公開 2019.02.26 更新 2022.08.22
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犬の目やにの取り方は?目やにの状態から分かる原因や対処法【獣医師解説】

犬の目やにの取り方は?目やにの状態から分かる原因や対処法【獣医師解説】

愛犬の目やにが多くなると、病気になっていないかどうか心配になりますよね。

動物病院の診療では、愛犬の目やにが多いと病気ではないかどうか質問されることが多いです。

犬の目やには、人間と同様に
「目のゴミや角膜や結膜の古い細胞を排出する生理現象である場合」
「病気による炎症反応や感染で目やにが多くなる場合」などがあります。

本記事では、愛犬の目やにの状態から考えられる病気や原因を紹介し、目やにの取り方などの対処法を紹介しています。

愛犬の目やにが多いかも…
目やにが増えてるけど病院に行くべき?

と悩んでいる飼い主さんはぜひ参考にしてください。

※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。

犬の目やにの主な原因4つ!

犬 涙やけ

犬の目やにの原因は様々考えられますが、大きく分けると以下の4つに分類されます。

ここからは、犬の目やにの原因を多い順にご紹介します。

■犬の目やにの原因

  1. 生理的なもの(正常な目やに)
  2. 食べ物
  3. 刺激
  4. 病気
  5. 先天的なもの

愛犬の目やにの原因が生理的なものである場合は心配しなくても大丈夫ですが、食べ物や病気が原因の場合は対処が必要です。

それぞれの特徴を紹介していきますので、ぜひ愛犬の目やにが正常なのか異常なのかチェックしてみてください!

①生理的なもの(正常な目やに)

①生理的なもの(正常な目やに)

愛犬の目やにが目のゴミや古い細胞を排出するための生理現象の場合は、正常な目やになので心配しなくて大丈夫です。

正常な目やにの特徴は以下の通りです。

正常な目やに
・黒色、茶色、白色
・カラカラに乾いているorプルッとしたゼリー状
・1日1~2回拭くほどの量

生理的に認められる正常な目やには、目の中の老廃物やゴミを排出するため黒色や茶色、白色などの色をしています。

目の中のゴミが排出されている時はカラカラに乾燥している目やにが多いですが、皮脂腺や古い細胞が排出されている時にはプルッとしたゼリー状に認められることがあります。

しかし、正常な目やにに見えていても量や頻度がいつもより多い場合は他にも原因がある可能性があるので注意が必要です。

②食べ物

目やにの原因として、食べ物が原因となることは意外にも多い

犬の目やにの原因として、食べ物が原因となることは意外にも多いです。

犬によっては食物不耐性といって消化酵素が不足しており、特定の食べ物をうまく消化できないことがあります。

こういった場合、便やおしっこでは排出しきれない老廃物が増え体内に留まることにより、目やにの量や頻度が増えていきます。

また、犬も人と同様に食物アレルギーを持つ子が存在し、食物中に含まれる特定のタンパク質に免疫が過剰に反応して炎症を引き起こす場合があります。

このような炎症が目に起こると充血や結膜炎によって涙に含まれる炎症産物が多くなるため目やにが出るようになります。

食べ物が原因による目やにの場合は、他にも症状があることがあるのでチェックしてみてください!

食べ物による目やにを疑う症状

・軟便〜下痢になる
・排便回数が多い(一日3回以上)
・顔、目の周りの腫れ
・目の充血
・皮膚の痒み

もし、愛犬の目やにの原因が食べ物の場合は、食事変更によって改善することがあります。

消化効率の良い食事や低アレルゲンの食事に変更することがおすすめですので、ぜひ試してみてください!

③刺激

③刺激が原因の目やに

犬は目に刺激を受けることによっても目やにを出します。

急に目やにの量が増えたり、いつもと色が変わってきた場合にはしっかりと眼球や目の周囲を観察してみましょう。

■刺激による目やにのチェックリスト
・目の中に異物が入っていないか
・目の周りの毛が眼球を刺激していないか
・逆まつげが生えていないか
・充血があるかどうか

また、花粉やハウスダストなどの外部のアレルゲン物質が目を刺激することによっても目やにが出ます。

こういった場合は目が充血している場合が多いのでチェックしてみてください。

動物病院で点眼薬を処方してもらうと改善する場合が多いので一度動物病院を受診してみましょう!

