今回は、創業者の矢作さんにインタビュー !
今回、お話をうかがったのは、ココグルメの生みの親である創業者の矢作裕之さんです。優しい笑顔と動物への熱い想いが印象的な方でした!
矢作 裕之さんのプロフィール
創業者 / 取締役 / COO
東京大学大学院にて機械学習・AIに関する研究に従事し、卒業後エンジニアとして日本オラクル株式会社に入社。並行してフリーエンジニアとしても活動し、複数のスタートアップ企業を支援。2017年株式会社バイオフィリアを設立。獣医師や専門家が監修した手作りフード「ココグルメ」を開発。
亡き愛犬への想いがココグルメ誕生のきっかけに
辻:本日はよろしくお願いします!まずは、ドライでもウェットでもない、「手作りフード」を開発しようと思ったきっかけを教えて下さい!
矢作さん:はい、代表の岩橋の愛犬である、元保護犬のダックスフンド2頭が立て続けに病気で亡くなったことがきっかけです。
岩橋は病気で苦しみながら亡くなっていく姿にとてもショックを受けていて、1ヶ月ぐらい連絡がとれなくなってしまうくらいでした。
辻:差し支えなければ何のご病気だったかお聞きしてもいいですか?
矢作さん:2頭とも膀胱系の病気です。目の前の愛犬も救えなかったということに考えさせられるものがあったんだと思います。
そもそも「健康」ってなんだろうと見直してみて、私達にできることをしようと始めたのがココグルメです。
病気の原因はフードにあった?ペットの食文化では日本が後進国だと知る
↑代表岩橋さんが当時一緒に暮らしていた愛犬のリヴ、ぴの
辻:膀胱系の病気は、その時与えていたフードに課題があったとお考えですか?
矢作さん:フードが直接の原因かはわかりませんが、どの動物も健康には食事と運動が重要ですよね。
でも、日本はペットの食事に関心のない人の方が多くて、岩橋もその頃はただなんとなくドライフードあげていたんです。
辻:手作りをしてる人も中にはいますけど、多くはないですよね。
矢作さん:手作りしたくても時間やノウハウがなくてできない人も多いんですよね。
海外ではフレッシュフード※が流行しているので、ココグルメで手作り食へのハードル下げることができれば、日本のペットの食文化が変わっていくんじゃないかなと思いました。
※新鮮な食材を使用し、水分を多く含むドッグフード。調理後すぐに冷凍保存され、解凍して与える。
動物の栄養学は20年以上進歩していないという現実
辻:ドライフードでも健康にこだわったものを作ることはできなくはないですよね?手作りにこだわる理由はなんですか?
矢作さん:人間の栄養学では、より自然なものを食べることが大切だという分かってきています。でも、ペットの栄養学は1997年の基準から変わっていないんですよ!
人も犬も同じ動物ですから、やっぱりより自然なものを食べられる手作りがいいと考えています。
動物を愛する15名の社員でココグルメを展開!
辻:社員の皆さんはわんちゃんを飼われていますか?
矢作さん:昔飼っていた人もふくめると、ほぼ全員ですね。あとはうさぎだったり…
辻:うさぎも!ちなみに矢作さんは?
矢作さん:僕は昔、猫と暮らしていました!
辻:それなら猫ちゃん用のフードもできそうですね…!!
矢作さん:はい、検討していますよ!
福利厚生として同伴出勤やペット忌引きなどがある!?
辻:もしかして、ペット同伴出勤とかも可能ですか?
矢作さん:可能です!ペット忌引、ペット手当、動物ボランティア休暇なども導入しています。
辻:ペットにとっても飼い主さんにとっても素晴らしい取り組みですね!
スタッフ犬はココグルメで涙やけや口臭の変化を実感
辻:社員さんたちは、やっぱり愛犬にココグルメを与えているんですか?
矢作さん:そうですね。わんちゃんを飼っている人はあげています。
辻:ココグルメを食べたことで愛犬の体に変化を感じたりしました?
矢作さん:涙やけが治ったり、口臭が抑えられたという子がいましたよ。もともとココグルメをあげていて、社員になった人もいます。
ココグルメの原材料は人間のお弁当と一緒
辻:ここからはココグルメの原材料についてお聞きします!
