チワワに多い「涙やけ」とは
涙やけとは、目から溢れた涙によって毛が赤茶色に変色している状態のことです。
通常、涙は鼻涙管(涙を鼻に流すための通り道)を通って鼻に排出されるため目から溢れることはありませんが、様々な原因で目からこぼれ落ちてしまうことがあります。
人の場合、涙は頬を伝っていきますが、わんちゃんの場合は涙が毛に付着するので目の下が濡れたままの状態です。
その結果、細菌が繁殖しやすい環境となってしまい、さらに酸化した涙が毛の色を変色させ、涙やけとなってしまいます。
涙が溢れる原因はわんちゃんによって異なるため、愛犬に当てはまるものはないか、次章をチェックしてみてください。
チワワに涙やけが起こる原因
チワワの涙やけの原因として考えられるのは、次の4つです。
涙やけは複数の要因が組み合わさっていることもあるため、以下のチェックリストで愛犬に当てはまる様子がないか確認してみましょう。
鼻涙管が老廃物等でつまっている
わんちゃんは、体質に合わない食事や運動不足、水分不足などで体内に老廃物がたまってしまうことがあります。
鼻涙管が老廃物でつまると、涙が通れず目から溢れます。
<愛犬の様子をチェック!>
□目やに(茶・グレー・白・黒など)が出る
□おしっこの色が濃い、臭いが強い
□皮膚・被毛がベタつく
1つでも当てはまれば、体内に老廃物が溜まっている可能性があります。
鼻涙管が細い・変形している
わんちゃんの中には、生まれつき鼻涙管が狭い子や涙点(涙を吸収する穴)がない子がいます。また、怪我などで鼻涙管がふさがってしまうことも。
いずれも涙がうまく鼻に流れず、目から溢れ出します。
<愛犬の様子をチェック!>
□子犬の頃から涙やけがある
□長期間涙やけがある
□常に涙で顔がびしょびしょ
□涙で濡れた箇所の臭いが強い
1つでも当てはまれば、目の構造に問題がある可能性があります。
異物が入り刺激となっている
ゴミやまつげ、顔の毛などが目に入り、刺激となって涙の量が増え、目から溢れることがあります。
<愛犬の様子をチェック!>
□目まわりの毛が伸びている
□目に触れてしまう場所にまつげが生えている
□瞬きが多い
1つでも当てはまれば、目が外部から刺激を受けている可能性があります。
アレルギーや乾燥で涙が増えている
わんちゃんの中にはハウスダストや花粉にアレルギーがある子がいます。また、エアコンやドライヤー、紫外線、風、乾燥の季節に涙の量が増えることもあるため注意が必要です。
その他、最近では涙がうまく作れないドライアイによる涙やけも多く報告※されています。
<愛犬の様子をチェック!>
□体を痒がっている
□目や耳やなど皮膚が赤い
□特定の場所や時期に涙が出やすい
1つでも当てはまれば目がアレルギー反応を起こしている可能性があります。
上記に当てはまるものがあったわんちゃんは、この後紹介する涙やけ改善対策をぜひ試してみてください。
※チェックリストはあくまで目安のため、一度は動物病院で相談し、必要な治療やケアを聞くことをおすすめします。
※参考サイト:千寿製薬株式気会社 犬のドライアイについて
チワワの涙やけを改善する4つの対策
チワワの涙やけを改善するためには、涙やけしにくい体づくりを心がける必要があります。
以下の改善対策法は、健康維持の基本とも言えるとても重要なポイントです。
どれも難しいものではないので、それぞれの詳細を読んでぜひ生活に取り入れてくださいね。
①涙を拭き取り菌を繁殖させない
わんちゃんの目元が涙で濡れたままだと、涙やけが悪化してしまいます。
嫌な匂いや皮膚病の原因にもなるので、涙が多いと感じたときや、食事・散歩の後などには、人肌程度に温めた蒸しタオルで目の周りや顔全体をやさしく拭いてあげましょう。
細菌の繁殖を防ぎやすくなり、顔の血行も良くなるので涙やけが治りやすくなります。
ちなみに、拭き取りにノンアルコールのウェットティッシュを使っている方は、電子レンジなどで軽く温めてから拭くのがおすすめです。
ただこのとき、拭く力が強すぎたり拭く方向が違うと逆効果になることもあるため注意が必要です。
「毎日拭いているけど涙やけが消えない!」という方は、以下のポイントを参考に正しい拭き取りケアができているか、今一度確認してみてください。
<拭き取りケアのポイント>
・マズルから目頭へマッサージするように拭く
・顔全体を温めて血行を促進させる
・拭き取り用品はわんちゃんに刺激がないものを選ぶ
・ティッシュを使う際は角が目に当たらないように注意
また、中には、目元をマッサージしながら拭き取ると鼻涙管の拡張につながりやすい※という考えもあり、涙やけの改善には拭き取りケアを毎日行い、目元の清潔を保つことが重要です。
飼い主さんが行える最も確実な涙やけ対策とも言えるので、忘れずに行いましょう。
※参考:三ツ池動物病院チャンネル
②水分と運動で代謝を促進させる
わんちゃんの飲水量が不足していると、体内に老廃物が溜まりやすく、涙やけが起きやすくなります。
水飲み場を3〜5箇所設置し、食事の際はドライフードをふやかす・ウェットフードを併用するなどして積極的に水分を摂らせましょう。
ちなみに、水飲み場では給水器よりもチワワに合った大きさ・高さのお皿を使うのがおすすめです。
体が小さく鼻も低めなチワワは、給水器で上を向くように水を飲むとむせやすく、あまりうまく水が飲めていないことがあります。
また、水分摂取量を増やしたら、適度に運動して代謝をよくすることが大切です。必要運動量が少ないチワワですが、1日1〜2回、10分程度でもいいので外に散歩に行くようにしましょう。
散歩はストレス発散にもなるので、涙やけと戦う免疫力の維持にも役立ちますよ。
<水分・運動のポイント>
・水飲み場を3〜5箇所に設置する
・チワワが飲みやすい器を使う
・ウェットフードとの併用やドライのふやかしをする
・散歩で適度に運動させる
③消化にいい食事で老廃物を溜めない
愛犬の体質に合っていない食事は老廃物が溜まりやすく、涙やけの原因につながります。
また、チワワは食に興味が薄い子が多いため、普段からご飯を食べなかったり食べ残したりすることがあり、涙やけしにくい健康的な体質を維持するための栄養が不足している可能性もあります。
そのため、チワワにとって消化しやすく、食いつきが期待できる、高タンパク・高脂肪・小粒タイプのドッグフードがおすすめです。
愛犬が食べてくれるドライフードがなかなか見つからないときは、ふやかしやトッピングを試したり、より食いつきや消化がいい総合栄養食として販売されている手作りフードを候補に入れてみましょう。
給餌量があまり多くないチワワであれば、高価といわれる手作りフードを購入しても食費が高額になりにくいので試しやすいですよ。
<ご飯のポイント>
・高タンパク、高脂肪、小粒のフードがおすすめ
・ふやかしやトッピングをしてしっかり食べさせる
・総合栄養食の手作りフードもおすすめ


④動物病院で適切な処置を受ける
涙やけ対策はフードの改善ばかりに意識がいきがちですが、チワワは目が大きく突出しているため、目の病気に気をつけたい犬種であり、動物病院で治療しなければ治らないこともあると頭に入れておきましょう。
・症状がひどい
・なかなか改善が見られない
・目をしきりに気にしている
などの場合は、必ず獣医師の診察を受けるようにしてください。
かかりつけの病院で問題ありませんが、「過去に異常なしと言われたが治らない」という方や、「納得いくまで調べたい」というような方は、眼科診療の経験が豊富な医師や、眼科専門病院に相談してみるという手もあります。
この記事の監修者である藤井ちひろ獣医師も眼科診療に力を入れ、オンライン相談も受けています。
眼科専門病院の場合は紹介状が必要になることもありますが、人が目の不調時に眼科に行くように、わんちゃんにも目のための病院があると知っておきましょう。
<眼科専門病院の例>
SNSでチワワの涙やけ対策を調査
INUNAVI編集部では、Instagramの涙やけに関する投稿100件を徹底調査!
その中から、チワワの飼い主さんが実際に効果があったと感じた対策を3つ紹介します!
また、編集部スタッフの愛犬も過去に涙やけで悩んでいたことがあります。改善体験談を「涙やけ対策ドッグフードランキング」で紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
ドッグフードの変更で改善!
この投稿をInstagramで見る
@buranday0さんの対策
・ドッグフードをプレイアーデンに変更
・涙の出やすい日はお湯でふやかす
など
ドッグフードを変更し、約4ヶ月ほどで改善がみられてきたという@buranday0さん。
以前与えていたドッグフードの詳細な商品名が分からないため詳しい比較はできませんが、プレイアーデンの鹿肉が主原料のものがわんちゃんの体質に合っていたのかもしれません。
また、涙が出やすい日はふやかして与えるなど、消化の良さや水分摂取量を増やす工夫もされています。
フードの与え方・拭き取りケアで改善!
この投稿をInstagramで見る
@rinoa.m20さんの対策
・フードをふやかす
・与える動物性タンパク質の種類を統一
・濡れたガーゼと乾いたガーゼで拭き取り
@rinoa.m20さんは、消化性や食物アレルギー対策を考えた食事と、拭き取りケアのダブルの対策を行なっています。
特に拭き取りケアは、濡れたガーゼと乾いたガーゼで拭くなど、目元の細菌を繁殖させない心がけがみられます。
目の手術で改善!
この投稿をInstagramで見る
@mugitan2021さんの対策
いろいろな涙やけケアを試して治らなかったので、病院に相談し手術を行った
@mugitan2021さんは、愛犬の目の手術を行ったそうです。手術内容は記載されていませんが、これまで何をしても治らなかった涙やけが良くなってきたということで、わんちゃんも喜んでいることでしょう!
涙やけの手術に不安や抵抗を感じる飼い主さんも多いので、同じ悩みを抱える方の参考になる投稿ですね。
まとめ
涙やけは、何らかの原因で涙が目から溢れてしまうことで起こります。
目が大きいチワワは、特に外部からの刺激に注意が必要ですが、老廃物による鼻涙管のつまりや目の構造の問題など、色々な可能性が考えられます。
複数の原因が組み合わさっていることもあるため、「チワワの涙やけ改善対策」を参考に、日頃から愛犬の目をケアし、必要に応じてしっかり病院で治療してあげてください。
皆さんのわんちゃんの涙やけが良くなりますように・・・!