④病気

④病気が原因の目やに

犬の目やにの原因となる病気は以下の通りです。

犬の目やにの原因となる病気

・角膜炎
・結膜炎
・乾性角結膜炎(ドライアイ)
・ぶどう膜炎
・緑内障
・逆まつげ
・鼻涙管閉塞

病気が原因で目やにが出る場合は、炎症や感染によって目やにが緑色や黄色になる場合が多いです。

また、目やにのニオイも臭く感じることも多くなります。

他にも、目の充血や目を開けづらそうにするなどの症状があることもありますのでこういった症状が認められましたら早急に動物病院に連れていくようにしましょう!

犬の目やにの原因となる病気 1
角膜炎

目に入ってしまった異物や自分でこすったことが原因となって、目の一番表面にある角膜が傷つき涙や目やにが現れます。

目の洗浄、目薬などをすぐにはじめることで重症化が防げるので、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。

チェックポイント

  • 目の表面が白く濁っていないか
  • 目が充血していないか
  • 痛そうに半目になっていないか
  • 目をかく仕草を頻繁に行っていないか
  • 涙や目やにが通常より多く出てないか

犬の目やにの原因となる病気 2
結膜炎、強膜炎

涙や目やにが通常より多く出るだけではなく、まぶたをかるくめくった時にみえる「結膜」や「強膜」、「白目」の充血が発生します。

そして結膜炎や強膜炎は他の病気と同時に現れるケースも少なくないので、あまり様子をみずに早めに動物病院へ連れていきましょう!

チェックポイント

  • 白目は赤くなっていないか
  • 痒そうに半目になっていないか
  • 目をかく仕草を頻繁に行っていないか
  • 涙や目やにが通常より多く出ていないか

犬の目やにの原因となる病気 3
乾性角結膜炎(ドライアイ)

涙の分泌が上手く行えない場合、また体質的に涙の質が悪く眼球の潤いを保てない場合などは、ほこりやまつ毛などちょっとした刺激によって目が炎症をおこしやすくなってしまうため、その反応として目やにが現れます。

どのくらい涙が分泌されているのか、また角膜の状態を検査することで軟膏や目薬で治る場合もあるので、まずは動物病院でみてもらいましょう。

チェックポイント

  • 目がカピカピしていてつやがない
    →涙で目が潤っていない状態
  • 涙や目やにが通常より多く出ることはないか

犬の目やにの原因となる病気 4
ぶどう膜炎

ケガや感染、刺激物などが原因となり、目の内側の膜のいくつかの総称えあるぶどう膜が炎症を起こしてしまうことで、目やにや涙が多くなってしまいます。

目の中の変化であるため自然治癒がむずかしく最悪の場合だと失明する恐れもある病気なので、チェックポイントに当てはまるようであれば早めに動物病院へ連れて行ってください。

チェックポイント

  • 片目をウインクするような半目になっていないか
  • 目をかく仕草を頻繁に行っていないか
  • 涙や目やにが通常より多く出ていないか

犬の目やにの原因となる病気 5
緑内障

本来は目の形を保つため目の内側から自然に生じる圧力、眼圧が上昇することで眼球肥大、視力の低下、疼痛そして最悪失明を招く病気です。

緑内障単独では目やには主なとして症状ではありませんが、結膜炎や角膜炎を同時に引き起こすことで多くあらわれてしまいます。

■チェックポイント

  • 目の痛みにより食欲は落ちていないか
  • 元気がないのではないか
  • 撫でられるのを嫌がらないか
  • 物にぶつかって歩いたりしていないか

犬の目やにの原因となる病気 6
鼻涙管閉塞

目と鼻をつなぐ鼻涙管という管が粘稠度が高い涙や涙の中に含まれるゴミや代謝物により閉塞しており、涙がうまく排出されず溢れてしまう病気です。

先天的に鼻涙管が狭くなっているような場合も鼻涙管閉塞の原因になってしまいます。

溢れた涙が固まることにより目やにの量が多くなっていきます。鼻涙管洗浄という鼻涙管の汚れを洗い流す処置を行うことで改善する可能性があるので動物病院で診てもらうようにしましょう。

