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犬が人間用のチーズを食べちゃった!少量ならば大丈夫
ふと目を離した隙に、愛犬にチーズを食べられちゃったという飼い主さんは少なくありません。また、おやつとして人間用のチーズを食べさせてもいいか疑問に思う飼い主さんもいるでしょう。
結論から言ってしまえば、塩分量の低いものを適量であれば、犬が人間用のチーズを食べても大丈夫です。もし少量(一切れ程度)を盗み食いされてしまったとしても、突発的であれば過剰に心配する必要はありません。
ただし、多量に食べてしまった場合は食塩中毒*を起こす可能性があるため、獣医師に相談してください。
チーズは脂質が高く種類によっては塩分も高いため、犬におやつとして与える場合は、チーズの種類や量に注意しましょう。
* 食塩中毒とは
犬に塩分は必要な栄養素で摂取しなければいけないものですが、過剰に摂取すると食塩中毒を引き起こす可能性があります。その量は犬の個体差もあり、はっきりとわかっていません。
【体重別】犬が1日に食べてもいいチーズの量
犬におやつやトッピングとしてチーズを与える場合、1日に食べてもいいチーズの量は犬が1日に必要な摂取カロリーのうちの10%以内が理想です。栄養バランスの偏りを防ぐため、多くても20%以内にとどめるようにしてください。
避妊・去勢済みの成犬が1日に食べられるチーズの上限量を体重別にまとめてみました。
■【体重別】犬が1日に食べられるチーズの上限目安量
※チーズのカロリーはプロセスチーズ313kcal/100gで計算。チーズの種類によって異なるため注意
※避妊・去勢済みの成犬の摂取カロリーの10%、活動係数1.6で算出
※1日におやつやトッピングとしてチーズだけを与えた場合
■プロセスチーズの重さの目安
・スライスチーズ…1枚18g
・6Pチーズ…1片18g
・ベビーチーズ…1個13.5g
上記の上限量はあくまでも目安です。チーズは脂質や塩分が多く含まれているものもあるため、愛犬の体調や便の状態はもちろん、体型や活動量、ライフステージなども考慮して与える量を調整しましょう。
また、チーズのほかにおやつやトッピングなど与える場合は、その分のカロリーと合わせて10%程度(多くても20%以内)となるため食べさせてもいい量は減るので注意してください。
愛犬が1日に必要な摂取カロリーなどの計算方法は、以下の記事をご覧ください。
【獣医師監修】ドッグフードの正しい与え方!パッケージの給餌量はあくまで目安
犬がチーズを食べると得られるメリットは?栄養豊富で嗜好性が高い
チーズは塩分や脂質が多いなら、犬に与えるメリットは?と疑問に思う飼い主さんもいるのではないでしょうか。チーズを好きな犬は多く、トレーニングのご褒美などにも役立ちますが、ほかにもメリットはあります。
ここでは、犬がチーズを食べると得られるメリットについて見ていきましょう。
チーズは栄養素が豊富
チーズは体に必要な栄養がバランス良く詰まっているといわれているほど、栄養価の高い食べものです。(※1)
犬の嗜好性が高いことから、食欲が落ちているときの栄養補助にも役立ってくれるでしょう。
■チーズの主な栄養素と特徴
カロリー(100g) |
313kcal/プロセスチーズ(※2) |
たんぱく質 |
・生命活動に欠かせない栄養素
・酵素としても働く
・エネルギー源となる |
脂質 |
・健康維持に欠かせない栄養素
・たんぱく質や炭水化物より効率的なエネルギー源となる
・脂溶性ビタミンの吸収をサポート |
ナトリウム |
・細胞の機能に必要不可欠
・体内で水分バランスを整える
・細胞内外の浸透圧を一定に保つ
・神経の伝達をサポート |
ビタミンA |
・視力(特に暗順応)を定常に保つ
・皮膚や被毛、粘膜を健康に保つ |
ビタミンB2 |
・皮膚を健康に保つ
・被毛の質を高める
・特定の酵素の働きに不可欠な1つ |
カルシウム |
・骨や歯の健康を保つ
・筋肉を動かすために不可欠
・神経の伝達をサポート