ヒューマングレードの食材を使用しているとの事ですが、ヒューマングレードの基準はメーカーそれぞれで違いますよね。具体的に食材にどんなこだわりがありますか?
矢作さん:ドッグフードでよく使われているのは、端材や骨周辺の肉だったり、人間の食品には使いづらい部分だったりするんですが、ココグルメは私たちが普通に食べている、お弁当屋さんに卸しているような食材を使っています。すべて国産です。
辻:原材料表記を見ると、栄養サプリメントの配合はビタミン・ミネラルのみと、ドライフードに比べて少ないですが、それ以外の栄養素もちゃんと摂れるんですか?
矢作さん:なるべく全ての栄養素を⾷材から摂取できるようなバランスで構成しています。
健康維持には「犬という種の特性にあわせたバランスの良い⾷事」というのがもっとも重要だと考えているので、 それに沿ったレシピです。
選ぶ食材・配合量で健康への影響が大きく違う
辻:「犬という種の特性に合わせたレシピ」って、具体的にどんなレシピですか?
矢作さん:例えば、内臓系のお肉はわんちゃんにとって大事な栄養で、レバーだけよりもハツを組み合わせた方がビタミンのバランスが良くなるなど、食べ合わせにも工夫して改良しています。
あとはアレルギー対策として、穀類は一切使用していません。
辻:なるほど!ちなみに味はチキンとポークの2種類だけですよね。新しい味の開発予定はあったりします?
矢作さん:フィッシュなどの2種類ぐらいの新しい味の発売を検討していますが、今はまだ準備中です。
■ココグルメの原材料のポイント
・100%国産
・お弁当屋さんで扱うような食材
・栄養と食べ合わせを考え、内臓系の肉は2種類
・グレインフリー
・新しい味を準備中
粒の大きさや食材の刻み方まで、加工方法にもこだわりが…!
辻:食材や栄養バランスにこだわっているということは、製造時の加工にもこだわりがありそうですね。
矢作さん:粒の大きさや食材の刻み方、食感にこだわってつくっています。
わんちゃんは食べ応えがあり、飼い主さんは食材が見えて安心できる大きさのもの。かつ、小型犬でも喉につっかえることのない食べやすさが大事です。
辻:美味しく食べて健康でいてほしいというのが伝わりますね。
矢作さん:一般的なドッグフードだと、10年以上同じレシピで製造しているものが多いんですよ。
ココグルメは飼い主さんの声を参考に、もっとわんちゃんのためになるフードを!と、これまで2年間で6回の改良を行いました。
辻:え!そんなにですか!どんな風に改良したんですか?
矢作さん:食べ合わせを考えた食材の追加や、粒の大きさの改善、小型犬がより使いやすい内容量へ変更、低脂肪のレシピにする、などですね。
辻:私のイメージだとココグルメはご飯をあまり食べない子から人気のフードだと思っていたんですが、低脂肪のものがいいという要望も多かったんですか?
矢作さん:先程お話した、「犬という種に適したレシピ」を模索していく中で、低脂肪へ変更することになりました。
脂自体は悪いものではなく、健康のために一定の量を摂取する必要はありますが、エネルギーを補うにはよりタンパク質に近いほうがいいと考えています。
■加工のポイント
・食材や粒はお客さんの声をもとに改良
・肉は脂身に近い部分の配合を減らす
製造は「宮城の給食工場」人間の食材同様の品質を保つため!
辻:国内製造とのことですが、製造している地域名を教えていただくことはできますか?
矢作さん:宮城県の給食をつくる工場で製造しています。製造後は細菌が繁殖しないよう加熱殺菌して、すぐに冷凍しています。
辻:ココグルメのように冷凍で販売している生食ってありますよね?加熱調理するメリットってあったりしますか?
矢作さん:衛生面です。生食は賞味期限も短くなるし、細菌などの問題を防ぐためにも最低限の加熱はしています。
商品として販売する以上衛生面はしっかり気を使っていきたいので、最低限の加熱はしないと安全とは言いづらいと思っています。
辻:なるほど!ちなみに、製造してから日が経ったものを発送してしまう、多く製造してしすぎて、在庫を多くかかえてしまうなんてことは、ないのでしょうか?