チェックポイント

  • 涙やけが認められる
  • 常に涙目になっていたり、涙が流れている
  • 小型の短頭種である(フレンチブルドッグ、チワワ、シーズー、マルチーズなど)

⑤先天的なもの

⑤先天的な目やに

先天的な疾患としては、「眼瞼外反(内反)症」「逆さまつげ」が考えられます。

目のまぶたやまつ毛の先天的な構造の異常により眼球が常に刺激されている場合、目やにが出やすくなってしまいます。

眼瞼外反(内反)症

まぶたが極端に外側または内側にめくれている状態では、まぶたが眼球に接触することにより、角膜や結膜が傷つきやすくなり炎症が発生しています。

この炎症により涙の中の炎症産物が増加し、目やにの量や頻度が増えていきます。

先天的な原因が多く対策することが難しいため、重症度が高い場合は動物病院で手術によって矯正する必要があります。

逆さまつげ

まぶたから外側に向かって生えるべきまつ毛が、内側に向かって生え角膜を刺激してしまう病気です。

そうした持続的な刺激の結果、角膜炎や結膜炎を引き起こし、目やにが増えてしまいます。

先天的な病気ですが、ピンセットで抜いてあげたりすることで角膜への刺激を抑えてあげることができます。

ピンセットで眼球を傷つけてしまう恐れもあるので、お家で行うことはおすすめしません。動物病院に連れていき、安全な状況で処置してもらいましょう!

【目やにの色や状態をチェック】黄緑色や灰色は要注意!

泣き顔のパグ

ここからは、愛犬の目やに色や粘稠度などの状態で分け、動物病院を受診すべき緊急性が高い順に疑われる原因を解説していきます。

犬の目やには治療が必要であったり、緊急性の高い病気のサインである場合もあるため注意が必要です。

もし、愛犬の目やにを観察してみて、受診の必要性がありそうなら早めに動物病院に連れて行きましょう!

  目やにの色 目やにの状態 考えられる原因 緊急度
  黄緑色 ・目やにのニオイが臭くなる
・粘稠度が高い(ネバネバ)
・感染症
・角膜炎、結膜炎
・乾性角結膜炎
・緑内障
★★★★
  灰色 ・目の表面や瞼の裏側に目やにが付着する
・粘稠度が高い
・目の充血が認められることもある
・アレルギー
・刺激
・ドライアイ、結膜炎
★★★
  透明、水っぽい、白 ・ゼリー状(正常な目やに)
・常に涙目になっている
・涙やけが認められることもある
・正常な目やに
・アレルギー
・花粉、ホコリ
・鼻涙管閉塞
・逆まつげ
★★
  黒〜茶色

・粘稠度低い(乾いている場合が多い)
・毛に絡まっている場合もある
・ほとんどが拭き取るとポロッと取れる

・正常な目やに
・目の中のごみ

 

黄緑色の目やに・・・目に感染や炎症が起こっている

黄緑色の目やに・・・目に感染や炎症が起こっている

黄緑色の目やには、目に感染や炎症が起こっている可能性が高いので注意が必要です。

このような場合の目やにはネバネバの粘稠度が高めの目やにが排出されるようになりニオイも臭くなることが多いです。

また、緑内障や乾性角結膜炎(ドライアイ)などの病気が隠れている可能性もあり、放っておくと失明する恐れもあります。

抗生剤の点眼や炎症どめを使わないとなかなか完治しないことが多いですので、動物病院に連れて行って点眼薬を処方してもらうようにしましょう。

灰色の目やに・・・異物やドライアイなどで目の表面が刺激されている

灰色の目やに・・・異物やドライアイなどで目の表面が刺激されている

灰色の目やには正常でも認められることがありますが、異物やドライアイなどで目の表面が刺激されている場合にも排出されます。

目の表面や瞼の裏側に目やにが付着する場合や、目に充血が認められる場合は病気の可能性が高いので注意が必要です。

目の病気や異物は、飼い主さんでは対処することが難しいので動物病院で点眼薬や処置をしてもらうようにしましょう!