・正常なホルモン分泌 |
チーズの種類によって含まれる栄養素は異なりますが、上記の栄養素はほぼ含まれています。
また、ナチュラルチーズであれば生きた乳酸菌を摂取することができるため、腸内環境を整えるサポートも期待できます。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い
※チーズによって異なりますが、表は参考までに
※「プロセス&ナチュラル」は、ものによってプロセスチーズかナチュラルチーズを使用
市販されているチーズは、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に分別されています。
どちらもチーズに変わりはありませんが、以下のような違いがあります。
- ナチュラルチーズ=ナチュラル
…牛乳などの生乳に乳酸菌や酵母などを使用して固めたもの。乳酸菌が生きており、時間と共に味わいが変化する。フレッシュタイプと熟成タイプに分かれる
- プロセスチーズ=加熱加工
…ナチュラルチーズに乳化剤や水などを加えて加熱し、溶かしたものを再び成形したもの。味わいが安定しており賞味期限も長め
乳糖が分解されているから下痢になりにくい
チーズは牛乳やヤギの乳などを乳酸菌や酵素で固めて作っており、ほとんどの乳糖が分解されているため、乳糖不耐症の犬でも下痢になりにくいという特徴があります。
もちろん、わずかな乳糖に反応する犬がいたり、乳製品アレルギーで下痢になる犬もいるので絶対に大丈夫というわけではあないので、愛犬に初めてチーズを食べさせるときは少量で様子を見てあげましょう。
薬をつつんでごまかせる
チーズは犬の嗜好性が高いため、錠剤の薬をチーズで包み、薬だと悟られずに投薬できるというメリットも。
薬を飲んでくれない犬は多く、どうやって薬を飲ませるか頭を抱えている飼い主さんは試してみるといいでしょう。
実際、私(たかだなつき)の愛犬たちは病気持ちなので薬をたくさん処方されていますが、ご飯に隠してもペッと吐き出されてしまい、口を開けようにも力を入れてイーッとされてしまうため、いつも悪戦苦闘。
そこで、ごく少量のクリームチーズに包んで与えるようになりました。何年も続けているとチーズを見るだけで薬と気付き、1匹にはもうこの手は使えませんが、投薬補助おやつなどのローテーションの1つにすれば、悟られずに薬を飲ませることができるでしょう。
ただし、薬を包むのにチーズを使用していいかはかかりつけの獣医師に確認してくださいね。
犬におすすめのチーズは?塩分の低いものを選ぼう
販売するチーズを作る上で、食塩は安全面と技術面で必要不可欠です。(※3)そのため、販売されているチーズには塩分が必ず含まれていますが、犬にチーズを食べさせるときは塩分が低いチーズをおすすめします。
また、よく見かけるチーズ製品ですが、犬が食べられるものと与えないほうがいいものがあるのでまとめてみました。
■犬におすすめの塩分が低いチーズ
・マスカルポーネ
・モッツァレラチーズ
・リコッタチーズ
・クリームチーズ
・カッテージチーズ
基本的に、人間のおつまみとして作られたチーズ製品や人間用のチーズケーキは塩分や糖分などが多く使用されているほか、犬が食べてはいけないものが使用されていることもあるため、犬に与えないようにしましょう。
それぞれのチーズの塩分
さまざまなチーズが販売されていますが、主なチーズの塩分がどれくらいなのかまとめてみたので愛犬のチーズ選びの参考にしてください。
■100gあたりのチーズに含まれる塩分(※2)
チーズの種類 |
食塩相当量(g) |
マスカルポーネ |
0.1 |
モッツァレラチーズ |
0.2 |
リコッタチーズ |
0.4 |
クリームチーズ |
0.5 |
カッテージチーズ |
1.0 |
カマンベールチーズ |
2.0 |
ゴーダ―チーズ |
2.0 |
プロセスチーズ |
2.8 |
パルメザンチーズ |
3.3 |
ブルーチーズ |
4.0 |
