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犬の皮膚病の主な種類と緊急度【症例画像付き】
犬の皮膚病には様々な種類があり、症状はかゆみ・かさぶた・赤い発疹・黒ずみ・フケ・脱毛などどれも似通っています。
また、犬が掻くことで症状が進行し他の皮膚病を併発することもあるため、飼い主さんだけでは原因や改善方法を突き止めることは困難です。
犬の一般的な皮膚病の種類と、主な症状を紹介しますので、気になる病名をクリックして詳しい症状や治療内容をチェックしてみてください。
症例画像はあくまで症状のひとつに過ぎず、現れ方にも個体差があるので一概には言えません。また緊急度はあくまで参考までにとどめ、一度は動物病院を受診しましょう。
※スクロールしてご覧ください。
※1画像出典:小野憲一郎・今井壯一・多川政弘・安川明男・後藤直彰, 『イラストで見る犬の病気』,講談社,2012,pp.128-141.
※2画像出典:辻本 元・小山 秀一・大草 潔・中村 篤史,『犬の治療ガイド2012 私はこうしている』 エデュワード プレス,2012,pp.684-686.
※3画像出典:辻本 元・小山 秀一・大草 潔・中村 篤史,『犬の治療ガイド2020 私はこうしている』 エデュワード プレス,2020,pp.774.
※4画像出典:wan20209月号,『We loveキャバリア』,緑書房,pp49.
次章からは、犬の主な皮膚病について、より詳しい症状や原因、治療内容、治療費の例などを紹介します。
犬の皮膚病①アトピー性皮膚炎|3歳以下で発症傾向。かゆみ・乾燥・結膜炎・外耳炎を伴う場合も
犬のアトピー性皮膚炎は、その多くが環境アレルギーとも言われ、ハウスダストマイト(室内ダニ)や花粉、植物、細菌やカビなどの生活環境にあるものをアレルゲンとして認識してしまうアレルギー体質が原因の皮膚炎です。
発症は3歳以下が多く、原因は遺伝が関係すると考えられています。また、免疫力の低下や外部刺激など様々な理由から皮膚のバリア機能が低下すると、アレルゲンが侵入しやすくなるため、アトピー性皮膚炎の発症につながります。
犬のアトピー性皮膚炎の主な症状は、皮膚のかゆみや赤み、ベタつき、フケなどの皮膚炎の症状です。
中には結膜炎や外耳炎を併発するケースもあるため、涙や目やにが増えたり、耳の汚れがひどくなる犬もいます。
発症すると皮膚の常在菌バランスが乱れたり、皮脂分泌や発汗の異常、他のアレルギーの併発、かゆみによるストレスなども出てくるため、早期に治療や環境の管理を始めてあげることが大切です。
ちなみに花粉がアレルゲンとなっている場合は、花粉の多い時期のみ症状が出る犬もいます。発症のタイミングを確認するときは、季節も含めて考えてみましょう。
犬のアトピー性皮膚炎の診療内容とかかりやすい犬種
■診療内容の例
年間の治療にかかるお金(平均):73,988円 ※参考(2)アニコム家庭どうぶつ2022 品種別の統計(犬) 柴
治療方法:内服薬や塗り薬でかゆみや免疫反応を調整。皮膚のバリア機能を高めるためのスキンケア剤を使用する。
治療にかかる期間:4ヶ月程度。体質が原因なので完治が難しいことも。症状を抑える治療やスキンケア、生活環境を整えてうまく付き合っていく必要がある。
■かかりやすい犬種
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ゴールデン・レトリバー、柴犬、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、ラブラドール・レトリバーなど
犬の皮膚病②ノミアレルギー性皮膚炎|強いかゆみが特徴。掻きすぎで脱毛も
ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミに血を吸われた際に出るノミの唾液にアレルギー反応を起こすことが原因の皮膚炎です。
初めて発症する年齢は5歳以下が多いようですが、年齢に関わらず過去にノミに刺されたことがある犬は、体内にノミに対する抗体ができているため、刺されるとアレルギー反応を起こす可能性があります。
主な症状は強いかゆみで、発疹や掻き壊しによるかさぶた、脱毛も起きやすい皮膚炎です。特に背中や腰、太もも、陰部周辺、尻尾などが発症しやすい部位なので、確認してみましょう。
