公開 2023.12.05 更新 2023.12.05
【トレーナー監修】柴犬は飼ってはいけない?性格や後悔を防ぐしつけのポイントを紹介

【トレーナー監修】柴犬は飼ってはいけない?性格や後悔を防ぐしつけのポイントを紹介

日本でとても人気のある犬種である柴犬。近年は小型の豆柴が人気で多くの人が飼育していますが、その一方で「飼って後悔した」「手に負えないから手放したい」という声が多数上がっています。保健所の収容頭数が第一位であった年もあり、「柴犬を飼ってはいけない」と言われることも少なくありません。

この記事では柴犬が「飼ってはいけない」と言われる理由の1つである性格やその他の特徴を、ドッグトレーナー・実際の飼い主の声と合わせて紹介します。「欠点やデメリットと言える部分はどこ?」「初心者でも飼って平気?」などの疑問も解決できるので、ぜひ参考にしてください。

ドッグトレーナー 鈴木 拓真

監修者

ドッグトレーナー
鈴木 拓真
国際資格CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed )

麻布大学獣医学部動物応用科学科卒業。人と犬が互いに幸せに暮らす社会を目指し、犬の正しい知識や飼い方を広めるため、ドッグトレーナーの道へ。犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクールに所属し、毎週末行なうレッスンには多くの飼い主と犬たちが集まる。預かりや訪問など様々なしつけ/指導を行なう中、動物系専門学校の講師も務める。

「柴犬を飼ってはいけない」と言われる理由はこれ!

柴犬の主な欠点・デメリットとして挙げられる点は以下の8つです。これらが原因で「飼ってはいけない」と言われるケースが多いでしょう。

記事の後半でそれぞれの理由について詳しく解説しています。初心者が柴犬を飼ってもよいか、柴犬が向いているのはどのような人かはこのあと解説しているのでそちらもぜひご覧ください。

鈴木拓真さん
鈴木拓真さん
犬のしつけ方教室(スタディ・ドッグ・スクール)には多くの柴犬が通っています。毎年、全体の10%以上の割合です。もちろん、そもそも飼っている方が多いという点はありますが、しつけや飼い方に苦労しているケースは多いと言えます。

特に子犬の頃の激しい甘噛みや、成犬になってからも自己主張の強さで悩む方が多い印象です。子犬が遊びたくてじゃれて噛んでくることは当たり前ですが、柴犬の場合、飼い主の想像以上に強い力で噛まれてしまい頭を抱えることもしばしば。また、自己主張が強い性格が多いことから、日々の足ふきなどのお手入れ、病院での診察中などの噛みつきが見られたり、ハーネスや首輪の装着時に動きを制御されることを嫌がって主張したりすることも多いです。

初心者は柴犬を飼ってはいけない?なぜ捨てられてしまう?

窓越しに外を見つめる柴犬

柴犬は、警戒心の強さや頑固さなどがある犬種です。しつけは簡単ではなく、初心者に強くおすすめできる犬種ではありません。しかし、飼育頭数が多く目に触れる機会が多いうえに、近年はマンションでも飼える豆柴が販売されているので、安易に飼い始めてしまう人が多いと考えられます。

ある程度人と距離を取りたがる性格の子も多いので、イメージしていた関わり方とのギャップが生じるケースや、しつけ・トレーニングの知識がなく手に負えなくなるケースがあります。2007年には、保健所において柴犬の頭数が最も多いという調査結果(※)も出ています。

とはいえ、柴犬を飼ってはいけないということはありません。柴犬の性格が自分に合っていて、きちんとトレーニングができるのであればよいパートナーになれるでしょう。

※朝日新聞社「AERA」2008年12月08日号|犬ビジネスの「闇」

柴犬を飼うのに向いているのはこんな人!