上記は目安の数値ですが、熟成タイプのナチュラルチーズや、ナチュラルチーズを原料とするプロセスチーズは塩分が高い傾向にあります。
メーカーによっても異なるため、食塩相当量を出す方法を覚えておきましょう。
■食塩相当量の算出方法(※3)
100g中のナトリウム量(g)× 2.5 = 食塩相当量(g)
※精密に計算したい場合は2.54で計算
ナトリウムがmgで表示されている場合は、1000で割るとgに換算できます。
■ナトリウムがmg表示の場合
例)300mg ÷ 1000 = 0.3g
■もしくはmgのまま計算
例)300mg × 2.5 ÷ 1000 = 食塩相当量 0.75g
また、塩分が低くてもマスカルポーネやクリームチーズのように脂質が高いものもあるため、塩分が低くて脂質が高いものを与える際は半量にするなど、食べさせる量を調整してください。
犬にもナトリウム(塩分)は必要な栄養素
犬にとってナトリウムは生命活動を維持するためにも必要な栄養素です。
ナトリウムは犬に必要な栄養素のため、AAFCOの定めるドッグフードの総合栄養食では最低限度量が決められています。しかし、健康な犬では尿と一緒に排出できるという理由から、最大量は定められていません。
そのため、塩分を過剰に心配する必要はありませんが、過剰摂取の状態が続けば人間同様にさまざまな健康問題がでてくるので、チーズであっても高すぎない塩分量のものを選んだり、適量を与えるなどの配慮が必要です。
犬も食べられる!簡単な手作りチーズの作り方
市販されているチーズは塩分が心配!という飼い主さんは、手作りのチーズを作ってみてはいかがでしょうか。
【作り方】
- 豆乳やヤギミルクを40~50°に温める
- ①にレモン汁を入れて一混ぜする
- 10分ほど放置する
- ボロボロと分離してきたらふきんなどでこす
- ふきんを軽く絞り、完成!
牛乳で作ることも可能ですが、豆乳やヤギミルクを使用した方が下痢などの心配も少なく安心です。
こしたときに出る汁は栄養が豊富に含まれているため、犬に飲ませても飼い主さんが飲んでもOK!
作ったチーズは飼い主さんも一緒に食べることができるので、愛犬と一緒におやつタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
犬に牛乳は下痢の原因になることも!与える場合は少しずつ
犬にチーズを食べさせるときの注意点5つ
基本的に塩分の少ないチーズであれば人間用のチーズであっても犬は食べることができ、実際に人間用のチーズを使用したドッグフードやおやつなども販売されています。
とは言え、食べてもいいチーズであっても、愛犬に食べさせるときには注意しなければいけないことも。
①食物アレルギーに注意
チーズは乳製品のため、乳製品アレルギーの犬は注意が必要です。
また、チーズに限りませんが、どんな食べものでも愛犬に初めて食べさせるときは少量で与え、食べた後から48時間は様子を見てください。
もし愛犬がチーズに食物アレルギーがある場合は、食べてから30分~48時間以内に以下のような症状が見られます。
■犬の食物アレルギーの主な症状
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周り、耳を痒がる
- 足先や皮膚を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便
- 嘔吐
食物アレルギーの症状は犬によって異なりますが、上記のような症状が見られた場合は食べさせるのを控えて獣医師に相談してください。
犬の食物アレルギーの発症の仕組みや治療方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
犬のアレルギー(食物・アトピー・ノミ)原因・対策を徹底解説【皮膚科医取材】
②あくまでもおやつの範囲で与え過ぎない
チーズを好きな犬は多く、与えやすい形状なのでついつい食べさせてあげたくなってしまうでしょう。
しかし、チーズは栄養価が高く脂質も塩分も多く含まれているものが多いため、適量であれば問題なくても与え過ぎは病気や肥満の原因となってしまいます。