矢作さん:有難いことに多くのご注文を頂いているので、在庫はいつもひっ迫している状態なんです。
工場で日々必死に生産しているため、製造から日がたった賞味期限が短いものが届くということはないので安心してください。どれも賞味期限は1年ありますよ。
辻:注文がひっ迫!とても人気の証拠ですね。保管場所も宮城県ですか?
矢作さん:はい、お客さんが東日本の場合は宮城の工場から直送しています。
西日本の場合は、兵庫県の冷凍倉庫で一時的に保管し発送することもありますね。ただ、注文から2週間以内にはお客さんの手元に届くので、長い間保管しておくことはないです。
「食べない…」で悩んでいる成犬のわんちゃんから人気!
辻:ここからは、ココグルメを実際に与えているお客さんについて聞いていきます!
子犬・成犬・老犬どの年代のわんちゃんから注文が多いですか?
矢作さん:1〜2歳くらいの成犬から特に人気ですね。その多くは体重2〜3kgぐらいの超小型犬です。トイプードルとか、チワワとか。食が細く悩んでいるような子も多いですね。
辻:柔らかくて食べやすいので老犬も多いのかなと思ってました!
矢作さん:絶対数が成犬の方が多いのでそうなってしまいますが、もちろん老犬の子もいますよ。老犬はシェアが大きいですね。
おすすめの味を聞いてみました!
Q.少食の子におすすめの味は?
A.ポーク
理由: チキンよりもややカロリーが高めになっているため
Q.特に悩みがない子におすすめの味は?
A.チキンとポークをローテーション
理由:同じものだけを食べ続けるよりも色々な食材を食べたほうが良いため
Q.食物アレルギーのある子は?
A.チキン or ポーク
理由:わんちゃんそれぞれアレルゲンは異なるため、愛犬に合わせて。グレインフリーなので穀類アレルギーの子はどちらでもOK!
水分も摂れるから食べきれるか不安になる程ボリューム満点!
辻:給餌量通りにあげると結構見た目のボリュームがありますよね。食の細い子が食べ切れるのかなと思っちゃうんですが。
矢作さん:水分が70%ぐらいあるので、ドライフードに比べると量は多く感じると思います。
でも、香りや味がドライフードよりも食べやすいので、完食しちゃう子が多いんですよ。食べ過ぎちゃう子もいるぐらいです。
辻:たくさん食べて太る心配はないんですか?カロリーが低めに設計されてるから大丈夫なんでしょうか…?
矢作さん:そうですね。カロリーが低いこともありますけど、ココグルメを愛用してくださってる飼い主さんは感度が高めな方が多いので、皆さん給餌量には気を使っています。
食べなくて痩せ過ぎて困っていた子は体型が戻ってきたというお声をいただくこともありますし、逆に少し太っている子は量を控えめにするような案内をすることもあります。
わんちゃんそれぞれに合わせたアドバイスがもらえる
辻:わんちゃんの体重や体型に合わせて給餌量を提案してくれるんですか!?
矢作さん:はい。お客さんとのコミュニケーションの中で「体重はどうですか?増えたり減ったりしてないですか?」などをお聞きすることもあります。
あとは、最近「獣医師相談サービス」というのも始めました!
辻:すごく気になります! どんなことを相談できるんですか?
矢作さん:最近始めたサービスなんですが、獣医師さんにフードに関する相談ができます。
例えば、「こういう病気なんですが、ココグルメあげても大丈夫か?」と言ったような専門的な質問を獣医師に気軽に相談できるようになればいいなと思い、独自に獣医師サービスをはじめました。
→獣医師による無料オンライン相談についてはこちら
手作りだと歯が汚れちゃうか心配…実際どう?
辻:手作り食だと歯が汚れるんじゃないかと心配する飼い主さんも多いと思うんですが、実際どうでしょう?
矢作さん:そうですね。そういった質問はたまに頂きますが、歯が汚れるのはドライフードでも変わりません。
手作りだから汚れやすいということないので、しっかり歯磨きでケアしてあげてくださいね。
他の手作りフードよりお試し価格が安い理由
辻:ココグルメは他のメーカーの手作りフードよりすごくお試しがお得ですよね。
矢作さん:新しいご飯を試すことを躊躇してしまう人もいると思うんですよね。買っても食べてくれなかったという経験をしている人も多いですし。
そこのハードルをできるだけ下げたいと思いました。
辻:お試しで注文するわんちゃんと、継続しているわんちゃんの犬種や年齢に差はありますか?
