令和になっても人気が続く柴犬。家族に迎えるにあたって、販売価格のチェックは欠かせないものです。手に入れやすい値段の子犬を探して、少しでも費用を抑えたいと思っている方もいるかもしれません。しかし、なぜ高い子犬・安い子犬と価格に差があるのかご存知でしょうか?
この記事では、柴犬・豆柴の相場価格やそれを決める要素、ペットショップとブリーダーの違いなどを解説します。バイヤーの経験があるドッグトレーナーに取材し、詳しくお話を聞きました。これから柴犬を飼おうとしている方はぜひ参考にしてくださいね。
令和になっても人気が続く柴犬。家族に迎えるにあたって、販売価格のチェックは欠かせないものです。手に入れやすい値段の子犬を探して、少しでも費用を抑えたいと思っている方もいるかもしれません。しかし、なぜ高い子犬・安い子犬と価格に差があるのかご存知でしょうか?
この記事では、柴犬・豆柴の相場価格やそれを決める要素、ペットショップとブリーダーの違いなどを解説します。バイヤーの経験があるドッグトレーナーに取材し、詳しくお話を聞きました。これから柴犬を飼おうとしている方はぜひ参考にしてくださいね。
※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。
目次
子犬販売サイト「みんなのブリーダー」によると、直近3ヶ月での柴犬の子犬の価格は、最高価格98万円・最低価格8万円・平均価格約22万円(※)です。値段の幅がとても広く、10万円以下で購入できる場合もあれば、90万円を超える場合もあります。
近年はペットブームに乗じた値上げや、ブリーダーのコスト増加などの影響で価格高騰が続いています。人気の犬種で取り扱う数が多く、それほど高くない値段の子犬もいますが、柴犬の価格は今後も上がっていくと考えられるでしょう。
※2023年5月18日時点、成約時の価格
小型で飼いやすいと人気の「豆柴」「小豆柴(あずきしば)」は、普通サイズの柴犬よりも高価な傾向があります。複数のペットショップでの価格を調査したところ、いずれも豆柴のほうが平均価格が高いという結果になりました。
■柴犬と豆柴の価格比較
ペットショップ | 柴犬の平均価格 | 豆柴の平均価格 |
ペットの専門店コジマ | 198,550円 | 423,800円 |
Pet’s One | 214,084円 | 312,750円 |
Coo&RIKU | 211,907円 | 366,152円 |
※2023年5月17日時点の価格
小さければ小さいほど高いとするブリーダーもあり、100万円に近い値段で販売される場合も。しかし、血統書を発行するJKC(ジャパンケネルクラブ)が認定している柴犬は1サイズのみです。
同団体で「豆柴」「小豆柴」という犬種は認められておらず、「豆柴と言われて購入したのに大きくなった」という話も少なくありません。小ささにお金を払うべきかは、慎重に判断したほうがよいでしょう。
柴犬の価格がどのように決められるのかは、とても気になるところですよね。主に以下のような要素が価格を左右します。
■柴犬の価格を決める要素
それぞれ詳しく解説しますが、価格の決め方は売り手によって異なるので一概には言えません。納得して子犬を迎えるために、価格について疑問がある場合は直接お店やブリーダーに質問してみるとよいでしょう。
また「高価であれば健康、性格がいい、飼いやすい」ではありません。高価な理由を販売者に質問をして、納得できる解答を得るべきだと思います。
子犬は月齢が低いほど高価になりやすく、一般的に3ヶ月を過ぎると値段が下がっていきます。子犬らしさがなくなってしまう、サイズが大きくなってしまうなど見た目の問題はもちろんですが、ペットショップに長くいるほど日光を浴びられない時間や運動できない時間が増加。それにより発育不良・ストレス・伝染病の感染などのリスクが高まり「値段を下げてでも販売をしたい」という販売者側の意向が価格に反映されます。
