犬に危険な種一覧
犬が食べてしまうと、健康に悪影響を及ぼす可能性がある種が以下の種です。
【毒性がある種】
※食べてしまったら早急に動物病院の受診しましょう。
|
|
|
|
りんごの種
危険な成分:アミグダリン |
梨の種
危険な成分:アミグダリン |
サクランボの種
危険な成分:アミグダリン |
未熟な梅の種
危険な成分:アミグダリン |
|
|
|
|
スモモの種
危険な成分:アミグダリン |
プラムの種
危険な成分:アミグダリン |
ビワの種
危険な成分:アミグダリン |
柿の種
危険な成分:アミグダリン |
|
|
|
|
あんずの種
危険な成分:アミグダリン |
アボカドの種
危険な成分:ペルシン |
パパイヤの種
注意が必要な成分:カルパイン |
イチイの種
危険な成分:タキシン |
桃やスモモなど、大きな種を飲み込んでしまった場合では、毒の成分はもちろん、種の形や大きさで消化管の損傷や閉塞が起こる可能性もあるため、たとえ元気に見えても動物病院を受診することを強くおすすめします。
また、種に毒性はありませんが形がいびつで喉や消化器官に引っかかりやすかったり丸飲みしやすいのが以下の種です。
【毒性はないが食べさせてはいけない種】
※食べてしまったらかかりつけの獣医師に相談しましょう。
|
|
|
みかんの種 |
オレンジの種 |
グレープフルーツの種 |
|
|
|
レモンの種 |
ぶどうの種 |
梅干しの種 |
生の種は硬く消化しにくい上、ある程度の大きさの種は外皮に酵素阻害剤が含まれているので、与えるべきではないと言えます。梅干しについても完熟の梅を使用するため、アミグダリンはほぼ分解されて中毒の心配はありませんが、種の形や大きさにリスクがあるため注意が必要です。
リスクについては後にご紹介する、「犬が種を食べたときに引き起こされること4つ」で詳しく解説します。
また、ぶどうに種に毒性はありませんが、ぶどうは絶対に犬が食べてはいけないものなので、与えてはいけません。
犬が食べてはいけないものを解説!36種類の症状や対処法、加熱調理が必要な食材も紹介
犬が食べても大丈夫な種
野菜や果物の多くに種は含まれており、この種は犬が食べても大丈夫なのかな?と疑問に思うこともあるでしょう。犬が食べても問題がない種(毒性がない種)を以下にまとめてみました。
【そのまま与えられる種】
|
|
|
いちごの種 |
キウイの種 |
バナナの種 |
|
|
|
きゅうりの種 |
ズッキーニの種 |
ナスの種 |
|
|
|
オクラの種 |
トマトの種 |
パッションフルーツの種 |
【すり潰せば大丈夫な種】
【少量を食べてしまっても問題のない種】
いちご、キウイ、きゅうり、トマト、ナスといった種は小さすぎることから酵素阻害剤の作用がなく、食べても大丈夫な種です。また、加熱したかぼちゃやゴーヤなどの種は食べることが可能ですが、そのままでは硬く喉に詰まらせてしまう恐れもあるため、与える場合はすり潰したりフードプロセッサーにかけるなどの工夫が必要です。
また、基本的に種は消化が悪く、与え過ぎは消化不良の原因になるのでスイカやメロン、ピーマンなど取り除ける種は取ってから犬に与える、胃腸が弱い犬はキウイやトマトの種も取り除くなど、消化に配慮することをおすすめします。
犬が種を食べたときに引き起こされること4つ
人間でも種を食べることはリスクがありますが、犬が種を食べてしまったときにはどんなことが引き起こされるのでしょうか。
ここでは、犬が種を食べるリスクについて詳しく解説します。
■犬が種を食べるリスク
①消化不良
②窒息
③腸閉塞
④中毒
①消化不良
種はとても硬く消化しにくいため、食べても問題ない種でも大量に食べたり、大きな種を飲み込んでしまった場合は消化不良を起こす可能性があります。
■犬の消化不良の主な症状
・嘔吐
・下痢
・便秘
・いつもより便の回数が多い
・食欲不振
下痢や嘔吐が続けば脱水症状を起こし、特に子犬やシニア犬では命にかかわることもあるため、消化不良であっても軽く見ないようにしましょう。
②窒息
犬が大きな種や表面がザラザラした種を飲み込んでしまった場合、喉に詰まらせて窒息してしまう可能性があります。
■犬が喉に種を詰まらせているときの主な症状
・むせるような咳
・吐き出そうとするが何も出ない
・口や頭を前足で必死に掻くしぐさをする
・大量のよだれ
・突然動きが悪くなる
・ぐったりする
・意識がなくなる
また、食道の入り口部分ではなく奥の方で詰まった場合では、食欲不振などわかりにくい症状の場合もあるため注意が必要です。
③腸閉塞
犬が飲み込んだ種が運よく食道を通過しても、腸で詰まって腸閉塞を起こす可能性もあります。
■犬の腸閉塞の主な症状
・嘔吐
・げっぷ
・頻回な嘔吐
・嘔吐やげっぷから腐敗臭がする
・便が出ない
・腹痛
・食欲がなくなる
・腹部が膨れる
腸管内が完全に塞がれている場合や、腸の閉塞によって血液の循環が阻害されているなどの場合は腹膜炎や腸の壊死、敗血症などを起こします。
④中毒
野菜や果物の種の中には、有毒なアミグダリンが含まれているものもあり、体内で猛毒のシアン化水素(青酸ガス)を発生させ、青酸中毒を起こす可能性があります。
■犬の青酸中毒の主な症状
・嘔吐
・下痢
・痙攣
・呼吸困難
・粘膜の充血
・チック症状
・虚脱
ほかにも、強い毒性のあるタキシンを含む種や過剰に摂取してはいけないカルパインを含む種など、種の種類によっては危険なので注意してください。
犬が種を食べた、飲み込んだときの対処法
では、犬が種を食べてしまったとき、飲み込んでしまったときはどうしたら良いのでしょうか。
いちごやバナナなど取り除くことができない種は犬が食べても大丈夫なので心配はいりません。また、スイカの種のように小さくて表面がツルツルしている種も、少量を食べたくらいでは便と一緒に出てくるため、特に心配することはありません。
気をつけなければいけないのは、犬が食べてはいけない種を食べてしまったときや、表面がザラザラした種、大きな種を食べたり飲み込んでしまったとき、大量に種を食べたときです。ここでは、対処法について見ていきましょう。
動物病院を受診する
犬が危険な種な種を食べてしまった、飲み込んでしまったときは、症状があるなしに関わらず、早急に動物病院を受診してください。
■動物病院を受診する目安
・中毒を起こす可能性がある種を食べた
・表面がザラザラした種を飲み込んだ
・大きな種を飲み込んだ
・種を大量に食べた
・症状が見られる
腸閉塞や中毒症状は時間が経ってから起こることもあり、うんちと一緒に出てくるかもしれないと様子を見るのは危険です。かかりつけの動物病院が開いていない時間帯では、救急診療を行っている動物病院を受診してください。
大量の判断が難しい場合は、動物病院に電話をして確認することをおすすめします。
自分では絶対に吐かせない
誤飲の対処法として、ネット上には塩やオキシドールを飲ませるといった方法が紹介されていますが、どの方法も危険なので絶対に行わないでください。
飼い主さんが愛犬を吐かせることで、嘔吐が止まらなくなったり命にかかわる重篤な障害を引き起こしてしまったりと、リスクしかありません。
自宅でできることはないため、早急に動物病院を受診することが大切です。夜間などの場合では、救急診療を行っている動物病院に電話をして、指示を仰ぐようにしましょう。
まとめ
野菜や果物の種の中には犬の健康に悪影響を及ぼすものもあり、どんな種が食べてはいけないのかを知っておくことが大切です。
■犬が食べてはいけない種
・りんごや梨、さくらんぼなどバラ科植物で発芽能力がある種
・表面がザラザラしている種
・大きい種
・大量の種
飼い主さんが種を与えないように気をつけていても、ゴミを漁ってしまったり、目を離したすきに食べてしまうという可能性もあるので、種の処理には十分に注意してください。
また、キウイやトマトなど食べられる種であっても、種は消化に悪く与え過ぎは消化不良の原因になるため、与え過ぎずに適量にとどめておきましょう。
【獣医師監修】犬が食べていいもの一覧!野菜・果物・肉類など与えるメリットと注意点
執筆者
- ペットライター
-
たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー