※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。
そもそもペット保険の窓口精算とは?保険金の精算方法は2つ
ペット保険の保険金の精算方法は、窓口精算と後日精算の2パターンになります。
すべてのペット保険が窓口精算できるわけではなく、窓口精算ができる保険会社やプランは限られているため、ここでは精算方法の違いや窓口精算できるペット保険について解説します。
窓口精算と後日精算の違い
窓口精算タイプの保険では、対応している動物病院でのみ窓口での精算が可能で、その場で保険が適用されるため支払は飼い主さんの負担額のみとなります。
後日精算タイプの保険では、一旦飼い主さんが治療費を全額を払って、後日保険会社に請求して精算します。窓口精算タイプのペット保険であっても、対応動物病院でない場合は後日精算となるので注意してください。
基本的にペット保険は日本国内のどこの動物病院を利用しても、そのペット保険の補償となる診療であれば保険金を支払ってもらうことができるため、窓口精算タイプと後日精算タイプのどちらを選んでも使えないということはありません。
しかし、窓口精算をしたい場合は対応動物病院が限られるため、利用する動物病院が窓口精算に対応しているか確認することをおすすめします。
各ペット保険会社の保険金請求方法
現在加入できるペット保険全17社の、窓口精算の可否や保険金の請求方法をまとめてみました。
※あいうえお順
ペット保険会社 |
保険名 |
窓口精算 |
保険金請求方法 |
あいおいニッセイ
同和損保
|
『ワンにゃんdeきゅん』
通院ありプラン |
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
『ワンにゃんdeきゅん』
通院なしプラン |
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
アイペット損保
|
『うちの子』 |
〇 |
・窓口精算
・郵送請求 |
『うちの子ライト』 |
× |
・郵送請求 |
アクサダイレクト |
『ペットの保険』 |
× |
・郵送請求 |
アニコム損保
|
『どうぶつ健保ふぁみりぃ』 |
〇 |
・窓口精算
・LINE請求
・郵送請求 |
『どうぶつ健保ぷち』 |
× |
・郵送請求 |
『どうぶつ健保しにあ』 |
〇 |
・窓口精算
・郵送請求 |
イーペット少短 |
『e-ペット』 |
× |
・郵送請求 |
イオン少短
|
『イオンのペット保険』
ケガ+病気プラン |
× |
・郵送請求 |
『イオンのペット保険』
ケガのみプラン |
× |
・郵送請求 |
au損保
|
『ペットのほけん』
通院ありプラン |
× |
・郵送請求 |
『ペットのほけん』
通院なしプラン |
× |
・郵送請求 |
SBIいきいき小短
|
『SBIいきいき小短のペット保険』
スタンダードプラン |
× |
・LINE請求
・郵送請求 |
『SBIいきいき小短のペット保険』
ライトプラン |
× |
・LINE請求
・郵送請求 |
SBIプリズム
|
『プリズムコール』
グリーンプランⅡ
|
× |
・オンライン請求
・郵送請求 |
『プリズムコール』
プレミアムオレンジプランⅡ
|
× |
・オンライン請求
・郵送請求 |
『プリズムコール』
ホワイトプランⅡ
|
× |
・オンライン請求
・郵送請求 |
FPC
|
『フリーペットほけん』 |
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
『入院・手術ペット保険スーパー』
|
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
チューリッヒ少短 |
『犬のがん保険』 |
× |
・郵送請求 |
つばき少短
|
『ペット医療保険』 |
〇 |
・窓口精算
・郵送請求 |
『ペット医療保険』
手術プラン |
〇 |
・窓口精算
・郵送請求 |
日本ペット少短
|
『いぬとねこの保険』
ゴールドプラン |
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
『いぬとねこの保険』
プラチナプラン |
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
『いぬとねこの保険』
パールプラン |
× |
・アプリ請求
・郵送請求 |
ペット&ファミリー損保 |
『げんきナンバーわんスリム』 |
× |
・郵送請求 |
ペットメディカル
サポート |
『PS保険』 |
× |
・郵送請求 |
楽天損保
|
『スーパーペット保険』
通院つきプラン |
× |
・オンライン請求
・郵送請求 |
『スーパーペット保険』
手術・入院プラン |
× |
・オンライン請求
・郵送請求 |
リトルファミリー少短 |
『わんデイズ・にゃんデイズ』 |
× |
・オンライン請求 |
全17社のうち、窓口精算ができるのは、アイペット損保、アニコム損保、つばき少短の3社のペット保険になりますが、プランによって窓口精算できるか否かは異なるため、加入する際はプランもしっかり確認してください。
また、保険金請求は面倒といったイメージも強いですが、昨今はオンライン請求やアプリ請求といった簡単に保険金請求ができるようなペット保険も増えてきているため、簡単にできるなら窓口精算にこだわらないという飼い主さんは、ペット保険選びの幅を広げることができるでしょう。
【実体験】ペット保険の請求方法4パターンを解説!保険金はいつ振り込まれる?
2023年最新!窓口精算できるペット保険3社の10プランを比較
※横にスクロールしてご覧ください
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※保険料はトイプードルやミニチュアダックスフンドの場合
※1:腸内フローラ測定で腸内年齢が実年齢より1歳6ヶ月以上若いと次年度に「ふぁみりぃ」に移行できる
※2:どうぶつ健保対応の動物病院、もしくはどうぶつ健保対応病院からの紹介に限る
※3:利用回数が5回までなら保険料5~10%割引き、20回以上なら保険料20~50%割増し
窓口精算できるプランだけで比較していますが、通院、入院、手術をカバーするフルカバーのプランでは、3社とも年間の回数制限や1日に保険会社が負担する金額の上限が設けられており、そこまで大きな違いはないように見えますね。
保険料もほとんど差はなく、ますますどこを選んでいいかわからなくなってしまったかもしれません。それぞれの保険会社の特徴をご紹介しますので、どのペット保険が自分に合っているか考えながらご覧ください。
アイペット損保の特徴
■アイペット損保の特徴
・『うちの子』は対応動物病院なら窓口精算できる
・12歳以降の保険料が定額で続けやすい
・何回利用しても保険料の割増しがない
・新規加入は12歳11ヶ月まで可能
・わんちゃんがかかりやすい病気も手厚くカバー
・更新時の条件追加や継続を断ることはない
・待機期間がない
・損害保険会社で破綻しても契約者は保護される
アイペット損保のペット保険の特徴は、充実した補償内容の上、12歳11ヶ月まで新規加入が可能なことや、12歳以降の保険料が定額なことでしょう。(※猫ちゃんは9歳以降定額)
多くのペット保険はシニアになると保険料が高額になりがちで、若年期は安くても、高齢になると2万円前後になるものもあります。
実際私はアイペットにも加入していましたが、アイペットも2022年までは毎年保険料があがっていただけでなく、12歳以降の保険料は更新の通知を見るまでわからないというドキドキがありました。(※改定は2021年5月、次回更新時から適用で2022年から)
『うちの子』の50%プランで、改定前の15歳の保険料は10,180円!16歳は12,000円前後になるのかと心配していたら、保険料が6,360円と引き下げられてホッとしたことは言うまでもないでしょう。
また、更新時に特定傷病除外特約といった条件の追加や継続を断ることがないのはもちろん、何回利用しても保険料は割増しされることはないため、生涯にわたって安心して利用できると言えます。
一方で、それまであった無事故継続割引が廃止され、保険を利用しない場合の翌年度の保険料の割引はなくなってしまったため、ペット保険をあまり利用しないわんちゃんの飼い主さんでは割高に感じるかもしれません。
【注意するポイント!】無料サービス(付帯サービス)に獣医師無料相談サービスはない
アイペット損保は、「クラブアイペット」の優待サービスなど普段の生活に利用できるサービスはあっても、獣医師無料相談サービスはありません。
メールマガジンで獣医師による健康情報配信はありますが、ペット保険の相談サービスを利用したいという飼い主さんでは物足りなさを感じるでしょう。
アイペット損保の保険料を見る
アイペット損保の保険料
アイペット損保のペット保険の保険料はざっくりと体の大きさで分類することができますが、コーギーが犬種クラスAとなったり、パグが犬種クラスBとなるなど、犬種によってはあてはまらないこともあるため愛犬はどの犬種クラスになるか確認しておくことをおすすめします。
※横にスクロールしてご覧ください
→アイペット損保『犬種分類表』はこちら
アイペット損保の口コミや、詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
アイペット損害保険の口コミ評判は?メリット・デメリットを加入経験者が解説
アニコム損保の特徴
■アニコム損保の特徴
・『ふぁみりぃ』『しにあ』は対応病院なら窓口精算できる
・『ふぁみりぃ』は使わなければ保険料が割引されるがたくさん使うと保険料は割増し
・新規加入は7歳11ヶ月まで
・『どうぶつ健保しにあ』は8歳以上なら何歳でも加入できる
・わんちゃんがかかりやすい病気も手厚くカバー
・更新時の条件追加や継続を断ることはない
・年に1回腸内フローラ測定が受けられるなど無料サービスが充実
・損害保険会社で破綻しても契約者は保護される
アニコム損保のペット保険の特徴は、年に1回無料で行える腸内フローラ測定や、獣医師・専門家LINE相談サービス、迷子捜索サービスといった無料サービス(付帯サービス)が充実していることがあげられます。
腸内フローラ測定で病気のリスクが高いと判定されれば、指定の動物病院で無料の血液検査を受けることもでき、これらを自分で行おうとすれば軽く1万円は飛んでいくと考えたら、価値のあるサービスなのではないでしょうか。※『ぷち』は除く
また、更新時に特定傷病除外特約といった条件の追加や継続を断ることがないとしているペット保険は少ないため、生涯にわたって安心して利用できるのも大きなメリットですね。
一方で、『どうぶつ健保ふぁみりぃ』は健康割増引制度が適用されるため、利用回数が少なければ翌年度の保険料が割引きされますが、利用回数が多いと割増しされてしまうことも。
【注意するポイント!】『どうぶつ健保ふぁみりぃ』の保険料の健康割増引制度
健康割増引制度が適用されるのは『ふぁみりぃ』だけで、『しにあ』や『ぷち』では該当しません。
判定期間内の利用回数によって、翌年度の保険料が以下のように割増引されます。
■『どうぶつ健保ふぁみりぃ』の健康割増引率
通院・入院日数 /
手術回数の合計 |
0回 |
1~5回 |
6~19回 |
20~39回 |
40回以上 |
割増引率 |
10%割引 |
5%割引 |
割増引なし |
20%割増 |
50%割増 |
私は実際にアニコムに加入しており、愛犬はまだ0歳と若いためそこまで保険を利用することはありませんが、それでも半年の間にすでに10回は動物病院にお世話になりました。
また、17歳と高齢の愛犬ではもう何年も1年間に20回以上動物病院を受診しており、毎回高額な治療費であることからペット保険(※こちらはアニコムではない)を利用しています。
そういったことを考えると、特にシニア期以降では保険料が割増しされる可能性もあると理解しておいたほうがいいと言えるでしょう。
アニコム損保の保険料を見る
アニコム損保の保険料【Bクラス】
アニコム損保の保険料のクラス分けは少し特殊で、小型犬や中型犬といった体の大きさではなく完全に犬種でA~Eクラスに分けられています。
そのため、ボーダーコリー(中型犬)とトイプードル(超小型犬)が同じBクラスになったり、超小型犬種が一段階高いCクラスに分類されるということもあるので、愛犬はどのクラスに分類されるかを確認しておくことをおすすめします。
ここでは、トイプードルや柴犬、ミニチュアダックスフンドなど、飼育頭数が多い犬種のBクラスの保険料をまとめてみました。
※横にスクロールしてご覧ください
→アニコム損保「犬の品種別クラス分類表」はこちら
アニコム損保の口コミや、詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
【アニコム損保の口コミ評判】保険料が高い?を加入者が本音で解説
つばき少短の特徴
■つばき少短の特徴
・2種類の保険タイプから選べ、フルカバーで80%のプランがある
・すべてのプランが対応動物病院なら窓口精算できる
・12歳以降の保険料が定額で続けやすい
・新規加入は10歳11ヶ月まで可能
・わんちゃんがかかりやすい病気も手厚くカバー
・通院補償は免責金額が設定されている
・2年連続で限度日数に達した場合は更新できない
・傷病によっては更新時に条件が追加される可能性がある
つばき少短のペット保険の特徴は、12歳以降の保険料が定額ということと、80%のプランがあること、どのプランを選んでも対応病院なら窓口精算が可能ということです。
アイペットもアニコムも、手術に特化した一部カバータイプのペット保険は窓口精算ができず後日精算となりますが、つばき少短は『手術プラン』も対応病院なら窓口精算できるというのは、助かりますね。
また、補償対象外の傷病も少なく、補償範囲がほかの窓口精算できるペット保険と変わらないのもポイントと言えるでしょう。
一方で、通院で利用する際は免責金額が設定されていたり、更新時に条件が追加される可能性や2年連続で限度日数に達した場合は更新できないといった点は頭に入れておく必要があります。
【注意するポイント!】できたばかりで対応動物病院が少ない
つばき少短のペット保険が営業を開始したのは、2020年8月と、まだ3年ほどしか経っていません。そのため、窓口精算に対応している動物病院が少ないという現状があります。
実際、電話でつばき少短に確認したところ、今のところ窓口精算に対応している動物は全国で40件、私の住んでいる都道府県では1件だけという回答が…。
また、当初は誰もが窓口精算をすぐに利用できましたが、2022年6月から変更があり、初年度契約日から6ヶ月以内の初回の保険金請求は郵送での請求のみとなりました。
初回の保険金請求が支払い完了した時点で窓口精算できるようになるため、加入して6ヶ月以内に初めて利用する際は注意が必要です。
つばき少短の保険料を見る
つばき少短の保険料
つばき少短の保険料は、犬種によってA~Eまで分類されます。ここでは一般的な小型犬・中型犬・大型犬の犬種クラスで保険料をまとめてみました。
特殊なクラス分けになっているため、必ずしも超小型犬がAクラスに分類されるとは限らないので、愛犬はどのクラスに分類されるかを予め確認しておきましょう。
※横にスクロールしてご覧ください
→つばき少短の『品種分類表』はこちら
窓口精算できるペット保険のメリットとデメリット
窓口精算できるペット保険3社を比較して、特徴を見たところである程度どのペット保険に加入しようか決まった飼い主さんもいるのではないでしょうか。
ここでは、窓口精算できるペット保険のメリットとデメリットをまとめました。
本当に自分は窓口精算のペット保険が合っているか、もう一度確認してみましょう。
窓口精算できるペット保険のメリット
窓口精算できるペット保険のメリットは以下の通りです。
ここで詳しく解説します。
窓口精算できるペット保険の最大のメリットは、その場で保険が適用されるので、自己負担額の支払いだけで済むことです。
高額な治療費がかかったときなど、支払う金額が抑えられるのは助かります。
実際に愛犬の手術で約41万円の治療費となりましたが、ペット保険会社が16万円負担してくれたため、その場の支払い額は24万7千円に!50%プランの保険なのでこの金額ですが、70%プランだった場合ではもっと請求額は減ります。
41万円と24万円支払うのでは全然違いますよね。
窓口精算できるペット保険は、対応の動物病院の会計時にその場で保険が適用され、自己負担額の支払いのみとなるため、後日ペット保険に保険金を請求する必要がないこともメリットでしょう。
保険会社に保険金を請求する際は、診療明細書や領収書に記載しなければいけないことが決まっていたり、場合によっては診断書が必要となるなど、さまざまな手間がかかります。また、保険金を請求したら支払われるまでに時間がかかり、すぐに受け取ることはできません。
そういったことがすべて省略できるのは、窓口精算できるペット保険ならではの良さと言えます。
現在加入できるペット保険会社は17社ありますが、実は窓口精算できるペット保険はどれもそこまで保険料が高くないことは意外に知られてないでしょう。
どうしても窓口精算という特性から若年期では保険料が高めになりますが、シニア期以降の保険料はそこまで上昇しないため、一部のペット保険を除き、後日精算タイプの保険料と変わらないどころか安い場合もあります。
■ペット保険会社17社の生涯保険料と平均保険料
赤字にしているのは、窓口精算できるペット保険です。横にスクロールしてご覧ください。
※あいうえお順に記載
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補償内容が充実している上に窓口精算でき、保険料もそこまで高くないということはメリットと言えるのではないでしょうか。
窓口精算できるペット保険のデメリット
窓口精算できるペット保険はメリットだけでなくデメリットもあります。
後悔しないためにも、ここで詳しく見ておきましょう。
窓口精算できるペット保険は1年簡に利用できる回数が決まっているため、利用するタイミングを考えないといけないのはデメリットでしょう。
私はまさか1年で22回以上も通院するとは思っておらず、何も考えずに利用して回数限度に達し、肝心な高額治療が続くときに利用できなかったという経験が…(T_T)
それからは利用するタイミングを考え、回数に余裕があるときは更新時に請求するようにしましたが、考えながら利用するというのは少し面倒でしょう。
【加入前は必見✅】ペット保険の裏技紹介!ペット保険を合法に賢く活用しよう
動物病院を受診する際に、保険証を忘れてしまうと対応の動物病院でも窓口精算してもらうことはできません。
動物病院によっては、保険証を忘れてもスマホで契約状況を見せれば対応してくれることもありますが、絶対ではないため保険証は忘れずに持って行くことをおすすめします。
常に保険証を持ったか確認する必要があり、忘れてしまった場合は取りに戻るか後日保険会社に請求しなければいけないというのはデメリットになるのではないでしょうか。
窓口精算のペット保険に加入していても、すべての動物病院で窓口精算ができるわけではないことはデメリットの1つでしょう。
保険会社 | 対応病院数 |
アイペット損保 | 5870件 |
アニコム損保 | 6733件 |
つばき少短 | 不明 |
※2023年7月6日時点
農林水産省の最新の調査では、2022年12月31日時点の産業動物を除く小動物等を対象とした動物病院数は12616件(※)なので、約半数の動物病院がアイペットやアニコムに対応していることになります。
対応病院は年々増加しているとはいえ、動物病院側の窓口精算の処理は結構大変なため、対応が難しく提携していない動物病院もあり、窓口精算に対応していない動物病院では一旦全額を支払い、後日保険会社に請求しなければいけません。
対応動物病院は、入り口や受付け周辺にステッカーやポスターが貼ってあるので、目印にしましょう。
※参考:農林水産省「令和4年飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」
それぞれのペット保険の窓口精算対応動物病院はこちら
窓口精算できるペット保険は、後日精算タイプのペット保険に比べて若年期の保険料が高めの傾向にあります。
例えば、通院・入院・手術をすべてカバーするフルカバータイプのペット保険17社の小型犬1歳の平均保険料は2,162円ですが、アイペット損保もアニコム損保も平均保険料を超えています。
ペット保険会社 | 1歳の保険料※トイプードルン場合 |
アイペット損保 『うちの子』 | 【50%プラン】\2,480 【70%プラン】\3,090 |
アニコム損保 『どうぶつ健保ふぁみりぃ』 | 【50%プラン】\2,560 【70%プラン】\3,420 |
つばき少短 『ペット医療保険』 | 【Sプラン:50%】\1,320 【Mプラン:50%】\1,770 【Lプラン:80%】\2,750 |
ペット保険の保険料はピンキリで年齢によっても異なるため、一概に高いとまで言い切ることはできませんが、比べるペット保険によっては高く感じるでしょう。
窓口精算のペット保険がおすすめの飼い主さん
窓口精算のペット保険が特におすすめなのは、以下の飼い主さんです。
■窓口精算のペット保険がおすすめの飼い主さん
・保険金請求の手間を省きたい
・治療費は自己負担額のみの支払いで済ませたい
・高額な治療費を全額用意することが難しい
・シニア期に保険料の値上がりが緩やかなペット保険に入りたい
・補償範囲が広いペット保険に入りたい
近年は、保険料が手頃で補償内容が充実したペット保険もあるため、保険料をできる限り安く抑えたいという飼い主さんでは窓口精算よりも後日精算タイプのペット保険のほうがおすすめと言えます。
【ペット保険17社比較】手厚くて安いペット保険おすすめTOP3はコレ!乗り換えしたい人必見
愛犬の医療費は備えてる?わんちゃんの病院代事情!5万円以上の治療は諦める飼い主さんも〇%【飼い主300人アンケート】
ペット保険を選ぶポイント
窓口精算できるペット保険はもちろん、後日精算のペット保険でも最低限チェックしたいポイントがあります。
せっかくペット保険に加入したのに、保険料だけ払って使えなかった!なんてことのないように、以下のポイントを抑えておきましょう。
①わんちゃんのかかりやすい病気が補償対象外になっていない
検討しているペット保険が、わんちゃんのかかりやすい病気が補償対象外になっていないか確認することが重要です。
わんちゃんには犬種や年齢によってかかりやすい病気が存在しますが、保険料の高い安いに関係なく、ペット保険によっては肝心な病気が補償されないということもあるので気をつけましょう。
■わんちゃんがかかりやすい主な病気
- 歯周病
…3歳以上のわんちゃんの80%は歯周病に罹患していると考えられ、抜歯や歯石取りの処置が必要になることも多い
- 皮膚病
…柴犬やトイプードル、ミニチュアダックスなどに多く見られ、毎週のように通院が必要なこともある
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
…トイプードルやチワワなどの小型犬に多く見られ、軽度であれば経過観察で済むこともあるが、重度の場合は手術が必要になる
- 椎間板ヘルニア
…ミニチュアダックスやコーギーなどに多く見られ、軽度であれば内服薬による治療や経過観察で済むが、重度ではレーザー治療や手術が必要になることもある
- 僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)
…小型犬に多く見られ、定期的な通院と検査や内服薬による治療が生涯続く。手術も可能だが費用は150万円前後と高額で、手術できる病院も国内にわずか
- 慢性腎臓病
…シニア犬に見られることが多く、ステージによっては毎日のように点滴が必要になる。定期的な通院や検査、場合によっては内服薬も必要。透析も可能だが、毎日や毎週通う必要があり透析できる病院も限られる
- てんかん
…シニア犬に多く見られ、定期的な通院や投薬が必要になることもある
- 腫瘍
…シニア犬に見られることが多く、手術や抗がん剤治療、放射線治療が必要になることも多い
- 子宮蓄膿症
…避妊手術をしていないシニア犬の女の子に見られることが多く、命に係わり緊急手術が必要になることも珍しくない
また、かかりやすい病気が補償対象となっていても、1つの病気で生涯を通して使用できる回数が決まっているペット保険があったり、年齢と共にシニア犬がかかりやすい病気が補償対象外となるペット保険も実際に存在するので、説明はよく見てくださいね。
②更新時の条件追加がなく継続を断られない
ペット保険は1年ごとの更新になりますが、更新時に特定の病気や体の部位を補償対象外とするなど補償を制限したり、継続不可とするペット保険もあるので注意してください。
治療費の負担を軽減するために加入したペット保険なのに、利用したら補償対象外にされたり継続不可とされるなんて、何のためのペット保険かわからなくなってしまうでしょう。
そこから乗り換えようにも、すでにかかったことのある病気は補償対象外にされるのはもちろん、年齢や病気によっては加入できないという問題も出てきます。
ペット保険の何を重要視するかによっても異なるため、必ずしも補償対象外にされたり継続不可とされることが悪いとは言えませんが、後々のこともよく考え、申し込む前にしっかりと重要事項説明書や約款を読んで確認しましょう。
https://inunavi.plan-b.co.jp/bad_pethoken/
③加入時の保険料だけでなくシニア期以降の保険料も確認!
ペット保険は若年期の保険料は安く設定されていることが多いですが、シニア期以降の保険料が高くなることも珍しくはないので、シニア期以降の保険料はしっかり確認してください。
シニアを過ぎてから心臓病や腎臓病といった慢性の病気になるわんちゃんは多く、急な体調不良などで動物病院に通う頻度も増えるなど、シニアになればなるほど治療費がかかります。
保険料が高すぎて家計を圧迫して治療に費用をかけられない、保険を解約せざるを得ないということでは、それこそ何のためのペット保険かわからない!
ペット保険会社によって保険料の上昇の仕方は異なるので、現在の保険料だけでなくシニア期以降の保険料も要チェックです。
ペット保険の選び方についてもっと詳しく知りたい飼い主さんは、以下の記事をご覧ください。
【犬のペット保険18選を徹底比較】私が本気で選ぶおすすめTOP3はこれ!
窓口精算のペット保険によくあるQ&A
ここでは、窓口精算のペット保険によくある疑問をまとめてみました。
全国の動物病院で使える?
A.基本的に全国の動物病院の治療費が補償対象となりますが、窓口精算できるのは対応の動物病院のみとなります。
また、アニコム損保の『どうぶつ健保しにあ』は、全国の動物病院で利用することはできないため注意が必要です。
『どうぶつ健保しにあ』で治療費が補償されるのはアニコム対応の動物病院か、対応動物病院からの紹介に限ります。
ペット保険の保険証はいつ出すの?
A.診察券と一緒に、最初に提示しましょう。
窓口精算は処理に手間がかかるため、会計時に出すと動物病院に迷惑がかかってしまいます。
実際、私は初めて利用するときにいつ保険証を出していいかわからず、会計時に出したら舌打ちされたという経験が…(ノД`)・゜・。
回数を管理するために金額によって利用するかどうか決めたいという場合では、保険証を提示する際に「○○円以内なら今日は保険は使わないでください」と伝えておくとスムーズです。
回数がいっぱいになってしまったら更新できない?
A.窓口精算タイプのペット保険で言えば、アイペット損保とアニコム損保は限度回数に達してしまっても問題なく更新できます。
しかし、日数(回数)制限のあるペット保険によっては、限度回数に達してしまった場合に更新できないことがあるため、重要事項説明書や約款はよく読んで確認しましょう。
後日精算したら保険金はいつ振り込まれる?
A.ペット保険会社や請求内容によって異なりますが、保険金請求書類を受け付けてから30日以内に支払われるペット保険が多いです。
実際に私がアイペット損保とアニコム損保に保険金を請求して振り込まれるまでにかかった日数は以下の通りです。
ペット保険会社 | 通常時 | 後日精算時 |
アイペット損保
| 窓口精算 | 12~14日 |
アニコム損保 | 窓口精算 | 16日 |
これらの2社は、約款には保険金の支払いは書類の到着後30日以内とありますが、実際に振り込まれたのは請求してから2週間前後でした。
あくまでも愛犬の場合であり、請求内容や繁忙期などの時期によっても変わってきますが、30日ギリギリということはあまりないかもしれません。
まとめ
ペット保険会社はたくさんありますが、窓口精算できるペット保険会社は3社と少なく、プランも限られています。とは言え、3社とも補償範囲が広く、補償内容は充実しているため、特徴や気になるポイントを注目することでどのペット保険が自分に合っているか理解しやすいでしょう。
■窓口精算できるペット保険の特徴おさらい
保険会社 |
主な特徴の違い |
アイペット損保
『うちの子』 |
・12歳11ヶ月まで新規加入が可能
・12歳以降は保険料が定額
・利用回数による保険料の割増し・割引はない
・獣医師無料相談サービスはない |
アニコム損保
『どうぶつ健保ふぁみりぃ』 |
・7歳11ヶ月まで新規加入が可能
・保険料は利用回数によって割増引される
・シニア期以降の保険料も緩やかな上昇
・腸内フローラ測定や獣医師相談サービスなど無料サービスが充実 |
つばき少短
『ペット医療保険』 |
・10歳11ヶ月まで新規加入が可能
・12歳以降は保険料が定額
・80%プランがある
・2年連続で限度回数に達すると更新できない
・できたばかりで対応動物病院が少ない |
正直、私はアイペットもアニコムも利用してみて、どちらも甲乙つけがたい良い保険だと思っています。
あえて選び方を言うなら、無料サービスを重視したいならアニコム、利用回数による割増しがないことを重視するならアイペットでしょう。
つばき少短は加入していないため何とも言えませんが、窓口精算にはメリットもあればデメリットもあるので、各社の特徴を踏まえながら最適なペット保険を選んでくださいね。
※関連リンク:窓口精算ができるペット保険|犬・猫のおすすめ動物保険をご紹介 ペット保険STATION (pets-station.info)
※記事で紹介されている商品を購入すると、売上の一部がINUNAVIに還元されることがあります。メーカー等の依頼による広告にはPRを表記します。
※掲載されている情報は、INUNAVIが独自にリサーチした時点の情報を掲載しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。
執筆者
- ペットライター
-
たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー