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犬がブルブル震える理由は?
犬の震えには、様々な原因が考えられます。人間と同様に寒さで震える場合もあれば、病気や痛みなどで震えている場合などもあります。
そのため犬の震えは、一概に大丈夫とは言い切れない症状の一つです。
ここからは、犬が震える様々な理由についてそれぞれ解説していきます。
①寒さ
犬も人間と同様、寒さを感じると震えるようになります。これは、全身の筋肉が小刻みに収縮することにより熱を産生し、体が低体温に陥ることを予防したり、全身に血流を促したりするための無意識的な身体の反応です。
特に、小型犬は大型犬に比べて熱放散しやすく体温が奪われやすくなるため、震えることが多くなります。
また、犬は被毛構造が2重になっている「ダブルコート」の犬種と一重のみの「シングルコート」の犬種が存在し、「シングルコート」の犬種は寒さに弱いとされています。
「シングルコート」の犬種は以下の通りです。
■「シングルコート」の犬種
- トイプードル
- マルチーズ
- ミニチュアシュナウザー
- シーズーなど
愛犬が小型犬であったり「シングルコート」の犬種に該当する場合は、寒さによって震えやすいため注意が必要です。
②ストレス、不安、恐怖、興奮
犬はストレス、不安、恐怖を感じるような状況で震える場合があります。
以下のシチュエーションがよく犬がストレスや不安、恐怖を感じて震えてしまう状況として考えられるものです。
■犬がストレスや不安、恐怖を感じるシチュエーション
- 旅行や引っ越しなどの環境の変化
- 動物病院での診察台に乗った時
- 雷や花火などの大きな音がした時
- 見知らぬ人の来客
- 近隣の工事の音
反対に、嬉しい出来事があった時の興奮によっても震える場合もあります。
この理由については定かではないですが、感情の高まりや自律神経バランスの乱れなどが原因とされており、この種の震えに関しては、危険性はほとんどなく気持ちが落ち着くとほぼ治ります。
しかし、あまりにもストレスを感じている時間が長かったりするとそのまま調子を崩してしまい元気や食欲がなくなったり、嘔吐や下痢のような症状が出てくる子もいますので、注意が必要です。
③構ってほしい
過去に震えていた時に飼い主さんが心配して構ってくれたことを覚えている賢い犬がいます。
こういった子は、震えているとかまってもらえると学習して、何もなくても震える仕草を行い飼い主さんの気をひこうとします。
④痛みや病気
震えは痛みや病気で体調が悪い時のサインの可能性もあります。
胃腸炎で体調がすぐれない場合や、膵炎で腹痛がある場合、ヘルニアなどで腰や首の痛みがある、針が肉球に刺さっているなどで痛みがある場合など様々な原因が考えられます。
その他にも、脳疾患や腎不全、肝不全、低血糖など深刻の病気の可能性もあるので注意が必要です。
病気の可能性がある震えに関しては「犬が震える時に考えられる病気は?」で詳しく解説しています。
⑤老化
犬も歳を重ねていくと筋肉量が減少していきます。その結果、散歩や食事中でも体を支えることが難しくなり、震えるようになります。
特に排便時など踏ん張りが効かなくなり震える子が多くなります。
病院に連れていくべき犬の震えは?
犬が震えている状況で病院に連れていくべきかどうか迷う飼い主さんも多いと思います。ここからは、どういった震えが病院に連れていく必要があるのかについて解説していきます。
様子を見てもいい震え
まずは、病院に連れて行かなくてもお家で様子を見てもいい震えというのは、以下の通りです。
■様子を見てもいい震えの原因
- 寒さ
- ストレス
- 不安、恐怖
- 興奮
- 構ってほしい
- 老化
しかし、ストレスや環境の変化、不安、恐怖などにより食欲不振、嘔吐下痢や問題行動が増えるような場合もあるので、こういった症状が認められたら病院で診察してもらい対処してもらった方が良いでしょう。
上記のような原因による震えの対策法は、記事後半の「犬が震える!こんな時はどうしたらいい?」で詳しく紹介しています。
病院を受診すべき震えと症状
病院を受診すべき震えは、病気と痛みによる震えです。
こういった震えに関しては、他に症状があることが多いです。震えの他に病院を受診すべき症状としては以下の通りです。
■病院を受診すべき症状
- 嘔吐下痢
- 食欲不振
- 手足が突っ張ったまま激しく痙攣する
- 触ると痛がる
- ヨダレがずっと出てる
- 発熱してる
しかし、病気や痛みがなくともストレスや環境の変化があったり、恐怖心などが長く続くと食欲不振や嘔吐下痢などの症状が出てくる場合もあります。
震えが病気や痛みによるものかどうかは、正直判断が難しいです。
そのため、他に気になる症状がある場合は迷わず動物病院に連れていき診察を受けることをおすすめします。
犬が震える時に考えられる病気は?
