あんこは犬が食べても大丈夫な食べ物です。そのため、「犬があんこを食べちゃったけどどうしよう?」と過剰に心配する必要はないでしょう。
確かに、あんこには砂糖が使用されているのでたくさん与えてしまうと肥満のリスクが高まりますが、少量であれば犬によってはメリットがあります。
そこで今回は、獣医師監修のもと犬があんこを食べるメリットや注意点、与える量について解説します。
あんこを食べさせたい犬と食べさせないほうがいい犬についてもご紹介しているので、参考にしてください。
あんこは犬が食べても大丈夫な食べ物です。そのため、「犬があんこを食べちゃったけどどうしよう?」と過剰に心配する必要はないでしょう。
確かに、あんこには砂糖が使用されているのでたくさん与えてしまうと肥満のリスクが高まりますが、少量であれば犬によってはメリットがあります。
そこで今回は、獣医師監修のもと犬があんこを食べるメリットや注意点、与える量について解説します。
あんこを食べさせたい犬と食べさせないほうがいい犬についてもご紹介しているので、参考にしてください。
目次
あんこには砂糖が使用されていることから、甘いものが好きな犬にとって喜んで食べてもらえるものでしょう。
そのため、以下のようなメリットがあります。
あんこの甘い香りや味は、食欲が落ちてしまった犬の食欲を刺激してくれます。
犬の食欲不振にはさまざまな原因があり、原因となっていることを取り除いてあげることが何よりも大切ですが、食べてもらえないことには体力が低下してしまう一方ですね。
ドライフードにあんこを絡めたり、おしるこやぜんざいのように汁状にしてかけてあげることで、食べてくれやすくなるでしょう。
あんこはカロリーが高いため、病中や病後、ストレス、老化などであまりごはん食べられずに痩せてしまった犬の栄養補給に役立てることができます。
■あんこのカロリー(※1)
あくまでもおやつやトッピングとしてですが、少しでも高カロリーのものを食べてほしいときには、犬の嗜好性が高いあんこは与えやすいでしょう。
あんこの原材料となっている小豆にはさまざまな栄養素が含まれていますが、ポリフェノールの1種であるアントシアニンも豊富に含まれていることから、抗酸化作用が期待できます。
ポリフェノールの含有量はワインの約1.35~2倍とも言われています。(※2)
身体には、体内で増えて過ぎてしまった活性酸素を除去する仕組みが備わっていますが、抗酸化作用のもとになる物質がなければうまく機能することができません。
そのため、食欲が落ちてご飯をちゃんと食べられていない犬では、活性酸素と抗酸化作用のバランスが崩れやすく、酸化ストレスによって体の不調や食欲不振を起こすこともあるため、少しでも抗酸化作用が期待できるあんこを食べることは悪いことではないと言えます。
あんこに含まれる主な栄養素は以下の通りです。
■あんこ(粒あん)の主な栄養素
カロリー:239kcal / 100g
あんこの原材料となる小豆は、犬の健康維持に役立つさまざまな栄養素が含まれています。
あんこは主食にはならないため、おやつやトッピングとして与えることが大切ですが、与える量は愛犬が1日に必要な摂取カロリーの10%以内にしましょう。
■犬が1日に食べていいあんこの量の目安
※避妊・去勢済みの成犬で算出
体重 | 目安量 |
3kg | 10g |
5kg | 15g |
7kg | 20g |
10kg | 26g |
15kg | 35g |
20kg | 40g |
犬が1日に必要なカロリーの計算方法は以下の記事で詳しく解説しています。
あんこは犬の健康維持に嬉しい栄養素が含まれ、犬によってはメリットのある食べ物ですが、与える際には注意しなければいけないこともあります。
小豆は比較的食物アレルギーが起こりにくいですが、犬の体質によっては食物アレルギーを起こしてしまうこともあるため、最初は少量から与え、食べた後は48時間ほど様子を見てあげましょう。
もし愛犬に小豆アレルギーがある場合、食べてから30分~48時間以内に以下のような症状が見られます。
