ゴールデンレトリバーの性格|社交的で優しくやんちゃな、物覚えがよい犬種
ゴールデンレトリバーは見た目のとおり温厚で優しい性格であるうえ、とても賢い犬種です。一方でやんちゃな面もあり、きちんとトレーニングをしないと散歩中の引っ張りやパワフルな破壊行動に苦労することもあります。
まずは性格を詳しく解説していきます。
ゴールデンレトリバーは比較的温厚、陽気で人懐っこい性格の犬が多いです。しかし、音などに神経質な個体もいます。やんちゃな犬も多く、年齢を経ても無邪気でやや子供っぽい犬も少なくありません。
攻撃性や恐怖心が少なく、フレンドリーな優しい性格
犬の行動を調査した「C-barq(シーバーク)」という研究結果によると、ゴールデンレトリバーは攻撃性や恐怖心のスコアが低く出ています。
初めて見る人・ものを怖がりにくく、基本的には人に対しても犬に対してもフレンドリーで優しい性格の犬種です。恐怖心から攻撃してしまうことが多い小型犬に比べて、吠えや噛みつきのリスクは低いと言えます。
陽気で遊びが大好き。成犬になってもやんちゃな場合も
優しく賢いゴールデンレトリバーですが、とてもやんちゃという一面もあります。子犬から成犬になっても落ち着きが出ず「いつまでやんちゃなの?」と疑問に思っている方もいることでしょう。
これはやんちゃな時期が長いというわけではなく、もともと持っている陽気・遊び好き・人懐っこいといった子供っぽい性格によるものと考えられます。
成犬になっても子犬のような性格なので、いくつになっても甘えん坊で一緒にたくさん遊べる犬種がいいという方に向いています。
トレーニングが得意で、物覚えがとてもよい
ゴールデンレトリバーは、C-barqにおける「訓練性」のスコアも高く、人の言うことをよく理解して覚えることにも長けています。
飼い主がわかりやすい指示を出して訓練すれば、すぐに色々なことをマスターできる犬種と言えるでしょう。ただし、トレーニングをしなければ吠え・噛みつき・破壊などの問題行動は出てしまうもので、決して何もしなくていいわけではありません。
特にゴールデンレトリバーはやんちゃでとても力が強く、音に敏感な個体もいるので、以下の記事を参考にしてしつけ・トレーニングを行ってください。
犬のしつけの完全ガイド📕動画付きでわかりやすく基礎やコツを解説【トレーナー監修】
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賢いと言われる犬種は人にとって都合のいいことを覚えることが早い一方で、悪いことも覚えることが早いです。
また、どんな犬種でもトレーニングが必要で、勝手に賢くなるわけではありません。ゴールデンレトリバーは興奮性の高い個体もいるので、問題が表面化する前からのしつけが必要です。
飼い主に対する愛情が強いが、離れても不安になりにくい
ゴールデンレトリバーは、飼い主や同居の犬と離れたときに不安を感じる傾向である「分離不安」のスコアがとても低い犬種です。スコアが高い犬と比較すると、留守番で一人になっても問題が生じにくい傾向があります。
とはいえ留守番の練習は必要であり、トレーニングをせずにいきなり一人にすると不安になる可能性が高いでしょう。まずはケージに入って家の中で飼い主と離れる時間を作るところから始め、徐々に時間を延ばしていくトレーニングをしてください。
分離不安でひどく悩まれているという相談は受けたことがありませんが、
人懐っこい性格なので常に人とべったりな生活になってしまうと留守番に不安を感じることはあると思います。
C-barqの分離不安のスコアは低いものの、飼い主のことが大好きな犬種です。放っておかれることは決して好きではないので、留守番前後はしっかりとコミュニケーションを取ったり発散させたりする必要があります。
オスよりもメスのほうがおとなしい性格と言える
一般的に、オスよりもメスのほうがおとなしい性格であると言われています。これには活動性や縄張り意識などが関係しており、それらが低いメスのほうがおとなしく見えるというものです。
個体によるので一概には言えませんが、あまりにやんちゃだときちんとしつけられるか心配という場合は、メスのほうがよいでしょう。
犬は基本的にメスのほうが活動性や攻撃性、縄張り意識などが低いです。
ゴールデンレトリバーの歴史・基本情報|イギリスで繁殖され、人とともに水鳥猟を行った大型犬
ゴールデンレトリバーの起源の詳細は不明ですが、イギリスで生まれたのはほぼ確実であると言われています。水鳥を運ぶ狩猟犬として活躍した歴史があり、長く人とコミュニケーションを取ってきた犬種です。
ゴールデンレトリバーの歴史と、体重・毛色などの基本情報を紹介します。
複数の犬種が掛け合わせられ、水鳥を持ち帰る狩猟犬として活躍
ゴールデンレトリバーは、スコットランドのダッドリー・マーシュバンクス伯爵(のちのトゥイードマウス卿)が19世紀中頃に交配によって作り出した犬種という説が有力です。
ジャパンケネルクラブ(JKC)は「セターやウェービーコーテッド・レトリーバーなどとの混血による犬が祖先犬だったと考えるのが自然」(※2)としており、これらの犬種が掛け合わせられて生まれたと考えられます。
人間が撃ち落とした水鳥を泳いで陸に持ち帰る役割をしていたので、人の指示に従いやすく泳ぎが得意。黄金色の毛と、持ち帰るという意味の「retrieve」が名前の由来です。なお、「ゴールデンレトリーバー」と伸ばす形も正しい名称です。
体重はオスで30kg前後、メスで25kg前後の大型犬
ゴールデンレトリバーの体重はオスの場合は29~34kgほど、メスの場合は体重24~29kgほどです。なお、体高はオスが58~61cm、メスが54~57cmほど。
長くウェーブがかった被毛と、がっしりした体つきが特徴の犬種です。
毛色はゴールドとクリーム。ゴールドは胸に白が混ざる場合も
ゴールデンレトリバーの毛色はゴールドとクリームの2種類です。名称としてはこの2つのみですが、色の濃さは個体によって差があります。
基本的には単色ですがゴールドは胸に白い斑点が入る場合もあり、こちらも正式な毛色として認められています。次で解説する英国系のゴールデンレトリバーの毛色はクリームで、ルーツによって毛色が分かれる犬種です。
英国系と米国系の違い|イングリッシュゴールデンは白い被毛で、穏やかな性格と言われることが多い
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英国系
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米国系
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画像 |
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誕生した国 |
イギリス |
アメリカ
(アメリカで
英国系の
改良を行う) |
毛色 |
白に近いクリーム |
濃いゴールド |
日本での頭数 |
少ない |
多い |
性格 |
より穏やか |
穏やか |
ゴールデンレトリバーには英国系と米国系があり、英国系は「イングリッシュゴールデンレトリバー」「ヨーロピアンゴールデンレトリバー」とも言われます。日本で多く見られるのは米国系の血を引いた個体で、ゴールドの被毛です。
英国系は被毛がやや短く、クリームと呼ばれる米国系より薄い色をしています。瞳と鼻が茶色がかっておらず黒いことや、米国系よりもずんぐりとした体型であることも特徴です。性格にはっきりとした違いは見られませんが、英国系のほうが穏やかでおっとりしていると言われることが多くあります。
英国系ゴールデンレトリバーはここ数年で人気が高まっていますが数がとても少なく、ペットショップではほぼ販売されていません。また、近年は系統を重視した繁殖がされていない可能性があり、英国系だけでなく濃いのゴールドの被毛である純粋な米国系も少ないと考えられます。
個人的には英国系のほうがややおっとりしているように感じ、米国系のほうが興奮性が高くやんちゃなイメージです。どちらも、音などに敏感で神経質な個体がいます。
ゴールデンレトリバーの飼い方|広い・滑らない・子供に危険がない環境を作り、十分な運動をさせる
大型犬のゴールデンレトリバーを日本で飼育する場合、まずは犬にとっても飼い主にとっても快適な環境を整えることが大事です。飼育に必要なスペースの確保や、滑り防止、子供に危険が及ばない工夫などを行いましょう。
そのほか、運動や食事の管理、被毛のケアも大切です。
大型のクレートを置くスペースが必要。床の滑りや子供のケガにも注意を
ゴールデンレトリバーを飼うにあたって、十分な広さの飼育スペースを用意する必要があります。落ち着ける場所を作るために、体がしっかり収まるサイズの大型クレートを置きましょう。留守番が長い場合は、それに加えてトイレを中に設置できるサイズのサークルを準備しなければいけません。
また、足腰への負担を減らすために段差をなくしてマットを敷いて滑りにくい床にすることが必須です。比較的暑さに弱いので、夏場はエアコンの温度を低めに設定する必要があるでしょう。
さらに、小さなお子さんがいる場合は事故が起きないように注意が必要です。基本的には穏やかな性格ですが、力が強いうえに、やんちゃで特に興奮性が高いゴールデンレトリバーもいます。遊びやごはんで興奮した際にお子さんがケガをしないように、トレーニングをしたり接触しないようにスペースを分けたりと工夫をしてください。
日本の住宅の階段は幅が狭く急なので、基本的にはどの犬種も向いていません。また、大型犬は物理的に広いスペースを確保する大変さがありますが、
安心できるスペースを作ることは広さにかかわらず、どの犬種でも大切です。
小型犬よりもおおらかなので、性格的には子供のいる家庭でも向いていると思います。しかし力が強く、興奮性が高い個体もいるので、そういった性格の場合はお子さんの存在がマイナスに働きます。子供が興奮を助長してしまうことがあり、犬と子供が同じスペースにいるのであれば絶対に目を離さないことが必要です。サークルに入れても、子供が手を入れてしまうかもしれません。
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運動不足になりやすい。散歩は1日30分以上×2回が目安
大型犬は健康維持のために必要な運動量が多く、飼い主が散歩に連れていくことを怠るとすぐに運動不足になってしまいます。散歩は毎日2回、1回あたり30分以上行きましょう。暑さには強くないので、夏場の散歩は時間帯や長さを調整してください。
散歩をするだけでなく、引っ張りっこやボール投げで一緒に遊んで運動欲求を満たすこともポイントです。このような遊びがないと、欲求不満から留守番中の破壊行動につながる可能性があります。
レトリバー系の犬は力が強く、散歩で引っ張られ飼い主が転倒するケースがあります。引っ張る原因としては他の犬を見て興奮する、匂いなど興味があるところへ行こうとする、驚いて逃げ出そうとするなどが考えられます。そういったことを予防するための社会化トレーニングや横について歩く練習、引っ張り防止用ハーネスの使用などが必要です。
留守番中の破壊行動は、力が強い上に物理的に届く場所も多いことで小型犬では噛めないようなものも破壊対象になってしまいます。クレートやサークルなどを使用し破壊できない環境を作ることや、おやつやドッグフードを入れた知育玩具などの噛んで良いおもちゃを与えること、そのような状況を受け入れられるようにトレーニングすることが大切です。
大好きな水泳もおすすめ。事故に注意し、遊んだあとのドライヤーは十分に
前述のとおり、ゴールデンレトリバーは水鳥猟を手伝っていた犬種で、泳ぐことが大好きです。特に暑さが気になる夏場は、犬用のプールがある施設で泳がせたり、大きなタライで水浴びさせたりするのもよいでしょう。
しかし、流れの速い川では流される可能性があり安易に入るととても危険です。また、水に入ったあとは被毛の奥までしっかり乾かさなければいけません。生乾きの場合は皮膚病になりやすいので、乾かしてブラッシングでもつれを取り除くところまできちんと行ってください。
犬自身が水遊びが好きで、飼い主がさせたいのであればすればおすすめですが、絶対にやらなければいけないというわけではありません。他にも犬が満足する遊びはたくさんあります。
また、犬だから教えなくても泳げるわけではなく、中には泳ぎが苦手なゴールデンレトリバーもいます。パニックになることもありますし、溺れることもあります。もし水に入るのであれば徐々に慣らすことと、慣れた後も目を離さないことが必須です。
また、公共の場所では必ず法律や条例、マナーを守って遊んでください。
肥満防止のため、体型を見ながら食事管理を行う
ゴールデンレトリバーは、ややずんぐりした体型と毛の長さから、太っていることに気づきにくいこともあります。家庭で飼育される犬は与えられたものを食べるので、肥満は飼い主の与えすぎが原因です。BCS(ボディ・コンディション・スコア)を確認しながら食事を与え、肥満を防いでください(※3)。
以下の記事では、ゴールデンレトリバー専用のフードを展開するロイヤルカナンなども紹介しているので、ぜひご覧ください。
ゴールデンレトリバー向けドッグフード(餌)おすすめ人気ランキング8選【専門家が厳選】
犬が健康に過ごすために必要なごはんの量は、犬が満腹になる量よりも圧倒的に少ないです。したがって、
必要量より少し増やしたからといって犬の満腹感がアップするわけではありません。食事の管理は、決まった量以上をあげないことが第一です。
小さい頃に食べたことがないものは敬遠する傾向にあります。アレルギーに注意しながらさまざまなドッグフードやおやつを与えておくと、たとえば災害時に支給されたドッグフードを選り好みなく食べてくれることにも繋がります。また、病気等で療法食に切り替えた時など、今までのフードと違うものでも食べてくれる可能性が高まります。
抜け毛は多め。こまめなブラッシングが必須
ゴールデンレトリバーの被毛はダブルコートと呼ばれる二重構造で、毛量が多い犬種です。抜け毛も多く、特に換毛期にはかなり多くの毛が抜けます。
被毛が長いことや皮膚が弱いことも考慮し、毎日ブラッシングして抜け毛を取り除くようにしましょう。
毛が長いことで毛玉になりやすい点もあり、毎日のブラッシングが欠かせません。
また、ゴールデンレトリバーは「磯の香り」と表現できるような独特のにおいがあります。よだれも多い犬種ですので、それも臭いに関係しているかもしれません。一般的にどの犬種もメスよりオスのほうがにおいます。
ラブラドールレトリバーとの違い|実は親戚関係ではないが、性格はよく似ている
ラブラドールレトリバーとの違いが気になる方も多いのではないでしょうか。見た目や性格が似ており、水鳥猟を手伝っていた使役犬という歴史は同じですが、実は遺伝子的にはそこまで近くない犬種です。
■ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーの違い
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ゴールデンレトリバー |
ラブラドールレトリバー |
画像 |
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ルーツ |
イギリスで複数の犬種が
掛け合わせられ誕生 |
カナダの島で祖先が生まれ
イギリスで発達 |
用途 |
水鳥猟を行う使役犬 |
水鳥猟を行う使役犬 |
被毛の長さ |
長毛 |
短毛 |
毛色 |
ゴールド・クリーム |
イエロー・チョコレート・ブラック |
性格 |
穏やか・陽気・賢い |
穏やか・陽気・賢い |
ラブラドールレトリバーは短毛で、暗い毛色もある
密集した毛で量が多い点は同じですが、長毛のゴールデンレトリバーに対しラブラドールレトリバーは短毛の犬種です。
ラブラドールレトリバーの毛色は完全な単色でバリエーションも異なります。イエロー・チョコレート・ブラックの3色で、ゴールデンレトリバーにはない暗い毛色があります。
親戚関係と言えるほど近い犬種ではないが、性格に大きな違いはなし
ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは掛け合わせられた犬種が異なり、親戚関係ではないと言われます。ルーツを辿ると同じ犬種の血を引いている可能性があり、全く無関係ということはありませんが、同じく長毛のレトリーバー犬種であるフラットコーテッドレトリバーのほうがゴールデンに近い犬種です。
とはいえ、ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーはよく似た特性を持っており、社交的・陽気・賢いという性格は基本的に同じです。
個人的な印象ですが、
ラブラドールのほうがいい意味で鈍感、動じないところがあると思います。
また、ゴールデンのほうが一人の人間にべったりという印象です。
ゴールデンレトリバーの寿命・病気|寿命は10.9歳。股関節形成不全や腫瘍になりやすい
大型犬は基本的に寿命が短く、ゴールデンレトリバーも小型犬に比べると長生きではありません。遺伝的な疾患や腫瘍にもなりやすく、治療費もかかることを理解したうえで飼い始めてください。
平均寿命は10.9歳。大型犬の中でもそれほど長生きではない
アニコム損害保険株式会社の調査によると、2020年におけるゴールデンレトリバーの平均寿命は10.9歳(※4)です。一般的に大型犬は寿命が短く、同データ内の他の大型犬と比べると以下の通りで、大型犬の中でも特別長生きということはありません。
■大型犬の平均寿命
犬種 |
平均寿命 |
混血犬(体重20kg以上30kg未満) |
13.7歳 |
ラブラドール・レトリーバー |
12.6歳 |
シベリアンハスキー |
11.2歳 |
ゴールデン・レトリバー |
10.9歳 |
ブルドッグ |
9.4歳 |
バーニーズ・マウンテン・ドッグ |
8.7歳 |
股関節形成不全や腫瘍の発生率が多い。耳血腫にも注意
ゴールデンレトリバーは股関節形成不全という病気が多い犬種です。股関節が成長する際に変形・ゆるみなどの異常が生じて痛みやふらつきなどが出る病気で、成長期に発症するため1歳未満の子犬に最も多く見られます(※5)。
ゴールデンは遺伝的にそのリスクが高い犬種であり、遺伝的な要因が7割、環境的な要因が3割と言われています(※6)。子犬を迎える際は、両親ともに遺伝疾患の検査を受けており、問題のない結果であるかどうかを確認するのがよいでしょう。また、肥満に気をつける、サプリメントを飲む、滑らないようにフローリングにマットを敷く、段差をなくすなど環境を整えてリスクを抑えてください。
アニコム損害保険株式会社の調査によると、頭をふったり耳をかいたりすることで血腫が発生する「耳血腫」が他の犬種に比べて最も発生している疾患です。そのほか、血管肉腫・リンパ組織の腫瘍など腫瘍も全体的にリスクが高めです(※7)。
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診療にかかるお金が他の犬種よりも多め
アニコム損害保険株式会社によると、2018〜2019年におけるゴールデンレトリバーの年間平均診療費は119,063円です(※8)。
全体の平均が70,683円なので、5万円以上高いことがわかります。前述のとおり股関節形成不全や腫瘍のリスクが高いので、高額な治療が必要になることもあるでしょう。
ゴールデンレトリバーの価格・費用|2023年の販売価格は約26万円。大型犬は年に約50万円が必要
ゴールデンレトリバーの子犬の販売価格や、飼育に必要な費用について解説します。特に大型犬はお金がかかるので、余裕を持った状態で家に迎えてください。
子犬の平均価格は約26万円。クリームのほうが珍しく高価な傾向
ペットショップポータルサイトの「petmi」で調査したところ、2023年8月の平均価格は約262,433円でした。小型犬は平均30万円以上のことが多いので、意外にも小型犬より低い価格です。
なお、ゴールドは156頭掲載で約255,306円、クリームは4頭のみで約365,200円と、色が薄く英国系に近い毛色のほうが頭数が少なく高価でした。
大型犬は小型犬の1.5倍以上の費用がかかる
アニコム損害保険株式会社の調査によると、小型犬を飼育する際の支出は年間で333,394円、大型犬の場合は520,147円であり、小型犬の1.5倍以上の費用がかかります(※9)。
寿命が短いことで生涯の費用はそれほど大きな差にはならないものの、毎月・毎年かかるお金がかさみやすいので注意しましょう。なお、以下の記事では犬を飼う際の費用について詳しく紹介しています。
犬のお迎えにかかる費用は?飼うために必要なお金を初期費用・月々・一生に分けて解説
ドッグフードの費用が4分の1を占める。大型犬はしつけ代もかかりやすい
大型犬にかかる年間の費用である520,147円のうち、約4分の1にあたる131,642円がフード・おやつ代です。毎日食べるごはんは簡単にコストカットできるものではないので、かなりお金がかかるものと認識しておきましょう。関節の健康のために、サプリを飲むことになる可能性もあります。
また、しつけ・トレーニング料の項目に関しては、小型犬が7,463円、中型犬が2,099円であるのに対して、大型犬は37,797円と圧倒的に多いというデータが出ています(※10)。
大型犬はしつけをせず手に負えなくなると特に危険なので、専門家にトレーニングをお願いするケースが多いと考えられます。家で十分なトレーニングの時間を取れない場合は、幼稚園など預けるタイプのしつけ教室に通うことが必須になると認識しておきましょう。