犬の震えの原因となる病気にはどういった病気が考えられるのでしょうか?
飼い主さんも犬の震えの原因となる病気を知っておくことでいち早く病気のサインに気付けます。
ここからは、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい震えの原因となる病気を解説していきます。ぜひ参考にして愛犬の震えが病気によるものでないかどうかチェックしてみましょう。
脳炎、脳腫瘍、てんかんなど脳疾患による震えは最も注意が必要です。
脳疾患の症状は以下のようなものが挙げられます。
■脳疾患の症状
- いつもと違う行動(いつもは怖がる物を怖がらない)
- 急に無駄吠えが増える
- 顔がひきつる
- 意識を失う
- ずっと同じところをぐるぐる回る
- 足を伸ばしガクガクと痙攣する
愛犬の少しの震えがもしかしたら脳疾患のサインの可能性もあります。
脳疾患による震えは、血液検査やレントゲン、エコー検査などの画像検査ではわからないことが多く、確定診断するにはMRI検査を行うしかありません。
震えの原因が検査しても見当つかないが、気になる症状がある場合はMRI検査を受けてみても良いでしょう。
肝疾患である肝不全や門脈シャントと呼ばれる病気は震えの原因となり得ます。
肝疾患で肝機能が低下していると体内のアンモニアと呼ばれる毒素を解毒することができなくなります。その結果どんどん体内のアンモニア毒素の濃度が上昇してしまいます。
最終的には、アンモニア毒素が脳に障害を与える肝性脳症と呼ばれる状態となり痙攣を起こします。
震えの症状はこの肝性脳症の前兆かもしれないので注意が必要です。
肝不全の症状は以下のようなものが挙げられますので、愛犬が震えている場合はチェックしましょう。
■肝不全の症状
- 気持ち悪さからヨダレを垂らす
- 食欲不振
- 黄疸(眼球の白目の部分や、耳、皮膚、口腔粘膜などが黄色くなる)
肝不全の場合は、特に食後に症状が出ることが多いので、食後に震えている場合は動物病院で診察を受けてみましょう。
腎不全も進行すると震えを呈するようになります。
腎臓は毒素を尿中へ排出する臓器です。そのため、腎不全になりうまく毒素を排出できない状態が続くと毒素が体内に溜まります。
いわゆる尿毒症の状態です。
腎不全や尿毒症は、命の危険性もあるので速やかに動物病院を受診することをおすすめします。
腎不全の症状は以下の通りです。
■腎不全の症状
- 気持ち悪さからヨダレを垂らす
- 食欲不振
- 嘔吐
- おしっこの色が薄く透明になる
- 飲水量が増える
また、腎不全になると筋肉量も低下していきます。
最近急に体重が落ちて痩せ細ったという場合、加齢ではなく腎不全などの疾患が隠れている可能性もあります。
ご飯を食べない時間が長く続くと低血糖により震えたり、ぐったりすることがあります。
これは、低血糖によるもので特に子犬によく認められます。
低血糖の症状は以下の通りです。
低血糖による震えは、ご飯を食べさせり、砂糖水を飲ませたりすると改善します。
そのため、食後に震えが治まっている場合、低血糖による震えが疑わしいです。
低血糖になるまでご飯を食べない状態は治療対象になり、何か病気が隠れている可能性がありますので、一度検査してみることをお勧めします。
また、肝疾患や内分泌系の疾患、腫瘍でも低血糖になります。
そのため、成犬でも低血糖による震えが起こることがあるので注意が必要です。
膵炎や胃腸炎を発症していると腹痛により震えることがあります。
愛犬が「祈りのポーズ」と呼ばれる伏せの状態からお尻だけ上げるポーズを取り苦しそうにしていることがありますが、これは腹痛のサインです。
■膵炎、腸炎の症状
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- お腹を痛がる(祈りのポーズをとる)
軽い胃腸炎なら皮下点滴や内服で治りますが、重度の膵炎の場合は入院治療が必要になる可能性がありますので早期発見、早期治療が重要です。
首や腰のヘルニアの場合は、腰痛や頚部痛などにより震えることがあります。
ヘルニアの場合は、以下の主訴で病院に来院することが多いです。
■よくあるヘルニアを疑う主訴
- 体を抱きかかえた時にキャンと鳴く
- 動きたがらず震えてる
- 階段を昇り降りできなくなった
- 首を動かせない
ヘルニアは痛み止めを用いて安静にしていれば自然と治癒し震えも治ります。
ただ、痛みが骨折などの可能性もありますので診察を受けるようにしましょう。
