊急性の高いものから順に疑われる病気を解説していきます。
血便は、甘くみていると命を落とす可能性も十分にあり得ますので注意が必要です。
もし緊急性の高いものに当てはまるようであれば、早めに動物病院へ連れて行くようにしてください。
血便の色 |
血便の状態 |
緊急度 |
|
暗褐色〜黒色 |
黒色の便が混じる |
★★★★★ (高い) |
|
暗赤色 |
出血量が多い(トマトジュース、ケチャップ) |
★★★★ |
粘膜便(イチゴジャム) |
★★★ |
|
茶色〜オレンジ |
ゼリー状の粘膜便が混じる、少量の血液が混じる |
★★ |
|
ピンク〜赤 |
少量の血液が混じる。排便の最後に血がつく |
★ (低い) |
黒色便 …胃や小腸などの上部消化管からの出血の可能性
緊急度:★★★★★
血便が黒色の場合、胃や小腸などの上部消化管から出血した血液が酸化し黒色便が出ている場合があります。
上部消化管から出血する原因は、胃潰瘍や腫瘍、異物による傷害などが考えられます。
また、普通なら止まるはずの出血が凝固異常により、消化管内で出血が止まらなくなっている場合も考えられます。
■考えられる病気
- 胃潰瘍
- 胃や小腸からの出血(消化管腫瘍など)
- 血液凝固異常
- 異物誤食
黒色便は、放っておくと貧血や多臓器不全など様々な疾患を進行させてしまいますので緊急性は非常に高いです。
迷わず動物病院に連れていくようにしましょう。
暗赤色で出血量が多い…ウイルスや細菌感染の可能性
緊急度:★★★★
トマトジュースのような水っぽい血液便やケチャップのような粘り気を持っている血便などは、ウイルスや細菌感染の可能性が考えられます。
便に異臭を伴うことも多く、発熱や嘔吐を伴うこともあります。
■考えられる病気
- パルボウイルス感染症
- サルモネラ、カンピロバクター、クロストリジウムなど細菌感染
特に気をつけなければいけない病気は、パルボウイルス感染症です。この病気は子犬にかかりやすく、命に関わる病気ですので注意が必要です。
パルボウイルス感染症は、ワクチン接種で予防できる疾患であるので、毎年のワクチン接種はきちんと行うようにしましょう。
出血量の多い血液便や粘り気の多いケチャップの様な血便は、貧血や脱水を引き起こし重症化する傾向が高いため、早急に病院に連れて行きましょう。
暗赤色の粘膜便…出血性の胃腸炎、寄生虫の感染などの可能性
緊急度:★★★
イチゴジャムのような血便が認められる場合は、出血性の胃腸炎が考えられます。
また、寄生虫感染でもこのような血便が認めらる場合があります。
暗赤色の粘膜便も、放っておくと貧血や脱水が進んでいく可能性があるので、動物病院に連れてきて点滴治療をしてあげましょう。
茶色~オレンジ色でゼリー状の粘膜便…ストレス、食事性、大腸性疾患の可能性
緊急度:★★
犬の大腸性の血便の特徴的な症状として、大腸の粘膜が剥がれ落ちることによって粘膜便が認められます。
原因には大腸疾患の他にもストレス性のものや、食べ過ぎや食事を変更したなど食事性の問題なども考えられます。
大腸性の下痢の特徴として、他にも少量の便(下痢)が頻回(便の回数が多く)見られるといった点が挙げられます。
こういった血便は、緊急性は低く一過性の症状であることが多いです。
2~3日安静にしつつ様子を見てあげましょう。
しかし、様子を見ても改善しない場合や悪化傾向がある場合は動物病院を受診しましょう。
鮮血便が少量…肛門や直腸付近からの出血
緊急度:★
肛門や直腸の傷害により、便の外側に血液が付着した血便が見られることがあります。
よくうんちの最後の部分に鮮血がつくといった症状を訴えて飼い主さんが連れてくることが多い印象です。
■考えられる病気
- 肛門周囲の炎症
- 大腸ポリープ
- 切れ痔のようなもの
- 食事性
便に血液が付着することが、2~3回程度なら様子を見ても大丈夫です。
しかし、こういった血液付着便は、緊急性は低いのですが原因がはっきりせず治療が長引くことが多いです。
毎回便に血液が付着する場合は動物病院を受診し原因を追求することをおすすめします。
他にこんな症状があったら要注意!