また、オスよりもメスのほうが小柄でおとなしい性格であることが多く、人気が高い傾向があります。そのため、価格が下がりやすいのはオスと言えるでしょう。
柴犬は複数の毛色があり、最も数が多く人気が高いのは赤(茶色)です。黒は赤に比べると少なく、白や胡麻はさらに珍しい毛色です。しかし、毛色と価格の関係性は人気に左右されやすいので、希少性が高い毛色であれば高価というわけではありません。
一方で、柴犬の種類は珍しいほど高価な傾向があります。実は柴犬には複数の種類があり、一般的な柴犬は「信州柴犬」です。その他に地域固有の「地柴(じしば)」がおり、「山陰柴犬」「美濃柴犬」「縄文柴犬」などが挙げられます。非常に希少価値が高い犬種で価格が高く、繁殖を手掛けるブリーダーから直接購入する以外の入手方法はありません。
地域原産の希少な柴犬は、稀に驚くほど高い金額が提示されることがあるので、購入時は犬種特性を事前に把握し差異がないか、また血統書の有無の確認をした上での購入をおすすめします。
子犬には、親犬のサイズ・性格・顔立ち・毛並みなどさまざまな要素が色濃く遺伝します。もちろん疾患も遺伝するため、親犬の状態は価格を大きく左右するものです。
血統書(血統証明書)とは、人間でいう戸籍謄本のようなもので、他の犬種が混ざっていない純粋な「柴犬」であることを表します。「日本犬保存会」や「JKC」が発行しており、血統書がつくか否かで価格が変わることもあります。
子犬の価格は需要に合わせて変動するものです。需要が高まる以下の時期は、値段が上がります。
■柴犬の販売価格が上がる時期
また、首都圏よりも地方のほうが、子犬の価格は低い傾向があります。現在は店舗間での無料移送が可能なペットショップもあり、あまり差が見られないケースもありますが、一般的には経費がかかる都心で購入するほうが高価でしょう。
生命(生体)保証の有無や保険のサービス、遺伝子検査の有無などによっても値段が変わります。どのような保証・サービスがつくかは店舗やブリーダーによって大きく異なるので、必ず事前にチェックしてください。
柴犬は先天性疾患が多いと言われています。多少値段が上がったとしても、病気になった際の保証はあるべきでしょう。
柴犬をブリーダーから購入すべきなのか、ペットショップで購入したほうがいいのか迷っている方は多いのではないでしょうか。一般的には、会社の運営費や仲介業者の手数料などコストがかさむので、直接購入であるブリーダーのほうが安い傾向があります。
しかし、ブリーダーとやり取りしてよい子犬を見つけるのは大変難しいものです。価格だけを考えず、それぞれのメリット・デメリットを知ったうえで適切な購入先を選択しましょう。
購入先 | ペットショップ | ブリーダー |
価格 | △ かかっている経費が 価格に反映される |
○ 直接購入なので 経費が少なく安い傾向 |
足の運び やすさ |
○ 足を運びやすい |
△ 予約やアクセスなど でハードルが高い |
親犬の チェック |
△ 直接見ること はできない |
○ 直接見られる |
親や兄弟と 離れる時期 |
△ 早め |
◯ 遅め |
グッズ 購入 |
○ 一緒に購入できる |
× 購入できない |
柴犬に対する 専門性 |
△ 柴犬に特化している わけではない |
◯ 柴犬専門ブリーダー は専門性が高い |
保証・ サービス |
○ 比較的充実している |
△ ペットショップに比べ ると充実していない |
子犬の 見極め |
○ バイヤーが選んだ子犬 が店舗に並んでいる |
△ 自分で見極める 必要がある |
ペットショップとブリーダーのメリット・デメリットについて、大谷さんの解説もあわせて詳しく紹介していきます。
ペットショップで子犬を販売する場合、人件費や管理費などさまざまな経費がかかり、その費用が子犬の価格にも反映されます。そのため、ブリーダーよりも子犬の価格は高くなりやすいと言えます。
