公開 2020.11.26 更新 2023.11.29
[ PR ]
【獣医師監修】犬がチョコレートを食べた時の症状と対処法|致死量はどれくらい?

【獣医師監修】犬がチョコレートを食べた時の症状と対処法|致死量はどれくらい?

人間にとっては甘くておいしいチョコレートですが、犬にとっては死に至ることもある危険な食べ物です。

しかし、どんなに気を付けていても、「愛犬がチョコレートを食べてしまった」というトラブルが起きてしまうかもしれません。

この記事では、すぐに動物病院に連れて行けない方のために、注意すべき症状や対処法についてご紹介していきます。

チョコレートを食べてしまった時の治療費についてもまとめたので、動物病院に行く際の参考にしてくみてください。

※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。

犬にとってチョコレートが危険な理由とは?

チョコレート

なぜ犬にとってチョコレートが危険な食べ物なのかというと、チョコレートの主成分であるカカオに“ テオブロミン ”という有毒成分が含まれているから。

人間は簡単に代謝できるのですが、犬はテオブロミンの代謝が非常に遅く、体の中に有毒物質がたまってしまいます。

その結果、体の中の毒性成分が上がり、様々な不調を引き起こすのです。

テオブロミンは、チョコレート以外の食べ物にも含まれているので注意しておきましょう!

テオブロミンが含まれている食品

・ココア
・チョコパン
・チョコレートアイス
・エクレア
・チョコレートケーキ
チョコレート入りシリアル
・チョコチップクッキー

など

テオブロミンを多く含んでいるのは、『ココア』『ビターチョコレート』『ク―ベルチュールチョコレート(製菓用)』です。

詳しい致死量については、記事内の「どれくらいの量を食べると危険なの?」の項目をご確認ください。

犬がチョコレートを食べた時の中毒症状

ベッドに寝かされ聴診器を当てられるダックスフンド

犬がチョコレートを食べてしまった時の、中毒症状について確認していきましょう。

  症状
軽度 ・嘔吐
・下痢
・失禁
・水をたくさん飲む
・落ち着きがない
中程度 ・呼吸が早い/荒い
・神経過敏
・尿の量が多い
・興奮
・頻脈
重症 ・けいれん
・不整脈(震え/呼吸障害)
・発熱
・意識がない

チョコレートを食べてから中毒症状が出るまでの時間は、1時間~12時間です。

しかし、犬の体重や食べた種類のチョコレートの量によって発症時間が前後するので、変わった様子がないか注意深く観察しましょう。

どれくらいの量を食べると危険なの?

チョコレート

テオブロミンの致死量は、犬の体重1kgあたり100~200mg程度となっています。

<テオブロミンの致死量>

犬の体重 テオブロミン
小型犬(3kg) 300~600mg
中型犬(10kg) 1000~2000mg
大型犬(30kg) 3000~6000mg

チョコレートの種類によって、テオブロミンの含有量が異なるので、食べてしまったチョコレートの種類によっても致死量が異なります。

一般的に販売されている、板チョコ1枚50gのテオブロミン含有量を確認してみましょう。

<チョコに含まれるテオブロミンの量>

チョコレートの種類 テオブロミン
ミルクチョコレート 77.5~116.5mg
ダークチョコレート 793.5mg
ビターチョコレート 264.5~1058mg

『ココアパウダー』『製菓用チョコレート』も、ビターチョコレートと同量のテオブロミンが含まれています。

体重3kgの犬にとって危険なチョコレートの量はどれくらいなのでしょうか?

<体重3kgの場合>
※板チョコ1枚50g

・ミルクチョコレート
 →約100g(板チョコ2枚)
・ダークチョコレート
 →約16.5g(板チョコ1/3枚)

・ビターチョコレート
 →約12.5g(板チョコ1/4枚)

中毒症状を引き起こす量には個体差があるので、あくまでも目安として参考にしてください。

チョコレートの量が少量なら大丈夫?

チョコレート

「チョコレートをなめてしまった」「かけらを食べてしまった」という程度では、中毒症状を引き起こす可能性は低いと考えられます。

しかし、個体差によって過剰に有毒成分に反応してしまう場合もあるので、その後の様子をしっかりと観察することが大切です。

どんなに少量でも、犬にとってチョコレートは有毒です。間違って食べてしまわないように、チョコレートの管理をきちんと行いましょう。

犬がチョコレートを食べた時の対処法

もしも愛犬がチョコレートを食べてしまった時は、まずは焦らずに、以下の手順で対応してください。

<手順>

①チョコの種類・量・時間の把握
②動物病院に電話で相談
※夜間の場合…24時間電話対応を行っている動物病院で相談する。
③中毒症状が出ていないか観察

動物病院での催吐処置(胃の内容物を吐かせる処置)は、チョコレート摂取後の1時間以内です。

それでも処置が足りない時は、全身麻酔での胃洗浄処置になる場合もあるので、できるだけ早く獣医師に相談するようにしてください。

それダメ!応急処置はNG

だめ

犬がチョコレートを食べてしまった時の応急処置として、ネット上ではあまりに危険な情報が流れているので注意しましょう!

食塩水やオキシドールを使って吐かせる” といった情報は、犬が塩中毒で命を落としたり、胃の中に傷があった場合に悪化させる危険性があります。

「早く何とかしたい!」という気持ちはわかりますが、素人判断での応急処置は絶対に行わないでください。

犬がチョコレートを食べた時の治療費

お金

犬がチョコレートを食べてしまった時の、治療内容や費用について確認していきましょう。

  費用
診察料 1,000円~2,000円
超音波検査 2,500円~5,000円
レントゲン 2,500円~5,000円
血管確保 1,500円~3,000円
催吐処置 2,000円~5,000円
合計 9,500円~20,000円

※胃洗浄が必要な場合は、さらに15,000円~20,000円が追加でかかります。その他の中毒症状が出ている場合は、その治療に対する費用も必要となります。

テオブロミンは解毒する薬がないため、動物病院での処置は、チョコレートを摂取した経過時間によって異なります。

チョコレートを摂取してから1時間以内の場合は、催吐処置を行うことができますが、それ以上の時間が経っている場合は、全身麻酔での胃洗浄が必要です。

全身麻酔は犬の体に大きな負担がかかるので、できるだけ早く動物病院にかかることをおすすめします。

まとめ

犬がチョコレートを食べてしまった時は、冷静に状況を把握することで、適切な処置を行うことができます。

チョコを食べた時の手順

①チョコの種類・量・時間の把握
②動物病院に電話で相談
※夜間の場合…24時間電話対応を行っている動物病院で相談する。
③中毒症状が出ていないか観察

少量でも個体によっては中毒症状を引き起こす可能性があるので、チョコレートは犬の手が届かない場所に保管しておきましょう。

※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
※掲載されている情報は、INUNAVIが独自にリサーチした時点の情報を掲載しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。

ペットライター chocomam_dad

執筆者

ペットライター
chocomam_dad
保育士 / 幼稚園教諭

ペットライター歴6年。トイプードルのおばあちゃんを愛でる毎日。ワンちゃんとの生活の中で「困ったな」「どうしよう」「大丈夫かな」といった不安な気持ちがすっきりするように、わかりやすい文章でお伝えしたいと思います!

関連記事

新着記事

人気記事

いぬなび公式
インスタグラム

毎日更新中