公開 2024.01.29 更新 2024.01.29
【獣医師監修】犬は栗を食べられる?適量ならメリットも!与える量や注意点を解説

【獣医師監修】犬は栗を食べられる?適量ならメリットも!与える量や注意点を解説

ほくほくして自然な甘みが美味しい栗は、犬が食べても大丈夫な食材です。

栗は栄養価が高く、スーパーフードとしても注目されている果物で、上手に活用すれば犬の健康維持に役立てることができます。

そうは言っても、栗はカロリーも高いため、与え過ぎは肥満や栄養バランスの偏りを招く原因となるので与え方には注意が必要なことも。

今回は、獣医師でペット食育上級指導士の藤井ちひろ先生監修のもと、犬が栗を食べるメリットや注意点を解説します。

犬が栗を1日に食べていい量もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

獣医師 藤井ちひろ

監修者

獣医師
藤井ちひろ
獣医師国家資格 / 日本ペット栄養士 / ペットフード販売士 / ペット食育上級指導士

北海道帯広畜産大学畜産学部獣医学科卒業。首都圏の中堅動物病院、大学病院を経て「健康寿命を延ばしてめざせ20歳!」「治らない病気に最期まで向きあう」動物病院、ローズローズアニマルクリニック院長。ペットの食と栄養のお悩みに一生応えるための食育セミナーやシニアペットセミナーを定期的に開催中。(所属学会:ペット食育協会獣医麻酔外科学会獣医神経病学会など)

犬が栗を食べるメリット

パグと栗

栗はスーパーフードとして注目されているように、栄養価の高い果物です。その上、自然な甘みが感じられるので犬の嗜好性も期待でき、以下のようなメリットがあります。

■犬が栗を食べるメリット
・犬の嗜好性が高い
・食欲を刺激できる
・少量で効率的に栄養が補給できる
・健康維持のサポートに役立つ

ドッグフードのトッピングやおやつはもちろん、食欲が低下している犬やしっかり栄養を摂ってほしい犬などにもおすすめです。

栗は特別な調理の必要なく加熱しただけで美味しく頂ける果物なので、飼い主さんも一緒に食べることができますね。

栗を皮付きのまま0℃以下で1ヶ月ほど寝かせると甘みが増してより美味しくなるため、愛犬の食いつきが心配な場合はしっかり寝かせて美味しくなってから与えるといいでしょう。

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栗に含まれる主な栄養素

収穫した栗

栗は栄養価が高いことを冒頭でも触れましたが、犬に必要な必須アミノ酸10種をすべて含むほか、ビタミンB1やビタミンCなどさまざまな栄養素が豊富に含まれています

栗に含まれる主な栄養素は以下の通りです。

■栗の主な栄養素【日本ぐり ゆで】(※1)
カロリー:152kcal / 100g

  • 炭水化物
    100g中:36.7g
    …体の主要なエネルギー源。不足すると疲労感や集中力の低下が起こるほか、脳や神経で不足すると意識障害が起こる(※2)
  • 食物繊維
    100g中:6.6g
    …腸内環境の改善や排便をスムーズにする働きがある。不溶性食物繊維は有害物質を吸着させて便と一緒に体の外に排出する働きも(※3)
  • ビタミンC
    100g中:26mg
    …毛細血管、歯、軟骨などを正常に保つ。抗酸化作用で体内の活性酸素を除去する働きも。(※4)犬は体内で合成できるが、合成が追いつかないこともあり摂取するのが望ましい
  • ビタミンB群
    …あらゆる種類の酵素の補酵素。代謝ビタミンとも呼ばれ、生きるためのエネルギーを作るのに必須(※5)
  • ミネラル類
    …生きていく上で身体の構成・調整に欠かすことのできない栄養素。体内で合成できないことから食事などで摂り入れる必要がある(※6)

栗はでんぷん質が多く脂質は少なめなので、エネルギー補給にも最適と言えます。このでんぷん質によってビタミンCが守られているため、加熱しても壊れにくいという特徴もあり、効率的に栄養を補給することができるのです。

■必須アミノ酸とは
…たんぱく質を構成するためのアミノ酸のうち、体内で作ることができずに食事などで補う必要があるもの。犬では10種。
アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、バリン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニン

犬が1日に食べていい栗の量

栗をむく飼い主を見る犬

栗は栄養価が高いことから、与え過ぎは肥満や栄養バランスの偏りの原因となるため、おやつやトッピングで与える場合は愛犬が1日に必要なカロリーの10%程度(多くても20%以内)にしましょう。

また、体質によって合う合わないもあるので、愛犬の体調や便の状態、体型や活動量、ライフステージなども考慮して与える量を調整することが大切です。

犬が1日に食べていい栗の目安量(日本ぐり ゆでの場合:152kcal / 100g)
※避妊・去勢済みの成犬で算出

体重1日の目安量平均的な栗(1個30g)
※可食部20g程度
1kg7g約1/3個
3kg17g約1個弱
5kg25g約1個と1/4個
7kg32g約1個と1/2個
9kg38g約2個弱
12kg48g約2個と1/3個
15kg56g約3個弱
20kg70g約3個と1/2個
25kg82g約4個
30kg95g約5個弱

