犬が食べてはいけないものとして、真っ先に挙げられる食材である玉ねぎ。危険であることは認知されているものの、ちょっとした不注意で愛犬が食べてしまうことは少なくありません。
「少量舐めただけでも危ない?」「食べてしまったかもしれないけど、応急処置はどうすればいい?」など、不安に思って調べる人は多いでしょう。
この記事では、なぜ犬に玉ねぎを与えてはいけないかという理由や、玉ねぎによる中毒症状の様子などを詳しく紹介します。
犬が食べてはいけないものとして、真っ先に挙げられる食材である玉ねぎ。危険であることは認知されているものの、ちょっとした不注意で愛犬が食べてしまうことは少なくありません。
「少量舐めただけでも危ない?」「食べてしまったかもしれないけど、応急処置はどうすればいい?」など、不安に思って調べる人は多いでしょう。
この記事では、なぜ犬に玉ねぎを与えてはいけないかという理由や、玉ねぎによる中毒症状の様子などを詳しく紹介します。
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目次
玉ねぎは、犬には絶対に与えてはいけない野菜です。玉ねぎをはじめとするネギ類には「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています。犬は有機チオ硫酸化合物を分解する酵素を持っていないので、食べると中毒症状により貧血・嘔吐・下痢などが引き起こされ、死に至る可能性もあります。
有機チオ硫酸化合物は加熱しても消えないので、調理したものや玉ねぎの加工商品でも危険です。
以前は犬に玉ねぎを含んだ残飯を与えていた家庭もありましたが、当時は知られていなかっただけで中毒症状を起こした犬もいたと考えられます。犬には絶対に玉ねぎを与えないようにしましょう。
上述のとおり、玉ねぎには有機チオ硫酸化合物が含まれ、その成分によって中毒症状が引き起こされます。具体的にどのような症状が出るのかを詳しく紹介します。
犬が玉ねぎを食べると、主に以下のような症状が現れます。
■玉ねぎによる症状
貧血
嘔吐
下痢
食欲減衰
特に貧血が起こっていると、次のような様子になります。よく見ていないと気づかない可能性もあるので、玉ねぎを食べてしまった場合はその後の様子をしっかり確認しましょう。
■貧血を起こしたときの様子
舌や歯肉の色、唇の粘膜や目の結膜が白っぽい
褐色の尿が出る
黄疸が見られる
呼吸が速い
中毒症状は早いと食べてから30分ほどで出現しますが、食べた量や体の大きさなどによって異なり、かなり差があるものです。
長いと数時間の可能性もあるので、しばらく見ていただけで「元気だから大丈夫そう」と判断するのは危険です。特に、次で紹介する摂取量を超えている場合は急いで動物病院に行きましょう。
犬に体重1kgあたり5gの玉ねぎを与えると貧血(ハインツ小体性貧血)が起こったという研究結果があります。つまり、体重1kgあたり5g以上の量の玉ねぎを食べたら体に異変が起こる可能性が高く、速やかな病院の受診が必須と言えます。
さらに、体重1kgあたり30gを3日間続けて与えると、全ての犬に重度の貧血・赤血球ハインツ小体・血色素尿症の症状が見られ、5日目には亡くなった犬がいるとも報告されています。
症状が出るまでの時間と同様に個体差が大きく、秋田犬や柴犬は中毒症状が出やすいとも言われています。体重1kgあたり5gより少なかったとしても、食べてしまったのがあきらかな場合や飼い主さんが不安な場合は、病院で受診しましょう。
※参考:「禁忌食(その1)―タマネギなどのネギ属とイヌ・ネコの健康」ペット栄養学会誌, 14(2):103-104,2011
愛犬が玉ねぎを「体重1kgあたり5g」以上、もしくはそれに近い量食べてしまった場合は、すぐに病院に行くことが最も正しい対処法です。
「家族に怒られるからしばらく黙っていよう」「少しお腹がゆるいけど、自然治癒するかもしれないからしばらく様子を見よう」などと思わず、急いで受診しましょう。
愛犬が危険な量の玉ねぎを食べてしまった、または食べた瞬間は見ていないがその可能性があるというときは、すぐに病院に行くことが大切です。診察の際に食べた時間や量を伝えられるよう、メモをしておきましょう。
病院では食べたものを吐かせる処置や、赤血球の破壊を防ぐ薬の投与・輸血などの対症療法が行われます。解毒剤はないので、必要な治療をどれだけ早く始められるかが重要です。
ネット上には「塩を飲ませて吐かせる」「オキシドールを飲ませて吐かせる」「逆さにして振る」といった応急処置の方法が紹介されていますが、自己判断でこのような処置を行うと効果がないばかりか、かえって状態を悪くさせてしまう可能性もありとても危険です。
最も早く診てもらえる動物病院に連れて行くか、往診を依頼して、獣医師に処置してもらいましょう。かかりつけ病院の診察時間外にトラブルが起こった際の対応を、事前に確認しておくことも重要です。
玉ねぎ以外のネギ類も、同じように与えてはいけない食材です。玉ねぎは多くの人間の食品に含まれているので、愛犬が隙を見て食べてしまわないようにしましょう。
玉ねぎのほか、長ネギ・万能ネギなど他のネギ類にも有機チオ硫酸化合物が含まれるので、絶対に与えてはいけません。「ネギ」がつかないニラ・らっきょう・エシャロットなども同様です。