■犬の食物アレルギーの主な症状
・皮膚の赤み
・目の周りや口の周り、耳を痒がる
・脱毛
・足先や皮膚を執拗に舐めたりかじる
・下痢や軟便
・嘔吐
犬によって食物アレルギーの症状は異なりますが、上記のような症状が見られた場合は獣医師に相談してください。
犬の食物アレルギーについては、以下の記事で解説しています。
こしたあんこでは問題ありませんが、粒のあんこに含まれる小豆の皮は消化しづらいため、犬の消化の負担を軽減するためにも与え方を工夫してあげましょう。
■あんこの与え方
・フードプロセッサーにかける
・ペースト状にする
・潰す
・細かく刻む
粒のあんこのまま与えると、消化不良を起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。
あんこは糖分が多いため、太り気味の犬や肥満の犬には与えないようにしましょう。
砂糖と糖尿病は関連付けられない(※8)との報告もありますが、肥満によってさまざまな病気のリスクが高くなる可能性はあります。
また、食欲が低下した痩せている犬であっても、栄養バランスの偏りを招く恐れがあるため、与え過ぎないことが大切です。
市販されているあんこは、砂糖がたっぷり使われているものも多いため、砂糖控えめのものを選んだほうがいいでしょう。もし可能であれば、自分で手作りしたほうが砂糖の量を減らすことができて安心です。
とは言え、手作りしたあんこは甘さ控えめで無添加なぶん傷むのも早いため、鍋から清潔な保存容器に移し替えて空気に触れないようにラップをし、冷蔵庫か冷凍庫で保存してください。
■手作りあんこの保存の目安
■材料
・小豆…300g
・てんさい糖…60g程度
・水…適量
■作り方
てんさい糖なしで作ることも可能ですが、甘い香りや味がないと食べてくれない可能性もあります。てんさい糖はミネラルやオリゴ糖といった栄養素が含まれており比較的血糖値の上昇も緩やかなため、販売されている犬用ケーキやおやつなどにも使用されることが多いですよ!
また、愛犬に小豆の栄養を摂り入れたいという飼い主さんでは、砂糖なしで作ってあげれば太り気味や肥満の犬でも食べてもらうことができるでしょう。
ここでは、犬にあんこを与えるときによくある疑問をQ&A形式でご紹介します。
A.子犬は成長期にあたり、体を作るためにもしっかりとバランスの取れた食事を摂る必要があり、消化器官も未発達のため、おやつとしてあんこを与える必要はありません。
しかし、環境の変化によるストレスなどで食欲が低下してしまっている場合などは、少量のペースト状にしたあんこを舐めさせてあげてもいいでしょう。
A.少量であればシニア犬があんこを食べても大丈夫です。
とは言え、太り気味や肥満のシニアにはあんこは与えないようにしましょう。
A.飼い主さんが愛犬用に手作りしたあんこ入りのパンやどら焼きなどであれば食べても大丈夫ですが、市販されている人間用のものは、犬が食べてはいけないものが使用されている可能性もあるため避けておいた方が安心です。
また、大福などのようにお餅が使用されているものは、喉に詰まらせてしまう危険性があるため、与えないようにしましょう。
あんこは犬が食べても大丈夫な食べ物ですが、市販のあんこの多くは砂糖がたっぷり使用されているため、少量にとどめておく必要があります。
また、粒あんのままでは小豆の皮で消化不良を起こす恐れもあり、消化に負担がかからないように工夫してあげることが大切です。
あんこの甘い香りや味は食欲が低下している犬にとっては嗜好性を高めてくれるメリットがあるため、愛犬にご飯を食べて欲しいときなどは上手に活用してましょう。
執筆者
18歳のチワックスと1歳のチワックス、ポメチワ、0歳のチワックスの4匹と暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。
【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格】