酸味のあるキウイは、犬に食べさせないほうがいいと思っている飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
結論から言ってしまえば、犬はキウイを食べても大丈夫で健康のサポートにも役立ちますが、与え方には注意が必要です。
そこで今回は、
・犬がキウイを食べるメリット
・犬の体重別・1日に食べさせてもいいキウイの量
・キウイを与えるときに注意すること
・キウイを食べてはダメな犬
を、獣医師監修のもと解説します。愛犬にキウイを食べさせるときの参考にしてください。
酸味のあるキウイは、犬に食べさせないほうがいいと思っている飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
結論から言ってしまえば、犬はキウイを食べても大丈夫で健康のサポートにも役立ちますが、与え方には注意が必要です。
そこで今回は、
・犬がキウイを食べるメリット
・犬の体重別・1日に食べさせてもいいキウイの量
・キウイを与えるときに注意すること
・キウイを食べてはダメな犬
を、獣医師監修のもと解説します。愛犬にキウイを食べさせるときの参考にしてください。
※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。
キウイは生の果物の中でもトップクラスのビタミンCが含まれ、犬が食べても問題のない果物です。
キウイはさまざまな栄養素が豊富に含まれており、適量であれば犬にメリットをもたらしてくれます。
ここでは、キウイの栄養や犬に食べさせるメリットを見ていきましょう。
キウイは、マタタビ科マタタビ属の果物で、グリーンキウイやゴールドキウイ以外にもさまざまな種類がありますが、キウイならどれも犬が食べることができます。
キウイの栄養素は果物の中でトップクラス(※1)で、フルーツの王様とも言われているほど!
ここでは、キウイの栄養について見ていきましょう。
■キウイの栄養
カロリー | 51kcal/100g |
---|---|
水分 | 84.7% |
ビタミンC | ・抗酸化作用 ・皮膚や粘膜の健康維持 ・免疫機能を保つ ・皮膚や細胞の生成に必要不可欠なビタミン ・心臓血管系の病気の予防効果が期待されている |
カリウム | ・細胞の浸透圧を維持 ・血圧を下げる ・腎臓でのナトリウムの再吸収の抑制 ・ナトリウムの排出をサポート |
食物繊維 | ・血糖値の急激な上昇の抑制 ・糖やコレステロールの吸収を抑制 ・腸内の善玉菌を増加させる ・スムーズな排便を促してくれる |
アクチニジン | ・アミノ酸の吸収を高める ・消化の促進 |
ルテイン | ・抗酸化作用 ・目の病気の予防や改善が期待できる |
(※2、3、4)
上記のほかにも、キウイにはさまざまな栄養素がバランス良く含まれており、健康維持や改善に期待ができるとして注目されている果物です。
そんなキウイを犬が食べるとどんなメリットがあるのでしょうか。
■犬がキウイを食べるメリット
などなど、キウイの栄養は犬にたくさんのメリットを与えてくれます。
とは言え、与え過ぎは体調不良の原因ともなるため、次章「犬が1日に食べられるキウイの量は?」で解説する摂取量以内で与えるようにしましょう。
犬は体内でビタミンCを合成することができますが、十分量を作れているとは言い切れず、近年ではビタミンCも摂取させたほうがいいのではないかと考える研究者もいます。(※5)
もちろん、犬によっても異なり十分量を作れる犬もいるかもしれませんが、水溶性ビタミンであるビタミンCは必要な分以外は尿と一緒に排出されるため、過剰摂取の心配はほぼありません。
1日に食べられるキウイの量は、犬が1日に必要な摂取カロリーのうちの10%以内です。あくまでもおやつの範囲内で与えてください。
避妊・去勢済の成犬が1日に食べられるキウイの上限量を体重別にまとめてみました。
■【体重別】犬が1日に食べられるキウイの上限量
体重 | 1kg | 2kg | 3kg | 4Kg | 5kg | 6kg | 7kg | 8kg | 9kg | 10kg | 15kg | 20kg | 25kg | 30kg |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1日の上限量 | 29g | 35g | 49g | 60g | 70g | 82g | 94g | 103g | 113g | 121g | 164g | 203g | 245g | 280g |
摂取カロリーの10% | 15kcal | 18kcal | 25lcal | 31kcal | 37kcal | 42kcal | 48kcal | 53kcal | 58kcal | 62kcal | 85kcal | 105kcal | 125kcal | 143kcal |
※キウイのカロリーは目安。種類や個体によっても異なるため注意
※避妊去勢済の成犬の摂取カロリーの10%で活動係数は1.6
※1日におやつとしてキウイだけを与えた場合
■キウイの重さの目安
※キウイの平均サイズ(100g位)、皮を剥いた可食部
・1個…約85g
・1/2個…約43g
・1/4個…約22g
・1/6個…約14g
・1/8個…約11g
1日にキウイだけをおやつとして与えた場合、上記のようになります。
しかし、キウイは糖質や食物繊維など、さまざまな栄養素が豊富に含まれているため、上限量で与えることはおすすめできません。特に食物繊維は果物の中でもトップクラスに多いため、与え過ぎると下痢や軟便を引き起こす可能性があります。
カロリーだけでなく、キウイを食べたときの体調や便の状態はもちろん、犬の体型・活動量・ライフステージ・食性・お腹の調子なども考慮して与える量を調整してあげましょう。
