新しくお家に迎え入れた子犬が、咳やくしゃみをしている場合はケンネルコフと呼ばれる呼吸器疾患にかかっているかもしれません。
飼い主さんは、まだ幼い子犬が咳やくしゃみをしていると心配になりますよね。
この記事では、ケンネルコフの症状や飼い主さんができる対処法や予防法を解説しています。
「愛犬が咳をしているけど、もしかしてケンネルコフ?」
「飼い主がケンネルコフの愛犬にできることは何がある?」
などとお悩みの方は、ぜひ本記事を読んでご参考にしてみてください。
新しくお家に迎え入れた子犬が、咳やくしゃみをしている場合はケンネルコフと呼ばれる呼吸器疾患にかかっているかもしれません。
飼い主さんは、まだ幼い子犬が咳やくしゃみをしていると心配になりますよね。
この記事では、ケンネルコフの症状や飼い主さんができる対処法や予防法を解説しています。
「愛犬が咳をしているけど、もしかしてケンネルコフ?」
「飼い主がケンネルコフの愛犬にできることは何がある?」
などとお悩みの方は、ぜひ本記事を読んでご参考にしてみてください。
※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。
目次
ケンネルコフとは、咳を主な症状とした細菌やウイルス感染による気管支炎のことであり、「犬伝染性気管支炎」とも呼ばれています。特に免疫力がまだ整っていない生後6週齢〜6ヶ月齢の子犬はケンネルコフに感染しやすいです。
子犬に咳やくしゃみなどの風邪のような症状がみられた場合は、ケンネルコフの可能性があり、重症化することもありますので注意しましょう。
ケンネルコフは犬の呼吸器疾患の総称であり、主に咳やくしゃみといった症状がみられます。その他にもえずきや目やにが見られる場合もあり、重症化すると発熱する場合もあります。
ケンネルコフでよくある症状は以下の通りです。
■ケンネルコフでよくある症状
また、ケンネルコフは軽症の場合と重症の場合で症状に違いが出てきます。
「愛犬が咳をしているけど、ケンネルコフかどうか分からない」とお悩みの方は以下の動画を参考にしてみてください。
ケンネルコフが慢性化して気管支炎になってしまった子犬ですが、動画の冒頭にケンネルコフの咳の症状がみられます。かなり頻回の咳の他にもくしゃみやえずきもみられます。
飼い主さんは、愛犬の咳がケンネルコフによるものなのか動画と見比べてみてチェックしてみてください。
犬のケンネルコフでは、軽症の場合、咳やくしゃみなどの症状があっても自然治癒することが多いです。
しかし、体が弱っている子や免疫がしっかり機能していない子犬の場合、肺炎や重度気管支炎になることもあるので注意が必要です。
愛犬に以下のような症状がある場合は、迷わず動物病院に連れていくことをおすすめします。
■動物病院に連れていくべき目安
特に呼吸がいつもより荒い場合は、重症な呼吸器疾患があることも多いです。
健康時、1分間に何回呼吸しているかを把握してあげるようにしましょう。また寝ている時の呼吸数も一つの目安になります。寝ている時や呼吸数が、1分間に60回を超えている場合は、何らかの呼吸疾患である確率が高いです。
こういった場合は、一度動物病院で診てもらうことをおすすめします。
子犬のケンネルコフの原因は、ウイルスや細菌などの混合感染が考えられます。
特に免疫機能が整っていない子犬は、病原体に感染しやすく、ケンネルコフの症状が現れやすいです。
ここでは、ケンネルコフの原因となる病原体とその感染経路、子犬が感染しやすい環境について説明します。子犬を迎え入れたばかりの飼い主さんはチェックしてみてください。
ケンネルコフは、1つの病原体によって咳やくしゃみをする場合もありますが、複数の病原体が感染している場合もあります。
こうした場合、ケンネルコフが重症化し肺炎や重度気管支炎に発展することもあるので注意が必要です。
ケンネルコフの原因となる病原体は以下の通りです。
■ケンネルコフの原因となる病原体
人間でも聞いたことのあるような病原体も多いですが、犬から人にうつったり、反対に人から犬にうつったりするといった感染はありません。
ケンネルコフの感染経路としては以下のような経路が考えられます。
■ケンネルコフのよくある感染経路
ケンネルコフの原因となる病原体は上記のようなさまざまな感染経路により感染します。
人間の服や手についた病原体からも感染することがありますので、他の犬を触った後に愛犬を触る場合は、しっかりと手を洗ってから触るようにしましょう。
上記で説明した感染経路の他にも飼育環境に原因がある場合もあります。
飼い主さんは当てはまる部分がないかチェックしてみてください。
■ケンネルコフになりやすい飼育環境
ケンネルコフの原因となる病原体は、非常に感染力が強いです。