透明、水っぽい、白い目やに・・・涙が過剰に産生されているor排出されづらい

透明、水っぽい、白い目やに・・・涙が過剰に産生されているor排出されづらい

ゼリー状の透明や水っぽい目やには、正常な目やにのことが多いです。

しかし、常に涙目になっている場合や涙やけが認められる場合には、涙が過剰に産生されていたり、涙が排出できなくなっていたりする可能性もあるので注意が必要です。

逆まつげや鼻涙管閉塞、アレルギーなどの疾患が疑われます。

緊急性はあまり高くないですが放っておいても治ることはほとんどないので疑わしい場合は動物病院に連れて行くようにしましょう!

黒〜茶色の目やに・・・目の中のほこりやゴミを排出しようとする正常な目やに

黒〜茶色の目やに・・・目の中のほこりやゴミを排出しようとする正常な目やに

目やにが黒〜茶色で粘稠度が低く乾いている場合は、正常な目やにです。

目やにが黒色や茶色になるのは、目の中のゴミを排出しようとしている生理的な現象の結果であることがほとんどですので心配しなくても大丈夫です。

ほとんどが拭き取るとポロッと落ちることが多いですが、毛に絡まっている場合もありますので優しく取ってあげましょう!

犬の目やにの他にもこんな症状がある場合は病院へ

愛犬の目やにが受診の必要性が高いものではなくても、以下の症状チェックリストに当てはまる場合は注意が必要です。

緊急性のある病気の可能性もあるので早めに動物病院を受診しましょう!

症状チェックリスト

1.目が見えていなさそう
 …網膜剥離や視神経炎などが考えられる
2.白目の部分が充血している
 …結膜炎や強膜炎、緑内障などの可能性があり治療が必要
3.目が大きくなっている、大きさが左右不対象
 …緑内障が慢性化すると目が大きくなってくる
4.目の周りが腫れている
 …アレルギーや外傷が考えられる
5.目を開けずらそうにしている
 …ぶどう膜炎や角膜炎などの炎症が重度の場合が多い、早期の治療が必要
6.目の中に黒いできものが出てきた
 …腫瘍(悪性黒色腫)の場合もあるので注意が必要
7.赤色や白色の膜が出てきた
 …チェリーアイや炎症性の病気の可能性
8.眼球の中が白く濁ってきたor赤くなっている
 …角膜に傷が入っている場合や炎症が起こっている、もしくは眼球破裂を起こしてる可能性

ここであげた症状以外にも、いつもと違った様子であったり少しでも気になることがあれば動物病院を受診しておくと安心です。

目やにの出やすい犬種とライフステージとは?

犬

犬の中には、目やにの出やすい犬種や目の病気にかかりやすい犬種があります。

ここでは、目やにが出やすい犬種とそれぞれに好発する目の病気を紹介していきます。

愛犬が当てはまるかどうかチェックしてみましょう!

■目やにが出やすい犬

・パグ、ペキニーズ、シーズーなどの小型の短頭種
 …眼球が大きく、角膜炎やドライアイの好発犬種

・ヨークシャーテリア、ミニチュア・シュナウザー
 …乾性角結膜炎(ドライアイ)の好発犬種

フレンチブルドック、コーギー、ゴールデンレトリーバー
 …難治性の角膜疾患(再生性上皮びらん)の好発犬種

・柴犬
 …緑内障の好発犬種

・トイプードル、チワワ、シーズー
 …鼻涙管閉塞を起こしやすい犬種

・高齢犬
 …体の中の老廃物がうまく排出できず目やにが出てきやすくなる

特に愛犬がこれらの犬種やライフステージにある場合は、目やにや眼球の異変に気づけるようにしっかりと日頃からチェックしてあげることが大切です。

また、犬種に関わらず目やにや眼球の異常があった場合には、動物病院に連れて行き診察してもらいましょう!