そのほかに犬に与えてはいけないものとして代表的な食品が、チョコレートやぶどうです。ネギ類も含めて詳しく解説しているので、以下の記事も参考にしてください。
ネギ類は、さまざまな人間の食べ物に使用されています。料理はもちろん、スナックなどのお菓子に玉ねぎのパウダーやエキスが使われているほか、人間用のサプリメントに含まれていることもあります。
お菓子やサプリメントから危険な量を摂取するにはかなりの量を食べなければいけませんが、たとえば隠れて大量のポテトチップスを食べてしまった場合は中毒症状が出る可能性が。
このあと紹介するように、飼い主がうっかり落としてしまった料理を拾い食いするケースも多いので、誤食しないよう十分に注意してください。
玉ねぎを与えてはいけないことは多くの人が知っていることですが、飼い主の不注意で食べてしまうことが少なくありません。
どのようなときに愛犬が玉ねぎを食べてしまったのかを、Yahoo!知恵袋から紹介します。
犬が玉ねぎを食べてしまいした
私の不注意だったことはわかっていますが、その場にいた人にも見といてもらうことを頼んでいたのに誰も動いてくれず食べてしまった後も親も誰も助けてくれません。どうすればいいですか
引用:Yahoo!知恵袋
犬のお世話に慣れていない人には、短い時間でも任せないことが安全です。自分が見ていられないときはケージに入れるのがよいでしょう。
また、体重や食べた量・時間がわからないと病院に行っても適切な処置が難しくなってしまいます。獣医師には必ず伝えられるようにしてください。
犬が玉ねぎを食べてしまいました。
食べたものと同じ大きさの玉ねぎを計ると1グラムでした。
家族でご飯を食べている時に自分が落として食べてしまいました。その時怒られると思いなかなか言い出せず半日過ぎました。親に伝えて病院に行くべきですか?
引用:Yahoo!知恵袋
落としたものを食べてしまう場合、家族の食事中はケージに入れましょう。散歩中も拾い食いをする可能性があるので、拾い食いを防ぐトレーニングを行ってください。
犬が玉ねぎを食べたかもしれません
玉ねぎを切っていてフライパンに移す時に落としてしまって『フライパンに移してから拾おう』と思ってたんですが、その間に犬が来ていて私が見た時には玉ねぎの匂いを嗅いでいた感じでした。
食べてしまったんでしょうか…心配で仕方ありません。
体重は5キロぐらいで玉ねぎの大きさはミニトマトぐらいです…
引用:Yahoo!知恵袋
拾い食いの前に、そもそも火や包丁を使うキッチンに自由に出入りできることが危険です。ケージに入れる、ゲートをつけるなど、入って来られないようにしましょう。
犬にたまねぎを切った後の包丁とまな板を使って切ったキャベツを与えてしまいました。
これは病院に行った方がいいですか?
小型犬で7歳です。
引用:Yahoo!知恵袋
多少成分を摂取している可能性はありますが、「体重1kgあたり5g以上」という危険な量には及ばないと考えられます。しかし、包丁やまな板にカットした玉ねぎのかけらがついている場合もあるので、きちんと洗ってから使用してください。
犬と玉ねぎの関係に関する、よくある質問に回答します。
よく洗えば、基本的には問題ありません。
体重1kgあたり5g以上摂取すると体調に異変が出るという研究結果があるので、手に残った臭いを嗅ぐくらいでは体調への大きな影響はないと言えます。
臭いを嗅ぐだけでは有機チオ硫酸化合物を危険な量まで摂取できないので、基本的に問題はありません。
しかし、刃物や火を使っているところに犬が近づける状態は危険なので、離れた場所で調理するようにしてください。
玉ねぎによる犬の致死率のデータはなく、亡くなったという例はネット上で実はあまり見られません。
しかし、過去に行われた実験では1kgあたり30gの玉ねぎを与えると、3日間ですべての犬に貧血や血色素尿症が起こり、5日目に亡くなった犬もいたと報告されています。健康に害を及ぼすのは明らかなので、絶対に与えないようにしましょう。
※参考:「禁忌食(その1)―タマネギなどのネギ属とイヌ・ネコの健康」ペット栄養学会誌, 14(2):103-104,2011
玉ねぎには中毒症状を引き起こす「有機チオ硫酸化合物」が含まれるため、犬に与えてはいけない食材です。一定量を食べると重度の貧血・嘔吐・下痢などを起こし、最悪の場合死に至ります。
研究結果から、体重1kgあたり5g以上を摂取すると体調に異変が起こる可能性が高いと考えられます。しかし、あくまで目安なので、近い量を食べている場合やいつもと様子が違う場合、飼い主さんが不安な場合は動物病院に行きましょう。
長ネギ・ニラ・らっきょうなど、玉ねぎ以外のネギ類にも有機チオ硫酸化合物が含まれるため、絶対に与えてはいけません。ネギ類のエキスやパウダーを含んだお菓子・サプリメントなどにも気をつけましょう。
危険なことを認識していても、少し目を離した隙に食べられたり、食事中に落としたものを取られたりする例は少なくありません。大切な愛犬が誤食しないように、飼い主さんが細心の注意を払ってくださいね。
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