また、与え過ぎは栄養バランスの偏りに繋がるので、与えるときはおやつの範囲内にとどめておきましょう。
③レーズン入りやチョコレート入りなどは与えない
チーズによっては、レーズンやチョコレートなどが入ったものがありますが、レーズンやチョコレートは犬が食べると重篤な中毒症状を起こす可能性があり、絶対に食べさせないようにしてください。
また、飼い主さんが食べようと思って何かが入ったチーズを購入した場合は、愛犬が誤って食べることのないように保管場所にも注意しましょう。
犬が食べてはいけないものについては、以下の記事をご覧ください。
犬が食べてはいけないものを解説!36種類の症状や対処法、加熱調理が必要な食材も紹介
④ヒマラヤチーズなどの硬いチーズに注意
チーズはさまざまなものが販売されていますが、犬用のチーズではヒマラヤチーズなどの硬いチーズも存在します。
■硬いチーズに注意が必要な理由
・塊を喉や食道に詰まらせる可能性
・鋭利に欠けた塊が喉や食道を傷つける可能性
・歯が欠けてしまう可能性
硬いチーズは犬の噛みたい欲求を満たしてあげることができるおやつですが、歯が欠ける可能性があるため歯の弱い子犬やシニア犬、歯にトラブルがある犬にはおすすめできません。
また、成犬であっても喉に詰まらせたりしないよう、与えるときは飼い主さんが見守ってください。
⑤病気の犬は獣医師に確認
チーズは栄養価が高い食べものですが、栄養価が高いからこそ食事制限の指示がある犬は獣医師に確認してから与えるようにしてください。
肝臓病や腎臓病ではたんぱく質制限、心臓病ではナトリウム制限、膵炎では脂質制限など、それぞれの病気やステージにもよって食べられる場合と食べられない場合があります。
病気を患っている犬では、悪化させないためにも獣医師に確認するようにしてください。
犬にチーズを与えるときのよくあるQ&A
犬はチーズケーキを食べられる?
人間用に作られたチーズケーキは糖分や塩分、アルコールなどが使用されていることが多いため犬に与えないようにしましょう。
愛犬にチーズケーキを食べさせてあげたい場合は、飼い主さんが手作りするか犬用のチーズケーキにしてください。
犬にさけるチーズを与えてもいい?
さけるチーズはプロセスチーズなので、少量であれば問題はありません。
ただし、さけるチーズであっても、フレーバータイプのものはおすすめできません。与える場合はプレーンのものにしてください。
また、スティック状のものをそのまま与えると喉に詰まらせる危険もあるため、細かく裂いてから与えましょう。
犬はチータラ(チーズ鱈)やチーズかまぼこを食べても大丈夫?
チータラやチーズかまぼこは添加物が多く使用されているほか、塩分も高めなので犬に食べさせるのは控えましょう。
与える場合は、犬用のチータラやチーズかまぼこのほうが安心です。
まとめ
適量であれば、犬が人間用のチーズを食べても問題はありません。チーズは犬の嗜好性が高く、喜んで食べてくれるでしょう。(我が家の1匹は薬のせいで食べなくなりましたが)
犬にチーズを与えるときのポイントをおさらいしておきましょう。
■犬にチーズを与えるときポイント
・塩分が低いチーズを選ぶ
・与え過ぎない
・食欲の落ちた犬の栄養補助にも
・薬を飲ませたいときにも使用できる
・病気の犬は獣医師に確認する
さまざまなチーズがありますが、しっかり選んで適量を与えてあげてくださいね。
<参考文献>
(※1)参考:六甲バター株式会社「チーズの栄養素」
(※2)参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
(※3)参考:国際酪農連盟日本国内委員会「チーズ、食塩および栄養」
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執筆者
- ペットライター
-
たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー