2023.02.27 
2023.11.13 
犬がフローリングの上で滑ると、関節を痛めたり脱臼を起こしたりして危険です。安全のために、生活スペースには滑り止めマット（フローリングマット）を敷きましょう。
リビングだけでなく階段や廊下もカバーしたいところですが、商品の種類が多く選び方が難しいと思っている方もいるのではないでしょうか。「安いものがいい」「おしゃれなデザインのものがいい」など、こだわりたい点もそれぞれです。
この記事では犬がフローリングで滑る危険性と、犬用としておすすめの滑り止めマットを紹介します。床暖房対応や防水（撥水）加工のものも多数登場するので、ぜひチェックしてください。
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目次
犬は爪を地面に食い込ませて歩くので、爪が入らないフローリングでは足が滑ってしまいます。
最初に、フローリングで滑るとどのような危険があるのかを解説します。
滑ることで関節の軟骨がすり減り、関節炎の一種である股関節形成不全を引き起こす可能性があります。
フローリングで滑ることで骨に負担がかかり、関節内に炎症が発生する疾患です。痛みが出て、歩き方が不自然になるなどの症状が出ます。
特にラブラドール・レトリバーなどの大型犬や超大型犬に多く見られ、環境的な要因のほか遺伝的に発症することもあります。
膝蓋骨脱臼（パテラ）は、膝の皿がずれた状態になる疾患です。特にチワワやトイ・プードルをはじめとする小型犬は、先天的にパテラになりやすい傾向があります。異変が見られなくても、実は脱臼しやすい状態というケースがあるので注意が必要です。
骨・筋肉に先天的な異常がない場合でも、滑ったり転んだりすることで脱臼する可能性が。さらに、パテラを原因として、前十字靭帯損傷を起こすこともあります。
いつもフローリングの上で滑らないようにちょこちょこと歩いていると、その歩き方が体に染み付いてしまいます。すると、どんな場所であっても体をしっかりと使いながら歩けないので、骨や筋肉が十分に発達しない恐れがあります。
特に成長期である子犬のうちは、家の中でも滑らずに走り回れる環境にしてあげることが大切です。
関節のケガを防ぐためには、生活スペース全体に足の滑りを防止するマットを敷くのが有効です。
肉球クリームは、なめてしまううえに効果が出にくいのが難点。肉球に貼るシールは1日で剥がれてしまうことが少なくなく、かじって誤飲につながる可能性もあります。
さらに、滑り止め用のワックスもにおいがあって犬が嫌がりやすいので、滑り止めマットを活用しましょう。
ひとくちに滑り止めマットと言っても、さまざまなタイプがあります。愛犬の年齢や重視することに合わせて、適切なタイプを選んでください。
滑り止めマットは、タイルカーペット（吸着マット）が最もおすすめです。リビングのほか階段・廊下と家中に敷き詰めやすいうえに足触りがよく、インテリアも損ねません。そのうえ、汚れた部分だけ剥がして洗えるので、ペットがいる家庭で使うにはぴったりです。
購入時は、洗濯機で丸洗いできるかどうか確認してください。洗濯可能であれば、防臭・消臭加工は大きなポイントにはなりません。薄手のものを選ぶとドアの開閉を邪魔せずカットもしやすいので、厚さもチェックしましょう。
購入枚数が多いと安さを求めてしまうかもしれませんが、人間も毎日踏むタイルカーペットは持ちのよさが重要なアイテムです。安いものはすぐに毛羽立ったりめくれたりしてしまい、結局こまめに買い換えることに。端がめくれるとつまずきや誤飲の原因になるので、目先の安さで商品を選ばないようにしましょう。
ちなみに、似たアイテムにジョイント式のコルクマットがありますが、そちらはあまりおすすめできません。洗えない・カットできない・ボロボロになる・カスを食べてしまうとデメリットが多く、犬用には向かないでしょう。
ライターおすすめのタイルカーペットを紹介します！
商品名の通り、置くだけでフローリングにピタッと吸着し、きれいに敷き詰められるタイルカーペットです。撥水加工・丸洗い可能・床暖房対応など機能性が高く、大変人気のある商品。カラーバリエーションが豊富で、正方形を組み合わせてデザインを楽しめるのもポイントです。
| サイズ | 30×30cm |
| 厚さ | 4mm |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ◯ |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯ |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯ |
廊下におすすめのロングバージョンがこちら。正方形のタイプと変わらない性能で、60×120cmの大きさです。このほかに60×180cm・60×240cmや、さらに大きなものもありますが、手入れを考えると短いものをたくさん敷き詰めるほうが便利ですよ。
| サイズ | 60×120cm |
| 厚さ | 4mm |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ◯ |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯ |
| 床暖房対応 | ー |
| カット | ◯ |
折り曲げ部分が付いており、角までカバーできる形の階段用マットです。階段は、登り降りする際に万が一滑ってしまうととても危険。幅55cm・75cmなども販売されているので、階段の幅に合わせてできる限り隙間なく敷いてください。
| サイズ | 45×21cm （折り曲げ部4cm） |
| 厚さ | 3mm |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ◯ |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯ |
| 床暖房対応 | ー |
| カット | ◯ |
トイレトレーニング中の子犬がいる家庭は、クッションフロアを購入するのがよいでしょう。クッションフロアとは、表面に撥水・防水の加工がされたクッション性のある薄いマットのこと。タイルカーペットとは異なり、表面はつるつるしており冷たい感触です。
子犬は粗相が多いので、間違った場所に臭いが残らないようすぐに片付けられることが大事。さらに、足元がふかふかしているとそこをトイレと勘違いしてしまうので、カーペットを敷くと失敗の原因になってしまいます。タイルカーペットよりも厚さがある商品が多いので、はしゃいで飛び跳ねることが多い犬や、ボール遊びなどをするスペースに敷くものを探している人にも適しています。
掘ったりかじったりされやすく、耐久性があまり高くない点がデメリット。端をかじられないように固定する、掘ったらいけないことをトレーニングで教えるなど対策をしながら使いましょう。
なお、子犬の簡単なトイレトレーニングの方法はこちらの記事で紹介しています。トレーニング中の正しいスペースづくりの参考に、ぜひあわせてチェックしてください。
クッションフロアのおすすめ商品を紹介します。口コミも掲載しているので、ぜひチェックしてください。
床暖房に対応した、おしゃれなデザインのクッションフロア「Dogzari（ドッグザリ）」。裏面・縁まで防水加工が施され、トイレの失敗に強い素材です。安価ではないので複数購入して敷き詰めるのは難しいですが、子犬が遊ぶスペースに設置するのに適しています。
掘ったりかじったりする犬だと破れやすいという口コミがあるので、誤飲には注意しましょう。
| サイズ | 110×220cm |
| 厚さ | 5mm |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ー |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯（防水） |
| 床暖房対応 | ー |
| カット | ー |
こちらも床暖房対応のマットで、長さを60〜720cmの間で60cmごとに選べます。厚さも2種類あり、飛び跳ねることが多い犬や体重が重い大型犬には7mmがおすすめです。
この商品も、いたずら好きの子犬が使う場合は破損に注意が必要。最初はよく様子を見ながら使いましょう。
| サイズ | 140×60cmほか |
| 厚さ | 5mm・7mm |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ー |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯（防水） |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯ |
人間用のヨガマットは表面の摩擦が大きく、関節に疾患がある犬や足の力が弱ったシニア犬でも滑りにくいアイテムです。敷き詰めるには大量に買う必要があり、インテリアになじみにくいのがデメリットですが、とにかく滑りにくいマットがほしいなら検討してください。
柔らかくて沈みすぎると逆に足を取られるので、硬さ・厚さは要チェックです。以下の動画では実際にヨガマットを犬の滑り止めマットとして使った様子が紹介されているので、参考にしてくださいね。
ヨガマットのおすすめ商品を紹介します。大きなサイズも販売されているので、敷く場所・愛犬の行動範囲に合わせて使いやすいものを選んでください。
Amazon限定ブランド「primasole（プリマソーレ）」のヨガマット。愛犬の体重に合わせて3種類の厚さから選べます。アースブラウン・ブラックなどの落ち着いたカラーもあるので、派手な色を避けたい人におすすめです。
| サイズ | 173×61cm |
| 厚さ | 4mm・8mm・10mm |
大きなヨガマットがほしい人はこちらがおすすめです。200×130cmの特大サイズでラグマット代わりになり、愛犬のグル活スペースにもぴったり。15mmと厚手なので衝撃をしっかり吸収してくれるでしょう。
| サイズ | 200×130cm |
| 厚さ | 15mm |
なお、上で紹介したYouTubeチャンネルの運営者・みろくさんは、現在は高性能ペットマットと透明マットのダブル使いをしているそう。かなり滑りにくいうえに見た目もよいので、下の動画もご覧ください。
そのほかの人気商品や、話題の商品をいくつか紹介します。人気のホームセンターや100均の商品が気になる方はぜひご覧ください。
ニトリ・カインズ・無印良品という3つの人気ブランドの商品を紹介します。なかにはペット用としてはいまひとつという商品もあり、最もおすすめであるのはカインズの商品でした。
選ぶ際の大事なポイントも比較しているので、愛犬の年齢や家の環境に合わせて選んでください。
| 商品画像 | 商品名 | 最安値 | サイズ | 厚さ | ペット向け の商品 | 洗濯機で 丸洗い | 吸着・ 滑り止め | 撥水加工 | 床暖房対応 | カット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ニトリ 洗える吸着タイルマット | 45×45cm | 不明 | ◯ | ー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
| ニトリ 吸着滑り止め付きフロアマット | 50×60cm | 2mm | ー | ー （洗濯不可） | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
| ニトリ 洗える・防炎タイルカーペット | 50×50cm | 不明 | ー | ー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ （カッター使用） | ||
| カインズ ペット用消臭吸着マット30×30cm | 30×30cm | 不明 | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ | ◯ | ||
| カインズ ペット用消臭吸着階段マット | 40×18cm | 不明 | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ | ◯ | ||
| ー | 無印良品 該当商品なし | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
まずは、家具やインテリア用品を販売するニトリの商品です。
薄い絨毯のような素材のタイルマットです。厚みがないのでジャンプしたときに負担がかかるという口コミがありました。洗濯機は使えず手洗いのみ、床にしっかり吸着せず動いてしまうという口コミも見られるので、使い勝手が気になります。
| サイズ | 45×45cm |
| 厚さ | 不明 |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ー |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯ |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯ |
ビニル素材で、表面を水拭きできるタイルマットです。ペット用の製品ではなく、カットは可能ですが洗濯は不可。子犬用として、わずかな隙間を埋める程度の程度がおすすめです。
| サイズ | 50×60cm |
| 厚さ | 2mm |
| ペット向けの商品である | ー |
| 洗濯機で丸洗いできる | ー（洗濯不可） |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯ |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯ |
防炎加工が施された正方形のタイルカーペット。裏側は吸着タイプではなく塩化ビニルの滑り止めです。洗濯は可能ですが手洗いのみなので、ペットがいる家庭にはやや不向きです。
| サイズ | 50×50cm |
| 厚さ | 不明 |
| ペット向けの商品である | ー |
| 洗濯機で丸洗いできる | ー |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ◯ |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯（カッター使用） |
カインズの商品は、インテリアを損ねず丸洗いできて手入れも簡単です。「Pet’s One」というブランドを展開しており、ペットがいる家庭での使用がよく考えられているといえるでしょう。
カインズの吸着マットは「サンコー」の商品と似ておりおすすめです。撥水加工は記載されていませんが、洗濯機で丸洗い可・カット可・床暖房対応と便利に使えます。
一方で「走り回ると簡単にずれる」という口コミも見られるので、危険がないように設置後はよく様子を見てください。
| サイズ | 30×30cm |
| 厚さ | 不明 |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ◯ |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ー |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯ |
上記の商品の階段用で、こちらも同様に丸洗い・カットができ、床暖房にも対応しています。サンコーの商品とは異なり折り曲げがないので角のカバーはできませんが、安価なので試しやすい商品。ブラウン・ベージュの2色展開です。
| サイズ | 40×18cm |
| 厚さ | 不明 |
| ペット向けの商品である | ◯ |
| 洗濯機で丸洗いできる | ◯ |
| 吸着・滑り止め | ◯ |
| 撥水加工 | ー |
| 床暖房対応 | ◯ |
| カット | ◯ |
2023年2月現在、無印良品ではタイルカーペット・クッションフロアなどの商品が販売されていませんでした。
ダイソー・キャンドゥ・セリアといった大手の100円ショップはいずれも、タイルカーペット（吸着マット）やジョイントマットを販売しています。安価で耐久性はやや落ちると考えられますが、お試しや取り急ぎの対応に使うには便利です。
以下の動画のように、トイレに樹脂製の薄い滑り止めシートを使う例もあります。体重が重いとめくれやすいので小型犬以外は難しいものの、少しの工夫で一気に快適に過ごせるようになるかもしれません。
さまざまなものを手軽に購入できるので、アイテムを組み合わせてオリジナルの対策をしてみてください。
関節の疾患を予防するには、サプリメントを取り入れることもおすすめです。以下の記事では多数の関節サプリメントを比較してランキング化しているので、ぜひチェックしてください。
肉球の間の毛や爪が伸びていることも滑る原因なので、手入れをこまめに行い、そのほかの健康チェックも定期的にしてくださいね。
犬がフローリングで滑ると、関節を痛めたり脱臼したりする原因になります。対策として滑り止めマットを敷くことが有効で、扱いやすく見た目がよいタイルカーペットが便利。品質がよく持ちがよい「サンコー」のタイルカーペットが特におすすめの商品です。
粗相が多い子犬は撥水加工で汚れをサッと拭き取れるクッションフロアを、関節が弱い犬やシニア犬にはより滑りにくい人間用のヨガマットも検討しましょう。そのほか、カインズの商品や100均の商品も活用できます。
しかし、滑り止めマットを敷くだけでは対策は不十分です。肉球まわりや爪のお手入れをこまめに行い、サプリメントを与えることも検討してくださいね。
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