ラブラドールレトリバーの性格|とても温厚で賢い!飼い主のことが大好きで、かなりやんちゃな面も
まずは、ラブラドールレトリバーの性格について詳しく解説します。温厚で賢いことは間違いありませんが、注意すべき点もあるので押さえておきましょう。
温厚な性格で攻撃性が低い。初めて会う人や犬とも仲良くできる
@chocolab_bucky(チョコラブ バッキー)
犬の行動を調査した「C-barq(シーバーク)」という研究において、ラブラドールレトリバーは人・犬・ものに対する攻撃性や恐怖のスコアが低いという結果が出ています。
当然まったく警戒心がないわけではありませんが、初めて会う人や犬とも友好的に接することができ、見知らぬものに対しても怖がったり吠えたりしにくい傾向があります。数ある犬種のなかでも、温厚でフレンドリーな犬種と言えるでしょう。
賢くてもの覚えが早い。トレーニングが得意
@dante___570(黒ラブのダンテ)
盲導犬としても活躍していることからもわかるように、ラブラドールレトリバーはとても賢く人間のいうことをしっかりと理解できる犬種です。オスワリ・マテなどのコマンドを覚えるトレーニングはもちろん、スポーツや知育玩具での遊びも得意な子が多いでしょう。
賢いためにいたずらの天才でもあるので、悪いことを覚えないように注意しなければいけないという面もあります。
「賢い=学習能力が高い・学習スピードが早い」と捉えるならば、人間にとって都合の悪いことも覚えることが早いというわけなので注意が必要です。
飼い主のことは大好きだが、一人になっても大きな不安は感じにくい
@bonchan.331(ラブラドールのぼんちゃん)
ラブラドールレトリバーは人が大好きなので、飼い主に対しても大きな愛情を向けてくれます。飼い主に対してわかりやすく愛情を示してくれる犬種がいい人には向いている一方で、ストレスを溜めないために十分に遊んであげる必要があります。
一人になったときに不安を感じる「分離不安」の傾向はトイプードルなどの寂しがりな犬と比べると高くありませんが、遊び好きであるうえに体が大きいため留守番中の破壊行動には注意が必要です。一人にする時間をできる限り短くしたり、どうしても長時間家を空ける場合は預けるタイプのしつけ教室を活用したりするとよいでしょう。
人好きにもタイプがあり、
特定の人でなければいけない犬種もいますがラブラドールレトリバーはそうではありません。使役では主に盲導犬として使用されますが、訓練士からユーザーへと飼育者が変わってもそれほど大きなダメージを受けないこともこの性格のおかげだと思います。遊ぶことや人との関わりが大好きですので、欲求不満からくる吠えや破壊行動に注意が必要です。
かなりやんちゃな面もあり、特に子犬はパワフルに動き回る
攻撃性は低い犬種ですが、大型犬でスタミナがあるうえに遊びたいという気持ちが強いので、いつも落ち着いているというわけではありません。C-barqの「運動活性」の項目では、比較的上位のスコアが出ています。
特に子犬や若い犬はパワフルに動き回ったりいたずらをしたりということが多いので、問題行動を防ぐためのしつけ・トレーニングが欠かせません。しつけができていなければ、家の中だけでなく散歩中やお出かけの際に興奮して暴れてしまう可能性も。
「優しい」「温厚」「フレンドリー」=「落ち着いている」ではないことを理解しておきましょう。
力が強いためコントロールが難しく、散歩の引っ張りで悩まれる方が多いです。あまりにも引っ張るため、飼い主さんが転倒して骨折するという例も珍しくありません。他の犬が好きな犬も多いので、散歩中に他の犬に会うと興奮し飼い主の転倒や怪我につながることが多々あります。後述のフィールド系は身体能力が大変高く、飼い主の技術が問われるので初心者にはおすすめしません。
メスはオスよりも少しおとなしい性格になりやすい
@tsu_gram.lab(ラブラドール つーちゃん🐾)
犬は一般的に、メスのほうがオスよりも縄張り意識や警戒心が弱いので、比較的おとなしい性格になりやすいと言えます。また、体もメスのほうが小さい傾向があります。
とはいえ、性格は個体差が大きいものです。メスであれば絶対におとなしいと勘違いせず、どちらであっても十分なしつけ・トレーニングが必要です。
ラブラドールレトリバーの歴史・特徴|改良を重ねられ、水鳥を回収する鳥猟犬として活躍した大型犬
ラブラドールレトリバーがどのような歴史をたどって誕生・発展したかや、体重・毛色などの基本情報について紹介します。
カナダにルーツを持ちイギリスで発展。泳ぎが得意な鳥猟犬
@okinawa__labrador(Benny!!(スーパープリティーエンジェル👼ベニー))
ラブラドールレトリバーのルーツはカナダのニューファンドランド島にあると言われています。「ラブラドール」はニューファンドランド島がある地域の名前を指します。
ニューファンドランド島の周辺に住む漁師が水鳥を回収(retrieve)するために飼育していた「セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ」という犬がラブラドールレトリバーの祖先という説が有力です。
祖先となる犬が1820年頃にイギリスに持ち込まれ、作業能力の高さが話題となり改良・繁殖が進められていきました。ラブラドールレトリバーが犬種として正式に成立したのは意外にも遅く、1916年に犬種クラブが設立されています(※1)。
作業能力重視の「フィールド系」と容姿重視の「ショー系」がいる
ラブラドールレトリバーは、「フィールド系」と「ショー系」の2タイプに分けられます。フィールド系は鳥猟犬としての作業能力を重視したタイプです。撃ち落とした水鳥を回収することが仕事なので、野山を駆け巡るような優れた身体能力と、人と一緒に作業をしたいという意欲の高さが求められます。ショー系と比べて細身で脚が長く、頭が小ぶりで口元がすっきりしています。
対してショー系は、容姿を重視して交配を重ねられたタイプです。犬種図鑑に掲載されているものはほとんどがこのタイプで、ずんぐりむっくりとした体型でマズルが太く、口元にたるみがあります。
見た目だけでなく性格にも違いがあるので、お迎えする場合は親犬の情報を見てどちらの系統であるかを確認するとよいでしょう。
求めているものが違うのでどちらが優れているということではありませんが、一般的にショー系は、フィールド系と比べておっとり優しい性格をしているため家庭犬向きです。各系統にこだわって繁殖しているブリーダーさんもいますが、近年ではこれらが混ざっていることも多く、純粋なフィールド系・ショー系は少ないと思われます。
オス・メスどちらでも30kg前後になる可能性がある大型犬
@labs_bowshane_love(バウシェーン パパ)
ラブラドールレトリバーの体重はオスが23~34kg、メスが21~32kgほどで、どちらの性別でも30kgを超える可能性がある大型犬です。体高はオスで56~57cm、メスで54~56cmが理想とされています。
成犬になっても20kgほどしかない子も見られますが、そのようなケースはあまり多くありません。両親が小さいラブラドールレトリバーであっても想像以上に大きくなる可能性があります。大きな犬の飼育が難しい場合は、中型犬・小型犬を検討するのがおすすめです。
毛色は3種類で抜け毛が多め。チョコラブは興奮しやすいという説が多い
ラブラドールレトリバーの毛色はイエロー・ブラック(黒)・チョコレートの3種類です。ブラックは「黒ラブ」、チョコレートは「チョコラブ」と呼ばれます。イエローが最もよく見られ、次いでブラックが多く、チョコレートは比較的珍しいカラーです。
被毛は二重構造であるダブルコートで抜け毛が多く、特に春と秋の換毛期には大量の毛が抜けます。
毛色による性格の違いは、科学的には証明されていません。しかし、イエローは比較的おとなしく、チョコは興奮しやすいという説が多く見られます。
ドッグトレーナーや訓練士のなかでもチョコラブは興奮性が高いというのが定説ですが、この傾向は10〜15年前に比べると和らいでいると感じます。
ラブラドールレトリバーの飼い方・しつけ|スペース確保・子犬期からのトレーニング・十分な運動が大事
ラブラドールレトリバーの性格や特徴を押さえたうえで、飼育する際のポイントを紹介します。
大型犬を飼うことは決して簡単ではありません。愛犬の心身の健康を保ちながら、適切に飼育ができるかをチェックしましょう。
大型犬用のクレート・トイレを置けるスペースが必要。車もあるべき
@bruno0829(チョコラブ ブルーノ)
大型犬であるラブラドールレトリバーの飼育には、十分なスペースが必要です。横になったり伏せたりしても十分にくつろげるサイズのクレートを置く場所を確保してください。
子犬期に長時間の留守番をする場合、自由にすると破壊行動や誤飲などの危険があります。休憩と排泄ができるスペースを確保し、誤飲等を防げる安全に管理された環境で過ごすためには、クレートとトイレをまとめて囲うサークルが置ける程度の広さが必要です。
汚したくない場所であるクレートとトイレが近いと排泄を嫌がるというケースもあるうえ、成長後はさらに広いスペースが必要になります。大型犬に必要な生活スペースを取れるかを事前に確認しましょう。
また、お出かけや病気・介護の際などの移動のために自家用車があるのが望ましいでしょう。小型犬と異なり抱っこで簡単に運べる犬種ではないので、万が一の際やシニアになったときのことも考えて準備をしなければいけません。
犬の大きさにもよりますが、スタディ・ドッグ・スクールでラブラドールレトリバーをお預かりする際のクレートは縦100cm×横70cm×高さ75cmのサイズです。災害時のことを考えると日常的にクレートを使用し、いつでも入れる練習をしておきたいところです。
大型犬用ケージおすすめ6選|室内用や屋根付きからおしゃれなものも
多頭飼いは、性格の相性・体格差・年齢差などをふまえて慎重に
ラブラドールレトリバーと他の犬や猫が同居する場合は、性格の相性をよく考えなければいけません。特に、先住犬がおっとりとした性格の小型犬やシニアの小型犬の場合、ラブラドールレトリバーの子犬のテンションの高さに大きなストレスを感じることがあります。体格差が大きければ、じゃれているつもりでもケガをしてしまう可能性もあるでしょう。
先にラブラドールレトリバーを迎える場合は、ある程度しつけができ落ち着いてから同居猫や同居犬を迎えるほうがトラブルは少なくなります。また、犬に飛びかかられると倒れてしまうほどの小さな子供がいる場合は生活スペースを分けるのがよいでしょう。
私自身も、ラブラドールレトリバーとトイプードルを一緒に飼育していましたので決して無理ではありません
。あとからラブラドールレトリバーを迎えるのであれば、相性を加味したうえで先住猫や犬が安心して休める場所を確保することが必須です。
賢さゆえにいたずらをすることも。早い時期からのしつけがポイント
@goldbox_pino(GOLDBOX)
前述のとおりラブラドールレトリバーはとても賢く、さまざまなことを理解できる犬種です。トレーニングがしやすい反面、悪知恵が働いていたずらをすることもあります。また、人や犬が好きなあまり、追いかけまわしてしまったり飛びかかって倒してしまったりする危険も。
愛犬を危険な目に遭わせないためにも、飼い主が責任を持って子犬の頃から問題行動を防ぐためのトレーニングを行いましょう。
トレーニングが完了していない時期は、家の中で届く範囲にいたずらできるものを置かないことや、目を離す時間帯はケージに入れることなどが必要です。まずはいたずらがしにくい環境を整えることを意識しましょう。
人や犬との交流は、飛びかからず「マテ」ができたときにごほうびをあげるなど、正しい行動を繰り返し教えていく必要があります。以下の記事では犬のしつけ・トレーニングについて詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
犬のしつけの完全ガイド📕動画付きでわかりやすく基礎やコツを解説【トレーナー監修】
こちらの記事ではお迎え後にまずマスターしたい、トイレトレーニングの方法を紹介しています。
子犬のトイレトレーニングの簡単なしつけ方を紹介!誘導の仕方・失敗の原因は?
トイレトレーニングのしやすさに大きな犬種差はありません。1つ挙げるとすれば、大型犬なので大きめのトイレシートを用意し十分なスペースを確保する
ことがポイントです。トイレシートはトレーニング中の場合、最低でもスーパーワイドサイズを用意したいところです。
運動量はとても多い。1日30〜60分×2回の散歩と十分な遊びを
@__sorabou__(ラブラドールレトリバー そら)
おっとりしたイメージを持っているかもしれませんが、大型犬でありもともと鳥猟犬であったラブラドールレトリバーは運動量がとても多い犬種です。
毎日30〜60分×2回の散歩はもちろん、それに加えてボール遊びや引っ張りっこ、ドッグランで走り回るなどの運動が必要になります。
泳ぎが得意な犬種なのでプールや水辺で遊ぶのもおすすめですが、なかには泳ぐことが苦手な子がいるので様子を見て行い、得意な子であっても流されたり溺れたりしないように安全対策が欠かせません。
また、散歩中に興奮しやすい子には引っ張りを防止できるハーネスを使用するのもよいでしょう。
【引っ張り防止】犬用ハーネスのおすすめ46商品を比較!簡単装着&負担が少ないものは?
散歩は30分×2回が最低ラインですが、これだけでは満足しない犬が多いです。
人と何かすることを求められてきた使役犬ですので、しっかりと飼い主と遊ぶこと、コミュニケーションを取ることが必要です。ボール投げや引っ張り遊びのほか、ノーズワークもおすすめです。
ドッグフードは関節ケア成分入り&続けられる価格のものがおすすめ
後述するように、ラブラドールレトリバーは股関節の疾患が多いので、ドッグフードは関節ケア成分が入ったものがおすすめです。運動量が多いため、体づくりに役立つタンパク質を豊富に摂取できるかどうかもチェックしましょう。
【獣医師監修】ラブラドールにおすすめのドッグフード人気ランキング11選!
また、大型犬はかなりの食費がかかるうえ近年はドッグフードの価格が高騰しているので、家計に大きな負担がなく与え続けられるかもポイントです。アニコム損害保険株式会社の調査によると、大型犬の年間の支出は約52万円で、小型犬の1.5倍以上という結果が出ています。
フード・おやつは支出のうち最も多くの割合を占めており、その項目だけ見ると小型犬の2倍以上の費用がかかっています(※2)。
ラブラドールレトリバーは、近年の研究から遺伝的に肥満になりやすい傾向があることがわかっています(※3)。とはいえ、犬の肥満は飼い主さんの責任です。しっかりと栄養管理をして健康を保ちましょう。
ゴールデンレトリバーとの違い|どちらも水鳥漁をした犬種で、よく似た性格
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーはかけ合わせられた犬種が異なり、近い親戚関係ではないと言われています。しかし、どちらも水鳥猟を手伝っていた使役犬であり、賢く人懐っこい性格もよく似ています。
■ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーの違い
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ラブラドールレトリバー |
ゴールデンレトリバー |
画像 |
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ルーツ |
カナダの島で祖先が生まれイギリスで発達 |
イギリスで複数の犬種がかけ合わせられ誕生 |
用途 |
水鳥猟を行う使役犬 |
水鳥猟を行う使役犬 |
体重 |
20〜30kg前後 |
25〜32kg前後 |
被毛の長さ |
短毛 |
長毛 |
抜け毛 |
多い |
多い |
毛色 |
イエロー・チョコレート・ブラック |
ゴールド・クリーム |
性格 |
穏やか・陽気・賢い |
穏やか・陽気・賢い |
【トレーナー監修】ゴールデンレトリバーの性格や飼い方は?子犬の値段・寿命・病気を解説
ラブラドールレトリバーの価格・お迎え先|平均価格は約26万円。大型犬だから高いということはなし
ラブラドールレトリバーの価格と、子犬を選ぶ際の注意点を紹介します。
ラブラドールレトリバーは遺伝性の疾患が多いため、子犬選びのポイントを知っておくことがとても大事です。ブリーダーとペットショップのどちらがよいか迷っている人も確認しましょう。
平均価格は約26万円。毛色による価格の大きな違いはなし
ペットショップポータルサイトの「petmi」によると、2024年2月に集計したラブラドールレトリバーの平均価格は約263,680円です。
大型犬は高いというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、小型犬の平均価格は30万円を超える犬種も多く、むしろ比較的低い数値です。
なお、毛色による大きな価格の違いはなく、珍しいチョコレートでも平均は約28万円という金額でした。
親犬や育った環境の情報を提供してくれるお迎え先を選ぶ
次の見出しで後述するように、ラブラドールレトリバーは遺伝性の疾患が多い犬種です。遺伝子検査で問題がなかった子犬を選ぶのがよいものの、検査の種類・項目にはさまざまなものがあり、十分な数の検査が行われていないケースもあります。また、遺伝的な要因だけではなく、育った環境が影響して発症に至ることもあります。
病気の遺伝に関しては、遺伝子検査の結果に加えて親や兄弟を含めた親戚犬に発症している犬がいないかを可能な限り調べ、納得したうえでお迎えするとよいでしょう。
また、生まれたあとに清潔な場所でしっかりとごはんを食べ、兄弟犬などと交流しながら育っているかも確認しましょう。このような情報を提供してくれて、きちんと相談に乗ってくれるお迎え先であればブリーダーでもペットショップでも選択肢になると言えます。
ラブラドールレトリバーは股関節形成不全の好発犬種ですが、一般的な飼い主が購入するような子犬の時期では病気を発症するかどうかがわかりません。
あくまで一つの参考ですが、意識の高いブリーダーさんであればJAHD(日本動物遺伝病)ネットワークの検査でスコアが高い犬は繁殖に用いていないはずですので、そういったところを選ばれると良いと思います。
ラブラドールレトリバーの寿命・病気|平均寿命は12.7歳。遺伝性の股関節形成不全に注意
大型犬であるラブラドールレトリバーは、犬全体で見ると寿命がやや短く、大きな疾患にもなりやすい犬種です。お迎え前にしっかり知っておくべきである、寿命・かかりやすい病気について紹介します。
2023年発表の平均寿命は12.7歳で、他の大型犬よりやや長い
「アニコム家庭どうぶつ白書2023」によると、2021年度のラブラドールレトリバーの平均寿命は12.7歳です(※4)。
一般的に大型犬は寿命が短いですが、秋田犬は11.5歳、ゴールデンレトリバーは10.7歳、バーニーズマウンテンドッグは8.8歳と、他の大型犬と比べるとラブラドールレトリバーは比較的寿命が長い犬種です。
なお、チョコラブはイエロー・ブラックと比較して短命であることが研究で明らかになっています(※5)。
遺伝性の病気や悪性腫瘍になりやすい。医療費の備えは十分に
ラブラドールレトリバーは遺伝的に、股関節が正しく成長せず変形や痛みが生じる「股関節形成不全」になりやすい犬種です。また、悪性腫瘍にもなりやすい傾向があります。
「アニコム家庭どうぶつ白書2020」によると、ラブラドールレトリバーの年間診療費は全体の平均よりも2万円以上高い金額です(※6)。
病気のリスクを理解してお迎えをするのはもちろん、十分な医療費を備えておく必要があります。ペット保険への加入も検討しておきましょう。
ラブラドールレトリバーとの相性をチェック!
@royle_0710(ラブラドールレトリバーRoyle(ロイル))
犬種選びは、自分の生活スタイルや理想とする犬との関わり方に合っているかどうかが最も大切です。下記の内容で当てはまるものが多いほどラブラドールレトリバーが向いています。一つでも該当しないものがあれば、別の犬種も検討してみましょう。
◼︎ラブラドールレトリバーとの相性チェックリスト
◻︎毎日30〜60分分×2回の散歩に行ける
◻︎ボール・ロープなどを使って一緒に遊ぶ時間をこまめに作れる
◻︎問題行動を防ぐためのしつけの時間を十分に作れる
◻︎大きなクレート・トイレトレーなどを置けるスペースがある
◻︎お出かけや通院に使える自家用車を持っている
◻︎同居する犬・猫・子供に危険がない環境を作れる
◻︎家具の破壊やいたずらをしない環境を作れる
◻︎抜け毛が多くても気にならない
◻︎先天性の病気があっても十分な治療費の備えがある
ラブラドールレトリバーは、使役犬として活躍していることや大抵の賢い犬種ランキングで上位に登場することから、賢い犬で飼いやすいと思われる方が多くいます。しかし、飼いやすさの基準は人それぞれですので「賢い=飼いやすい」ではないということをしっかりと認識する必要があります。
まとめ
@rex.iroha2229(🐶黒ラブREXとボーダーいろは🐶)
ラブラドールレトリバーは、温厚で人懐っこく、とても賢い大型犬です。人の指示をよく理解できるので、盲導犬や警察犬としても活躍しています。優しい性格ではありますがやんちゃな面もあり、特に子犬は興奮性が高く、テンションが上がるとパワフルに動き回ります。賢い分、悪いことも覚えやすいのでしつけがとても大事になる犬種です。
祖先はカナダのニューファンドランド島周辺で、水鳥を回収させる犬として飼育されていました。その作業能力を重視した「フィールド系」と、ラブラドールレトリバーらしい容姿を重視した「ショー系」の2タイプがいますが、近年ははっきりと区別できない場合もあります。
毛色はイエロー・ブラック・チョコの3種類で、チョコは興奮性がやや高いとよく言われます。抜け毛はとても多く、換毛期には大量の毛が抜けます。
飼育の際はスペースの確保・問題行動を防ぐしつけ・十分な運動がポイントです。散歩は毎日30〜60分×2回が必要で、それに加えてボールやロープで一緒に遊んでストレスを発散させましょう。
平均寿命は12.7歳で大型犬のなかでは比較的長生きする犬種ですが、股関節形成不全や悪性腫瘍などのリスクが高いと言われています。医療費もかかりやすいので、十分な備えをしたうえで飼育を始めてください。
ラブラドールレトリバーとの相性チェックはいかがでしたか?初心者には扱いが難しい部分もありますが、正しい知識を持って十分な準備をしていれば飼育は不可能ではありません。この記事を参考に、ラブラドールレトリバーのお迎えを検討してください。
<参考>
(※1)一般社団法人ジャパンケネルクラブ「世界の犬 ラブラドール・レトリバー」、Wikipedia「ラブラドール・レトリバー」
(※2)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」
(※3)ScienceAdvances「Low resting metabolic rate and increased hunger due to β-MSH and β-endorphin deletion in a canine model」
(※4)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2023」
(※5)NATIONAL GEOGRAPHIC「チョコ色のラブラドール・レトリバーは短命、研究」
(※6)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2020」