公開 2022.12.27 更新 2023.11.28
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【獣医師監修】犬がパイナップルを食べても大丈夫?与える量や効果、注意点も

【獣医師監修】犬がパイナップルを食べても大丈夫?与える量や効果、注意点も

ビタミンと食物繊維がたっぷりなパイナップル。愛犬に食べさせてあげたいと思う飼い主さんもいるのではないでしょうか。

パイナップルは犬が食べても大丈夫な果物ですが、犬の状態や与え方、与える量を間違えれば、嘔吐や下痢を引き起こしてしまうこともあります

そこで今回は、犬にパイナップルを与えるときの量や効果、注意点などを獣医師監修のもとペットフーディストが解説!

・どれくらいの量を食べさせてもいいの?
・どの部位が食べられる?
・食糞に効果があるという噂は本当?

など、気になる疑問の参考にしてください。

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犬はパイナップルを食べても大丈夫!ビタミン、ミネラルが豊富な果物

犬とパイナップル

パイナップルは適量であれば犬が食べても大丈夫な果物です。

パイナップルには、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富に含まれており、犬の健康維持のサポートにも役立ちます。

その栄養や期待できる効能の多さから、パイナップルを食べることを勧める人間の診療所まで!(※1)もちろん、人間と犬では異なる部分もありますが、パイナップルはさまざまな体に良い成分を含んでいるのです。

(※1)参考:医療法人 社団 福寿会 梅田診療所「梅新 栄養編 パイナップルを食べよう」

パイナップルの主な栄養と期待できる効果

エネルギー54kcal / 100g
水分85.2%
カリウム・細胞の浸透圧を維持
・血圧を下げる
・腎臓でのナトリウムの再吸収の抑制
・ナトリウムの排出をサポート
β-カロテン・皮膚や粘膜を健康に保つ
・免疫力向上
・抗酸化作用を持ち体内の炎症を抑える
ビタミンC・抗酸化作用
・皮膚や粘膜の健康維持
・免疫機能を保つ
・皮膚や細胞の生成に必要不可欠なビタミン
・心臓血管系の病気の予防効果が期待されている
ビタミンB群・あらゆる酵素の補酵素
・エネルギーを作るために必須
・神経の働きを正常に保つ
・皮膚や粘膜の成長促進
・皮膚や被毛の健康を保つ
・抗酸化作用
食物繊維・血糖値の急激な上昇を抑えてくれる
・糖やコレステロールの吸収を抑制
・腸内の善玉菌を増加させる
・腸内環境の改善
・スムーズな排便を促してくれる
・心疾患の予防に関係していると考えられている
ブロメライン
・たんぱく質分解酵素
・胃液の分泌を活発にして消化の促進
・腸内の有害物質を分解する作用があると考えられている

(※2)参考:文部科学省「食品成分データベース」(※3)参考:DOLE「パイナップルに含まれる栄養素について」(※4)参考:一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンB群」

【体重別】犬が1日に食べてもいいパイナップルの量

パイナップルの量イメージ

犬が1日に食べていいパイナップルの量は、1日に必要な摂取カロリーのうちの10%以内です。あくまでもおやつの範囲内で与えましょう。

避妊・去勢済の成犬が1日に食べられるパイナップルの上限量を体重別にまとめてみました。

体重1kg2kg3kg4kg5kg 6kg7kg8kg9kg10kg15kg20kg25kg30kg
パイナップルの1日の上限量20g33g46g57g68g77g88g98g107g114g157g194g231g264g
摂取カロリーの10%(kcal)1118253137424853586285105125143

※避妊・去勢済みの成犬に、摂取カロリーの10%の量のおやつとしてパイナップルだけを与えた場合の数値

■パイナップルの重さの目安※皮と芯を取り除いた可食部
・1/4個…約90g
・1口サイズにカットした1切れ…約13g
※参考:生活知恵袋

おやつとして、1日にパイナップルだけ与えた場合、上記のようになります。

しかし、パイナップルは糖質や食物繊維などさまざまな栄養素が豊富に含まれているため、上限量で与えることはおすすめできません。

カロリーだけで見てしまうと、糖質を摂り過ぎて肥満になる恐れもあるので、パイナップルを食べたときの愛犬の体調や便の状態はもちろん、体型・活動量・ライフステージ・食性・お腹の調子なども考慮して与える量を調整してあげましょう。