また、キウイのほかにおやつやトッピングなどあげる場合は、その分のカロリーと合わせて10%程度(多くても20%以内)にしてください。
犬が1日に必要な摂取カロリーやおやつなどの計算方法については以下の記事で解説しています。
では、犬にキウイを食べさせるときはどんなことに注意したらいいのでしょうか。
ここでは、犬にキウイを与える際の注意点5つをご紹介します。
■犬にキウイを与える際の注意点
・食物アレルギーに注意
・皮は与えない
・食べやすい大きさに切る
・与え過ぎない
・人間向けに作られた加工品は与えない
キウイは「特定原材料に準ずる21品目」(※6)の1つにあたり、人間ではアレルギーを起こしやすいものとされています。
犬と人間では異なるため過剰に心配する必要はありませんが、体質によっては食物アレルギーを起こす可能性もあるため、初めて食べさせるときは少量にとどめ、食べた後は48時間ほど様子を見てあげましょう。
もし犬がキウイに食物アレルギーがある場合は、摂取後30分~48時間以内に以下のような症状が見られます。
■犬の食物アレルギーの主な症状
・皮膚に赤みがあったり痒そうにする
・目の周りや口の周り、耳を痒がる
・脱毛
・足先や皮膚を執拗に舐めたりかじる
・下痢や軟便
・嘔吐
犬によって食物アレルギーの症状は異なりますが、上記のような症状が見られた場合は獣医師に相談しましょう。
犬の食物アレルギーの発症の仕組みについては、以下の記事をご覧ください。
キウイの皮は栄養が豊富に含まれていますが、消化に悪いので犬に与えないようにしましょう。
また、犬がキウイの種を食べても問題はなく、ほとんど消化されずに便と一緒に排出されますが、多量に食べると消化不良を起こす可能性があるので注意が必要です。
お腹の弱い犬では、種を取り除いてあげることをおすすめします。
犬にキウイを食べさせるときは、薄くスライスしたり細かく刻むなど、愛犬が食べやすい大きさにしてください。
■犬にキウイを与えるときの切り方
・薄くスライスする
・細かく刻む
・つぶす
・ミキサーなどにかける
犬は基本的に丸呑みしてしまう生きもので、ある程度飲み込める大きさになったら飲み込んでしまいます。
そんな犬にキウイの塊をあげてしまうと、喉や食道に詰まって窒息したり食道炎を起こしてしまう恐れもあります。また、飲み込めたとしても消化に負担がかかって下痢や嘔吐を引き起こす可能性もゼロではありません。
特に消化器官が未発達の子犬や、内臓機能が衰えるシニア犬では消化しにくいため、消化に負担のかからないよう与え方にも配慮が必要です。
犬にキウイを与えるときは、1日の摂取カロリーのうちの10%程度にとどめてください。
キウイは糖質や食物繊維など、さまざまな栄養素が豊富に含まれているため、与え過ぎると肥満や体調不良の原因になる可能性があります。
また、与え過ぎてしまうとキウイでお腹がいっぱいになって、普段の食事が食べられなくなってしまうことも。
愛犬の健康のためにも、キウイを与えるときはおやつの範囲で与えましょう。
人間向けに作られたキウイジュースやキウイジャム、ドライキウイなどの加工品は多くの糖分が使用されており、肥満の原因となるため犬に与えないようにしてください。
また、飼い主さんが手作りした砂糖不使用のキウイジュースであれば犬も飲むことはできますが、その場合は与え過ぎないように注意が必要です。
キウイはさまざまな健康効果が期待できますが、豊富な栄養素が犬の状態によってはマイナスとなってしまうこともあります。
キウイを絶対に食べてはダメというわけではありませんが、避けたほうがいい犬は以下の通りです。
■キウイを食べさせないほうがいい犬
また、すべての犬に言えることですが、どんなに健康に良いと言われている食べものでも、良い点も悪い点もあるということは忘れないようにしてくださいね。
今回は、犬にキウイを与えるときに知っておきたいことをご紹介しました。
キウイは栄養素が豊富で犬にもメリットがありますが、与える量や与え方には注意が必要です。
最後に、犬にキウイを食べさせるポイントをおさらいしておきましょう。
・キウイは果物の中でトップクラスの栄養があり犬にも効果が期待できる
・1日に食べられるキウイの量は愛犬の状態によって調整する
・キウイにアレルギーを起こす犬もいる
・消化に負担のかからないように配慮してあげる
・カリウム制限や腎臓病、利尿剤を飲んでる犬は獣医師に確認する
キウイは上手に活用すれば、水分補給だけでなく、愛犬の健康維持や病気の予防にも期待ができる果物です。正しい知識を持って、愛犬に安全にキウイを食べてもらいましょう。
<参考文献>
(※1)参考:Zespr「キウイと栄養~トップクラスの栄養素充足率~」
(※2)参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
(※3)参考:農林水産省「主な果物の健康機能性」
(※4)参考:J-STAGE「Research Trends on the Effect of Kiwifruit in Promoting Digestion and the Role of Actinidin」
(※5)参考:ペット栄養学会誌「柴犬における血漿中ビタミンC濃度」
(※6)参考:消費者庁「アレルゲンを含む食品に関する表示」
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執筆者
18歳のチワックスと1歳のチワックス、ポメチワ、0歳のチワックスの4匹と暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。
【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格】