飼い主の手を舐める柴犬

以下の内容すべてに当てはまる人は、柴犬を飼うのに向いていると言えるでしょう。犬を迎えるときは、自分に合う犬種であるかをじっくり検討することがとても大事です。当てはまらないときは別の犬種も検討してください。

☑︎愛犬とあまりべったりできなくても良い
→当てはまらない場合におすすめ:トイプードル、ヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザーなど

☑︎子犬の時期から十分なトレーニングの時間を取れる
→当てはまらない場合におすすめ:なし

☑︎毎日2回以上散歩に行って十分に運動させられる
→当てはまらない場合におすすめ:なし

☑︎悪天候の日でも屋外へ出てトイレに連れて行ける
→当てはまらない場合におすすめ:小型犬(メス)

☑︎抜け毛の多さが気にならない
→当てはまらない場合におすすめ:トイプードル

☑︎こまめにブラッシングができる
→当てはまらない場合におすすめ:ミニチュアピンシャー、ボストンテリア

☑︎15年以上一緒に暮らせる見込みがある
→当てはまらない場合におすすめ:大型犬

トレーニングはどの犬種も必要です。強いていうならシーズーやパグが比較的穏やかな性格で、高いトイプードルは訓練性が高く物覚えが早い犬種ですが、トレーニングをしなければ問題行動の多い犬になってしまいます。しつけ・コミュニケーションの時間を十分に取れないのであれば、犬種選びの前にまずは時間を確保する方法を検討しましょう。

運動量が比較的少ない犬種にはシーズーやパグなどが挙げられますが、散歩や遊びが不要なわけではありません。健康を保つための運動はどの犬種も必要です。縄張り意識が比較的少なく足を上げにくいメス犬で、さらにおしっこの量も少ない小型犬であれば室内でトイレはさせやすいものの、トイレトレーニングは必須です。

また、小型犬に比べて大型犬は寿命が短いため、15年以上一緒に暮らせることは少ないかもしれません。ただ、犬の寿命は年々延びているうえ、小型犬に比べて介護の負担は大きいので注意しましょう。

なお、以下の記事では柴犬の基本情報や飼育する際のポイントをまとめています。こちらも参考にして、柴犬が自分に合うかをチェックしてください。

【トレーナー監修】柴犬の性格と飼い方は?しつけや子犬の値段、豆柴・黒柴の特徴を紹介
【トレーナー監修】柴犬の性格と飼い方は?しつけや子犬の値段、豆柴・黒柴の特徴を紹介

「柴犬を飼ってはいけない」と言われる8つの理由を詳しく解説

飼ってはいけないと言われる理由について、それぞれを詳しく解説します。飼い主へのアンケートの回答も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

性格は個体差が大きくどの柴犬にも当てはまるわけではありませんが、このような傾向を持つ犬種であることをよく理解するのがポイントです。

①警戒心・攻撃性が強く、人や犬に吠えやすい

野原で遊んでいる柴犬

柴犬は元々猟犬として活躍しており、野生的な本能が出やすい犬種です。警戒心が強く、吠えや噛みつきが多いことが少なくありません

吠え声はマンションでは問題になりやすく、手に負えず手放したくなる人がいると考えられます。また、噛みつきがひどいと病院での診察やブラッシング・シャンプー、ハーネスの正しい装着などが困難になります。

犬も飼い主も安全に過ごすために、子犬の頃から社会化やトレーニングを行うことが大切です。

犬のしつけの完全ガイド📕動画付きでわかりやすく基礎やコツを解説【トレーナー監修】
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◼︎「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間のエピソード

爪切りや耳掃除や敏感な所を触ると嫌がって大袈裟に泣きわめくのでびっくりします。嫌な事をすると噛みついてくることも

(メス・12歳)

普段会わない人に警戒することが多く、宅配業者の方や友人などが来た際に激しく吠えてしまいます

(メス・8歳)

所有欲がすごくて、一旦自分の物だと思ったら、徹底的に死守します。それで家族は何度も噛み攻撃にあいます。

(メス・18歳以上)

見た目はものすごく可愛らしいですが、いろんな犬種の中でも気性は荒い方だと思います。不満があると牙をむき出しにした威嚇行動をよくとります。とくに散歩に連れて行く前などよくこの行動をとります。

(オス・3歳)

とにかくお風呂を嫌がるので毎月風呂場まで誘導するのが大変

(オス・4歳)

かわいいけれど、自分の縄張りがハッキリしていて、そこへ誰かが入ってくると唸る、吠える

(メス・2歳)

どこかへ連れて行くとき、見知らぬ土地へ行くと毎度人や動物にすぐ吠えてしまう

(メス・13歳)

散歩中にお友達が近づいて来るのを嬉しそうに待っているくせに、ギリギリまで近付いたら唸り出す事があるので困惑します

(メス・8歳)

大雨や台風の際に、近くの公民館に避難するときに、犬が吠えてしまい周囲の人たちに迷惑をかけてしまったこと。ケージやカバンに入れておくことができないため、避難所での世話が大変。

(オス・9歳)

◼︎これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点

柴犬はストレスを感じやすいことを理解してあげることが重要です。初めて訪れる訪れる場所では固まってしまったり、初めて会う人には警戒心を持って近づこうとしません人間の自己満足で、柴犬が嫌がっているのに連れまわすのはダメです。

(メス・8歳)

愛玩犬ではないので、他の犬種と比較すると、ペットとして飼うのはハードルが高いと思います。なので、他の子以上に社会化に充分な時間をかける必要があるかと思います。何もかもにおいて慣らすために、時間と労力が必要だと思います

(メス・18歳以上)

うちの犬はレインコートすら着たくないと嫌がるので、可愛い服をたくさん着せたいと思ってる人にはやめた方がいい犬種だと思います。

(オス・11歳)

うちの犬はわがままを通したい時によく吠えるので、吠えれば飼い主が言うことを聞くということを覚えさせない方が良いです。

(メス・5歳)()

鈴木拓真さん
鈴木拓真さん
柴犬は遺伝的にオオカミに近い犬種ということが、研究で明らかになっています。また、人と一緒に生活するために選択育種(改良)を繰り返されてきた洋犬とは異なり、その土地に住み着いた犬(土着犬)として、ほとんど改良されることがなかったという歴史的背景があります。

野性味あふれる行動が柴犬の特徴であり、飼い主がしつけで苦労する大きな原因だと考えられます。

②頑固で散歩中などに動かなくなる

柴犬散歩

自己主張の強さゆえの頑固な面があり、飼い主の言うことを聞かないシーンも多いでしょう。代表的であるのが「拒否柴」として知られる行動で、散歩中に自分の行きたい方向でないと動かなくなることがあります。

アンケートでは、長い時間歩いても満足するまで帰らないという声も多数見られました。たとえば出勤前で時間が限られていると、毎朝の散歩がとても重荷になるかもしれません。

◼︎「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間のエピソード

とっても可愛いが、運動量が多い為日々の散歩においても1時間以上しないと満足しない。また、満足しないと帰ろうとしてくれない

(オス・10歳)

個体差もあると思いますが、とにかく頑固。散歩中は、いわゆる「拒否柴」状態になることもあります

(オス・8歳)

子犬の頃、お散歩が嫌いでおすわりの姿勢のまま道路に踏ん張って動かなくなることがありました

(性別未回答・8歳)

◼︎これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点

想像以上に頑固なので、お犬様!と尽くせる方でないと、寂しいと思う場面があるかもしれません。

(オス・10歳)

とにかくうちのは気まぐれなので、合わせた生活になっています。なので、柴犬もしくは豆柴を飼いたい方は、わがままな所も愛せる方でなければ厳しいと思います。性格が分かってこれば、愛情表現も分かりますしとても可愛くなくてはならない存在に存在になります。

(メス・2歳)

わりと気分屋なので、柴犬に限らないことだけど、どんな時でもどんな所もかわいいと思える余裕と覚悟が必要だと思う。

(オス・2歳)