大型犬の飼い主さんからは小型犬と比べ、大型なのでしっかりとしつけをしなければいけないと思って教室に通うことを決めたという声をよく聞きます。
ゴールデンレトリバーのミックス犬|テディベアのようなゴールデンドゥードルが人気
近年はゴールデンレトリバーのミックス犬も人気があります。特に、プードルとのミックスであるゴールデンドゥードルの人気が高く、「petmi」で調査したところ2023年8月は47頭の掲載がありました。
もこもことした被毛に包まれた大きなテディベアのような容姿がかわいらしいミックス犬です。プードルのとのミックス全般を「ゴールデンドゥードル」と呼びますが、大型犬のスタンダード・プードルとの掛け合わせが最も多く見られます。しかし、犬種団体に認められた正式な犬種ではありません。
そのほかのゴールデンレトリバーのミックス犬はとても珍しく、特にペットショップで出会うのは難しいでしょう。
スタンダード・プードルも陽気で人懐っこい犬が多いので、ゴールデンドゥードルは似たような性格同士が交配した犬種です。
明るく活発な性格である場合が多く、個体にもよりますがゴールデンレトリバーよりは若干毛が抜けにくいです。私はラブとのミックスも会ったことがあり、こちらも似たような性格同士なので基本的には陽気で明るく、人懐っこいです。
人気のミックス犬ランキングTOP50!可愛い全95種類・購入方法も紹介【2023年最新調査】
まとめ
大型犬のゴールデンレトリバーはイギリスで生まれた犬種で、水鳥猟をサポートする犬として活躍しました。体重は24〜34kg程度ほどで、長い被毛とがっしりとした体型が特徴です。穏やかでフレンドリー、かつ陽気でやんちゃな性格で、成犬になっても子供のような性格の犬が多いでしょう。訓練性が高く、教えたことをすぐ覚える賢さもあります。
しかし、やんちゃで力があり、一部で興奮性が高い個体もいます。きちんとトレーニングをしないと引っ張られてケガをする、家の中のものを破壊されるなど手に負えなくなる可能性が。子犬の頃からしっかりとしつけを行い、日々の散歩や遊びで運動欲求を満たしましょう。
毛色はゴールドとホワイトに分かれ、ゴールドは米国系、ホワイトは英国系にルーツを持ちます。近年人気がある英国系(イングリッシュ)ゴールデンレトリバーのほうがよりおっとりとした性格で、体型もややずんぐりしています。
平均寿命は10.9歳と、あまり長くはありません。股関節形成不全や腫瘍のリスクが高く、治療費も他の犬種に比べて高額になりやすいというデータがあります。お迎えする際は、十分な備えを準備しておきましょう。
決して飼育が簡単ではない大型犬ですが、ポイントを押さえてトレーニングをすればよき相棒になってくれるはずです。この記事を参考にして、ゴールデンレトリバーを新たな家族に迎えてくださいね。
<参考>
(※1)American Kennel Club「The Most Popular Dog Breeds of 2022』
(※2)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」
(※3)一般社団法人ジャパンケネルクラブ「世界の犬 ゴールデンレトリバー」
(※4)環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」
(※5)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」
(※6)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2021」
(※7)ふなばし動物医療センター かつまペットクリニック「股関節形成不全についてお話します」
(※8)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2021」
(※9)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2020」
(※10)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」
(※11)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」