愛犬が亡くなるとショックや悲しみが大きく、どう供養していいかをじっくり考える余裕はありません。
わんちゃんの供養方法にはさまざまな方法があり、悔いのない供養をしてあげるためにも予め供養方法を考えておくことは大切なことです。
今回は、実際に愛犬3匹を見送り、自宅で手元供養している私が、わんちゃんの供養方法や注意点、法要についてご紹介しますので、愛犬の終活の参考にしてください。
愛犬が亡くなるとショックや悲しみが大きく、どう供養していいかをじっくり考える余裕はありません。
わんちゃんの供養方法にはさまざまな方法があり、悔いのない供養をしてあげるためにも予め供養方法を考えておくことは大切なことです。
今回は、実際に愛犬3匹を見送り、自宅で手元供養している私が、わんちゃんの供養方法や注意点、法要についてご紹介しますので、愛犬の終活の参考にしてください。
目次
わんちゃんの供養は、亡くなったときから始まっています。
ます最初に、亡くなったときから行う供養について見ていきましょう。
わんちゃんが亡くなってすぐにしてあげなければいけないことは、エンゼルケアです。
■エンゼルケアの手順
動物病院で亡くなった場合では動物病院が行ってくれていますが、最後までしてくれるかは動物病院によって異なります。
エンゼルケアをしたら、ペットシートの上にタオルを敷いた棺に寝かせ、腐敗を進行させないために頭部、首元、背中、胸部、腹部にタオルにくるんだ保冷剤をあて、タオルなどで身体を覆って涼しい場所に安置します。
エンゼルケアをしてご遺体を安置したら、わんちゃんの葬儀を行ってくれる専門の葬儀会社で葬儀の手配を行い、葬儀までの最後の時間を大切に過ごしましょう。
愛犬の好きだった物やご馳走をお供えして、感謝の気持ちや大好きな気持ちを伝えてください。
もちろん、話しかけたり撫でてあげたり、身体を冷やした状態が維持できるなら、愛犬がお気に入りの場所に一緒にお散歩に行ってもいいですよ!
葬儀会社によっては、葬儀はなく火葬だけということもあるため、葬儀を希望する場合は行ってくれる業者を探しておくことをおすすめします。
葬儀の形はさまざまで、霊園やお寺で行ったり、自宅の室内で行う、移動火葬車で行う、葬儀場で行うなどがあります。
祭壇が設置される場合では、愛犬の写真や好きだったおもちゃや愛用していたグッズなどを飾り付けることができます。
また、葬儀会社によっては飼い主さんの希望通りの葬儀が行えるようにさまざまなオプションを用意していることもあるので、どんな葬儀で愛犬を送り出してあげるかを葬儀会社と事前に相談して決めるといいでしょう。
葬儀のあと、亡くなったわんちゃんを火葬するか、そのまま埋葬するかは飼い主さんの自由です。
とは言え、葬儀と火葬がセットになっている葬儀会社が多いため、火葬をしない場合は葬儀だけを行ってくれる業者を選ぶ必要があります。
ここでは、わんちゃんの供養の方法を8つご紹介するので、どの供養方法が一番自分に合っているか考えてみましょう。
■わんちゃんの供養方法
①手元供養
②自宅の庭にお墓をつくる
③散骨する
④剥製葬にする
⑤納骨堂に納める
⑥供養塔などに合祀する
⑦ペット霊園にお墓をたてる
⑧人間の霊園で飼い主さんと一緒に入る
火葬してもらったわんちゃんの遺骨や分骨したものを、自宅で供養するのが手元供養です。
専用の仏壇を置いたり、専用スペースを作って、毎日お線香をたいたり手を合わせることができます。
手元供養のメリット
近年では、宗教や様式にとらわれないことやお墓を持たないという選択が増えていることから人間でも手元供養が広がりつつありますが、わんちゃん界でも愛犬を手元供養したいと考える飼い主さんも増えてきています。
専用仏壇だけでなく、かわいい骨壺カバーやおしゃれな位牌など手元供養のためのグッズもたくさん販売されているので、楽しみながら供養することができると言えるでしょう。
手元供養は、いつも愛犬のそばにいられるというメリットがありますが、ずっと家で供養し続けることは難しいというデメリットもあります。
いつかは納骨や埋葬をしなければいけないため、将来的に遺骨をどうするかをよく考えなければいけません。
また、遺骨を自宅で管理する際は、カビ対策に定期的なお手入れが必須となります。骨壺の中に乾燥剤を入れたり、遺骨にカビが生えてしまったときは天日干しをするなど、骨壺を開けることは心の準備ができていないときはショックが大きいでしょう。
近年は、珪藻土でできた骨壺や、完全密封の骨壺などがあるため、そういったものを利用するのもカビ対策になります。
火葬した遺骨や、ご遺体を自宅の庭に埋葬してお墓をつくる方法もあります。愛犬が大好きな場所で眠らせてあげることができ、いつでもお墓参りができるため、自宅の庭にお墓をつくりたいという飼い主さんも多いでしょう。
自宅の庭にお墓をつくるメリット
「大切な愛犬を火葬するなんてできない」という飼い主さんは土葬を選択することも珍しくなく、私有地であれば自宅の庭に埋葬することは可能です。
また、火葬した場合は骨壺のままだと土に還りにくくなってしまうので、骨壺から遺骨を取り出して埋葬してください。
残念ながら、今の日本の法律では愛犬のご遺体は「一般廃棄物=ゴミ」扱いになります。そのため、私有地以外の場所に埋葬すると、廃棄物の不法投棄として罰せられてしまう可能性があるため注意してください。
また、葬儀会社にお願いして火葬した場合の遺骨は廃棄物にはあたりませんが、私有地以外に埋葬することは人骨と間違われるなど、トラブルの原因となるためおすすめできません。
とは言え、自宅の庭に埋葬する際は永続的に供養できるかよく考える必要があります。引っ越しや土地の売却をする際に掘り返して移すことは難しいほか、その後その土地に何かを建てるなどでお墓を掘り起こされてしまえば、永眠できないというリスクがあります。
火葬を行ったあと、散骨するという供養方法もあります。散骨は自然に還してあげることができ、将来の供養の心配をする必要もありません。
散骨のメリット
散骨をする場合は、遺骨を粉末状にする必要があり、自分では難しいので葬儀会社に粉骨をお願いしましょう。
散骨をすると、生きた証が形として何も残らないというデメリットがあります。
また、わんちゃんの散骨に関する法律はありませんが、市区町村によっては散骨に条例を設けていたり、散骨する場所の近隣住民とのトラブル、土地の所有者とのトラブルなどもあり、どこに散骨してもいいというわけではないため注意が必要です。
散骨をする場合は、散骨業者にお願いしたほうがトラブルなく安心と言えます。
葬儀会社によっては、剥製葬をしている場合もあります。剥製葬にすると、愛犬の生前の姿で保存することができ、自宅に置いて毎日お線香をたいたり手を合わせることができます。
剥製葬のメリット
適切な処置が必要となるため20万~60万以上(※体の大きさによって異なる)と値段は高めですが、生前の姿で保存できることから、寂しさを感じにくいということで剥製葬を選ぶ飼い主さんもいます。
剥製葬は生前の姿で保存できて、いつもそばにいられますが、ずっと家で供養し続けることは難しいというデメリットもあります。
実際に私がお世話になっている葬儀会社は剥製葬もしていますが、葬儀会社の待合室には剥製葬をした猫ちゃんが…。飼い主さんが亡くなり、ご家族が扱いに困って葬儀会社に持ってこられたそうです。
ゴミとして処分されなかっただけ良かったですが、自分が生きているうちにお寺などに持ち込み、供養してもらうなどの方法を考えなければいけません。
また、いつまでも姿が残っていることで逆に辛くなってしまうこともないとは言い切れないので、剥製葬をする際は慎重に考えましょう。
火葬を行ってすぐや、四十九日が過ぎてからペット霊園やペット葬儀場の納骨堂に納めることもできます。受付時間内ならいつでもお参りしてあげることができるほか、遺影や遺品なども一緒に保管することが可能です。
納骨堂を利用するメリット
納骨堂は清掃や管理が行き届いていることがほとんどで、定期的にお坊さんを招いて法要も行ってくれるため、手厚く供養してあげることができるでしょう。
少ないですが、納骨堂によっては法要をしない場合もあります。法要の有無や、立ち会うことができるかを事前に確認してください。
また、納骨堂を利用する際は年間管理費が1~3万円程度かかりますが、一時的な保管先としている納骨堂も多いため、ゆくゆくは永代供養してくれる納骨堂に納めることやペット霊園などに埋葬することを考えなければいけません。
火葬後に、ペット霊園や火葬場に併設された合同供養塔などに納める方法もあります。ほかのご家庭のペットたちと一緒に納骨されるため、愛犬が寂しい思いをしないようにと選ぶ飼い主さんも多いです。
合祀するメリット
合祀は永代供養することができるほか、年間管理費などの維持費もかからず場所によっては定期的に法要をあげてくれるので、飼い主さんも安心でしょう。
合祀する際は、骨壺から遺骨を取り出して納めるため、返骨ができなくなります。後からやっぱり手元供養したい、ほかのお墓に入れたい、ということができなくなるので、慎重に検討する必要があります。
実際、私の知人は、寂しい思いをしないようにとお寺の合同供養塔に合祀したものの、しばらく経ってからとても後悔していました。永代供養を考えることはとても大切なことですが、心の準備ができてからでも遅くはないため、焦って合祀することのないようにしてください。
ペット霊園によっては、個別のスペースにお墓をたてることができます。好きなデザインの墓石を置けることがほとんどで、近年人気の集まっている供養方法です。
ペット霊園にお墓をたてるメリット
いつでもお墓参りができるのはもちろん、清掃や管理が行き届いた場所でゆっくり眠ってもらえるのは、安心してお任せできるのではないでしょうか。