外傷の痛みによる震えなどもあります。
こういった外傷による震えは、その原因を取り除くことで治癒していきます。愛犬の体をくまなく見てみて、何か異常がないかどうか調べてみましょう。
■よくある外傷の痛みによる震え
- 他の犬とケンカした、噛まれた
- 高いところから落ちて骨折した
- 肉球に針や異物が刺さった
- 夏場のコンクリートで肉球が火傷した
また痛みによる震えの場合は、痛みがある場所をかばうような仕草をします。跛行や脚の挙上、触ると痛がるといった症状が出てくることがほとんどです。
原因がはっきりしない場合は、一度動物病院で原因を精査してみましょう。
発熱がある場合も震えの症状が出る場合があります。
これは、体内のアドレナリン分泌が過剰となっており、筋肉が収縮するためです。
発熱の症状としては震え以外にも以下のような症状が考えられます。
■発熱の症状
- 体や耳がいつもと違って荒い
- ぐったりしている
- 息が荒くなる
発熱がずっと続くと体もしんどい状況が続きますので、動物病院で処方される解熱剤などを使ってあげることで震えの症状は改善していくでしょう。
犬が震える!こんな時はどうしたらいい?原因ごとの対処法について
犬が震える原因は様々あることを説明してきましたが、実際に犬が震えている時にはどうしたら良いのでしょうか?
犬の震えには適切に対処して時には、早急に動物病院に連れて行くことが大切です。
ここでは、犬が震えている時の対処法について震える原因ごとに解説していきます。
寒さで震える場合は「適切な環境づくりを心がける」
犬が寒さで震えている場合は、まず寒さが厳しい環境に犬を置かないことが重要です。具体的には、暖房をつけて犬が過ごしやすい適切な温度にしてあげましょう。
エアコンの設定温度は、冬は19~21℃、夏は25~28℃に設定してあげると良いでしょう。
そして、服を着させてあげたり、布団や毛布を落ち着ける場所に置いてあげて震えが改善するかどうかチェックしましょう。
ストレス、不安、恐怖、興奮による震えの場合は「原因を取り除き落ち着かせる」
ストレス、不安、恐怖、興奮による震えに関しては、環境の変化やストレスの原因を取り除くことが一番大切であり、気持ちが落ち着くと震えが収まることがほとんどです。
愛犬を落ち着かせるためには、一緒に遊んだり、撫でてあげたり、スキンシップできる時間を増やしてあげることが大切です。
この時、過剰に心配してしまうとわざと震える原因になりますので、落ち着いて接するようにして下さい。
しかし、原因がわからない震えや体調を崩してしまっている場合は、動物病院で診察を一度受けてみましょう。
震えの原因が病気である可能性もありますし、獣医師から適切なアドバイスをしてもらうこともできます。
わざと震えている場合は「過剰に心配しない」
犬が震えている時にあまりに心配してしまっておやつなどをあげてしまうなど行動をとってしまうこともあるでしょう。
しかし、こういった行為を続けていると賢い子は、構ってほしい時などにわざと震えるようなそぶりをとるようになります。
震えの原因が病気の可能性は低く、愛犬が気を引くために震えている場合は、過剰に心配することはやめるようにしましょう。
老化により震える場合は「筋力を保つ生活を心がける」
犬の震えが老化によるものが疑わしい場合は、適度な運動を定期的に行い筋力を保つようにしましょう。
毎日の散歩は筋力を保つ運動としておすすめです。散歩では、緩やかな坂道を歩かせてあげましょう。
坂道を歩かせてあげることで、後ろ足の筋力をつけることができ老化による震えを防ぐことができます。
また、家の中でお座りや伏せの姿勢を繰り返したり、ふわふわなタオルや毛布、布団の上でバランスをとる練習をさせることで筋力トレーニングをすることができます。
散歩ができない、苦手な子にもぜひ積極的に筋力トレーニングを行ってあげるようにしましょう。
なお、肥満の場合は重すぎる体重を支えることが出来なくて震えている可能性がありますので、良質なタンパク質を摂りつつダイエットして行くことをおすすめします。
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犬の震えに関するQ&A
ここでは、犬の震えに関するよくある質問について回答していきます。愛犬の震えにお悩みの飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
犬が震えるのを予防することはできる?
A.犬の震えの原因がはっきりと判明している場合、原因にあった対処法をとることである程度予防できます。
例えば、寒さで震えている場合は、環境を整えてあげることで愛犬の震えを予防することができます。
しかし、老化やストレスなどによる震えは、犬の肉体や心理状態、周りの環境自体の改善が必要となります。
そのためこの種の震えを予防することは、なかなか困難になります。
まずは、震えの原因をはっきりさせて、改善できるポイントを少しずつ改善していきましょう。
決まった時間に震えるのはどうして?
A.犬が朝方や夜、食後に震えるなど決まった時間に震える原因については、はっきりとは分かっていないことがほとんどです。
ただ、犬は空腹時間が長すぎると嘔吐する動物です。
そのため、朝方気持ち悪くて震えている可能性もあります。
また、食後に震えるのなら肝疾患によって体内に毒素が増えており震えている可能性やお腹が痛くて震えている可能性もあります。
このように決まった時間の震えは、病気の可能性もありますので注意が必要です。
他に何か症状はないかチェックし、震えている状況を動画におさめて動物病院で診察を受けてみましょう。
犬が息を吸う時など呼吸に合わせて震えるのにはどんな理由があるの?
A.興奮、寒さ、痛み、病気の他、生理的なものである可能性も考えられます。
犬が呼吸に合わせて震えるという症状はよく認められます。特に息を吸う時に震えることが多く、寝ている時でも息を吸う時に震えます。
この震えの原因としては、生理的なものである可能性が一番高いですが、興奮や痛み、寒さなども原因となってる可能性もあります。
こういった震えに関しては、元気や食欲があり、震えの他に症状がない場合は、心配しなくても大丈夫です。
しかし、呼吸数がいつもより速い場合や、あまりにも震えが激しい場合、最近になって症状が出始めた場合は注意が必要です。肺や気道、心臓に疾患があり息苦しい可能性もあるので動物病院での診察をおすすめします。
犬がワクチン接種後にブルブル震えているけど大丈夫?
A.ワクチン接種後に震える場合は、ワクチンアレルギーや痛み、恐怖心、診察によるストレスが原因として考えられます。
ワクチン接種後の痛みや、診察への恐怖心、ストレスから震えている場合は様子を見てあげても大丈夫ですが、ワクチンアレルギーで震えている場合は動物病院への受診が必要です。
つまり、ワクチンアレルギーで震えているか否かが様子を見ていいかどうかのポイントとなります。
以下にワクチンアレルギーの症状をまとめてますので、チェックしてみましょう。
■ワクチンアレルギーの症状
- 発熱
- 嘔吐下痢
- 皮膚の痒み
- 顔の腫れ
- ぐったりする(ショック症状)
上記の様な症状がない場合の震えは、1日は様子を見てあげても良いでしょう。
もし、ワクチンアレルギーの症状に該当したり、震えが次の日も続く場合は、動物病院を受診するようにしてください。
犬が部屋の隅っこで震えている場合はどういったことが考えられるの?
A.体調不良や恐怖心による震えが考えられます。動物病院を受診しましょう。
まず、見知らぬ人の来客や花火、雷、工事などの大きな音で犬が怖がっていないかどうかを見てみましょう。
こういった犬の恐怖心を煽るような出来事がないのにも関わらず、部屋の隅っこで震えている場合は、何らかの体調不良を抱えている可能性がありますので、動物病院を受診するようにしてください。
特にてんかん発作を起こす子は、発作の前にいつもと違った行動をとることがあります。こういった震えは、てんかん発作の前兆かもしれませんので、飼い主さんは注意深く愛犬の様子を観察してあげましょう。
まとめ
本記事では、犬の震えについて原因や対処法を解説してきました。
飼い主さんは、愛犬が急にブルブル震えている状況を見ると心配になると思います。しかし犬の震えは、他に症状がない場合は心配ないことがほとんどです。
しかし、中には病気のサインである震えもありますので注意が必要です。
飼い主さんはぜひ本記事で解説した震えの原因や対処法を参考にしてみてください。また、震えの原因の判断が難しい場合は、一度動物病院を受診してみることをおすすめします。
犬の震えについてしっかり理解し、愛犬との生活をより良いものにしていきましょう。
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