犬の目やにの正しい取り方を解説

トイプードル 涙やけ

犬の目やには、間違った方法で取ろうとすると愛犬に痛みやストレスを与えてしまうだけでなく、眼球を傷づける可能性もあります。

そのため、目やにを取る際には正しい取り方で取ってあげることが大切です。

犬の目やにの正しい取り方としては、大きく以下の3つがあります。

犬の目やにの正しい取り方3選

①目の中に目やにや汚れがある時は「目薬で洗い流す」

②固まっている時やこびりついている時は「ふやかしてとる」

③毛に絡みついている時は「コームでとる」

それぞれについて詳しくみていきましょう。

①目の中に目やにや汚れがある時は「目薬で洗い流す」

チワワ 動物病院 目の治療

目の中に目やにやホコリ、ゴミなどの汚れがある時は、無理に取ってしまっては眼球を傷つけてしまいます。

このような場合には、目薬を1〜2滴点眼し汚れを瞼の端まで流して取ってあげるようにしましょう。

点眼する時には、目から2~3cmほど上に離して目薬の先が眼球に当たらないように注意しましょう。

また、初めて点眼する時には正面から点眼しようとすると嫌がられることがありますので背後から抱きかかえてあげて点眼することがポイントです。

まずは後ろからの抱っこや顔を触っても嫌がらないように日頃からスキンシップをとり信頼関係を築くように心がけてください。

目薬に関しては、できれば動物病院で処方してもらったものが理想的ですが、ドラッグストアで売っているような人用の「ヒアルロン酸点眼」でも代用可能です。

目薬が手元にない場合は、水道水をスポイドに吸って洗い流してあげても大丈夫です。

②固まっている時やこびりついている目やには「ふやかしてとる」

目やにが固まっている時やこびりついている時は、無理やり取ろうとすると痛がってしまうことが多いです。

濡れたコットンやガーゼ(ティッシュでも可)、少し温かい蒸しタオル(ハンドタオルを濡らしてレンジで30秒ほど加熱)を準備し目やにをふやかして取ってあげましょう。

目やにの部分を濡れたコットンやガーゼなどで、1〜2分ほど優しくほぐすような感じで揉んでみてください。

目やにが徐々にふやけて柔らかくなってきたら取ってあげましょう。

以下の動画がふやかしてとる際に参考になるのでぜひみて見てください!

協力:三ツ池動物病院チャンネル

③毛に絡みついている目やには「コームでとる」

マルチーズのブラッシング

目やにが毛に細かく絡みついている時には、ノミ取りコームなど出来るだけ目の細かいコームを用いて目やにを取ることがおすすめです。

しかし、目やにが固まっているとコームだけでは取りづらく、痛がることが多いです。

前述したふやかす方法で、まずは目やにを柔らかくしてから優しくコームで取るようにしましょう。

また、コームは先が尖っているため眼球などに接触しないように十分注意して使用しましょう。

毎日のケアで犬の目やにを予防しよう!

チワワ

目やには生理現象であるため、ある程度出てしまうことは仕方のないことですがあまりに量や頻度が多いと毛に絡まったりして大変ですよね。

ここからは、飼い主さんがお家でできる犬の目やにのケアについてご紹介していきます。

飼い主さんができる犬の目やにケア

  • 目の周りのケアを行う
  • 食事を変更してみる
  • 定期的な点眼を行う

体の中の老廃物の多くなることにより目やには多くなります。毎日の目のケアはもちろん食事も気をつけてあげてください!

目の周りのケアを行う

目の周りの毛が長く伸びすぎて眼球を刺激している場合や目の周りの汚れを放置している場合などは、目やにの量が増えてきたり感染を起こしたりする可能性があります。

こういった場合は、トリミングサロンで目の周りの毛を短くカットしてもらったり、目の周りの汚れを綺麗に取ってあげることで対処することができます。

特にマルチーズやシーズーのような目の大きくて、体の毛も長い子やトイプードルのようなクルクルと長い毛が生えている子は目の周りの毛を短くカットしてあげることでだいぶ目やにが改善することもあります。

また、目の周りの毛をカットする頻度としては、月に一回の頻度でトリミングしてあげることが理想的です。

大変ですが、愛犬の目の健康のためにもこまめな手入れをしてあげましょう!

食事を変更してみる

ドッグフード

犬の目やにの原因が食事であることは意外にも多いです。

食べ物がうまく消化できず体内で老廃物が増えている場合には、涙に含まれる老廃物も増えてくるため目やにの量や頻度が増えてきます。

また、食物アレルギーによって眼球内に炎症が起こった場合にも、涙に含まれる炎症産物が増えることにより目やにが増えていきます。

食事が原因の目やには、経験上、毎日の食事を消化しやすく体内の老廃物を増やしにくい消化効率の良い良質な食事や食物アレルギーを起こしにくい低アレルゲンの食事に変更することにより改善することが多いのでおすすめです。