愛犬の血便が緊急性の高いものではなくても、以下の症状チェックリストに当てはまる場合は注意が必要です。
病気の可能性もあるので早めに動物病院を受診するようにしましょう。
症状チェックリスト
- シニア犬、子犬の血便
…シニア犬や子犬は血便によって体調を崩しやすい
- 繰り返す血便
…何か病気が隠れている可能性
- 嘔吐している
…消化器疾患や細菌、寄生虫感染の可能性
- 体温高い
…熱中症や感染性、炎症性の疾患が疑われる
- お腹を痛そうにしている
…胃腸炎、大腸炎などが疑われる
- 元気や食欲がない
…様々な疾患が考えられる
- 何度も排便ポーズをとる、排便痛がある
…胃腸炎の他に、ポリープや会陰ヘルニア
前立腺肥大などの肛門付近の疾患の可能性
- 体重減少している
…腫瘍などの重大な病気が隠れている可能性
- 紫斑(内出血)
…凝固異常の可能性
- 歯茎が白い
…血便の出血により貧血になっている可能性
ここに挙げた症状以外にも、いつもと様子が違う、そわそわしているなどといった場合でも受診する方が安心です。
血便しやすい犬種とは?
犬の中には、血便しやすい犬種がいます。
ここからは、血便を起こしやすい犬種と考えられる疾患について紹介していきます。
愛犬が以下の犬種に当てはまる場合は、一緒に生活していく上で血便が出ていないかチェックしていきましょう。
血便しやすい犬種
- ミニチュア・ダックスフンド
…炎症性ポリープ、会陰ヘルニアの好発犬種
特に排便痛が認められる場合
高齢の未去勢オスでは要注意!
- フレンチ・ブルドッグ
…結腸炎、大腸炎で血便を呈しやすい犬種
若齢(1歳齢〜)でもなりやすい
- ウェルシュ・コーギー
…会陰ヘルニアの好発犬種
高齢の未去勢オスで要注意!
- 柴犬
…腸の病気が多い(慢性腸症、リンパ腫など)
そして重症化しやすい
- ヨークシャー・テリア
…腸の病気が多い(タンパク漏出性腸症など)
ここに挙げた犬種は血便に注意が必要です。
また、高齢で未去勢のオスは、会陰ヘルニアや前立腺肥大、肛門周囲腺腫といった血便を呈する病気になりやすくなります。
子供を産ませてあげることを考えていない場合は、こういった病気を予防するためにも去勢手術を考えてあげてもいいでしょう。
血便と間違えやすい疾患
動物病院で働いていると、飼い主さんは血便だと思っているけど実は他の疾患である場合も意外と多い印象です。
ここでは、飼い主さんが血便と間違えやすい疾患について紹介していきます。
血便と間違えやすい疾患
- 肛門線破裂
…お尻周りの毛が血まみれ
お尻から出血していると来院することが多い
- 血尿
…雌犬の場合、肛門と陰部が近い位置にあり血便と間違えやすい
便やトイレに付着した血が血尿である場合もある
- 陰部からの出血や発情時
…雌犬は発情時に陰部から出血する
陰部に傷があり出血している場合もある
陰部は要チェック!
- 子宮蓄膿症
…赤黒い膿を血便と間違える場合もある
命に関わるため、すぐに病院へ
血便した場合は、排泄されたものを見るだけでなく、陰部や肛門周囲など他の部分に異変がないかどうかもしっかり見てみることが大切です。
犬が血便した時の対処法
実際に愛犬が血便した時にはどのように対処すれば良いのでしょうか?ここからは、犬が血便した時の対処法を順を追って解説していきます。
この章を読んで、血便している場合でも慌てず対処してあげましょう。
①血便や症状で緊急性をチェック
まず、血便の色や状態で緊急性をチェックしましょう。
- 黒色便が出ている場合
- あまりにも出血が多い血液便
- イチゴジャムのような粘膜便が出ている場合
上記のような血便は緊急性が高いです。
そして、愛犬の状態や体を観察しましょう。他に症状はないか、肛門周囲の他の部分から出血していないかチェックします。
緊急性が高い場合や血便以外にも症状がある場合は、動物病院での受診をお勧めします。
②血便の写真や状態を記録に残す
血便の写真や愛犬の状態をメモや記録に残しておきましょう。
こういった情報があるとスムーズに診察を行うことができます。
記録すべきポイントは以下の事項を参考にしてください。
■記録すべきポイント
- 血便した時間(いつからか?)
- 血便の色、状態、回数
- 環境の変化はないか?
(新しい子犬を迎え入れた、知らない人の来客)
- 食事の内容
(何か変わったものを食べさせたか?)
- 血便する前の様子
- 血便した後の様子
- 他に変わった症状がないか
上記のことをメモしておくと診察がスムーズに行うことができます。
③動物病院を受診する場合
動物病院へ行く際は、愛犬の血便をラップやペットシーツに包んで袋に入れ持参しましょう。
糞便の量は小指の第一関節ぐらいの量があれば十分な検査ができます。
また、愛犬の状態を記録した写真やメモも持参してあげるようにし、状態を可能な限り詳細に伝えるようにしましょう。
注意点としては、持参する血便はなるべく新鮮な便を持参するようにしましょう。
あまりに時間が経っていると細菌や寄生虫が検出できなくなる可能性があります。
朝のうんちを持っていく場合は、その日のうちに持参するようにしましょう。
④お家で様子を見てあげる場合
元気と食欲はあり、動物病院を受診しないと判断する場合は、ご飯は少なめで散歩も控えてあげましょう。
決して、いつもと違うおやつやご飯をあげたり、遠くへお出かけなどしないようにしてください。
ご飯は血便してから4~6時間は絶食して、いつもの1/3量ぐらいから与えてあげるようにしてください。
様子を見てあげて、安静にしていても2-3日血便が続く場合は受診をおすすめします。
犬の血便によくあるQ&A
ここからは、犬の血便に関するよくある質問について回答していきます。
愛犬の血便にお悩みの飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
犬の血便はどのくらい様子見していい? どのくらいで改善する?
A.血便の重症度にもよりますが、様子見して良い期間は2~3日ぐらいです。
それでも変わらない、または悪化していくようなら早めの受診をおすすめします。
お家で様子を見る場合は、食事を少なめにしてあげたり、散歩を控えたりして安静にしてあげましょう。
また、軽い血便ならば、動物病院で処方された薬を飲ませると2~3日もすれば改善することが多いです。
少し治りが悪いと感じる場合は、再度受診してみて血液検査やエコー検査など精査をしてみても良いかもしれません。
犬が血便の時の食事はどのようなものをあげたらいい?
A.いつものフードを1/3量ほどに減らしふやかしてから与えるようにしましょう。
動物病院では、消化にやさしいフードや腸管に負担がかからないように低脂肪のフードを療法食として与えるように飼い主さんに指示します。
ただし、療法食は自己判断ではなくしっかりと診察を受けてから食べさせるようにしましょう。
また、子犬用のミルクを与えても良いかと聞かれることもありますが、ミルクは脂肪分が多いものもあり状態を悪化させる可能性もありますのでおすすめはできません。
犬の血便時に人用のビオフェルミンを与えて良い?
A.ビオフェルミンの成分は乳酸菌ですので、基本的に犬に与えても良いとされています。
乳酸菌は、お腹の調子を整え便が緩い時には便を固め、便秘気味の時にはスムーズな排便を促してくれます。
小型犬なら一日に半錠~1錠程度、中型犬なら1錠、大型犬なら2~3錠程度を様子を見ながら与えてあげてください。
しかし、動物病院で処方される整腸剤の方が効果が立証されており安心安全なのは確実です。
できれば、動物病院を受診し犬用の整腸剤を処方してもらうか、かかりつけの獣医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
この記事では、犬の血便の原因や色や状態から緊急性を判断するポイントを紹介しました。
病院を受診すべき血便のポイントをおさらいしておきましょう。
■動物病院を受診すべき血便のポイント
・血便が黒色の場合
・血便に大量の血が混じっている
・イチゴジャムのような粘膜便が出てる場合
・他にも症状がある場合
上記のポイントに当てはまらなくても、いつもと様子が違うと感じた場合は迷わず動物病院へ行くことをおすすめします。
こまめに動物病院を受診することによって愛犬の健康や飼い主さんの安心にも繋がっていきます。
愛犬が血便してしまったときは参考にしてみてくださいね。
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