犬も高齢になると人間と同様に認知症になることがあります。
愛犬が認知症になると、以前までは吠えなかった場面で吠えてしまったり、トイレの失敗が増えたりと今までと違った行動をとるようになり、戸惑う飼い主さんも多いです。
そこで本記事では、犬の認知症についての基本的な情報と症状別の対処法、予防法を解説していきます。
「うちの子の症状はもしかしたら認知症?」
「認知症の愛犬に飼い主ができることは何かある?」
と疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください!
犬も高齢になると人間と同様に認知症になることがあります。
愛犬が認知症になると、以前までは吠えなかった場面で吠えてしまったり、トイレの失敗が増えたりと今までと違った行動をとるようになり、戸惑う飼い主さんも多いです。
そこで本記事では、犬の認知症についての基本的な情報と症状別の対処法、予防法を解説していきます。
「うちの子の症状はもしかしたら認知症?」
「認知症の愛犬に飼い主ができることは何かある?」
と疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください!
※本記事は2024年10月までの情報を参考に作成しています。※本記事はINUNAVIが独自に制作しています。メーカー等から商品の提供や広告を受けることもありますが、コンテンツの内容やランキングの決定には一切関与していません。※本記事で紹介した商品を購入するとECサイトやメーカー等のアフィリエイト広告によって売上の一部がINUINAVIに還元されます。
目次
最近では、獣医学の進歩によりペットの寿命が伸び、日本のペット社会も高齢化しています。そうした中で、犬も人間と同様に脳の老化により認知症になることが知られてきました。
犬の認知症の定義は曖昧ですが、実際の臨床現場では、
など脳の老化による問題行動が日常生活に支障をきたすようになる状態のことを指しています。
残念ながら、犬の認知症は、特効薬などはなく完治させることは難しい病態です。
しかし、飼い主さんがしっかりと予防や対処をすることで、認知症の進行は抑えることができます。そのためには、症状やサインを理解したうえでコミュニケーションをとってあげることが大切です。
それでは、愛犬が認知症になっていないかどうか下記の表でチェックしてみましょう!
■認知症チェックリスト
※当てはまる項目◯をタップしてチェックを入れてください。
以上 ① 〜 ⑨ の質問のスコア(カッコ内の合計)を合計 = {{ calculation }}点
*40点〜49点:認知症の疑いが高い
*50点以上:認知症と判断する
上記のチェックリストの結果、認知症と判断された場合や認知症の疑いが高い場合でも飼い主さんが進行を防止するためにできることはたくさんあります。
詳しくは記事後半の「お家でできる犬の認知症の予防法」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
犬の認知症では、様々な症状が見られますが、特にこれから紹介する5つの症状が認められることが多いです。
飼い主さんは、犬の認知症のサインを見逃さない様にして、認知症の早期発見につなげましょう!
犬の認知症の主な症状は以下の通りです。
■認知症の主な症状5つ
それでは、それぞれの認知症の症状と具体例を詳しくみていきましょう!
犬が認知症になると周囲の環境や自分が置かれている状況を把握できなくなってきます。具体的には、以下のような事例があります。
犬が認知症になると今までよく関わっていた飼い主さんや同居している他のペットとの関わり方も変化していきます。具体的には、以下のような変化があります。
認知症の犬がよく飼い主さんを悩ませる症状の一つが昼夜逆転により夜間になかなか寝つかず吠えたり、徘徊するという症状です。こうした睡眠サイクルの変化も犬の認知症の症状の一つです。具体的には以下のような事例があります。
最近、愛犬のトイレの失敗が増えたなと思っている飼い主さんは要注意です。トイレの失敗も認知症でよく認められる症状です。以下のような行動がよく認められる場合は注意が必要です。
無目的にふらふらと活動したり、無駄吠えが増えたりすることも犬の認知症の主な症状の一つです。具体的には以下のような行動が増えてきます。
愛犬に認知症の症状が増えてきた場合には、いつも通り接してあげたりコミュニケーションを取ったりして、刺激を与える様にしてあげましょう!
また、認知症の犬のトイレの失敗や睡眠サイクルの変化などの症状についての対処法は「飼い主さんができる犬の認知症の対処法」で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください!
認知症は、脳の老齢性変化と言われていますので、年を重ねるごとに発生率は上昇してきます。
そのため、愛犬が高齢の場合は認知症の症状が出ていないか注意してみてあげることが必要です。
犬の年齢と認知症の関係としては以下の様に報告されています。
■犬の年齢と認知症の関係
近年では、獣医学の発達により犬の高齢化も進んでおり、認知症に罹患する犬が多くなっています。
海外の研究結果によると、愛犬が11歳を超えると認知症に注意が必要であり*1、15~16歳では約半数以上が認知症になってしまう*2と報告されています。
また犬は歳をとるごとに認知症のリスクがどんどん上がっていくため*3、日頃からしっかりケアしてあげることが大切です。
認知症の予防法については、「自宅でできる犬の認知症の予防法」で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
*1参考 Dog Dementia: Symptoms, Causes, Treatment and Life Expectancy
*2参考 Prevalence of behavioral changes associated with age-related cognitive impairment in dogs
*3参考 Evaluation of cognitive function in the Dog Aging Project: associations with baseline canine characteristics
また、認知症になりやすい犬の特徴も報告されており、以下の特徴をもつ犬は認知症に注意が必要です。
■認知症になりやすい犬
最近の研究では、犬種や性別間で認知症の発生率は有意な差がなかったと報告されているものもありますが、愛犬が上記の特徴に当てはまる場合は念のためにも日頃から認知症がないかチェックしましょう。
愛犬の認知症への対処法としては、自宅で飼い主さんができることがたくさんあります。また、認知症の症状を和らげる睡眠導入剤や鎮静薬も動物病院で処方してもらうことも可能です。
しかし、愛犬の症状は認知症だと決めつけてしまうと重大な病気を見逃す可能性があるので注意が必要です。
ここからは、認知症でよく見る症状別の対処法を間違えやすい疾患とセットで解説していきます。
犬が認知症になってしまった場合、トイレの失敗が目立つようになります。
これは、加齢による認知機能の視力、筋力の低下によって、トイレを見失う、たどりつけなくなることが主な原因として考えられます。
■飼い主さんができる対処法
最も大切なことは、トイレを失敗しても叱らないようにしてあげることです。叱ることで不安感が増し、ますます失敗をする様になり、何より信頼関係を失う原因となります。
認知症の犬には、トイレをしっかりと認知できるように、生活環境の近くに複数設置してあげると良いでしょう。
さらに、足腰の筋力低下や視力の低下が考えられるので、
・フットライトやバリアフリー化する
・ジョイントマットを敷いてあげる
などの対策をしてあげることも飼い主さんができることの一つです。
トイレの失敗をした場合に認知症と間違えやすい疾患は以下の通りです。
■認知症と間違えやすい疾患
糖尿病や、クッシング症候群、腎不全などでは、おしっこの量が多くなりトイレの失敗が増えます。また、膀胱炎や前立腺肥大で頻尿がある場合もトイレの失敗は増えます。こういった疾患を見逃さない様にするためにも、認知症と決めつけずにまずは動物病院で診察を受けるようにしましょう!
犬の夜鳴きや昼夜逆転は飼い主さんを悩ませることが多い認知症の症状です。これは、高齢になるとメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンが減少することで眠りが浅くなるためと考えられています。
こうした場合、愛犬ができるだけ夜にぐっすりと寝れるような環境づくりをしてあげることが大切です。
■飼い主さんができる対処法
睡眠時には、適切な温度管理と柔らかい素材のベッドを使い心地よく深い眠りが取れる様に寝床の環境を整えましょう。
また、夜間空腹で目を覚ます場合には、食事の時間を遅くしてみたり、不安で鳴く場合には飼い主さんの近くに寝床を設置してあげましょう。日中にできるだけ活動させることも大切です。一緒に遊ぶ時間や散歩で外に連れて行ってあげたり、おもちゃなどを使って様々な刺激を与えるようにしましょう。
こうした刺激が認知症の予防にも繋がりますし、適度な疲労感を生み出し深い眠りを取れる様にもなります。
なかなか改善しない場合は、睡眠導入剤や鎮静剤を使うことも考えなければなりません。
これらの薬は、うまく効いてくれると昼夜逆転を改善してくれますが、認知症をさらに悪化させたり寝たきりになってしまうリスクもあるので最終手段として考えておきましょう。
夜間に夜鳴きしたり、昼夜逆転する場合に認知症と間違えやすい疾患は以下の通りです。
■認知症と間違いやすい疾患
甲状腺機能低下症では、体の代謝が落ち、体温の低下が症状として現れてきます。そうした体温の低下は、夜間、寒さにより起きてしまう浅い眠りにつながります。
また多飲多尿を示す病気では、尿意を催し、夜中に目を覚ますこともありえます。こうした疾患も認知症と間違えないように注意しましょう!
障害物を避けることができなかったり、立ち往生、徘徊したりする場合も犬の認知症ではよく認められる症状です。
この様な症状は、認知機能の低下により、自分が今どこにいるか、何をしているのかを把握できないことにより起こると言われています。
■飼い主さんができる対処法
前には進むことができるが、後戻りができなくなるといった症状は犬の認知症では特徴的です。
よく部屋の角などで、立ち往生すると不安感から吠えることも多いです。
こういった場合には、円形のサークルなどに入れてあげて立ち往生しないような環境を作ってあげることが大切です。
障害物を避けることができなかったり、徘徊する場合に認知症と間違えやすい疾患は以下の通りです。
■認知症と間違えやすい疾患
脳炎や脳腫瘍などの脳疾患でも認知症と同じような症状が認められます。また、前庭疾患や視力の衰えにより目的もなく徘徊したり、円を描くように徘徊することもあります。
こうした疾患と間違えないためにも一度動物病院を受診することをおすすめします。
愛犬が認知症で攻撃的な性格に変わってしまうこともよく問題として挙げられます。これは、認知機能や視覚、聴覚の低下による不安感の高まりが原因と考えられます。
■飼い主さんができる対処法
愛犬が認知症になっている時には、不安感やストレスを感じやすく、イライラしたり攻撃性が増したりすることもあります。
そのような時はこまめに声をかけてあげてたり、いきなり触れないようにして、不安感をとってあげることを大切にしましょう。
また、犬は視覚や聴覚が衰えても嗅覚は衰えづらいことが知られています。
コングにおやつを詰めて遊ばせてみたり、おやつをあげながらスキンシップをとるようにして嗅覚に刺激を与えつつストレスを解消させましょう。
急に攻撃的になる場合に考えなければいけない疾患は以下の通りです。
■認知症と間違えやすい疾患
脳炎や脳腫瘍の発生する部位によっては攻撃性が増したり性格の変化がみられる可能性があります。
また、高齢犬に多い内分泌疾患である甲状腺機能低下症においても攻撃行動の増加がみられることがあると言われています。
認知症と決めつける前に、病気の疑いがある場合は動物病院を受診する様にしましょう!
愛犬には認知症にならないでほしい、または、愛犬の認知症の進行を防ぎたいと思う飼い主さんは多いと思います。
犬の認知症を予防するためには、大きく以下の手段が考えられます。
それぞれについて詳しく解説していきます!
犬の認知症に対しては、遊びや運動で脳に対して適切な刺激を与えてあげましょう!
以下のような遊びや運動が効果的と考えられます。
■認知症予防の遊びや運動
頭を使った遊びや定期的な散歩で適切な刺激を与えることは、認知症予防や対策としては非常に有効です。
定期的に散歩に行っていない子や運動不足の子は、認知症になることが多いと言われていますので散歩に積極的に連れていくようにしましょう!
また、散歩コースをいつもと違うところに変更してみることも脳に新鮮な刺激を与えることができます。
散歩以外にもボール遊びやドッグランなどで定期的に運動させてあげることが大切ですね。
高齢で関節炎を患っていたり、なかなか活発に動けない子には嗅覚を使った遊びがおすすめです。
隠したおやつなどを見つける宝探しのような遊びを取り入れてみましょう。
また自分で歩けなくても抱っこやカートで外の空気を吸わせてあげることが大切です。さまざまなニオイを嗅ぐことにより脳への適切な刺激となりますし、日光にあたることでメラトニンと呼ばれる物質が作られ夜間の深い眠りにつながります。
認知症を完治させる様な特効薬は残念ながら、存在しませんが必要な成分を摂取することで認知症をある程度予防することはできます。
犬の認知症に対するご飯としては脳の健康維持をサポートし、認知症に効果があると報告されているDHAやEPAなどのω3-脂肪酸や中鎖脂肪酸などの栄養素や抗酸化物質を含んでいるフードがおすすめです。
また人では、抗酸化作用や抗炎症作用のある物質を摂取することで、脳の老化を防止し、認知症の進行を抑えることができると言われています。
犬の認知症でも同様に、抗酸化作用や抗炎症作用を持つ物質をサプリメントによって摂取することは有効であると考えられているので、ぜひ認知症に効果があるサプリメントを試してみましょう!
認知症におすすめのフードやサプリについては以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
ここからは、犬の認知症でよくある質問についてお答えしていきます。
犬の認知症にお悩みの飼い主さんはぜひ参考にしてみてください!
A.まずは、動物病院で認知症以外の病気の可能性を除外し、ご飯の与え方を工夫しましょう!
食べない原因が認知症と決めつけて、病気を見逃してしまうことは非常に危険です。
愛犬が認知症の疑いがありご飯を食べない場合は、様々な工夫が必要になります。
認知症の犬で食欲が低下している場合には、まず食欲を刺激してあげることが重要です。
例えば、普段のフードをふやかしてあげたり、食欲をそそるような食材をトッピングしてあげることなども効果的です。
他にも認知症が進行すると食べ方を忘れてしまう犬もいます。
そのような場合はご飯を強制的に給餌してあげる必要があります。ドロドロにした缶詰フードや離乳食をシリンジで口に入れて食べさせるようにしましょう。
認知症の老犬が食べない状態が続いているとすぐに体が弱っていきますのでしっかりとご飯を食べれているかどうかチェックしてあげてくださいね。
以下の記事で、老犬がご飯を食べない時の様々な対処法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
A.いつも通り接してあげましょう。
一緒に遊んだり、スキンシップをとって刺激を与えてあげることが認知症の進行を抑えるためには重要です。
ただし、飼い主さんも無理のしすぎは厳禁です。
愛犬が認知症になってしまった場合、飼い主さんもお世話などで精神的に疲れてしまうことが多いです。
かかりつけの病院に相談したりペットホテル、ペットシッターなどをうまく活用して無理しないようにしてくださいね。
A.犬の認知症と寿命についての報告はされていませんが、平均的な余命は短くなるのではないかと考えられます。
人間では認知症になった場合の余命は5~7年と言われています。
犬の場合も認知症になると、寝たきりや運動不足になったり誤嚥から肺炎を起こしたりとする可能性がありますので、人と同様に寿命に影響するのではないかと考えられます。
A.小型犬の場合は、若い年齢で認知症になる可能性は低いと思われます。しかし大型犬は注意が必要です。
小型犬では、8〜9歳で認知症になる可能性は低いです。認知症に似た症状が認められた場合には、脳疾患や他の疾患を考えてみましょう。
大型犬の場合は、元々の寿命が短い傾向がありますので、小型犬と比較すると若い年齢で認知症になる可能性は高くなりますので注意が必要です。
犬の認知症は、脳の加齢性変化でありどんな犬にも起こりうる可能性がある疾患です。
愛犬の認知症の主な症状をおさらいしておきましょう!
■認知症の主な症状5つ
愛犬に上記の様な症状が認められた場合にはもしかしたら認知症かもしれません。
認知症は早期に発見して、しっかりと対処していくと進行を抑えることができます。
愛犬の認知症でお悩みの飼い主さんは、今回紹介した犬の認知症への対処法や予防法などを参考にしてみてシニア期の愛犬と上手く付き合っていきましょう。
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