ノミアレルギー性皮膚炎の治療内容とかかりやすい犬種
犬の皮膚病③食物アレルギー性皮膚炎|多くは食後に発症。左右対称のかゆみに下痢や嘔吐も
犬の食物アレルギー性皮膚炎は、ある特定の食べ物にアレルギー反応を起こす体質が原因の皮膚炎です。
犬の一般的なアレルゲンと言われている食材は、「牛肉、乳製品、鶏肉、小麦、ラム肉 」ですが、アレルゲンとなる食材は犬によって異なります。
また特に発症しやすい年齢は6ヶ月未満と7歳以上とされていますが、どの年代の犬でも発症する可能性がありますが、主な症状は、体の両側に出る皮膚のかゆみや赤みです。
赤みは、顔(眼・口・耳の周り)や肛門周囲、わきの下、手先足先、お腹などに見られることが多く、犬によっては下痢や嘔吐などの消化器症状を伴ったり、アトピー性皮膚炎と併発していることもあります。
アレルゲンとなる食材を食べた後、数時間以内から2〜3日にかけて症状が出ることが多いので、食後に症状が現れやすい場合は注意しましょう。
食物アレルギー性皮膚炎の治療内容とかかりやすい犬種
犬の皮膚病④膿皮症|部分的なかゆみや輪のようなかさぶたが現れる細菌感染症
膿皮症は、犬の皮膚にもともと存在する常在菌のひとつ「ブドウ球菌」が、免疫力の低下やスキンケアの過不足、他の皮膚病の影響などで異常繁殖したことが原因で起こります。
主な症状は部分的な赤みやかゆみ、輪のような形のかさぶた、赤や白の発疹、色素沈着などで、どの年代でも発症する可能性があります。
顔面や脇の下、指の間、内股などに症状が出ることが多いため、特に顔に汚れが溜まりやすい短頭種は、しわの間まで日々確認してあげる必要があります。
膿皮症の治療内容
犬の皮膚病⑤脂漏症|ベタつきやフケ、体臭が増す体質が原因の皮膚病
脂漏症は、体質や乾燥などが原因で、皮膚のターンオーバーのサイクルに異常が生じ、皮膚から脂が過剰に分泌されている状態のことを言います。
好発年齢は特に無く、子犬から老犬まで発症する可能性があります。主な症状は、体のベタつきやフケ、かゆみ、体臭、皮膚が乾燥することもあります。
脂漏症で皮脂が過剰になっている状態では、常在菌(細菌・真菌など)が繁殖しやすいため、他の皮膚病との併発にも注意が必要です。
脂漏症の治療内容の例
■治療内容の例
年間の治療にかかるお金(平均):64,673円 ※参考(2)アニコム家庭どうぶつ2022 品種別の統計(犬) シーズー
治療方法:獣医師処方の薬用シャンプーでのスキンケアや、食事管理、飲み薬など。
治療にかかる期間:1〜2週間程度。体質が原因なので治療とケアで症状をコントロールして付き合っていく。
■かかりやすい犬種
シーズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、フレンチ・ブルドッグなど
犬の皮膚病⑥マラセチア性皮膚炎|皮膚が赤くベタベタするカビの感染症
マラセチア性皮膚炎は、常在菌の一種である「マラセチア」というカビの一種(酵母様真菌)が、免疫力の低下や体質に合わない食事、湿度の高い環境などで異常繁殖したことが原因で起こる皮膚病です。
どの年代の犬でも発症することがありますが、子犬や老犬は免疫力が低いため発症のリスクが上がります。
主な症状はかゆみや赤み、ベタつきなど。梅雨から夏にかけて高温多湿になる時期には症状が出やすいため特に注意が必要です。
皮脂を餌として増殖する菌なので、好発部位は皮脂が多く出やすい脇の下や指の間や耳などを確認してみましょう。
マラセチア性皮膚炎の治療内容
■治療内容の例
年間の治療にかかるお金(平均):47,873円 ※参考(2)アニコム家庭どうぶつ2022 品種別の統計(犬) シーズー
治療方法:獣医師処方の薬用シャンプーでのスキンケアや、塗り薬、飲み薬など。
治療にかかる期間:1ヶ月程度。しっかりと治療すれば良くなるが繰り返すこともある。
■かかりやすい犬種
シーズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ミニチュア・シュナウザー、トイ・プードルなど
犬の皮膚病⑦ニキビダニ症(毛包虫症)|毛穴周辺に脱毛やフケ。子犬は要注意
犬のニキビダニ症は、ニキビダニ(毛包虫)というダニが毛穴に寄生し、過剰に増殖したことが原因で起こる皮膚病です。
ニキビダニは健康な犬にも多少は寄生していますが、免疫力の低下や遺伝などのなんらかの原因で過剰に増殖すると発症します。
どの年代の犬でも発症することがありますが、特に子犬は栄養が不十分だと十分な皮膚免疫力がなく、また老犬は様々な病気により皮膚免疫力が低下するため発症しやすいと考えられています。
主な症状は、顔や足先の毛穴と同じ場所に現れる脱毛やフケ、発疹、赤みなどで、かゆみはそこまで強くない事が多いです。
ニキビダニの治療内容
犬の皮膚病⑧皮膚糸状菌症|目や口のまわりに赤みや脱毛が出るカビの感染症
犬の皮膚糸状菌症は、カビ(真菌)の一種である「皮膚糸状菌」に感染したことが原因となって起こる皮膚病です。
皮膚糸状菌は、人や犬の皮膚に存在する常在菌であり、またほこりや土などの普段の生活環境にも存在しているため日常的に接触していますが、免疫力が低下している犬や、子犬や老犬などは感染しやすくなります。
皮膚糸状菌症に感染している他の犬との接触でも移り、人にも感染することがあるため注意が必要です。
主な症状は脱毛や赤み、フケなどで、目や口のまわり、耳などに現れやすいです。
皮膚糸状菌症の治療内容
犬の皮膚病➈疥癬|激しいかゆみと多量のフケが特徴のダニ寄生虫症
疥癬(かいせん)は、犬の表皮内に寄生したヒゼンダニというダニが原因で起こる皮膚病です。
疥癬には通常疥癬(アレルギー疾患)と角化型疥癬(感染症)の2種類があり、疥癬に感染した犬や野生動物との接触で発症します。
どちらも全身に激しいかゆみ、皮膚が厚くなる、赤い発疹、脱毛、多量のフケ(角化型疥癬)、かさぶた、きつい体臭などがみられます。皮膚を掻きすぎて出血してしまうことも。
お腹周りや、顔、耳、肘、足などの部位に症状が現れやすいので確認してみましょう。
どの年代の犬でも感染する可能性がありますが、ドッグランやペットホテルなどの犬が集まる場所へよく出かける犬や、外飼いの犬は特に注意が必要です。
疥癬の治療内容
■治療内容の例
治療にかかるお金(平均):13,716円 ※参考(3)ペット保険のFPC犬の病気事典疥癬(かいせん)症
治療方法:駆虫薬、飲み薬、獣医師処方の薬用シャンプーや薬浴でのスキンケアなど。
治療にかかる期間:1~2ヶ月程度。重症の場合は長引くこともある。
■かかりやすい犬種
全犬種。
特にドッグランのような多くの犬と触れ合う場所へよく出かける犬は発症リスクが高くなる。
犬の皮膚病⑩甲状腺機能低下症|かゆみを伴わずに脱毛するホルモンの病気
甲状腺機能低下症は、体質や遺伝などの様々な理由から、新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの分泌が減ったことで起きる病気です。
自己免疫疾患のひとつにあたり、発症は4〜6歳の比較的若い犬に多いとされます。
主な皮膚症状は、尻尾や体の両側に見られる脱毛、乾燥からくるフケ、皮膚の黒ずみなどですが、かゆみは伴いません。
また、元気がなく、疲れやすくなったり寒がりになることもあります。
甲状腺機能低下症の治療内容
犬の皮膚病⑪外耳炎|赤い腫れや耳垢・臭いが増える外耳の炎症
外耳炎は、外耳という耳の入り口から鼓膜までの部分が炎症する病気です。
発症原因は様々であり、アレルギーや寄生虫や腫瘍、耳の構造異常などの基礎疾患、高温多湿や免疫力の低下による常在菌の増殖であったりもします。
主な症状は、かゆみ、赤く腫れる、黄色や茶色や黒の耳垢、強い臭いなど。
子犬から老犬まで発症することがあり、繰り返しやすいので慢性化しないよう、都度しっかりと治療が必要です。
外耳炎の治療内容
【獣医師執筆】犬の外耳炎とは?症状・原因・治療法|簡単にできる予防策
愛犬の皮膚の健康を守る6つの対策
愛犬の皮膚の健康を維持するには、自宅での飼い主さんの適切な飼育管理が重要です。皮膚病の予防や改善に役立つ簡単な6つの対策をぜひ参考にしてください。
清潔で適温の快適な生活環境をつくる
愛犬のために清潔な生活環境をつくると、ハウスダストやダニ、ノミ、カビなどが原因の皮膚病の予防や改善に繋がります。
室内飼育の犬は、愛犬がよく過ごす部屋、ケージやサークル、ベッド、おもちゃ、身につけている洋服・犬具、食器などをまめに掃除し清潔にしましょう。
屋外飼育の犬は、犬小屋の清潔をできるだけ保つ、皮膚に影響が出やすい高温多湿の日などは玄関や室内で過ごさせるようにしてください。
清掃の際は犬に影響がない洗剤や除菌消臭剤を使います。植物にアレルギーがある犬は、洗浄剤に含まれる植物由来成分にアレルゲンがないかも確認が必要です。
また、温度や湿度を愛犬の体質に合わせて適切に管理することも、常在菌の繁殖による皮膚病を防ぐことにつながります。
皮膚を適切な方法でシャンプーし保湿する
皮膚を清潔に保つことは、皮膚病の予防や改善にはとても重要です。
毎日のブラッシングや定期的なシャンプーで皮膚に付着したアレルゲンや皮脂を落としましょう。
特にかゆみの症状が出ているときは、愛犬が噛んだり掻いたり舐めたりすることで二次感染しやすくなるので、獣医師の指導のもと普段よりシャンプーの頻度を増やすこともあります。
しかし、シャンプーのし過ぎでも皮膚のバリア機能が低下してしまうので、愛犬の皮膚の状態に合わせた最適な頻度で行います。
また、症状に応じたシャンプー剤を選ぶことも大切です。動物病院から薬用シャンプーを処方されることもありますが、特に指定がない場合は、皮膚への刺激がやさしい敏感肌用や子犬用シャンプーがおすすめです。
泡で優しく皮膚を洗浄し、すすぎ残しのないように洗い流し、しっかりと乾かします。生乾きでは細菌が繁殖しやすい環境になってしまうため注意が必要です。
【犬種別ランキング】犬用シャンプーのおすすめ112商品を比較!いい匂い・子犬向きのものは?
ドライヤーの後は乾燥しすぎないよう犬用の保湿剤を使って保湿し、皮膚のバリア機能を高めやすくしましょう。
なお、犬の皮膚の構造は人とは様々な点で異なるため、犬に人用のシャンプーや保湿剤を使うのはNGです。例えば、犬の表皮は人の3分の1程度の厚さしかないため、人よりも皮膚が乾燥しやすく、外部刺激も受けやすい構造になっています。
その皮膚を守るために被毛がありますが、皮膚病の子は普段よりもさらにダメージを受けやすい状態なので、必ず犬用のスキンケア用品を使ってください。
ノミ・ダニの予防薬を毎年行う
ノミやダニの予防薬は、投薬すると犬の皮膚に付着した寄生虫を死滅させる効果が1ヶ月間持続するものが一般的です。
ノミやダニが活発になる春から夏にかけて投薬するのが通例ですが、年間を通して投与を進める病院もあるため、愛犬の行動範囲や居住状況に合わせて投薬期間を獣医師に相談しましょう。
特にすでに皮膚に症状が見られている場合は、皮膚へのダメージを抑えるため滴下タイプだけでなく経口タイプの予防薬も検討してもらえます。
ちなみに、ノミやダニを防ぐための虫除け商品は、ハーブのスプレーや首輪タイプなど市販でも数多く販売されていますが、そういったものはあくまで予防薬の補助的な役割として使用することをおすすめします。
実際に私も、自然由来成分のノミ・ダニよけ製品を複数組み合わせて使用していましたが、やはりノミが寄生し、愛犬に痒い思いをさせてしまったことがあります。
持病で投薬できない等の特別な理由が無い限り、予防効果が証明されている動物医薬品として認可されたもので予防しましょう。
皮膚の健康を維持する食生活を送る
皮膚の健康を維持するためには、免疫力の低下や皮膚のバリア機能の低下を防ぎやすい食事を意識することが大切です。
体内で最も多くの免疫細胞が存在する腸の健康を維持でき、皮膚のバリア機能を高める必須脂肪酸が高配合されているドッグフードを選びましょう。
■ドッグフード選びのポイント
- 主原料が良質なタンパク質である
- 腸の働きを助ける乳酸菌類が配合されている
- オメガ3とオメガ6が高配合されている
- 必須脂肪酸を体内で利用しやすくするビタミンEが配合されている
- 食物アレルギーがある犬は、アレルゲンを必ず避ける
ただし、上記のようなフードでも愛犬の体質に合わないと意味がありません。フードを変更後は愛犬の体質に合っているかどうか、皮膚や便の状態をよく確認しておきましょう。
例えば私の愛犬の場合は、脂の量や質が合わないと耳の汚れが増えやすいので、脂の品質には特に気をつけてフードを選び、耳の様子を日々確認するようにしています。
また、おやつを与えすぎると栄養バランスが崩れたり肥満につながり、皮膚の健康も維持しにくくなるため間食にも注意が必要です。
【獣医師監修】犬のアレルギーや皮膚病対策におすすめのドッグフードランキング29選
サプリメントで皮膚に良い栄養を強化する
皮膚の健康をサポートする乳酸菌やオメガ3、ビタミンEなどの栄養素は、サプリメントで強化するのもおすすめです。
サプリメントであれば、フードを変更したくない場合や、特定の季節にだけ皮膚トラブルが起きるという場合にも使いやすいでしょう。
また皮膚の健康に良い栄養素を含むサプリメントは、体全体の健康維持につながるものが多いので、大きな病気に気をつけたいシニア期の愛犬には特におすすめです。
なお、人用のサプリメントや薬を犬に与えるのはNGです。犬にとって危険な成分が含まれている可能性があり、また同じ成分であっても、内容量や濃度の違いで犬には栄養素が多すぎたり少なすぎたりする可能性があります。
ハーブ類を使用した肌に直接塗るタイプのサプリメントも色々販売されていますが、自己判断で使用して皮膚病を悪化させたり、併用したことで薬の効果が分からなくなることもあるので、使用の際は一度獣医師に相談すると安心です。
以下の記事では、皮膚に良いおすすめの犬用サプリメントを紹介しています。
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遊びやスキンシップでストレスを貯めない
皮膚病の症状がある犬は、辛いかゆみからよく眠ることができず、ストレスが溜まりやすい状況です。
犬はストレスが溜まると手足を舐めたり噛んだりするため、細菌が繁殖しやすくなりさらに皮膚病を悪化させる原因になります。
愛犬のストレスをできるだけ発散させてあげられるように、好きなおもちゃで一緒に遊んだり、ドッグランで思い切り走らせたり、スキンシップを取る時間を増やしましょう。
また、愛犬が家の中で安心して過ごせる居場所をつくることも大切です。ケージやサークルが窓際や人通りの多い場所に面していると、外部刺激を受けやすく、ストレスのもととなります。
皮膚病以外のストレスが少ない生活を心がけてあげましょう。
犬の皮膚のしこりやイボは皮膚がんの可能性も
愛犬の皮膚にしこりやイボ、黒いかさぶたなどができている場合は、良性の腫瘍であることも多いですが、悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性もあります。
犬の皮膚のできものは見た目だけでは良性か悪性かを断定できないため、動物病院で早めに診察・検査をしましょう。
犬に多い皮膚の腫瘍には以下のようなものがあります。
良性の皮膚腫瘍 |
悪性の皮膚腫瘍 |
皮脂腺腫の例 |
肥満細胞腫の例 |
乳頭腫 皮脂腺過形成 皮脂腺上皮腫 皮脂腺腫 皮内角化上皮腫(ケラトアカントーマ) 表皮嚢胞など |
肥満細胞腫 扁平上皮癌 悪性黒色腫(メラノーマ) 線維肉腫 腺癌 皮膚リンパ腫など |
※画像出典小野憲一郎・今井壯一・多川政弘・安川明男・後藤直彰, 『イラストで見る犬の病気』,講談社,2012
しこりやイボが悪性だった場合、早期発見が愛犬と飼い主さんのためになります。ためらわずに一度検査をしてもらいましょう。
まとめ
この記事では、犬の皮膚に起こる様々な症状(かゆみ・赤み・黒ずみ・フケ・かさぶた・脱毛・発疹など)から考えられる皮膚病と、その原因や治療内容を解説しました。
犬の皮膚病は再発や併発が多く、また大きな病気の可能性もあるため、愛犬の皮膚に異変を感じたときは、まず一度動物病院を受診しましょう。
また、自宅でのスキンケアや食事管理、環境の整備も重要です。少しの変化で愛犬の皮膚の状態が良くなることもあるので、愛犬のためにぜひ取り組んでみてください。
※参考一覧
(1)小野憲一郎・今井壯一・多川政弘・安川明男・後藤直彰, 『イラストで見る犬の病気』,講談社,2012、(2)アニコム家庭どうぶつ白書2022、(3)ペット保険のFPC犬の病気事典疥癬(かいせん)症
※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
※掲載されている情報は、INUNAVIが独自にリサーチした時点の情報を掲載しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。