公開 2023.10.31 更新 2024.08.15
愛犬が自分の足を噛む理由|原因や対策、動物病院を受診する目安は?

愛犬が自分の足を噛む理由|原因や対策、動物病院を受診する目安は?

愛犬が自分の足を噛む光景は、わんちゃんと暮らす飼い主さんなら一度は見たことがあるのではないでしょうか。

すぐにやめるならそこまで気にならないでしょうが、あまりにも頻繁に噛んでいたり、ずっと噛み続けていると心配になってきますね。

そこで今回は、愛犬が自分の足を噛む理由や対策、動物病院を受診する目安について解説します。

わんちゃんが足を噛む理由は心配のないものから、病気が隠れている可能性があるものまでさまざまなので、きちんと理解しておきましょう。

愛犬が自分の足を噛む理由8つ

後ろ足を噛む子犬

愛犬が自分の足を噛む理由はさまざまなことが考えられますが、中には病気が原因となっていることもあり、軽く見ていてはいけないこともあります。

ここでは、わんちゃんが自分の足を噛む8つの理由を詳しく見ていきましょう。

①暇つぶしをしている

わんちゃんが退屈で時間を持て余している場合、暇つぶしに自分の足を噛むことがあります。

遊べるおもちゃもがない、ずっと室内にいる、飼い主さんが忙しくてかまってもらえないなどが考えられるため、退屈な時間が多くないか見直してあげましょう。

②癖になっている

わんちゃんがもともとは暇つぶしなどで噛んでいたのが癖になり、習慣になって足を噛むようになることがあります。

無意識に噛んでいることも考えられるため、気を反らしてあげるなどの工夫が必要です。

③落ち着くため

わんちゃんは、不安や恐怖を感じたり、緊張することがあったときに、自分の気持ちを落ち着かせるために自分の足を噛むことがあります。

どんな状況で自分の足を噛むのか見極めて、対処してあげることが大切です。

④ストレスを感じている

わんちゃんは、ストレスを感じたりストレスを抱えているときに、少しでもストレスを緩和させようと自分の足を噛むことがあります。

わんちゃんのストレスには、環境の変化やかまってもらえない寂しさなどの心理的ストレスと、運動不足や急激な気温の変化、かまいすぎなどの身体的ストレスの2種類がありますが、どちらのストレスも体調不良につながりやすいため注意が必要です。

わんちゃんのストレスについては、以下の記事で詳しく解説しています。

愛犬のストレスサインとは?下痢や噛むときなど症状別の解消法を紹介!

⑤グルーミング(お手入れ)をしている

わんちゃんは、グルーミング(お手入れ)のために自分の足を噛むことがあります。

清潔を保つために行われる本能的な行動のため特に心配はありませんが、あまりにも頻繁に行う場合ではほかの理由が考えられるでしょう。

⑥痒みがある

わんちゃんは、足先に痒みがあると痒みを鎮めたくて自分の足を噛むことがあります。

痒みの原因はアレルギーや皮膚炎、かぶれなどさまざまですが、適切な治療を受けさせてあげることが大切です。

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⑦痛みがある

わんちゃんの足に痛みがあって、痛みをごまかすために足を噛んでいる可能性もあります。

痛みの原因は、捻挫や骨折、爪の負傷、トゲなどが足の裏に刺さる、病気などさまざまですが、こちらも適切な治療を受けさせてあげることが大切です。

⑧自分の体だと認識できないから

わんちゃんの足が麻痺していた場合、自分の体だと認識できずに足を噛むことがあります。

麻痺が起こる原因は、血栓塞栓症や椎間板ヘルニアなどの病気ですが、血栓塞栓症は足に関係のない場所の病気から起こることもあるため注意が必要です。

動物病院を受診する目安は?赤くなっている、腫れているなど

舐めて赤くなった犬の後ろ足

愛犬が自分の足を噛む理由の中には、本能的な行動や正常など心配する必要がないものもありますが、以下のようなことが見られる場合は動物病院を受診することをおすすめします。

■愛犬が足を噛むときに動物病院を受診する目安
・足の皮膚が赤くなっている
・足先が脱毛している
・足先が腫れている
・前足や後ろ足を引きずっている
・足をつくことができない
・足に震えがある
・足先が冷たくなっている

また、明らかな症状や異変が見られない場合であっても、飼い主さんの呼び掛けも耳に入らず一心不乱に足を噛み続けている場合や、頻繁に噛む場合は、獣医師に相談しましょう。

愛犬が自分の足を噛むときの対策は?理由に合わせて原因を取り除くことが大切

後ろ足を舐めているパグ

愛犬が自分の足を噛むことをやめさせるのは、場合によっては更にストレスを感じさせてしまうことになるので、無理にやめさせるのではなく、噛む理由に合わせて対処してあげる必要があります。

そのままにしておくと炎症をや感染症を起こしやすくなるだけでなく、そこが気になって余計に噛むという悪循環になってしまいます。ますます悪化して、足をついて歩けなくなるということも起こる可能性があるため、少しでも足を噛む頻度が減るように対策してあげましょう。

①ストレスを軽減させてあげる

悲しい犬

わんちゃんが自分の足を噛む原因の多くにストレスがありますが、どんなストレスを抱えているのか探り、少しでも軽減できるようにしてあげましょう。

わんちゃんがストレスを感じるのは、不安や緊張、恐怖といったことが続いたり、飼い主さんと遊ぶ時間が少ない、十分なお散歩ができていない、過度なお散歩になっているなどさまざまです。

愛犬の性格を考えながら、ストレスを解消できるようにサポートしてあげることが大切です。

②おもちゃを用意してあげる

おもちゃで遊ぶコーギー

暇つぶしに足を噛むわんちゃんや、癖で足を噛むわんちゃんでは、ひとりでも遊べるおもちゃを用意してあげましょう。

おもちゃは飼い主さんの目が届くとこで遊ばせることが基本ですが、留守番中などもひとりで長時間遊べるような、安全性を考えて作られている知育トイなどを用意するのがおすすめです。

また、留守番中に限らず、足を噛む愛犬の気を反らすために一緒に遊べるおもちゃも用意してあげるといいですね。

③コミュニケーションをしっかり取る

ゴールデンレトリバーと女性の飼い主

愛犬とのコミュニケーションの時間をしっかり取ることも大切です。

一緒に遊ぶ、質の高いお散歩にする、普段から適度なスキンシップを取る、話かける、マッサージしてあげるなど、コミュニケーションを取ることはわんちゃんの不満解消やストレス解消にもつながります

ただし、かまいすぎは逆にストレスを与えてしまうため、かまいすぎないように「愛犬にとって丁度いい時間」を見つけてあげてくださいね。

④エリザベスカラーを装着したり靴下を履いてもらう

エリザベスカラーをつけたチワワ

わんちゃんが足をケガしていたり炎症を起こしているとき、あまりにも頻繁に噛むときなどは、噛むことで悪化させないようにエリザベスカラーを装着したり、靴下を履いてもらうことで足を保護することができます

ただし、エリザベスカラーや靴下にストレスを感じるわんちゃんもいるため、その場合は獣医師に包帯の巻き方を聞き、噛む部分に包帯を巻くようにしてください。

また、靴を嫌がらないわんちゃんの場合は。お散歩のときに靴を履いてもらうことで、悪化させたり二次感染などを防ぐことができますよ!

⑤頻繁に足を噛むときは動物病院を受診する

動物病院を怖がる犬

動物病院を受診する目安」でも述べましたが、明らかな症状や異常が見られなくても、一心不乱に噛み続けるときや頻繁に噛む場合は動物病院を受診してください

わんちゃんが自分の足を噛むことは、病気が原因のこともあるため、なぜ噛むのかを突き止めることが大切です。

また、動物病院を受診する際は、愛犬が自分の足を噛んでいる様子を動画に撮って獣医師に見せることで、診察の手助けになるでしょう。

次章では、愛犬が自分の足を噛むときに考えられる病気を解説しているので、参考にしてください。

愛犬が自分の足を噛むときに考えられる病気

自分の後ろ足を舐める柴犬の子犬

わんちゃんが自分の足を噛むときに考えられる病気は以下の通りです。

■わんちゃんが自分の足を噛むときに考えられる主な病気

  • 分離不安症
    …飼い主さんの姿が見えなくなることに過剰な不安や恐怖を覚える病気。執拗に足を噛むなどの自傷行為を行うこともある
  • 強迫神経症(強迫性障害)
    …ストレスや不安、恐怖などを振り払おうとして何度も同じ行為を繰り返す。自分でもその行為を止めることができない病気
  • アレルギー性皮膚炎
    …過剰な免疫反応と皮膚バリアの低下によって発症する病気。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど
  • 指間炎
    …指の間の皮膚が炎症を起こす病気。ケガ、異物、アレルギー、ストレス、皮膚病など原因はさまざま
  • 血栓塞栓症
    …血栓が血管を閉塞して血流を遮断することで末梢の臓器障害を引き起こす病気。しびれや麻痺を起こすこともある
  • 関節炎
    …関節軟骨の変化や変形が起き、関節の働きが悪くなって炎症が起きたり痛くなったりする病気
  • 椎間板ヘルニア
    …【後ろ足を舐める場合】椎間板の変性によって脊髄(神経)を圧迫し、痛みやしびれ、麻痺などを引き起こす病気

どれも治療が必要な病気なので、愛犬が足を噛むことが心配な場合は獣医師に相談してみてくださいね。

まとめ

自分の体を舐める子犬

愛犬が自分の足を噛む理由には、心配のいらないものから、早急に動物病院を受診する必要があるものまでさまざまです。

なぜ愛犬が足を噛むのか、噛む前の状況や噛んでいる時間など、観察して見極めてあげることが大切です。

また、ストレスで自分の足を噛むわんちゃんは多いため、愛犬との接し方やお散歩の時間なども今一度、見直してあげましょう。

 

ペットライター たかだ なつき

執筆者

ペットライター
たかだ なつき
JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー

18歳のチワックスと1歳のチワックス、ポメチワ、0歳のチワックスの4匹と暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。

【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格

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