愛犬が突然吐いてしまうと病気ではないか心配ですよね。特にパグは吐きやすい犬種といわれ、
「咳をして吐いたけど食欲はある」
「嘔吐と下痢で元気がない」
などいろいろな症状がみられます。
この記事では、
・パグの嘔吐の7つの原因
・嘔吐物の色から判断する対処法
・嘔吐を防ぐ日頃の対策
などを紹介するので、動物病院へ行くか迷ったときや今後の健康維持のために参考にしてください。
※重大な病気の可能性もありますので一度は動物病院を受診することをおすすめします。
愛犬が突然吐いてしまうと病気ではないか心配ですよね。特にパグは吐きやすい犬種といわれ、
「咳をして吐いたけど食欲はある」
「嘔吐と下痢で元気がない」
などいろいろな症状がみられます。
この記事では、
・パグの嘔吐の7つの原因
・嘔吐物の色から判断する対処法
・嘔吐を防ぐ日頃の対策
などを紹介するので、動物病院へ行くか迷ったときや今後の健康維持のために参考にしてください。
※重大な病気の可能性もありますので一度は動物病院を受診することをおすすめします。
※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。
目次
わんちゃんは健康でも胃腸の調子を整える目的で吐く動物ですが、パグのような短頭種(頭蓋骨の幅に対して鼻が極度に短い犬)は、短頭種気道症候群※という呼吸器系の障害が起きやすく、その症状のひとつとして嘔吐することがあります。
※短頭種気道症候群…軟口蓋過長症、鼻孔狭窄、気管虚脱など、短頭種に起こりやすい複数の病気が合併しておきる気道障害の総称
またパグは喉の構造に異常があることが多いので、吐き戻してしまうことも珍しくありません。
愛犬がよく咳をする・むせるというときは、嘔吐の原因に短頭種気道症候群が関係している可能性があるため、一度獣医師に相談してみましょう。
続いては、短頭種気道症候群以外のパグの嘔吐の原因について説明します。
パグは短頭種気道症候群以外にも、次のような原因で吐くことがあります。
以上が嘔吐の主な原因です。
次章では嘔吐物の色からわかる適切な対処法を紹介します。嘔吐物からは原因も予測できるので、すぐに片づけてしまわずに必ずチェックするようにしてくださいね。
ここでは、わんちゃんの吐いたものを色で分け、緊急性の高いものから順に疑われる病気や対処法を解説します。
当てはまるものがあればできるだけ早く動物病院へ連れて行くようにしてください。
すでに病院から薬が処方されているというわんちゃんでも、回復がみられず嘔吐を繰り返す場合は、もう一度受診する・セカンドオピニオンを求めるなどの行動をとりましょう。
吐いたものの色 | 緊急度 | |
黒色 | ★★★★★★(高い) | |
茶色 | ★★★★ ↑ | |
赤色 | ★★★ | | |
透明や白い泡 | ★★ ↓ | |
黄色や黄緑 | ★ (低い) |
緊急度★★★★★
吐いたものが黒色の場合、小腸や大腸から出血した血液が酸化し黒くなっている可能性があります。
濃い色ほど危険な状態です。
■考えられる病気
・腸閉塞
・十二指腸潰瘍
など
■対処法
・緊急性が高いためすぐに動物病院へ
緊急度★★★★★
吐いたものに茶色が混ざっていた場合、胃で出血した血液が酸化し茶色になっている可能性があります。色が濃くなるほど危険な状態です。
■考えられる病気
・急性胃炎
・胃潰瘍
など
■対処法
・出血から時間が経っているため急いで動物病院へ
また、茶色でも食べたものがそのままで吐き出されていた場合は、出血ではなくフードの消化が上手くいっていない事が原因の場合が多いです。
子犬は咀嚼不足であったり、老犬は消化機能の低下でフードをうまく消化できずに吐いてしまうことがあります。
その場合の対策は「①消化しやすいごはんをあげる」を参考にしてください。
緊急度★★★★
■考えられる病気
・口内や食道の傷・炎症
・口内や食道の腫瘍
■対処法
できるだけ早く動物病院へ
なお、口の中に異物が刺さっているような場合は、可能であれば取り除き、綺麗なガーゼなどで押さえて止血してください。
ただし無理はせず、止血で血が止まったとしても必ず獣医師の診察を受けるようにしましょう。
緊急度★★★
透明や白い泡を吐いたときは長時間空腹であった事が原因で胃液が逆流した可能性があります。
吐いたあとに元気があり、食欲もあるようであれば特に心配はいりません。
ただ、吐くだけではなく震えや発作が見られる場合は注意が必要です。てんかんによって発作を起こし白い泡を吐く、胃捻転により常に口の中に白い泡が見られ、吐きたくても吐けないでいる、水を吐くということもあります。
特に胃捻転は早急に動物病院で処置が必要です。
■考えられる原因や病気
・空腹によるもの
・てんかん
・胃捻転
■対処法
・空腹:1回の食事の量を減らし回数を増やす、おやつの時間をとる
・てんかん:発作が続いた時間など状況を記憶し、早めに病院へ
・胃捻転:すぐに病院へ
緊急度★★
吐いたものが黄色や黄緑色の場合は、長時間の空腹による胆汁の逆流や食べ過ぎで消化不良を起こしている可能性が高いため、元気があるようなら様子を見ていいでしょう。
ただ、以下の対処法を試しても変わらず空腹時に吐くようであれば一度動物病院を受診することをおすすめします。
■考えられる病気
・胆汁嘔吐症候群
・消化不良
■対処法
・胆汁嘔吐症候群:1回の食事の量を減らして回数を増やす、腹持ちのいいフードに変更する
・消化不良:消化のしやすいフードに変更する、給餌量を見直す、1回の食事の量を減らして回数を増やす
愛犬の吐いたものが緊急性の高い色ではなかったとしても、以下の体調チェックリストにあてはまる場合は病気の可能性もあるので早めに動物病院を受診するようにしましょう。
また上記に当てはまるものがなくても、そわそわと落ち着かない様子であったり、いつもと違うなと感じたら、病院へ連れていくほうが安心ですよ。
動物病院へ行く際は、愛犬の嘔吐物をビニール袋やラップに包んで持参し、嘔吐時の状況を可能な限り詳細に伝えましょう。
下痢をしているなど、うんちの状態も普段と異なる時は便も同様に持って行くと診察に役立ちますが、難しい場合は写真や動画でも構いません。
また、獣医師に状況を伝えるときは以下のポイントを参考にしてください。
■病院で伝えるポイント
・吐いた時間
・吐いた回数
・吐く以前の様子
・吐いた後の様子
・吐いたものの色
・吐いたものの状態(異物がある、液体化しているなど)
・うんちの状態
・その他に変わった症状がないか
上記のことをメモしておくと診察がスムーズです。
なお、緊急性が高い嘔吐のときは事前に病院に電話で伝えておくと、獣医師も的確な処置が行いやすくなります。
動物病院では嘔吐の原因を特定するために検査が行われることがあります。
検査内容はわんちゃんの状態によって異なり、場合によっては複数の検査を行うこともあるので、ある程度の費用がかかることは覚悟しておきましょう。
以下によく行われる検査内容と一般的な費用をまとめましたので参考にしてください。
■腹部超音波検査
…胃や腸、肝臓などの内臓に異常がないかの確認
費用:2,000円~(1部位あたり)
■腹部レントゲン
…腸が閉塞や膨張していないかの確認
費用:4,000円程度(レントゲン1枚あたり)
■血液検査
…腎臓や肝臓に問題がないかの確認
費用:5,000円〜(1回あたり)
■糞便検査
…嘔吐の原因が寄生虫かどうかの確認
費用:1,000円~1,500円程度(1回あたり)
上記の検査費用の他に、点滴や注射、薬代などがかかることもあります。
金額はわんちゃんの病状や病院によって異なるため一概には言えませんが、合計数万円と高額になることもあるためペット保険に加入しておくと安心です。
加入するペット保険によって保障対象や保障額は異なりますが、嘔吐で動物病院を受診し治療を受けた場合は保障対象になることが多いですよ。
わんちゃんが吐いた後、すぐに水や食事を与えると刺激になり再び吐いてしまうことがあるため、絶食・絶水して胃を休ませる時間が必要です。
ただし、わんちゃんの状態によっては絶食や絶水が危険な場合もあるので、以下を参考に愛犬に合わせた対応をとってください。
■体調が落ち着いていて元気がある場合
…欲しがるようであれば、吐いた後2〜3時間後にまずは水、その後食事を少しづつ与える
■嘔吐を繰り返す・元気がない場合
…絶食は丸1日、絶水は半日まで。症状がおさまらなければ必ず動物病院を受診する
■明らかにぐったりしている・老犬の場合
…絶水・絶食は危険。動物病院を受診する
もし判断に迷ってしまったときは、動物病院に電話で相談してみると安心です。かかりつけの病院が理想ですが、夜間などで対応してもらえないときは、受診歴のない病院でも大丈夫ですよ。
ここからは、吐きやすい犬種であるパグの特徴や性格に合わせた「吐きづらくするための5つの対策」を紹介します。
それぞれについて詳しく説明しますね。
わんちゃんは限りなく肉食に近い雑食のため、主原料が肉や魚のドッグフードは消化不良を起こしにくく嘔吐の予防につながります。
さらに、わんちゃんによっては消化しづらいことのある穀物を避けるのもひとつの手です。
またパグは食物アレルギーに気をつけたい犬種でもあるので、以下のようなアレルゲン(アレルギーの原因)となりやすい食材も把握しておきましょう。
■アレルギーが起きやすい食品
牛肉
とうもろこし
小麦
鶏肉
鶏卵
ラム肉
大豆
乳製品(ホエイ、カゼイン、脱脂粉乳など)
上記の食材に必ずアレルギー反応が起きるわけではありませんが、わんちゃんの体質によっては長期間食べ続けることで嘔吐や皮膚トラブルの原因になります。
愛犬にとって消化しやすいフードを見つけ、適正量を与えて食べすぎや空腹による嘔吐を防ぐことが大切です。
ドッグフード選びに迷ったときは、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
パグは暑さ・寒さに弱く、熱中症や冷えによる消化機能の低下から嘔吐することがあります。エアコンや換気、洋服などでパグが快適に過ごせる環境を維持しましょう。
パグが生活する空間は、室内温度20度前後・湿度50%程度に保つのが理想ですが、あくまで目安のため愛犬に合わせて調節してみてください。
また室外では、季節に合わせて以下のことに注意しましょう。
■春~夏
・気温や湿度が高い時間帯の散歩は避ける
・できるだけ日陰のある道を選ぶ
・特に毛色が黒いパグは体が熱くなりやすいので注意する
■秋~冬
・寒さで震える・歩きたがらない場合は洋服を着せ、無理させない
・室内との寒暖差が体に負担をかけることがあるので注意する
パグは太りやすい犬種でもあるので、飼い主さんの中には減量のために長距離を歩かせる方もいますが、愛犬がゼーゼーしていないかや震えていないかなど確認しながら行うようにしてくださいね。
遊び好きで食欲旺盛なパグは、おもちゃの誤飲や拾い食い・盗み食いなどで嘔吐することがあるため、壊れたおもちゃはすぐに取り換え、愛犬が届く範囲に人の食品などを置かないようにしましょう。
異物誤飲や誤食は特に子犬や年齢の若いわんちゃんに多いので、以下のポイントをおさえつつ、愛犬の様子をよく見ていてあげてくださいね。
■おもちゃで遊ぶ時のポイント
・飲み込まないよう口より大きなおもちゃを選ぶ
・できるだけ丈夫なおもちゃを選ぶ
・靴ひもや布製品など犬用のおもちゃ以外では遊ばせない
■拾い食いや盗み食いさせないためのポイント
・テーブルの上などに食品を出しっぱなしにしない
・マテやアウトなどをしっかり覚えさせる
・散歩時はごみなどが多い場所は避ける
また、愛犬が喜ぶからと人の食事を与えてしまう飼い主さんも多いですが、わんちゃんには脂分が多すぎて嘔吐してしまうこともあるので、注意が必要です。
誤飲誤食は室内外問わず飼い主さんが愛犬の過ごす環境に気を配ると、防ぐことができますよ。
パグは生まれつき気管が狭く、水を一気に飲むとむせたり吐いたりしやすいため、短頭種が使いやすい形の水入れの容器に変更し、がぶ飲みを防ぎましょう。
傾斜のついたものや浅めのものが飲みやすく、がぶ飲みを防げます。このとき食事台も併用するとより飲みやすく、食事も詰まりにくくなりますよ。
また暑い時期などは体温を下げるために水をたくさん飲もうとする子が多いですが、短頭種の身体的構造からあまりうまく飲めず、水と一緒に空気をたくさん飲んでしまうことがあります。
空気を飲むとお腹にガスがたまり消化器の病気につながりやすくなるため、水飲みの容器を吟味して選んであげることも嘔吐を防ぐ重要なポイントです。
パグは比較的穏やかでおとなしい犬種ですが、時には他のわんちゃんと走って遊ぶなど活発に動き回ることもありますよね。
しかし食後すぐに体を動かすと嘔吐しやすくなるため、最低でも食後2〜3時間は激しい運動をさせないようにしましょう。
わんちゃんが食べたものは胃で消化されるまで約2時間かかるので、ご飯のあとすぐは以下のようなことを避けると嘔吐しづらくなります。
■食後すぐは避けること
・散歩
・おもちゃで遊ぶ
・シャンプーやカット
・ドライブ など
食後の時間を安静に過ごすと、胃捻転や胃拡張といった命にかかわる病気の予防にもつながります。
特に子犬は走ったりおもちゃで遊んだりと激しく動きまわることが多いので、食後しばらくは興奮させず、ケージ内で静かに過ごすことを教えてあげるようにしましょう。
パグは空気が読める頭のいい犬種なので、教えてあげればちゃんとわかってくれるはずですよ。
この記事では、パグが吐いてしまう原因と嘔吐物の色で判断する対処法を紹介しました。
吐きやすい犬種であるパグのために、ポイントをおさらいしておきましょう。
■パグの嘔吐についてのポイント
・嘔吐物が黒、茶、赤色の場合は、緊急性が高い可能性がある
・嘔吐物が白、透明、黄、緑色の場合は、緊急性は低い可能性がある
・吐いた後の食事は基本絶水・絶食をして胃腸を休ませる
・吐く頻度を減らせるようフードや周りの環境を整える
ただし、嘔吐の症状がひどい、いつもと様子が違うと感じた場合は迷わず動物病院へ行くことをおすすめします。
愛犬が吐いてしまったときは参考にしてみてくださいね。
※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
※掲載されている情報は、INUNAVIが独自にリサーチした時点の情報を掲載しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。
執筆者
ペットフードメーカーに6年勤務後、現在はINUNAVIライターとしてドッグフードを中心とした記事を数多く執筆。相棒はキャバリアのジタン(10歳)。犬が好き&犬が好きな人が好きです。好きな人たちの生活がより豊かになるような、経験を生かした正しい情報、一歩踏み込んだ内容の記事をお届けします。保有資格:ペットフード安全管理者・犬の管理栄養士・ペット災害危機管理士3級