動物病院で獣医師さんに相談すると消化に優しいフードや低アレルゲンのフードを紹介してくれますのでぜひ相談してみてください。

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定期的な点眼を行う

動物病院で診療していると目の中にいつも毛や汚れが入っている子がいるのですが、そういった子は目やにも多いです。

特にフレンチ・ブルドックやシーズー、チワワなどの眼球が大きい子は目が大きいためゴミや汚れが入り込みやすいです。

こういった子は定期的な点眼で汚れを洗い流すようにしてあげましょう。定期的な点眼はドライアイの予防にもつながりますので一石二鳥です。

ただし点眼後、目の周囲が濡れていると涙やけや汚れの原因になりますので清潔なタオルでしっかり拭き取って乾かしてあげましょう!​

犬の目やにに関するよくあるQ&A

ここからは、犬の目やにに関するよくある質問について回答していきます。

愛犬の目やにでお悩みの飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。

犬の目やにに関するよくあるQ&A

    目やにを取る時に愛犬が嫌がる時はどうすればいい?

    カーペットで寝る犬

    A.背後から優しく目やにを取ってあげたり、犬が安心してじっとできるような環境を作ってあげましょう!

    正面から目やにを取ろうとすると嫌がられてしまうことが多いです。背後から優しく抱き寄せて顔を撫でながら目やにを取ってあげてください。

    また、犬が安心してじっとできる環境を作ってあげることが大切です。

    抱っこしてあげたりスキンシップをとり、安心できる環境を作ってから目やにを取るように心がけましょう。

    普段から目の周囲や顔まわりを触ってあげて触られることに慣らしてあげることも大事ですのでチャレンジしてみてください。

    目やにを取る時に最適なタイミングってある?

    A.朝起きてすぐや散歩から帰ってきた時などが目やにが出やすいタイミングなので、ぜひ目やにを取ってあげましょう!

    朝起きてすぐなどは、寝てる間に排出された目やにがくっついていることが多いです。

    これは、瞬きの回数が減少することにより涙が同じところに長時間溜まり固まってしまうからです。

    また、散歩の後なども外気の汚れから目やにが出ることが多々あります。

    目やにを取ることが苦手な子はこのようなタイミングに絞って効率よく目やにを取ってあげることが良いでしょう。

    片目だけ目やにが出ている時はどういったことが考えられる?

    A.目やにが出ている側の目に炎症や感染が起きている可能性があります。動物病院を受診しましょう!

    片目だけ目やにの量が異常に多い場合は、その目に何らかの炎症や感染が起こっている可能性があります。

    目の状態を観察してみて、目を開けづらそうにしていないかどうかや充血していないかどうかをチェックしてみてください。

    目やにの色が黄緑色や灰色の場合は病気の可能性もありますので、原因がはっきりとしない場合は動物病院を受診するようにしましょう!

    まとめ

    この記事では、犬の目やにの原因や色や状態から考えられる病気、目やにの取り方などを解説してきました。

    犬の目やには、目の中のゴミや老廃物を排出しようとする生理的な現象である場合が多いです。

    しかし、目やにの色が黄緑色や灰色であり粘稠度が高い場合には、病気の可能性もあるので注意が必要です。

    また、目やにがついている時にはこまめにとってあげることが目の健康のためには大切です。

    今回紹介した犬の目やにの正しい取り方をもう一度おさらいしてみます!

    犬の目やにの正しい取り方3選

    ・目の中に目やにや汚れがある時は「目薬で洗い流す」

    ・固まっている時やこびりついている時は「ふやかしてとる」

    ・毛に絡みついている時は「コームでとる」

    愛犬の目やにを普段からケアし、状態を把握しておくことで異変にいち早く気づくことができます。

    ぜひ、毎日の目やにケアを習慣づけて行うようにしましょう!

    ※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
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    獣医師 入江 悠

    執筆者

    獣医師
    入江 悠
    獣医師国家資格

    宮崎大学農学部獣医学科卒業。関西の動物病院に勤務。大学では、循環器内科を専攻し現在の勤務先でも循環器を得意分野として診察を行う。実家では、愛犬である柴犬「たま」を飼っている。柴犬好きな獣医師です。 獣医師として、飼い主さんの悩みに寄り添い、信頼できる正確な情報を多くの人にお届けできたらと思いライター活動を行なってます。保有資格:獣医師国家資格

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