矢作さん:あんまり違いはないですね。中にはお試しして、食べなかったと継続されない方もいますが。
こればっかりは好き嫌いがあるのでしょうがないです!まずは試してもらって、気に入ったら続けてください。
殺処分0に向けて福祉活動「WAN I NYARUフードプロジェクト」が本格始動!
辻:ココグルメさんでは、近年福祉活動にも力を入れていらっしゃるとの事ですが、具体的な内容など詳しく教えてください!
矢作さん:もともと殺処分をなくしたいという思いで会社を立ち上げているので、殺処分や保護活動に携わるプロジェクトは⾏っていきたいという思いがあります。
現在は、「わににゃるフードプロジェクト」というフードを通して保護活動を行うプロジェクトを始動し、ココグルメの売上の1%を寄付したり、フードロスをなくすために、余ったココグルメがあれば回収、保護団体へ贈るという活動をしています。
辻:フードロスって、解約・返品されたものってことですよね。ココグルメってすごく美味しそうですが、食べなくなって余ってしまうなんてことがあるんですか?
矢作さん:病気やアレルギーで食べれなくなってしまったという飼い主さんの声が多いですね。
それまでは捨てるか友達にあげるか捨てている人が多かったので、うちが引き取って寄付に回しますよとお知らせしています。
あとは、改良を行った際に、販売終了となる従来のタイプのものを寄付したりもしています。
辻:実際には、どんな保護団体さんに贈られるんですか?
矢作さん:代表の岩橋が関わりのある団体や、自治体が主体となり動いている団体など、日本全国の10団体です。
保護団体って、保護団体のていをしたあまり良くない組織などもあったりするので、ちゃんと見極めて寄付しています。
辻:わんちゃんたち、喜んでいましたか?
矢作さん:直接渡しに行った施設では、病気の子や五体満足じゃない子もいましたが、みんな元気いっぱいで美味しそうに食べてくれました。
その姿を見られて純粋に嬉しかったですし、食事に気を使わなきゃいけない子たちでも安心して与えられるフードなんだと実感しました。
「全ての動物を救う」ために、やるべきことを見極めて活動していく
辻:実際に福祉活動を行ってみて、反響はどうですか?
矢作さん:わににゃるフードプロジェクトは協力したいと言ってくださるお客さんも多いし、SNSでも反響が良いですね。
多くの人が高い関心を持つ分野なんだと感じています。ただ、保護活動についての現状はまだまだわからない部分も多いので、もっと深入りして、やるべきことを見極めて活動していきたいと思っています。
今後もペットに役立つサービスを広く展開予定!
辻:それでは最後に、株式会社バイオフィリア全体の今後のビジョンを教えて下さい!
矢作さん:飼い主さんの「このこのためになにかしたい」という気持ちに寄り添った商品を展開していく予定です。
ただペットを可愛いがるだけのものよりも、わんちゃんや猫ちゃんにとって本当に役立つものをつくりたいです。
例えばアレルギーの検査やペット保険など、やったほうがいいと分かっていても、色々な事情からできてない、やってない人も多いですよね。
その障害になっている「できない理由」を取り除くのが僕らの仕事だと思っています。
辻:”「できない理由」を取り除く”とてもかっこいいですね!素晴らしいお話をありがとうございました!
まとめ
今回の取材を通して、わんちゃんにも安全で美味しい食事が必要なんだと改めて感じることができました。
ドライフードを与えることが当たり前のようになっていますが、犬という生き物は本来そういった食生活ではなかったと、ハッとした方も多いのではないでしょうか?
特に、少食の子やアレルギーのあるわんちゃん、水分不足が気になるわんちゃんなどには、ココグルメのような手軽に試せる手作りフードがおすすめですよ。
気になる方は公式サイトをチェックしてみてくださいね!
■ココグルメのポイントまとめ
・わんちゃんを愛する気持ちから生まれたフード
・原材料はすべて国産
・わんちゃんのために改良を重ねたレシピ
・宮城の給食工場で製造
・個体に合った給餌量の提案
・購入が保護犬のための福祉活動につながる
ココグルメの口コミ評判は?5年利用してわかったデメリットも紹介!こんな愛犬におすすめ!