しかし、店頭に並ぶのは、子犬を見極めることに長けたバイヤーが選んだ犬です。経験豊富な目でチェックされた子犬だけが販売されているという点は、大きなメリットです。また、保証やアフターサービスが充実しているショップも多いので、購入後の安心感も大きいでしょう。
生き物なので生涯を通じて健康とはいえませんが、少なくとも店の名前で責任を持って販売できるレベルの子犬を仕入れていることに間違いはありません。
ブリーダーから直接購入した場合、ペットショップよりも安い傾向があります。また、親犬や生活する場所の様子を直接見られたり、柴犬の知識が豊富なブリーダーに直接話を聞けたりすることもメリットです。
しかし、見学に予約が必要な点や、アクセスしづらい場所に犬舎があるケースが多い点はデメリット。また、専門性が高いぶん、こちらも十分な知識がないと適切なやり取りができない可能性もあります。
ブリーダーから直接購入するということは、この見極めを飼い主自身が自己責任で行うということです。子犬の時点で健康状態・発育状態・遺伝的特徴を見極めるのは専門家でも難しく、飼い主側にも十分な知識・経験がないと正しい見極めは難しいと思います。
複数のペットショップ・ブリーダーの販売価格やその他の情報をまとめました。こちらも参考にして、自分に合った購入先を見つけてください。
■ペットショップの比較
ペットショップ | 柴犬の取り扱い頭数 | 豆柴の取り扱い頭数 | 柴犬の平均価格 | 豆柴の平均価格 | ローン支払い | 病気・死亡時の補償 | 遺伝子病検査 | マイクロチップ | ワクチン接種 | ブリーダー情報の掲載 | 親犬の情報の掲載 | 別店舗への移動 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ペットの専門店コジマ | 58頭 | 21頭 | 209,321円 | 460,848円 | 可 | あり | あり | 装着済み | あり | なし | あり | 不可 |
P’s first | 0頭 | 101頭 | 取り扱いなし | 525,580円 | 可 | あり | あり | 装着済み | あり | あり | なし | 可(有料) |
Pet’s One | 64頭 | 11頭 | 189,766円 | 286,575円 | 可 | あり | 不明 | 装着済み | あり | あり | あり | 不明 |
Coo&RIKU | 321頭 | 83頭 | 194,378円 | 376,508円 | 可 | あり | あり | 装着済み | あり | なし | あり | 可(有料) |
※2022年8月19日時点の情報
※店舗・生体によって異なる場合あり
■ブリーダーの比較
ブリーダー | 所在地 | 取り扱っている種類 | サイトでの事前の価格提示 | 見学 | 見学の予約方法 |
---|---|---|---|---|---|
富士野荘 | 静岡県裾野市 | 小豆柴・極小豆柴・豆柴 | なし | 可 | フォーム・FAX |
豆柴 桜庵 | 宮崎県宮崎市 | 豆柴 | あり | 可 | Instagram・LINE・電話 |
芝田荘 | 静岡県袋井市 | 柴・豆柴 | なし | 可 | フォーム・電話 |
柴犬本舗 | 東京都江戸川区 | 柴 | なし | 可 | フォーム |
こすず荘 | 静岡県静岡市葵区 | 豆柴 | なし | 不可 | なし |
伊都の柴犬 | 福岡県福岡市 | 柴・豆柴 | なし | 可 | フォーム・電話 |
筑西風荘 | 茨城県筑西市 | 柴 | なし | 可 | 電話 |
摂州宝山荘 | 大阪府高槻市 | 豆柴 | あり | 可 | WEB |
柴犬専門店 京都ダイゴ犬舎 |
京都府宇治市 | 柴 | なし | 可 | 電話 |
※2022年8月19日時点の情報
なお、ブリーダーはサイトで価格を掲載していない場合がほとんどです。その他の情報も、ネット上で確認できるものは限られています。良し悪しを判断するには直接話を聞くことが欠かせないので、その点もふまえて購入先を選択しましょう。
柴犬は大変人気がありますが、決して扱いやすい犬種とは言えません。飼い始める前に特徴や性格、正しいしつけの仕方を知って、本当に家に迎えてよいかどうかを考えましょう。
柴犬を飼える環境にあるのか?と立ち止まり、知識・経験・金銭面・体力・時間とあらゆる観点から熟慮すべきだと思います。
柴犬は日本原産の犬で、国の天然記念物に指定されています。もともとは、山で猟犬として活躍していました。
JKCの規定では、体高はオスで約39.5cm、メスで約36.5cmとされています。日本犬の中で唯一の小型犬と言われますが、筋肉や骨格がしっかりと発達し、見た目が美しい犬種です。
柴犬はオオカミに近いと言われており、野生的で警戒心が強い犬種です。人とある程度の距離を取りたがり、撫でられる、抱っこされるなどのスキンシップが苦手な子が少なくありません。成犬になっても威嚇のために吠える・噛むといった行動をするケースもよく見られます。
一方で、信頼した飼い主に対しては忠実な性格であり、海外でも高い人気があります。
外飼いのイメージが強い柴犬ですが、安全のために室内飼いをしましょう。熱中症・フィラリア・盗難などから愛犬を守るために、家の中で一緒に過ごすつもりで家に迎えてください。家に入りたがらない場合や、縄張り意識が強く近くで生活できない場合は外飼いも不可能ではありませんが、十分な安全対策が必要です。
また柴犬は、叱っている理由が伝わらない叱り方をしたり、体罰を与えたりすると問題行動が悪化しやすい犬種です。「きちんとしつけて上下関係を作らなければ」と考えてしまうとむしろ逆効果の可能性もあります。
以下の記事では、柴犬の性格やそれに合わせた飼い方、適切なしつけの方法を詳しく紹介しています。こちらも参考にして、柴犬とのマッチ度をチェックしましょう。
柴犬の平均寿命は14.5歳(※)で、比較的長生きな犬種です。一方で、皮膚炎や緑内障になりやすい傾向があり、医療費は十分な備えが必要です。また、長生きであるぶん、シニア犬特有の病気にも注意。認知症や前庭疾患を発症するケースが多く、丁寧なケアが必要になります。
長生きのコツやその他のかかりやすい病気を、以下の記事で紹介しています。こちらもぜひ参考にして、柴犬との長い暮らしをイメージしてくださいね。
柴犬の価格は非常に幅広く、10万円以下の子から100万円近くになる子までいます。通常の大きさの柴犬よりも豆柴や小豆柴のほうが高価ですが、大きく成長してしまう可能性があり、そのサイズに保証はありません。
ペットショップよりも販売諸経費が少ないぶん、ブリーダーから購入したほうが安い傾向があります。しかし、素人が子犬の見た目や健康状態を見極めるのは難しいものです。その点、ペットショップはプロの目で選ばれた子のみが販売されているというメリットがあります。我が家の柴犬も、ペットショップの方が直接ブリーダーから選んできてくれた子で、17年家族としてともに過ごしています。
子犬を購入する際に安さを追求すると病気などのリスクが伴う可能性があり、そもそも十分な予算がないのであればお迎えを考え直すべきでしょう。柴犬は長生きしやすく、なりやすい病気も多数ある犬種です。購入時の費用を抑えたとしても、その後の出費に耐えられない可能性があります。
また、柴犬は扱いが難しく、捨てられてしまう子が数え切れないほどいます。まずは自分が本当に柴犬を飼えるのか検討し、価格は最終的な判断要素の一つと考えた上で理想の子犬を探してくださいね。
※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
※掲載されている情報は、INUNAVIが独自にリサーチした時点の情報を掲載しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。