個別のスペースにお墓をたてる場合、10~30万円程度の費用がかかるほか、場所によっては年間管理費が必要になることもあります。また、お墓を管理する人がいなくなると合同供養塔などに合祀されることもあるため、ゆくゆくのことまでしっかり確認してください。
人間とペットを一緒に埋葬してはいけないという法律はなく、霊園によっては人間と愛犬が一緒に同じお墓に入ることができます。近年はペットと一緒に入りたいという人が多いことから、ペット可としている人間の霊園も増加傾向にあります。
一緒にお墓に入るメリット
先に愛犬だけを埋葬し、後から自分が同じお墓に入ることもできます。
愛犬と飼い主さんが一緒に入れるお墓は増えてきていますが、まだそこまで多いわけではありません。また、お墓にかかるお金も150~250万円程度と高額になり、管理する人(継承する人)がいなくなると合同供養塔などに別々に合祀されることもあるということは覚えておきましょう。
ここからは、愛犬の供養のための行事=法要についてご紹介します。仏教行事であることから、宗教によっては行わないこともありますが、過ごし方ややるべきことなど、ぜひ参考にしてください。
愛犬が亡くなった日を1日目として数え、さまざまな法要があります。住んでいる地域によっては、亡くなった日の前日を1日目と数えることもあり、自分の地域の数え方を調べておくのもいいかもしれません。
法要は、悪い審判がくだされないように亡くなった故人に代わって善徳を積むもので、追善法要とも呼ばれています。
■法要の種類と意味
7日ごとの法要がありますが、どれも基本的には読経とお焼香です。しかし、四十九日までの間の法要は省略されることが多く、その日はお線香を焚き、静かに手を合わせるだけでも良いとされています。
納骨する場合は四十九日を節目としますが、必ずしも四十九日に納骨する必要はなく、心の準備ができてから行うことが一般的です。
お供え物をしてお線香を焚き、お経をあげます。
この時、自宅に埋葬や遺骨がある場合はお坊さんに来てもらってお経をあげてもらうことも可能です。もちろん、わんちゃんの法要ではお経は必ず必要というものではないため、できる範囲のことをしてあげましょう。
また、ペット霊園やお寺、納骨堂に納めている場合では、月例法要が行われます。
ただし、合同供養塔や合同墓の場合は個別に法要することが難しいため、まとめて行われるので注意してください。
人間では四十九日は天国に行く日とされていますが、わんちゃんの場合は少し違った考えもあります。
わんちゃんが亡くなると、「虹の橋のたもと」に行くという話は広く知られていますね。飼い主が行くまで虹の橋のたもとにある広場でほかのペットたちと待っており、飼い主が行きついて初めて一緒に虹の橋を渡って天国に行くとされています。
そのため、初七日に到着するのは虹の橋のたもとで、虹の橋を渡るのは四十九日ではなく飼い主が亡くなったときと言う説もあります。
どちらにしても、法要は安らかに眠ってもらうことを祈るためのものであり、節目として行うものなので、いつ何の審判を受けるなどあまり深く考えなくてもいいのかもしれません。
虹の橋については、以下の記事でご紹介しているので気になる飼い主さんはご覧くださいね。
どんな供養の方法を行うにしても、注意しなければいけないのは葬儀の方法です。
■選択を間違えてはいけないポイント
・火葬にするか土葬にするか
・個別火葬にするか合同火葬にするか
最初に火葬にするか土葬にするかを考えなければいけませんが、土葬にした場合は掘り起こすことは難しく、引っ越し時などに一緒に連れて行ってあげることができません。
また、合同火葬を選んでしまうと、遺骨の返骨はなく、必然的に合同供養塔や合同墓に納められることになります。
大切な愛犬に悔いのない供養をしてあげるためにも、葬儀の方法は慎重に考えましょう。
亡くなってすぐに葬儀をしないといけないということはなく、数日間であれば自宅での安置も可能です。
安置サービスや霊安室のある葬儀会社も多いため、焦らずゆっくり考えてくださいね。
今回は、愛犬の供養の方法についてご紹介しました。供養の方法はいくつもあり、どれもメリットやデメリットがあります。
■愛犬の供養の方法8つ
①手元供養
②自宅の庭にお墓をつくる
③散骨する
④剥製葬にする
⑤納骨堂に納める
⑥供養塔などに合祀する
⑦ペット霊園にお墓をたてる
⑧人間の霊園で飼い主さんと一緒に入る
どの供養が自分と愛犬にとって一番良いかを考え、後悔のない供養を行ってあげてくださいね。
執筆者
18歳のチワックスと1歳のチワックス、ポメチワ、0歳のチワックスの4匹と暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。
【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格】