もっと正確に愛犬に与えていい量を知りたい場合は、以下の記事でカロリー計算について詳しく解説しているので参考にしてください。

ドッグフード
【獣医師監修】ドッグフードの正しい与え方!パッケージの給餌量はあくまで目安

犬に栗を与えるときの注意点6つ

栗とシェパード

栗を与えることは犬にメリットがありますが、注意してあげなければいけないこともあります。

ここでは、犬に栗を与えるときの注意点について解説します。

①食物アレルギーに注意する

食物アレルギーが出た愛犬

※実際に食物アレルギーによって左右対称に目の周りが赤くなる、目の下の脱毛、激しい痒みが出た愛犬

愛犬に初めて栗を食べさせるときは少量から与え、食べた後は48時間ほど様子を見てあげましょう。

栗に食物アレルギーがある場合は、食べてから30分~48時間以内に以下のような症状が見られます。

■犬の食物アレルギーの主な症状
・皮膚の赤みや痒み
・目の周りや口の周り、耳を痒がる
・脱毛する
・足先や皮膚を執拗に舐めたりかじる
・下痢や軟便
・嘔吐

食物アレルギーの症状は個体差がありますが、上記のような症状が見られた場合は食べさせるのを控え、獣医師に相談してください。

犬のアレルギーについては、以下の記事で詳しく解説しています。

犬のアレルギー(食物・アトピー・ノミ)原因・対策を徹底解説【皮膚科医取材】

②皮は与えない

栗の皮を向いている様子

栗には一番外側の硬い「鬼皮」と、内側にある薄い「渋皮」がありますが、鬼皮は喉に詰まらせたり消化器官を傷つける恐れがあるため与えてはいけません

また、渋皮はタンニンが豊富に含まれており、適量であればタンニンは健康のサポートに役立ちますが、過剰に摂取すると体調不良の原因となってしまうことや渋皮自体が消化しにくいので取り除いて与えたほうが安心です。

③必ず加熱する

焼き栗

生栗はとても硬く消化しにくいため、必ず茹でたり蒸すなどしてしっかり加熱した栗を与えましょう

人間では栗を生食する人もいるように、栗は生食しても問題のないものではあります。しかし、栗の生食は消化の悪さや食物アレルギーのリスクが高まるのはもちろん、虫がいた場合では、栗にいる寄生虫自体に毒性はありませんがその部分が傷みやすくなるため、犬には加熱した栗を与えるようにしてください。

④食べやすいように配慮する

潰した栗

栗をそのまま与えてしまうと喉に詰まらせる恐れもあるため、細かく刻んだり潰す、ペースト状にするなど犬が食べやすいようにしてあげましょう。

また、食べやすいように配慮することは消化の負担の軽減にもなります

消化器官が整っていない子犬や、消化機能が衰えるシニア犬では特に配慮が必要です。

⑤栗を使ったお菓子やスイーツは与えない

栗のお菓子

甘露煮や栗きんとん、モンブラン、栗きんつばなど栗を使用した人間用のお菓子やスイーツは、糖分が多く使用されているので与えないようにしましょう

逆に栗だけを使用したものであれば与えても問題はなく、原材料が栗だけであればスーパーやコンビニで売っている甘栗を与えても問題はありません。

⑥持病がある犬は獣医師に確認してから与える

動物病院で診察を受けるダックスフンド

栗はさまざまな栄養素が豊富に含まれているため、持病がある犬では獣医師に確認してから与えるようにしたほうが安心です。

特に病気で栄養素の制限を指示されている場合では、必ず獣医師に確認してください。

まとめ

フレンチブルドッグと栗

栗は犬に必要な必須アミノ酸10種をはじめさまざまな栄養素が豊富に含まれており、栄養補給やエネルギー源としても大いに役立ってくれる果物です。

とは言え、犬が1日に必要な栄養がバランスよく含まれているわけではないため、主食にすることができないのはもちろん、与え過ぎは肥満や栄養バランスが偏る原因となるので与え過ぎないように注意しましょう。

最後に、栗の与え方のおさらいです。

■栗の与え方まとめ
・必ず加熱する
・鬼皮や渋皮は取り除く
・細かく刻んだり潰す、ペースト状にするなど切り方にも配慮する
・愛犬が1日に必要な摂取カロリーの10%程度にとどめ、その分フードの量を減らす
・初めて食べさせる時は少量にしておく

栗の正しい与え方を知って、愛犬に美味しく栗を食べてもらってくださいね。

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<参考文献>

※1:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※2:サントリーウエルネスオンライン「炭水化物とは?おもな働きと摂取量の目安、炭水化物を多く含む食品を紹介」
※3:健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」
※4:健康長寿ネット「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
※5:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンB群」
※6: 分子生理科学研究所「身体の調整に欠かせない栄養素~ミネラル~」

ペットライター たかだ なつき

執筆者

ペットライター
たかだ なつき
JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士

17歳のチワックスと1歳のチワックス、0歳のポメチワと暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。

【保有資格:ペットフーディスト / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / JKC愛犬飼育管理士

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