柴犬を飼うのは二匹目ですがどちらも気まぐれさんなので大変でした。どうしてもわんちゃんのペースになってしまいがちなので子犬の頃からきちんとしつけしておいた方がいいと思います。

(メス・7歳)

③独立心があり、べったり甘えない

後ろ足で地面を蹴る柴犬

前述のとおり野生的な犬らしい性格の犬種なので「飼い主と一緒にいたい」「甘えたい」という気持ちはあまり強くありません。なかには甘えん坊な性格の柴犬もいますが、基本的には独立心があって一人で過ごす時間を欲しがる犬種と覚えておきましょう

構いすぎると大きなストレスになることもあるので、特に小さな子供がいる家庭は要注意です。

◼︎これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点

愛想を振りまかないツンデレなところがあります。たまに甘えてくるところがたまらなく可愛いのですが…スキンシップをたくさんしたい方は他の犬種が良いと思います。

(オス・8歳)

マイペースで抱っこされたり撫でられたり頻繁にスキンシップをとるのは好きではないようで割とあっさりしているので、常に一緒にいて触れていたいという人には向かない犬種だと思う。

(性別未回答・13歳)

洋犬とくらべると甘えたり一緒に遊ぶのが苦手かもしれません。

(オス・6歳)

柴犬は割とツンデレが多いと思います。さっき甘えてたのにツレなくなることが結構あります。いつも甘えて欲しいタイプの人には扱いが難しいかもしれないです。

(オス・9歳)

柴距離があります。自分からは近づいてくるのは良くて、こちらから近づくと離れます

(オス・10歳)

うちの犬は絶対に抱っこさせてくれません

(メス・8歳)

④エネルギッシュで運動欲求を満たすのが大変

柴犬は運動欲求が比較的高い犬種で、散歩は1日2回、毎日行く必要があります。散歩に行って歩くだけではなく、走ってボールを追いかける遊びをしたり家の中で引っ張りっこをしたりと、本能的な欲求を満たさなければいけません。

引っ張る力が強く、脱走のリスクも考えると子供や高齢者が散歩に行くのは危険です。お迎えを考えている場合は、毎日の散歩に問題なく行ける環境であるかを確認しましょう。

◼︎「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間のエピソード

とにかくパワフル。散歩もほぼエンドレスです。急に土に穴を掘り出したり、色んな死骸も口にします。

(メス・18歳以上)

とにかく散歩時に引っ張ります。年配の人間が散歩に連れて行けないくらい前に進むのには困ります

(オス・5歳)

◼︎これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点

想像以上に散歩が好きなので、飼い主の体力と時間がないと向いていない犬種かと思います。

(オス・10歳)

柴犬は忠誠心がとっても強い。もちろん、人懐っこくて可愛い。でも、とても活動的な側面が強く、アグレッシブに暴れ(遊ぶ)た後の後始末がとても大変なので、面倒くさがりの人には絶対にオススメしません。またお散歩も毎日が必須です。

(オス・4歳)

散歩を好みやすいので、忙しい人には向かない犬種だと思います。また旅行など移動が大変。

(オス・9歳)

愛嬌はあってかわいいですが、よく動くしうるさいです。静かな生活を送りたい人にはあまりお勧めできません

(オス・8歳)

うちの柴犬は1回30分、1日2回散歩をさせてあげないとストレスがたまってしまい家の中を突然猛ダッシュしたり走り回ったりして暴れます。毎日運動をさせてあげることができない飼い主さんだと、柴犬はストレスをためてしまう可能性が高いと思います。

(オス・5歳)

⑤外でしかトイレをせず、どんな日でも散歩が必須

散歩中匂いを嗅ぐ柴犬

柴犬は、寝床と排泄場をはっきりと分けることが多い犬種です。ナワバリ意識の強さも影響して家の中でトイレをしない子が多く、用を足すために必ず散歩に行くことになるでしょう。

台風の日や雪の日でもトイレのために散歩に行かなければいけません。アンケートでは、庭に出ても自分のテリトリーだと認識して排泄しないという回答もありました。

◼︎「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間のエピソード

雨が強いときも散歩に行かないとだめなところ。室内犬の場合はその後に手足だけでなく身体も拭かないといけない

(オス・5歳)

雨の日も風の日も雪の日もトイレに連れて行かないといけないこと

(オス・12歳)

◼︎これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点

柴犬は綺麗好きなので、自分のテリトリーでは排泄したがりません。それは庭でもです。ですから大雨や台風の日でも外に散歩に連れていかなければなりません

(オス・5歳)

室内で飼っているのですが、トイレは絶対に外でしかしなかったので、一日数回の散歩が大変です。

(オス・15歳)

お外のトイレと毛の量は良く聞くと思いますが本当に大変です。ズボラな方、面倒くさがりの方は飼うのを辞めたほうが良いと思います

(オス・12歳)

⑥抜け毛が多い

ブラッシングされる柴犬

柴犬はダブルコートと呼ばれる二重構造の被毛で、抜け毛がとても多い犬種です。特に換毛期は、抱っこすると黒い服が真っ白になり、家じゅうに毛が舞っているような状態になります

こまめな掃除が必須ですが、どれだけ気をつけても毛が服についたり床に落ちたりしてしまうでしょう。柴犬の抜け毛については以下の記事で詳しく解説しています。

ブラッシングされる柴犬
柴犬はなぜ抜け毛が多い?換毛期の家の中での対策・おすすめのグッズをアンケート調査!

◼︎「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間のエピソード

毛が想像の60倍ぐらい抜ける。換毛期は掃除機が壊れそうになります。(笑)

(メス・4歳)

換毛期の毛の量は本当に大変です、毎日毎日毛との戦いです。部屋の中、庭至る所に毛が散りどうにもなりません

(オス・12歳)

から夏にかけてかなり毛が抜け落ちるので、少しケアを怠ると部屋中が毛まみれになって掃除が大変になることです。

(オス・2歳)

◼︎これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点

まめに掃除ができる人には向いていると思います。服に毛がつくので、おしゃれに気を使う人にはむいていないかもしれません

(メス・3歳)

短毛にみえて抜け毛が少なそうですが、抜け毛の量が凄いのでこまめなブラッシングが必要です。

(オス・6歳)

とにかく換毛期の抜け毛が凄いです!抜けた毛でもう1匹作れそうなくらいに抜けます

(オス・10歳)

⑦アレルギーや皮膚疾患が多い

アニコム損害保険株式会社の調査(※)によると、柴犬が他の犬種と比べて最も発症しやすい病気はアトピー性皮膚炎です。ほかにもアレルギー性皮膚炎や、原因を特定できていない皮膚炎・痒みが上位の疾患に挙がっています。

こまめにシャンプーしたり食事に気をつけたりしなければいけないケースが多く、治療費も継続的にかかると考えられます。

アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」

⑧認知症になり介護状態になるケースが多い

柴犬

アニコム損害保険株式会社の調査(※)によると、柴犬の平均寿命は14.8歳です。しかし、17歳や18歳という年齢まで生きるケースも少なくありません。20年近く飼育できる家庭でないとお迎えは難しいと言えます。

また、認知症を発症したり立ち上がれなかったりして介護状態になることが多いので、シニア期のケアは苦労しやすいでしょう。

アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」

◼︎「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間のエピソード

介護の期間が2年くらいあり、体が大きく丈夫なわりに認知症が進んでいたので大変だった

(オス・17歳)

15歳くらいから徘徊があり、3日に1回は粗相の処理にかなりの時間を取られていた。周りを見ても柴犬は認知症になっている子が多く、シニアになったときの介護も覚悟してから飼い始めないとだめだと思った

(オス・17歳)

柴犬には魅力・メリットもたくさんある!