ペットホテルやブリーダー、ペットショップなどの多頭飼育されている環境では簡単に感染してしまいます。このような環境では、特にご飯や水を共有している場合もありますのでさらに感染しやすいでしょう。
また、ストレスや嘔吐、下痢などの症状も免疫力や体力を落とし、ケンネルコフに感染しやすくなります。
犬にとってのストレスは、
など様々なものが考えられます。
子犬の時期は、なるべくストレスがかかる環境にさらさないように注意しましょう。
ケンネルコフは、感染している病原体や犬の免疫力によって、数日で自然に治癒する場合もあれば2週間ほどかかる場合もあります。
長引くと、重症化したり咳が癖づいてしまうこともあるので、なるべく早く治療してあげるべきです。ここからは、ケンネルコフの治療期間や治療方法について解説していきます。
ケンネルコフの治療期間は、個体差や病状によっても違いがありますが軽症の場合1週間、重症の場合は10日~14日ほどです。
咳やくしゃみなどケンネルコフの症状が治れば、命に別状はなく普段通りの生活を送れるようになります。しかし、重症化し肺炎などの疾患を併発すると命を落とすこともあり危険です。
また、ケンネルコフは一度治っても、再発することが多い病気です。
ケンネルコフは、自然治癒することも多いですが、重症化や再発を避けるためにも動物病院を受診してしっかりと治療してもらうことをおすすめします。
ケンネルコフの治療方法は、症状に合わせて対症療法(症状を軽減し免疫力を高める治療)を行うことです。
動物病院にケンネルコフで来院した犬では、以下の処置を行います。
抗生剤は、ケンネルコフの原因細菌を排除するため、または細菌性肺炎への重症化を予防するために使われます。
その他にも気管支拡張剤や咳止めを使い、咳やくしゃみといった症状を緩和させます。また、元気や食欲がなくなっていたり、発熱していたりする場合は点滴治療も行います。内服のお薬や点滴になかなか反応しない子は、薬を気体にして直接気管支や肺に薬剤を浸透させるネブライジング療法を行うことが多いです。
ネブライジング療法は動物病院に通う必要がありますが、治療効果は高くおすすめです。
愛犬がケンネルコフになった場合、何かできることはないかと考える飼い主さんは多いと思います。
ケンネルコフにかかった愛犬を重症化させないため、他の犬に感染を広げないためにも、飼い主さんは以下の対策をとっていきましょう。
■飼い主さんができるケンネルコフの対処法
それぞれについて解説していきます。
飼い主さんは免疫力を高めてケンネルコフの症状を重症化させないようにしてあげましょう。具体的には以下のような対策が考えられます。
愛犬の体温が下がると免疫力が低下しますので、常に過ごしやすい室温を保つようにしてあげましょう。エアコンの設定温度は夏は26度程度、冬は22度程度を目安にしてください。
また、シャンプーやお風呂は体温を下げてしまいますので、ケンネルコフの症状がある間は避けてあげるべきです。その他にも、体温を保つために服を着させたりヒーターや寝床に毛布を入れてあげましょう。
さらに、免疫力をあげるために、ご飯をしっかり食べさせて栄養を摂取させることも大切です。嘔吐や下痢が続いていると体も弱っていきますので、食べれないことが続く場合は、獣医師に相談するようにしましょう。
ケンネルコフの原因となる細菌やウイルスなどの病原体を除去するために掃除や換気を行ってあげましょう。
こまめに掃除や換気を行うことで、他の犬への感染や、ケンネルコフの重症化を防ぐことができます。
また空気が乾燥しているとウイルスなどの病原体に感染しやすくなりますので、加湿器をつけてあげることも大切です。設定湿度は、50~60%ほどに設定してあげると良いでしょう。
お家にケンネルコフに感染した子以外に同居犬がいる場合、なるべく隔離し感染を防ぎましょう。
ケンネルコフは飛沫感染をし、同じ空間で過ごしていると高確率で感染してしまいます。
成犬の場合は、免疫力がしっかりとしているため無症状のことが多いですが、子犬の場合は、感染し症状が出ることが多いので注意が必要です。
また、ケンネルコフは症状が治まってから1週間はウイルスを排出する期間が続くので、他の犬とはしっかりと隔離しておくようにしておきましょう。
飼い主さんも感染犬を触った場合は、すぐに手を洗って消毒し、お水や食器もしっかりと分けて別々のものを使ってあげるようにしてください。
ケンネルコフの咳やくしゃみの症状を言葉で伝えることは、非常に難しいです。実際に症状を見てみると、逆くしゃみである場合や吐き気でえずいている場合なども多いです。
動物病院を受診するときは、愛犬が咳をしている場面を動画におさめて獣医師に見せるようにしましょう。
特にケンネルコフは、軽症の場合レントゲンで見抜くことは、なかなか難しいので診断に困ることがあります。診察時に咳をしている動画などがあれば、獣医師が疾患を考える際の非常に重要な情報となります。
飼い主さんは愛犬が咳をしている場面に遭遇したら、ぜひ自宅で動画を撮っておいてください。
子犬に多いケンネルコフですが、飼い主さんが気をつけることで感染を予防することができます。
ケンネルコフを予防するために飼い主さんができることとしては以下の2点が大切です。
■ケンネルコフ予防で飼い主さんができること
ワクチン接種を行うことで、ケンネルコフの発症を防いであげましょう。
ワクチンで予防できるケンネルコフの原因病原菌は、犬ジステンパーウイルス・犬アデノウイルス2型・犬パラインフルエンザウイルスの3つですが、5種以上の混合ワクチンを接種すればこれら3つの病原体を予防できますので、飼い主さんは5種以上の混合ワクチンを接種してあげましょう。
子犬のワクチンについては、以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
しかし、ワクチン接種を打っても感染を100%予防できる訳ではありません。また、ワクチンの接種を完了する前にケンネルコフを発症してしまう子犬も多いです。
そのため、ワクチン接種が完了するまでは、他の犬との接触を避けてあげることが大切です。ドッグランやペットホテルなども他の犬からケンネルコフが感染してしまう可能性があるので注意してあげましょう。
ただし、ワクチン接種を完了する前の子犬の社会化も大切です。
他の犬とは接触させないようにしつつ、愛犬のストレスにならない範囲で抱っこで散歩したり、家とは違う景色を見せてあげたり、多くの人と触れ合わせてあげましょう。
ここからは、子犬のケンネルコフでよくある質問についてお答えしていきます。
子犬のケンネルコフにお悩みの飼い主さんはぜひ参考にしてみてください。
A.ケンネルコフは、再発を繰り返す可能性があり、後遺症として咳が癖づいてしまう場合があります。
ケンネルコフは、一度治ったと思っても、病原体が体の中に残っていると再発を繰り返します。
そのため、症状が消失しても1週間は薬の内服を継続させてお家でしっかりと症状が再発していないか様子を見てあげてください。
また、治りが悪いと感じた場合には、後遺症を残さないためにも早めに動物病院を受診することをおすすめします。
A.ゲージや食器は消毒やしっかり洗ってあげてから、再度使ってあげても大丈夫です。
ケンネルコフの原因病原体となるウイルスは環境中では長時間生きることができないので、ゲージや食器を消毒や洗浄した後なら使ってあげても良いでしょう。
消毒の仕方としては、食器類は、ハイター(塩素系漂白剤)を500mlの水に対して5ml(キャップ1杯分)入れ、1〜2時間つけ置きしてあげると良いでしょう。
また、ハイターにつけ置きしておくことが難しい大きなケージなどは、アルコールスプレーをふりかけてあげることで病原体を消毒することができますので実践してみてください。
A.老犬で免疫が弱っている場合や、子犬と接触している場合は、成犬でもケンネルコフに感染する場合があります。
しかし、それ以外の場合で成犬がケンネルコフに感染することは少ないです。
もしかしたら、他の疾患が原因で咳やくしゃみをしている場合もあるので注意しましょう。
成犬で咳が出る場合は、以下のような疾患が考えられます。
こうした疾患は、ケンネルコフと間違えやすいです。
成犬で咳が出ている場合は、ケンネルコフと決めつけず、動物病院を受診するようにしましょう。
A.ケンネルコフは犬の疾患であり、人に感染することはありません。
しかし、人間の手や服についた病原体が犬に感染を広げてしまう可能性があります。
飼い主さんは、ペットショップや動物病院など外部の環境からケンネルコフの病原体を持ち込まないように注意してください。
特にケンネルコフが疑われる犬を触ってから愛犬を触る場合には、しっかりと手を洗ってから触るようにして感染を防止しましょう。
ケンネルコフは子犬に非常に多い呼吸器疾患であり、感染力も非常に高いです。
病原性はそこまで高くないですが、重症化すると肺炎を併発し命を落とす場合があります。
飼い主さんは、こうした状況を防ぐために愛犬が咳をしている場合や体調の異変を感じた場合には動物病院に連れていくことをおすすめします。
動物病院に連れて行くべき目安をおさらいしておきましょう。
■動物病院に連れていくべき目安
ケンネルコフは、お家で飼い主さんができる対処法も多いです。
飼い主さんはケンネルコフについて正しく対処し、愛犬との楽しい生活をスタートさせていきましょう。
※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
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