白米が使用されているドッグフードがあるように、犬は白米を食べても大丈夫です。
白米は、私たち人間が主食として当たり前に食べていますが、犬が食べるとどんなメリットがあるのかは知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、獣医師監修のもと犬に白米を与えるメリットや与え方、1日に与えていい量や注意点などを解説します。
白米は手作りご飯の食材としてだけでなく、いつものフードのトッピングやおやつにも利用できるため、ぜひ参考にしてください。
白米が使用されているドッグフードがあるように、犬は白米を食べても大丈夫です。
白米は、私たち人間が主食として当たり前に食べていますが、犬が食べるとどんなメリットがあるのかは知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、獣医師監修のもと犬に白米を与えるメリットや与え方、1日に与えていい量や注意点などを解説します。
白米は手作りご飯の食材としてだけでなく、いつものフードのトッピングやおやつにも利用できるため、ぜひ参考にしてください。
目次
白米には、犬の健康に役立つ栄養素がさまざま含まれており、特に活動量の多い犬や食欲が低下した犬、痩せている犬の栄養補給に役立てるというメリットがあります。
■白米の主な栄養素(炊飯後)(※1)
100gあたり / 156kcal
白米には体を構成する重要なたんぱく質や主要なエネルギー源となる糖質、代謝にかかわるパントテン酸やビタミンB1など、重要な栄養素がたくさん含まれており、これらの栄養素は犬の健康維持にも役立ってくれます。
犬の主食にすることはできませんが、栄養のサポートは大いに期待できると言えるでしょう。
犬は白米のほかにも、玄米、発芽玄米、雑穀米、もち米などの米類を食べることができます。
米類は栄養価は高いですが、白米よりも食物繊維が多く消化が悪いものが多いため、与えるときは消化しやすいように配慮してあげる必要があります。
お粥やスープにするなど、それぞれの与え方は以下を参考にしてください。
■犬が食べても大丈夫な米類の与え方
ちなみに、特に玄米は消化が悪いため、炊いたあとはフードプロセッサーなどでどろどろにしてあげましょう。
ここでは、犬に白米を食べさせるときの与え方やポイントについてご紹介します。
お米をしっかり浸水させることで、お米の中心部まで熱が通りやすくなり、しっかりでんぷんが分解されて柔らかみと甘みが増した美味しいお米に炊き上がります。
犬は自然な甘みを好むため、できれば浸水するのがおすすめです。また、柔らかめのお米のほうが消化にも優しいと言えます。
■浸水時間の目安
※硬いと感じる場合は長め、柔らかいと感じる場合は短めに調整する
逆に浸水せずにすぐに炊いてしまうと、中心部まで熱が届かずに芯が残りやすくなり、芯が残ったお米は犬が消化不良を起こす恐れがあります。炊飯器によっては浸水が必要ないものもあるため、説明書を読んで確認してみましょう。
子犬やシニア犬、消化機能が弱っている犬に白米を与える場合では、お粥にしてあげることで消化の負担が少なく食べやすいでしょう。
お粥は水分補給やドライフードのトッピングにも役立てることができます。
犬が1日に食べてもいい白米の量は、栄養バランスの偏りを防ぐためにも愛犬が1日に必要な摂取カロリーのうちの10%以内です。
とは言え、10%分をまるまるあげるのではなく、愛犬の体調や便の状態はもちろん、体型や活動量、ライフステージなども考慮して与える量を調整しましょう。
■犬が1日に食べてもいい白米(炊飯後)の量の目安
体重 | 目安量(炊飯後) |
3kg | 16g |
5kg | 23g |
7kg | 30g |
9kg | 37g |
12kg | 40g |
15kg | 54g |
もっと正確に愛犬に与えてもいい量を知りたい場合は、以下の記事でカロリー計算についても解説しています。
白米は犬が食べても大丈夫なものですが、食べさせるときには注意しなくてはいけないこともあります。
ここでは、犬に白米を食べさせるときの注意点について見ていきましょう。
白米に限りませんが、犬に初めて食べさせるものは少量で与え、食べた後は48時間ほど様子を見てあげるようにしてください。
食物アレルギーがある場合、食べてから30分~48時間以内に以下のような症状が見られます。
■犬の食物アレルギーの主な症状
・皮膚の赤み
・目の周りや口の周り、耳を痒がる
・脱毛
・足先や皮膚を執拗に舐めたりかじる
・下痢や軟便
・嘔吐
犬によって食物アレルギーの症状は異なりますが、上記のような症状が見られた場合は獣医師に相談しましょう。
犬の食物アレルギーについては、以下の記事で解説しています。
白米は糖質が多く含まれていることから、与え過ぎは肥満の原因となります。
また、与え過ぎることで消化不良の原因ともなるため、適量にとどめておきましょう。
熱いご飯は口の中や消化器官を火傷させてしまう恐れがあるため、犬に食べさせるときはひと肌程度に冷ましてから与えるようにしてください。
もちろん、お粥やスープを与えるときも同様です。
調味料を使用した味付けは、塩分や糖分が過剰になる恐れがあるため、味付けはせずにそのまま与えましょう。
人間でも生米は消化不良を起こすからNGとされているように、犬も生米は消化ができないため与えないようにしてください。
誤って食べてしまったときは便に生米が混ざっていないか確認し、食べた量がごく少量で元気そうなら様子を見ていても大丈夫ですが、たくさん食べてしまった場合や下痢や嘔吐をなどの症状が見られたときは動物病院を受診しましょう。
ここでは、犬に白米を与える際によくある疑問をQ&A形式でご紹介します。
A.お餅に含まれる栄養素自体は犬に害のないものですが、喉に詰まらせてしまったり喉にへばりついてしまい、窒息する恐れがあるため絶対に与えないでください。
どうしてもお餅を与えたい場合は、お餅ではなくもち米をお粥にするなどして与えるようにしましょう。
A.白米に食物アレルギーがあるか消化不良を起こしている可能性が考えられます。
お粥にしてみても吐くようであれば、体質に合っていないため与えるのは控え、獣医師に相談しましょう。
白米はエネルギーのもととなる栄養素がバランスよく含まれており、上手に活用することで健康維持に役立ってくれる優れた食材です。
白米の匂いに食欲を刺激される犬も多く、お粥にしていつものフードのトッピングにしてもいいでしょう。
ただし、糖質が多いため、与えすぎは肥満の原因になってしまいます。また、芯が残ったお米は消化不良を起こす可能性があるため、しっかり柔らかくなるまで炊くことが大切です。
■犬に白米を与える際の注意点5つ
注意点①食物アレルギーに注意
注意点②与え過ぎない
注意点③ひと肌程度に冷ます
注意点④味付けはしない
注意点⑤生米は与えない
正しい与え方と適量を守り、愛犬に美味しく白米を食べてもらってくださいね。
<参考文献>
※1:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※2:厚生労働省 e-ヘルスネット「炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)」
※3:厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」
※4:健康長寿ネット「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」
※5:大塚製薬 栄養素カレッジ「パントテン酸」
執筆者
18歳のチワックスと1歳のチワックス、ポメチワ、0歳のチワックスの4匹と暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。
【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー / JKC愛犬飼育管理士 / YMAA薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格】