柴犬

「飼ってはいけない」と言われる理由を紹介してきましたが、柴犬には良いところもたくさんありま

  • 信頼関係を築ければ飼い主にとても忠実
  • ツンとデレが入り混ざった行動がかわいい
  • 活発に動く犬らしい姿をたくさん見られる
  • シニア犬特有のかわいさを堪能できる

自分に合う犬種だと感じたら、ぜひ家族に迎えることを検討してください。

鈴木拓真さん
鈴木拓真さん
いわゆる“犬”という動物らしさを教えてくれることが柴犬の一番の魅力だと感じます。

個人的な考えになってしまいますが、人に対してベタベタしないでいる距離感や、おやつではつれない頑固さ等など、“簡単にいかない“部分が魅力的です。犬との触れ合いを好む方やべったりした犬が好きな方には向かないと思いますが、程よい距離感を持って犬と暮らしたい方にはぴったりだと思います。

「飼って後悔している」「手放したい」と思ったら?

柴犬

すでに柴犬を飼っており、手に負えなくなって悩んでいる人もいるのではないでしょうか。自分で解決するのが難しい場合は、獣医師やドッグトレーナーなどに相談することや、しつけ教室に通うことを検討してください

保健所への持ち込み、山への置き去りなど無責任に手放すことは決してせず、最後まで飼育することが飼い主の役目です。正しくコミュニケーションを取れば心を開いてくれるので、諦めずに向き合いましょう。

鈴木拓真さん
鈴木拓真さん
動物の愛護及び管理に関する法律では、動物の飼い主はその動物が命を終えるまで適切に飼養する「終生飼養」の責任があることが明記され定められています。

自らの病気などによりどうしても飼えなくなってしまう場合、手放す前にまずは相談するようにしましょう。獣医師やドッグトレーナーなどの犬のプロや、家族・友人などに相談してください

もちろん飼う前に犬を迎えるための準備を怠らないことが一番大切です。今から迎えようと考えている人は、まず飼える環境なのか、犬についての知識、飼う上でかかる費用など様々なことを確認しなければいけません。また、お世話ができるのか、万が一入院してしまった時などに代わりに飼ってくれる人はいるのかを考えておくことも大切です。

まとめ

柴犬は警戒心の強さや頑固さ、甘えない性格などから「飼ってはいけない」と言われることがしばしばあります。抜け毛の多さや皮膚の弱さ、介護になることが多い点もデメリットと言える部分です。吠えや噛みつきが多い成犬に育ってしまうことも多く、初心者には強くおすすめできない犬種です。

しかし、性格や特徴をきちんと理解したうえで正しく飼育できるのであれば、決して飼ってはいけない犬種ではありません。柴犬が自分がイメージする犬との関わり方にマッチした犬種であるかをよく確認してみましょう。

犬らしい活発さやツンデレな性格は、柴犬ならではの魅力です。お迎えを考えている方は、この記事をきっかけに柴犬のことをもっと深く知ってくださいね。

【アンケート調査概要】
・アンケート内容:柴犬(豆柴)について
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国の現・元柴犬の飼い主さん110名
・アンケート実施期間:2023年11月13日~11月27日

【アンケート項目】
Q1. 回答している方の性別を教えてください
Q2. 回答している方の年代を教えてください
Q3. 愛犬の年齢を教えてください
Q4. 愛犬の性別を教えてください
Q5.「柴犬を飼うのは大変」「柴犬を安易に飼ってはいけない」と思った瞬間はありますか? 
Q6. 4.で「はい」と答えた方は、具体的なエピソードを詳しく教えてください(いくつでも可)
Q7. これから柴犬を飼おうと思っている人に知っておいてもらいたい注意点と、その理由を教えてください(いくつでも可)

ライター Haruko

執筆者

ライター
Haruko

愛犬の介護のために会社を退職し、現在はフリーランスのライター・編集者として活動中。小学生から一緒にいる17歳の柴犬(♂)が何より大事です。ペットグッズを実際に使って比較する記事をこれまでに多数執筆。その経験を生かし、リアルで新しくて本当に役立つ情報を届けることをモットーにしています。

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