また、パイナップルのほかにおやつやトッピングなどあげる場合は、その分のカロリーと合わせて10%程度(多くても20%以内)にする必要があるので注意してください。

愛犬の1日に必要な摂取カロリーや、おやつなどの計算方法は以下の記事で詳しく解説しています。

ドッグフード
【獣医師監修】ドッグフードの正しい与え方!パッケージの給餌量はあくまで目安

犬がパイナップルを食べるメリットとデメリット

犬とパイナップル

パイナップルにはさまざまな栄養素が含まれますが、犬の体質に合わなかったり与え過ぎれば犬の体に負担をかけてしまうことになります。

ここでは、犬がパイナップルを食べるメリットとデメリットを見ていきましょう。

【犬がパイナップルを食べるメリット】アンチエイジングや健康維持に期待

メリットイメージ

メリット

  • 消化吸収のサポートが期待できる
    …パイナップルに含まれるブロメラインが消化を促し、消化不良を起こしにくくする
  • 免疫力を高める効果が期待できる
    …ビタミンCやビタミンB群、β-カロテンの抗酸化作用や、食物繊維が腸内環境の健康をサポートしてくれることで免疫力アップにも
  • 腸内環境を整える効果が期待できる
    …水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も含まれ、腸内細菌のエサとなるだけでなくスムーズな排便のサポートにもなる
  • 疲労回復が期待できる
    …パイナップルに含まれるクエン酸が乳酸を分解し新陳代謝を促すほか、ビタミンB群の持つ滋養強壮働きも期待できる
  • アンチエイジングが期待できる
    …パイナップルに含まれるさまざまな栄養素がアンチエイジングにも役立つ
  • 水分補給に役立つ
    …水分が多く含まれるため、あまり水を飲まない犬の水分補給にも役立つ

パイナップルの主な栄養と期待できる効果にもあるように、パイナップルは犬の健康をサポートしてくれる栄養素がたくさん含まれています。

とは言え、食べ過ぎれば次章でご紹介するデメリットとなってしまうため、「【体重別】犬が1日に食べてもいいパイナップルの量」の範囲内で与えるようにしてくださいね。

【犬がパイナップルを食べるデメリット】消化不良や食物アレルギーを起こす可能性

デメリットイメージ

デメリット

  • たくさん食べると消化不良や排便困難を起こす可能性がある
    …パイナップルの食物繊維は硬く消化不良を起こす可能性がある。不溶性食物繊維のほうが多く含まれることから便のかさが増えるだけでなく大きくなりすぎて排便困難ということも
  • たくさん食べると肥満になる可能性がある
    …パイナップルは糖質が高くカロリーも高めなので、たくさん食べれば肥満の原因となる
  • 食物アレルギーを起こす可能性がある
    …花粉症の交差反応、口腔内アレルギーなど。人ではパイナップルのブロメラインが小麦アレルギーとの交差反応が見られたとの報告もある

適量であれば犬が食べても大丈夫なパイナップルですが、たくさん食べれば犬の体に負担をかけてしまうことになります。

これはパイナップルに限った話ではありませんが、愛犬に与えるときは適量を守りましょう。

犬がパイナップルを食べて吐く場合

パイナップルを食べて吐いてしまう犬もいますが、

  • 慣れないものを食べてお腹がびっくりした
  • たくさん食べて消化不良を起こした
  • 噛まずに大きいまま飲み込んで消化不良を起こした
  • 食物アレルギー

といったことが考えられます。

次章ではこれらの対策にもなる注意点を4つご紹介しているので、ぜひご覧ください。

犬にパイナップルを与えるときの注意点4つ

注意イメージ

犬にパイナップルを与えるときは、気をつけてあげなければいけないこともあります。

ここでは、犬にパイナップルを与えるときの注意点4つを見ていきましょう。

食物アレルギーに注意

アレルギーの犬

犬の体質によってはパイナップルに食物アレルギーを発症することもあるため、初めて与えるときは少量にとどめ、アレルギー反応を起こさないか様子を見てください

パイナップルは、花粉症の交差反応や口腔内アレルギーが起こることもあるため、樹木の花粉によるアトピー性皮膚炎の犬は特に注意が必要です。

■犬の食物アレルギーの主な症状
・口、目、耳の周りの赤みや痒み
・わきの下やお腹、背中などの皮膚の赤みや痒み
・足先やお尻の痒み
・下痢や嘔吐

症状に個体差はありますが、口腔内でアレルギー反応を起こす場合は腸内に比べてより短時間で発症し、腸内の場合は腸まで到達して吸収されるときにアレルギー反応を起こすため、食後30分~48時間で発症します。

そのため、愛犬が食べた直後から2日以内に上記のような症状が見られた場合は獣医師に相談してください。

また、人間では小麦アレルギーの人にパイナップルのたんぱく質分解酵素「ブロメライン」との交差反応が見られることもある(※5)と報告されているため、小麦アレルギーの犬も念のため注意しましょう。

アレルギーの発症の仕組みや治療法については以下の記事で詳しく解説しています。

犬のアレルギー(食物・アトピー・ノミ)原因・対策を徹底解説【皮膚科医取材】

(※5)参考:J-STAGE「小麦アレルゲンとパイナップル由来酵素ブロメラインの交叉反応性」

与えすぎない

大量のパイナップル

パイナップルを愛犬のおやつやトッピングとして与えるときは、栄養バランスを偏らせないためにも1日に必要な摂取カロリーの10%以内にしましょう。

特にパイナップルは糖質や繊維質など、さまざまな栄養素が豊富に含まれているため、与え過ぎは体調不良や肥満の原因となってしまうこともあります。

また、パイナップルでお腹がいっぱいになり、普段の食事が食べられなくなるということのないように、あくまでもおやつの範囲にとどめましょう。

葉、皮、芯は取り除きカットの方法にも配慮

パイナップルのカット

パイナップルは生のまま与えることがおすすめですが、葉、皮、芯は取り除き、細かく刻むようにしてください。

パイナップルの葉や芯は硬く、飲み込めば喉に詰まらせる危険性や、消化不良で下痢や嘔吐といったリスクがあります。

また、皮にはトゲがあり、食道を傷つけてしまったり喉に引っかかってしまうということも。

消化の負担やのどに詰まらせるリスクを軽減するためにも、以下のようなカットの方法にしてあげましょう。

・細かく刻む
・薄く小さくカットする
ミキサーにかける

サイコロ状や大きなカットは喉を詰まらせるリスクがあり、おすすめできません。

特に消化器官が未発達の子犬や、内臓機能が衰えるシニア犬では消化しにくいため、消化に負担のかからないよう与え方にも配慮してあげる必要があります。

薬を飲んでいる犬や持病がある犬は獣医師に事前に確認

犬 病院

薬を飲んでいる犬や持病のある犬は、パイナップルを食べさせる前にかかりつけの獣医師に確認してください

人間ではパイナップルに含まれる成分がMAO阻害薬などに影響することがあると報告されています。(※6)

パイナップルはさまざまな健康効果が期待できる果物ですが、豊富な栄養素が犬の状態によってはマイナスとなってしまうこともあるため、薬を飲んでいる犬や持病のある犬は必ずかかりつけの獣医師に確認しましょう。

(※6)参考:野菜等健康食生活協議会事務局「医薬品との相互作用が報告されている例 パイナップル」

犬にパイナップルを与えると食糞が直る?根拠はなくほかの対策を!

疑問を持つ獣医イメージ

インターネット上には、食糞する犬にパイナップルを与えると犬の便のphを変化させて便の味が変わるや、パイナップルの消化酵素で消化が進んで食糞をしなくなるなどさまざまな説がありますが、科学的にも医学的にも根拠はなく、ほかの対策を考えてあげましょう。

そもそも食糞とはさまざまな原因があり、その対策方法も原因によって異なります

原因を突き止めて原因に合わせた対処法を考えてあげることが大切なので、食糞について詳しく知りたい飼い主さんは以下の記事を参考にしてください。

犬がうんちを食べる(食糞)理由と5つ解決法|便利グッズ・やめさせ方を紹介【獣医師監修】

犬にパイナップルを与えるときによくあるQ&A

Q&A

犬にパイナップルを与えるときによくあるQ&A

    子犬はいつからパイナップルを食べられる?

    子犬イメージ

    A.子犬の時期にパイナップルを与える必要はありませんが、与える場合は消化器官の成長が落ち着く6ヶ月齢以降にしましょう。

    パイナップルは糖分も繊維質も水分も多く、体がまだできあがっていないときに与えてしまうと下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。

    老犬にパイナップルを食べさせてもいい?

    老犬の食事介助イメージ

    A.食べやすいように配慮してあげれば、老犬がパイナップルを食べても大丈夫です。

    ただし、老犬になると消化機能も衰えるため、体調や便の状態を見ながら少しずつ与えることをおすすめします。

    また、病気や薬を飲んでいる老犬では食べさせる前に獣医師に確認してください。

    パイナップルの缶詰やジュース、ドライフルーツなどの加工品は大丈夫?

    パイナップルの加工品イメージ

    A.人間用に加工されたパイナップルの缶詰やジュース、ドライフルーツは糖分を多く使用されているため与えないようにしましょう。

    糖分をたくさん摂ることで肥満の原因になったり、濃い味に慣れてドッグフードを食べなくなってしまう原因にもなりかねません。

    加工品を与える場合は、犬用おやつの乾燥させたパイナップルや、添加物や糖分が使用されていない100%のパイナップルジュースにしてください。

    加熱したパイナップルを与えもいい?

    加熱したパイナップルイメージ

    A.加熱したパイナップルも犬は食べることができます。

    しかし、たんぱく質分解酵素の「ブロメライン」は熱に弱いため、加熱をする場合はできるだけ短い時間で60℃以下で加熱するようにしてください。

    まとめ

    パイナップルと犬

    パイナップルの栄養や水分は犬にもメリットをもたらしてくれるものですが、与える量や与え方には注意してあげなければいけません。

    最後に、犬にパイナップルを与えるときのポイントをおさらいしておきましょう。

    • 1日に食べてもいいパイナップルの量は愛犬の状態によって調整する
    • 喉に詰まらせない、消化に負担がかからないように配慮する
    • 葉、皮、芯は絶対に与えない
    • 食物アレルギーに注意する
    • 薬を飲んでる犬、持病のある犬は事前に獣医師に確認する

    パイナップルは水分補給や疲労回復にも役立ち、愛犬のお散歩や運動のあとにもぴったりな果物です。

    正しい知識を持って、上手にパイナップルを活用しましょう。

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    ペットライター たかだ なつき

    執筆者

    ペットライター
    たかだ なつき
    JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー

    17歳のチワックスと1歳のチワックス、1歳のポメチワと暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。

    【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士

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