そもそもわんちゃんは何歳からが長生き?平均寿命は14.76歳
2023年1月に発表された「2022年全国犬猫飼育実態調査」では、わんちゃんの平均寿命を14.76歳(※1)と発表しており、平均寿命を超えたあたりから長生きと言えるでしょう。
食事の種類の充実や健康意識の高まり、動物医療の進歩などから年々わんちゃんの平均寿命は延びており、1983年では7.5歳(※2)だったのがこの40年で約2倍近くになりました。
漠然と14歳と聞くとまだ若いイメージもありますが、人間の年齢に換算すると66~115歳!(※体の大きさにより異なる)わんちゃんの時間は人間の時間とは異なり、想像できないほどの速さで過ぎているのです。
わんちゃんの人間年齢については、以下の記事で詳しく解説しています。
愛犬は人間だと何歳?【犬の年齢換算表】最新計算方法や長生きのポイントを紹介
飼い主さんたちが思うわんちゃんの長生きの年齢
では、わんちゃんと暮らす飼い主さんたちは、何歳からが長生きだと思っているのでしょうか。この度、いぬなび編集部では全国の飼い主さん212人を対象に、わんちゃんの「長生き」に関する意識調査を行いました。
すると、小型犬や中型犬は15歳、大型犬では10歳からが長生きだと思うと回答した飼い主さんが一番多い結果に!
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■小型犬のわんちゃんは何歳からが長生きだと思う?
6歳:1人
7歳:1人
8歳:7人
9歳:4人
10歳:37人
11歳:4人
12歳:34人
13歳:19人
14歳:19人
15歳:54人
16歳:20人
17歳:4人
18歳:5人
わからない:3人
■中型犬のわんちゃんは何歳からが長生きだと思う?
6歳:1人
9歳:2人
10歳:30人
11歳:16人
12歳:35人
13歳:39人
14歳:28人
15歳:43人
16歳:8人
17歳:1人
18歳:7人
20歳:1人
わからない:1人
■大型犬のわんちゃんは何歳からが長生きだと思う?
6歳:1人
7歳:0人
8歳:5人
9歳:5人
10歳:56人
11歳:13人
12歳:38人
13歳:34人
14歳:16人
15歳:19人
16歳:8人
17歳:3人
18歳:5人
20歳:4人
わからない:5人
一般的に、小型犬や中型犬では7歳、大型犬では5歳を超えたあたりからシニア期に入ると言われていますが、近年はシニアでも元気なわんちゃんが多く、14歳や15歳のわんちゃんが珍しくないということもこういった結果になったのかもしれませんね。
室内で暮らすわんちゃんと外で暮らすわんちゃんの寿命の違い
わんちゃんの平均寿命が延びている要因の1つには、わんちゃんを室内で飼育する飼い主さんが増えているということもあります。
室内飼いのわんちゃんと外飼いのわんちゃんでは、室内飼いのわんちゃんのほうが2~3年長生きできるという調査報告も!(※3)
これは、外飼いのわんちゃんにはさまざまなリスクがあるためで、リスクは以下の通りです。
■外飼いのリスク
- 激しい温度差や暑さ寒さが体に負担がかかる
- ノミ、ダニ、蚊、野生動物、ネズミなど接触しやすく病気の感染リスクが高まる
- 飼い主の目が届かず異変に気付くのが遅れる
- 寂しさや孤独のストレスを抱える
- 見知らぬ人や物音、騒音に敏感になりストレスを抱える
- 脱走による事故のリスクが高まる
- 第三者によるイタズラ、虐待、誘拐のリスクが高まる
- ほかの動物とのケンカによるケガのリスクが高まる
必ずしも外飼いがダメ、室内飼いなら大丈夫、というものではなく、きちんと心身の状態に配慮し、健康管理やお手入れを行ってあげることが大切です。とは言え、室内飼いのわんちゃんのほうがこれらのリスクを回避しやすいということが寿命の違いに表れていると考えられるのではないでしょうか。
実際に飼い主さんに「室内飼いのわんちゃんと外飼いのわんちゃんに寿命はいがうと思いますか?」と質問したところ、アンケートでは以下のような結果になりました。
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■室内飼いのわんちゃんと外飼いのわんちゃんは寿命は違うと思う?
・思う:85.4%(181人)
・思わない:14.6%(31人)
室内飼いと外飼いの寿命の違いはあまり知られていませんが、多くの飼い主さんが寿命は違うと思っているようです。
実際、「2022年全国犬猫飼育実態調査」で発表されたわんちゃんの飼育場所は、2020年や2021年の数値と比べても、飼育場所の「主に屋外」が約半分ほどに減っていることがわかります。
年代 / 飼育場所 |
室内のみ |
散歩・外出時
以外は室内 |
室内・屋外半々 |
主に屋外 |
2020年 |
27.4% |
57.3% |
5.5% |
9.8% |
2021年 |
28.0% |
58.7% |
4.4% |
8.9% |
2022年 |
28.2% |
61.4% |
4.9% |
5.5% |
長生きさせるために室内飼いにしているわけではなく、「家族の一員」だから家族と同じ場所で暮らしたいという考えが浸透してきていることや、小型犬が多いことから室内で暮らすわんちゃんが増えていることが考えられますが、それが結果としてわんちゃんの寿命が延びることにつながっているのではないでしょうか。
室内飼いと外飼いで寿命が違うと「思う」・「思わない」と回答した飼い主さんたちの、実際のコメントをご紹介します。
【寿命は違うと「思う」】実際のコメント
外飼いの場合、思わぬアクシデントでケガをしたり、病気になる可能性がある。また夏の暑さや冬の寒さなど、季節の変化により、体調を崩してしまうおそれもあると思う。
室外飼いの場合、快適な温度だからストレスフリーで長生きになると思うから。
室内で飼っているわんちゃんは良い環境に慣れているので耐性が弱いと思う
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やはり室内で守られて育つのと外でさらされて育つのでは身体的なダメージやストレスの度合いが全く違うと思う為
外飼いが当たり前だった昔は寿命が5?6歳で、室内飼いが増えてから犬の寿命が伸びたと聞いたことがあるので。やはり外飼いよりは室内飼いの方がストレスが少ないと思うから長生きできるのだと思う。
どちらが長生きかは分からないが、外飼いの場合は活動的で健康促進を兼ねたり、気候への順応で免疫力がついたりと、寿命にポジティブな効果があるのではないかと思う。室内飼いの場合は、保護された環境にいるため逆に犬の耐性が低下して、病気になったり体調を崩すことが多いような気がする。
外飼いの方が長生きすると思っているコメントも20件近く見られ、漠然と寿命が違うのはわかっていても、室内飼いと外飼いのどちらがわんちゃんにとって良いかがわからない飼い主さんは意外と多いのかもしれません。
【寿命は違うと「思わない」】実際のコメント
室内飼いと外飼いで寿命が変わるなら長生きする方を選ぶから室内飼いがいたり外飼いがいたりしないと思う。
特に育て方の差はないと思うので、エサも同じなどあれば特に変わらないと思うから
特にストレスなども変わりそうにないし、寿命は関係ないと思う
また、「思わない」回答した飼い主さんでは、「寿命は別の要因があるのでは?」というコメントが多く見られ、わんちゃんの寿命に環境は関係ないと思っているようでした。
長生きする犬種は?個体差があるが小型犬が長生きの傾向に
わんちゃん全体の平均寿命は14.76歳ですが、体のサイズ別で見ると以下のように異なることがわかります。
■体のサイズ別の平均寿命(※1)
・超小型犬…15.31歳
・小型犬…14.28歳
・中・大型犬…13.81歳
では、犬種によっても平均寿命に違いがあるのでしょうか?
ここでは、犬種別の平均寿命やギネスに認定されたわんちゃんをご紹介します。
犬種別平均寿命
2013年4月~2014年3月にアニコム損保に契約したわんちゃん435,987頭を対象に、犬種ごとの平均寿命を調査したデータがあります。
データが古いことや対象が限られているものではありますが、比較的超小型犬や小型犬が上位に多く見られるようです。
■犬種別平均寿命一覧
犬種 |
平均寿命 |
イタリアングレーハウンド |
15.1歳 |
ミニチュアダックスフンド |
14.7歳 |
トイプードル |
14.7歳 |
柴犬 |
14.5歳 |
パピヨン |
14.4歳 |
ジャックラッセルテリア |
14.3歳 |
MIX犬(10kg未満) |
14.3歳 |
ウエストハイランドホワイトテリア |
14.2歳 |
カニーヘンダックスフンド |
14.0歳 |
MIX犬(10~20kg未満) |
13.9歳 |
ヨークシャーテリア |
13.8歳 |
チワワ |
13.7歳 |
シーズー |
13.6歳 |
ミニチュアピンシャー |
13.6歳 |
ポメラニアン |
13.4歳 |
ビーグル |
13.3歳 |
ミニチュアシュナウザー |
13.2歳 |
マルチーズ |
13.0歳 |
ラブラドールレトリバー |
12.8歳 |
アメリカンコッカースパニエル |
12.8歳 |
※参考:アニコム損害保険株式会社「犬種別の平均寿命を調査」
ミニチュアダックスフンドやトイプードルは、常にジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数の上位に名前が入っており(※4)、絶対数が多いので参考にはし難いですが、こういったデータもあるのは1つの目安になるのではないでしょうか。
アンケートで飼い主さんたちに質問してみたところ、似たような結果となりました。
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■どの犬種のわんちゃんが長生きすると思う?※複数回答
・プードル、トイ・プードル:43人
・柴犬:38人
・雑種:29人
・ダックス(ミニチュア含む):28人
・小型犬:15人
・チワワ:14人
・ゴールデンレトリバー:13人
・日本犬:11人
・大型犬:11人
・シーズー:6人
・ラブラドールレトリバー:5人
・秋田犬:5人
【5人以下の回答】
小型のミックス犬(3) / マルチーズ(3) / パピヨン(3) / 個体差がある(3) / ポメラニアン(2) / コーギー(2) / ジャックラッセルテリア(2) / 純血種(2) / 中型犬(2) / 室内犬(1) / ミニチュアピンシャー(1) / シベリアンハスキー(1) / 小型・中型犬のMIXの第一代目(1) / 犬種は関係なく、食事バランスと環境が良い犬(1) / 長くこの世に存在する正統派の犬種(柴犬や秋田犬など)(1) / 室内飼いの中型犬(1) / 愛情をたくさん受けているワンちゃん(1) / わからない(1)
飼い主さんが思う、長生きする犬種の理由も聞いてみたので、ご紹介します。
実際のコメント
※コメントはあくまでも個人の見解です
【トイプードル】
日本ではトイプードルの歴史が長く、知見もたまっている。命は関わらないが網膜萎縮などは血液検査で交配前に遺伝疾患の状況がわかったりと、遺伝疾患に対しては予防できる病気も多いと思っている
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かかりにくい病気が少ないのと、元々寿命が長めな超小型犬だからです。
なんとなく、知り合いたちが飼ってるトイプードルは長く生きているような気がする。
【柴犬】
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Twitterなどをみていても長寿で健康な犬が多いと思う。
【雑種】
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血犬の場合、犬種特有な病気の要因となるDNAを引き継いでおり、かえって虚弱体質になるのではないかと思う。また、新しい犬種も人間の生活や要求に融合するように敢えて自然の流れを変えた影響で、健康上の問題を抱えることが多いと感じる。雑種犬は過酷な環境を生き延びるDNAが発達したり、新犬種ではない古くから存在する犬種も同じ理由で「タフさ」が備わっているのではないか。
日本では、大型犬よりも小型犬や中型犬のほうが多く飼育されていることや、SNSで長生きわんちゃんの姿を目にすることができるといったこともこうした結果になったと考えられます。
また、大型犬のほうが短命というのも有名な話ですね。しかし、実はわんちゃんの体の大きさと寿命の関係は、さまざまな推測が立てられているものの明確にはなっておらず、なぜ小型犬が大型犬よりも長生きする傾向にあるのかはわかっていないのです。(※5)
実際、現在世界最高年齢でギネスに認定されているわんちゃんは大型犬!長生きするわんちゃんは、体のサイズや犬種云々ではなく、個体差によるところが大きいのかもしれません。
大型犬でも長生き!世界最高齢のギネス認定されたわんちゃんは31歳存命中
現在、「史上最高齢の犬」と「存命中の最高齢の犬」でギネス認定されているのは、ポルトガルで暮らすラフェイロ・ド・アレンティジョの『BOBI(ボビ)』くん、31歳です。(※)
ラフェイロ・ド・アレンティジョはポルトガルが原産の大型犬で、平均寿命は12~14歳とされていますが、平均寿命を倍以上も超えているのは凄いことですね。
1992年5月11日生まれのボビくんは、1992年にレイリア地方の動物医療サービスに登録されたことや、ポルトガル政府に承認されたペット・データベースで確認が取れています。
視力の低下や足腰の衰えはあるものの、健康状態は良好とのこと。多くの飼い主さんの夢や希望でもあるボビくん、これからもどんどん記録を更新していってほしいものです。
※参考:ギネスワールドレコーズ公式サイト「ポルトガルに住む犬「ボビ」が史上最高齢の犬に認定」
わんちゃんの長生きには【愛情】も関係ある?科学的根拠はないが「関係ある」と考えられている
わんちゃんの長生きには、飼い主さんの愛情も関係があると考えられています。その理由は主に2つ。
一つはわんちゃんと猫ちゃんの長生きに関する研究で、長寿に関連する要因はわんちゃんの健康と飼育条件に関する飼い主さんの配慮レベルに依存すると結論付けています。(※6)
また、もう一つは、スキンシップや見つめ合うことによって、幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されることです。オキシトシンは、ストレスや不安を軽減し、免疫力を高めるなど、さまざまな働きをしてくれます。(※7)
もちろん、個体差や遺伝、病気などさまざまな要因があるため、必ずしも愛情をかけたからといって長生きできるわけではありませんが、愛情をかけないよりも愛情をかけたほうがそのわんちゃんの寿命は1日でも長くなることは間違いないでしょう。
では、一般の飼い主さんはどう思っているのでしょうか。
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■わんちゃんの長生きには飼い主さんの愛情も関係あると思う?
・あると思う:92.5%(196人)
・ないと思う:7.5%(16人)
飼い主さんの多くは「あると思う」と回答しており、理由としてストレスや体調の変化に気づきやすいことをあげていました。
■「あると思う」実際のコメント
病気や体調不良にいち早く気づくのは、日々しっかりと接していないとできないと思うから
人間の赤ちゃんに愛情を与えないで育てた結果大人になれずに亡くなってしまったという学術結果があるくらい愛情は生きていくために必要なものなので、犬も同じだと思うから。
一方で、「ないと思う」と回答した飼い主さんでは、こんなコメントも…。
■「ないと思う」実際のコメント
以前、キャバリアを飼っていましたが、10歳くらいで亡くなったから。キャバリアはもともと寿命が短いので、注意してましたが、あまり効果がなかったです。
愛と生物学とは切り離して考えるべきだから。愛があっても死ぬ時にはさっさと死ぬのも確かだから
喋れるわけではないので、痛みや病気などに必ずすぐに気づくことは難しく、どんなに愛情を注いでいても病気にはかかってしまうしいつかかるかも分からないので、こればっかりは愛情で長生きするかは関係ないと思います。
確かに、飼い主さんがどんなに気をつけていても、わんちゃんも生き物である以上、病気になってしまうものです。しかし、その病気にいち早く気づいてあげられるか、予防できる病気にかからせない努力をするということは、やはり飼い主さんの日々の観察や接し方、心構えに関わってくるのではないでしょうか。
オキシトシンについては、以下の記事でも解説しているのでチェックしてみてくださいね。
犬がかわいいのはなぜ?犬の可愛さを徹底追及!癒される理由にも迫る【犬好き300人アンケート】
わんちゃんの長生きには【性格】も関係ある?「関係ある」と考えられている
長生きするわんちゃんの傾向は、「おっとり」「温和」「シャイ」「のんびり」な性格であるとされており、長生きには性格も関係していると考えられています。
カナダのシャーブルック大学の進化生物学者ヴィンセント・カロー氏は、「従順な犬は長生きする傾向にある」との調査報告を発表しており、性格がエネルギー消費と何らかの形で関連しているとしてます。(※11)
ほかにも、エネルギー消費量説や食事量説、ストレス説など、さまざまな仮説が立てられていますが、明確な答えは出ていません。
■わんちゃんの性格と寿命の関係の仮説
- エネルギー消費量説
…正味エネルギーは体を維持するために必要だが、活発で代謝が激しいと正味エネルギーが少なくなり健康を維持できなくなる
- 食事量説
…わんちゃんが一生で食べる食事の量は決まっており、食に貪欲だと必要以上に食べてしまい寿命を縮める可能性
- ストレス説
…神経質や縄張り意識が強いなど、過剰なストレスが負担となる
- エネルギッシュ説
…活発やエネルギッシュなど、激しい運動をすることで心臓に負担がかかる
また、活発なわんちゃんや好奇心旺盛なわんちゃんはケガや事故のリスクが高まるなど、はっきりとした答えはないものの、性格によって寿命を縮めるようなことが起こり得るリスクがあることも指摘されています。
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■わんちゃんの長生きにはわんちゃんの性格も関係あると思う?
・あると思う:75.9%(161人)
・ないと思う:24.1%(51人)
アンケートでは、長生きと性格についても聞いてみたところ、わんちゃんの長生きにはわんちゃんの性格も関係「あると思う」と回答した飼い主さんは7割以上と多く、おっとりしたわんちゃんや大人しいわんちゃん、マイペースなわんちゃんが長生きするような気がするというコメントが多く見られました。
■「あると思う」実際のコメント
繊細な犬はストレスを溜めやすく病気になりやすいと思う
好奇心がありすぎたりすると交通事故や誤飲等による不慮の事故の可能性もある
無駄吠えをしたり、興奮しやすい犬はそこにエネルギーを使って寿命が短くなると思うから
ストレスやエネルギーなど、仮説にあるような点を挙げている飼い主さんがほとんどでした。
■「ないと思う」実際のコメント
人間と異なり精神面が肉体面の疾病に与える影響はやや少ないと思うからです。
もともと病気の元となる遺伝子を持っており突然死する犬(特に小型犬や新種犬)も多いので、一概に性格が関係しているとは言い難い。
長生きするかどうかは、基本的な体の作りや毎日の過ごし方、食事の内容によると思う。性格による影響はないような気がする。
一方で、「ないと思う」と回答した飼い主さんでは、「性格は関係ない気がする」というコメントが多く見られました。
確かに、性格だけが関係するわけではありませんが、ストレスを抱えやすいわんちゃんは体調不良を起こすリスクが高まることを考えると、まったく関係ないとも言い切れないのかもしれません。
愛犬に長生きしてもらうために気をつけていることがある飼い主さんは多数!
愛犬に長生きしてほしいと思うのは、飼い主さんみんなが思っていることでしょう。
わんちゃんに長生きしてもらうために気をつけることはたくさんありますが、実際にどれくらいの飼い主さんが気をつけているものなのでしょうか。
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■愛犬に長生きしてもらために気をつけていること(気をつけていたこと)はある?
・ある:75.9%(161人)
・ない:24.1%(51人)
実に7割以上の飼い主さんは、気をつけていることが「ある」と回答していました。
そこで気になるのが、どんなことに気をつけているかということではないでしょうか。実際のコメントをご紹介します。
飼い主さんたちが気をつけていることは「食事」や「運動」
■気をつけていることの傾向まとめ※複数回答
・食事を気をつける(質、添加物、栄養バランスなど):110人
・適度な散歩や運動:45人
・病院に連れて行く(定期検診を受ける・診察を積極的に受ける):28人
・ストレスをかけない:17人
・デンタルケア:7人
・室内の温度に配慮する:7人
・犬種がかかりやすい病気に注意する:6人
・愛情をかける:5人
・若い時よりも注意深く見守る:4人
・水分補給を気をつけている:4人
・体をいつもキレイにしておく:3人
・極端に暑い・寒いときに無理な散歩はさせない:3人
飼い主さんたちが気をつけていることで、最も多く見られたのは食事に関することでした。
■実際のコメント
グレインフリーや無添加などの良質なドッグフードを与えるようにしていますし、定期的にクリニックで診てもらっています。毎日散歩をさせてストレスがたまらないようにしています。
健康であるなしに関わらず、月に一回医師の健康診断を受けたり、飼育記録をとってなるべく不調を早く見つけられるようにしている。
ダックス系統なので、ヘルニアを発症させないこと。暑さに弱いので温度管理はしっかりとすること。あとはお散歩などで筋力を衰えさせないようにしたり、適度にストレスに対しても慣れさせておくことなどを気をつけています。
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健康的な食事と適度な運動。たくさん可愛がって愛してあげる。
ストレスを溜めさせないこと、広いスペースで過ごさせてゲージに入れないこと、安い市販のフードではなく高くて安全なものを与えること。
太らせないこと。適正な体格(体重)を保つようにすること。
あまりジャンプをさせないようにしています。関節などのことを考えて
近年は、わんちゃんの健康に配慮したさまざまなドッグフードが販売されているためか、ドッグフードの添加物やグレインフリーに関するコメントもたくさん見られました。
しかし、気になるのは必ずしも「グレインフリーが良い」「添加物の使用されていないドッグフードを与えていれば良い」というわけではないという点です。
わんちゃんに長生きしてもらうために食事内容に気をつけることも大切ですが、正しい知識を持つことが重要と言えるでしょう。
グレインフリーとグルテンフリーの違い!犬の体に良いだけじゃない?【獣医師監修】
犬のおやつやドッグフードに含まれる添加物は危険?涙やけやアレルギーの原因になるって本当?【添加物一覧付き】
【獣医師監修】ドッグフードに塩分はなぜ入っているの?量や表示の見方も!
わんちゃんの長生きについて聞いてみたいことは「食事」「運動」「医療」「その他全般」
長生きしているわんちゃんを見ると、どんな食生活なのか、散歩はどうしているのかなど、疑問に思うことはたくさんありますね。
実際、アンケートに協力してくれた飼い主さんたちに「わんちゃんの長生きについて聞いてみたいことはありますか?」と質問したところ、実に多くの質問が寄せられました。
【食事に関すること】
お菓子などドッグフード以外をあげるのは良くないのか?
市販のフードには体に悪い成分が沢山入っていて、それを与えていたら長く生きる事ができないと考えている人が沢山いると知りました。私は市販のフードでも安全性は高いので与えていますが、それは飼い主として悪い事なのでしょうか。sns上では市販のフードを与えている人はさも、犬の健康なんて考えていないと言われているので気になっています。
長生きしているワンちゃんはどんな食べ物を食べているのか秘訣を知りたいです。
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食事などについては、少し聞いてみたいです。割と手作りをしてる方も多いので、それで何か変わるのかな?と思っています。
ドッグフードと手作りご飯どちらが良いかが知りたいです。
長生きするにはどういうエサを与えればいいのか。また、回数なども関係しているのか聞きたいです。
ドッグフードの種類は年齢に応じて変えていった方がいいのか。シニア犬用などに変えるタイミングの目安等。
【運動に関すること】
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お散歩が大好きですが、つかれすぎるのもどうなのかな?と疑問に思ってます。
年を取ったら運動はあまりさせない方が良いのかどうかということを知りたいです。ハードな運動だけではなく、散歩の時間を短くしたり、歩く距離を短く(ある程度の時間散歩はするけれどほぼ抱っこなど)した方が良いのかなど。
【病気や医療に関すること】
やはり定期的な検査をすることで病気等の早期発見により長生きする可能性は高まるものですか
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かかりやすい病気やその兆候、いつ病院に行ったらいいかのタイミング
健康寿命を延ばすためにすぐに実践できることがあれば知りたい。
【その他全般に関すること】
どんな食生活やわんちゃんにとって快適な室内の温度を教えて欲しいです
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どういう風に育てれば長生きするのか、長生きをするために飼い主としてやるべき事は何かが知りたいです。
長生きにつながる食事の内容や、運動、マッサージなどがあればどんなことでもいいので知りたい
どんなおもちゃを与えてあげると寿命が長くなりやすいのか、水は普通に水道水で良いのかなど詳しく聞いてみたいです。
ストレスを与えない生活をさせてあげるにはどうしたらいいのかを知りたい。
これらの疑問は後にご紹介する「【結論】愛犬に長生きしてもらうためにすることはこの6つ!」でも解説していますが、やはりご長寿犬と暮らしている飼い主さんにも聞いてみたいというのが本音ではないでしょうか。
そこでいぬなび編集部では、実際にご長寿わんちゃんの飼い主さんたちに取材をさせていただきました!
犬の長生きの秘訣に迫る!食事や健康管理で気をつけていることは?ご長寿犬飼い主さんたちに聞いてみた
せっかくなら、ご長寿わんちゃんがどんなものを食べ、お散歩はどうしているかなど飼い主さんに聞いてみたいですね。
今回、以下の10項目について4人の飼い主さんにお話を聞かせて頂きました。
・普段のごはんはどんなものをあげている?
・これまであげてきたドッグフードは?
・おやつはどんなものをあげている?
・ごはんを食べないときの工夫は?
・ごはんをあげる回数は?
・お散歩の時間や頻度は?
・動物病院にかかる頻度は?
・健康診断はしてる?
・普段の生活の中で気をつけていることは?
・長生きの秘訣だと思うことを教えて!
ご長寿わんちゃんを紹介!
まずは、協力してくれたわんちゃんたちをご紹介します。
※画像はすべて許可を得た上で掲載しております。無断転用は禁止です。
ミニチュアダックスフンドの『ディープくん』|18歳
■わんちゃん情報
名前:ディープくん♂
犬種:ミニチュアダックスフンド
生年月日:2005年7月31日
性格:人見知りで犬見知り。自分の世界を持っていて邪魔されるのを嫌う。わりと怖がりで臆病。優しくて穏やかで物覚えが早く、カンが良くて頭もいい。
X(旧Twitter)アカウント:ㄝぃ @deep_sei
ディープくんは2019年に網膜萎縮症で全盲になってしまったけれど、全盲であることを感じさせないくらい、いつも生き生きと楽しそう!目が見えなくても、飼い主さんの愛と幸せに包まれて守られているからなのでしょうね。
ミニチュアダックスフンドの『ろっくん』|20歳3ヶ月
■わんちゃん情報
名前:ろっくん♂
犬種:ミニチュアダックスフンド
生年月日:2003年5月16日(家に来た日)
性格:内弁慶の寂しがり屋さん。けっこう我がままの頑固で甘えん坊
X(旧Twitter)アカウント:👉アリエス♈👈 @x351jaguar_xj
ろっくんはベッドからはみ出して寝るのが大好きなようで、いつもズリスリッとしたまま寝ちゃうそう(笑)20年間ほとんど一人で留守番したことがなく、誰かがいつもそばにいて過保護に育てたそうですが、愛がたっぷり、幸せたっぷりで過保護万歳!!でしょう。
ヨークシャーテリアの『ピッピちゃん』|20歳1ヶ月24日🌈
■わんちゃん情報
名前:ピッピちゃん♀
犬種:ヨークシャーテリア
生年月日:2002年4月30日(2022年6月24日没)
性格:マイペースで甘えん坊で飼い主さんに一途。同居していたチワワの風雅くんとは仲良し
X(旧Twitter)アカウント:風雅&ピッピ🌈ママ @KKsxirntPEqIXVa
虹組から参加してくれたピッピちゃんは、20歳1ヶ月でも自分の足で一生懸命に歩く姿がTwitterで感動を呼びました。頑張り屋さんのピッピちゃんにパワーをもらった人はたくさん!飼い主さんのたくさんの愛情をしっかりと受け止め、返してくれていたのでしょうね。
ミニチュアダックスフンドの『ハッピーくん』|19歳5ヶ月9日🌈
■わんちゃん情報
名前:ハッピーくん
犬種:ミニチュアダックスフンド
生年月日:2003年2月17日(2022年7月26日没)
性格:人見知りで小心者。絶対に人に吠えたりしない優しい子
X(旧Twitter)アカウント:茶色のハッピー選手🌈とチャッピー選手 @Dachs_happy
虹組から参加してくれたハッピーくんは、スイカが大好きなお茶目さん。一生懸命に食べて、歩いて、きばって、寝てという姿は、多くの飼い主さんに夢と希望を与えてくれました。飼い主さんのお世話の仕方も勉強になり、ハッピーくんが幸せに包まれていたことがよくわかります。ハッピーくんが旅立ったの飼い主さんの誕生日というのも、優しさを感じますね。
ご長寿わんちゃんたちが普段食べている(いた)主なごはんは、以下のものでした。
■普段の主なごはんは?
・食べてくれるものをいろいろ試していた
・Dr.宿南のキセキのごはん シニア
・K9ビーフとROYAL CANIN腎臓サポートの混合、ササミボイル
・ヒルズの消化ケアと缶詰id缶、ロイヤルカナン消化器フード、ロイヤルカナンリキッド、ロイヤルカナン消化器フード缶詰、ビルジャック
ハイシニアになるとさまざまな病気になり、療法食が必要になることもありますが、食べてもらうことが優先となるため、獣医師と相談しながらいろいろ試してみたり、食べてもらえるように混ぜたりしているようです。
また、これまで与えてきた主なドッグフードは、以下のものでした。
■これまでの主なドッグフードの経歴は?
・いろいろ試していた
・アボダーム、和の究み
・ヒルズサイエンス小粒、ロイヤルカナン小粒
みなさん特別変わったごはんというわけではないようです。
続いて、おやつを見ていきましょう!
■普段あげている(いた)おやつは?
・チュール
・ドギーマン 絹紗 ささみ キューブ 野菜、焼き芋
・人が食べるシュークリームの皮、饅頭の皮、Doggy Manのぜいたくビーフの生ハム風
・すべて国産のジャーキー、アキレス、豚の耳、歯磨きガムはVirbac C.E.T.ベジデントフレッシュ、国産のボーロ、長崎県産煮干し、脂質が無い国産のオヤツ
シニアになると、柔らかめのおやつを好むわんちゃんも多いですが、硬めのおやつが好きなわんちゃんもいます。愛犬が食べやすいものや、好きなものを与えているという印象を受けました。
すべて国産のおやつにしている飼い主さんに国産のこだわりを聞いてみたところ、
国産の理由は外国産のおやつを食べると必ず下痢をしていたので。
とのことでした。
わんちゃんの体質によっておやつも合う合わないがあるので、お腹の調子も見ながらおやつを選んであげるといいですね。
私の愛犬でも経験ありますが、高齢になればなるほど頑固でこだわりが強くなり、食べてくれなくなることも珍しいことではありません。そんなとき、ご長寿わんちゃんの飼い主さんたはどんなことをしているのでしょうか。
今までは手作り以外の色々な事を試してみましたが、最近は半強制でお口の脇から入れて食べてもらっています。
自分からはいつまで放置しててもドックフード食べないしササミばかりだとお腹壊すので、箸で無理にでもドックフードを潰してふやかしてペースト状にして食べさせてます
手作りのお好み焼きをあげていました。中身はキャベツ、山芋、人参、じゃがいも、さつまいも、ササミなど、作る日によって中身は色々変えていました。油は使ってません。ほかにも、鳥ミンチの肉団子、スイカ、ふだ肉の油を抜いて茹でたの、馬肉などをカリカリに混ぜたりしてました。
食べることは生きるための基本となるので、何とか食べてもらうためにいろいろなものを試したり、食が進みそうなものを作ってあげる、半分強制で食べてもらうということをしているようです。
どうしてもハイシニアになると、嗅覚や消化器官の衰えはもちろん、気分が影響してくるので自発的に食べてくれないということもありますが、食べたくないというわけではないことを察してあげることが大切でしょう。
■強制的に食べてもらうときの見るべきポイント
本当に食べたくないときは、口の脇から入れようがシリンジを使おうが、飲み込むことはしないという点を覚えておいてくださいね!
ごはんをあげる回数が1日1回というのは、どんなに若く健康なわんちゃんでも絶対にNGです!では、ご長寿わんちゃんのごはんの回数はどれくらいでしょうか。
■ごはんをあげる(あげていた)回数は?
・1日2回…2人
・1日3回…2人
シニア犬のごはんの回数は、胃腸の負担を軽減するためにも1日3回以上が理想ですが、働いているとなかなか難しい場合もありますね。
その場合はなるべく消化に良いものを与えてあげるようにしましょう。
お散歩の頻度や時間についても聞かせて頂きました。
今20歳ですが18歳でヘルニアになり歩きにくくなってからは雨以外は毎日近所を抱っこして20分位歩いてます
2日に1回気が済むまで歩かせてました。10分から1時間内ぐらい
後にご紹介する「【結論】愛犬に長生きしてもらうためにすることはこの6つ!」で詳しく解説していますが、お散歩はわんちゃんにとって良い刺激を与えてくれるものです。ご長寿わんちゃんたちもしっかりお散歩をしているからこそ、元気に過ごすことができている(できた)のかもしれませんね。
では、ご長寿わんちゃんたちは動物病院のお世話になる頻度はどれくらいなのでしょうか。まずは、健康診断について聞いてみました。
定期的に病院行く度に血液検査とエコーはしてるので、健康診断は年1回です
大きな病気をするまではあまりする事はありませんでした。膵炎などになってからは2ヶ月から3ヶ月に1回は病院に行って検査してました。
2人の飼い主さんは半年に1回は健康診断をしているようです。とは言え、病気で定期的に通院しているといろいろな検査を頻繁にするため、それが健康診断のような役割になっているので、4人の飼い主さんすべてがマメに検査をしていると言えるでしょう。
では、定期的な通院や、定期的な通院以外での頻度はどれくらいなのでしょうか。
■定期的な通院はある?ある場合の頻度は?※頻度が多い順に記載
・月に1回
・2ヵ所の病院を6週間に2回(3週間ごとに1ヵ所)
・毎年2回
・17歳6ヶ月まではなし
■定期的な通院以外で動物病院にかかる頻度は?※頻度が多い順に記載
・毎日点滴
・最近は発作が1ヶ月に1回位でおこってるのでその都度
・大きな病気をしてからは2ヶ月〜半年の間には必ず1、2回は最低でも
・半年に1度くらい
わんちゃんが若い頃は動物病院のお世話になることが少ないですが、人間と同じでシニアになると病気や体調不良で動物病院のお世話になることも増えてきます。
健康診断だけでなく、獣医師から指示された頻度での定期的な通院や、不調があったときにきちんと動物病院で診察を受けることはとても大切なことなのではないでしょうか。
多くの飼い主さんたちが気になっているのは、愛犬に長生きしてもらうためにどんなことに気をつけたらいいかということでしょう。
実際のご長寿わんちゃんの飼い主さんに話を聞ける機会はそうそうないと思うので、ぜひ参考にしてください。
■普段の生活の中で気をつけている(いた)ことは?
出来ない事が多くなって、楽しみが減っていくだろう生活の中で、出来るだけ楽しい嬉しいがあるような過ごし方をしている。
欲しがらなくてもご飯はきちんと食べさす事と家での運動がてら自由に徘徊させるのと気分転換
高齢になると視力が低下するので家の中のハッピーが入り込める隙間を全て無くしてました。段差もなくして床が滑らないように滑り止めシートを床に全て貼りました。後は必ずカメラで見える位置で留守番させるようにしてました。
飼い主さんそれぞれ、気をつけていることは異なりますが、どれもとても大切なことですね。
最後にズバリ!長生きの秘訣も聞かせて頂きました。みなさん「秘訣なんてないなぁ」と困っていましたが、もしかしたらそれが秘訣なのかもしれません。実際、ギネスに認定された世界最高齢のボビくんの飼い主さんも、長生きの秘訣を聞かれて特別なことはしていないと答えていたぐらいです。
そうは言っても、何かあるのではないかと何でも知りたいのが飼い主心情というもの!無理を言って、長生きの秘訣だと思うことを教えて頂きました。
秘訣はないと思います。無理に上げるとすれば…
パピーや幼少期のしっかりとした身体作り、あとはいっぱい一緒にいて楽しく過ごすこと。でしょうか。
長生きしてくれてますが、特別な事は一切なく、でも小さい時から1日1回長時間(2時間弱位)散歩させて体力はつけてきたかなとは思います。それと様子見は一切せず大した事なさそうな事でもすぐ病院
ハッピーは小さい時から極力ゲージにあまり入れずに自由に生活させてました。イタズラする事はありましたが大人になると毎日お利口に留守番もしてました。約16歳までは特別な日以外は人間が食べる食べ物を殆ど与えずに病院で販売しているフードと国産のオヤツを食べて育ちました。そのおかげかはわかりませんが17歳6ヶ月まで大きい病気はした事も無く入院もした事ありませんでした。
愛犬の身体作りやどんなことでも動物病院に行くこと、自由に楽しく過ごしてもらうことなど、普段やってそうで実はできていないこともあるのではないでしょうか。この機会にぜひ、自分自身を振り返ってみてくださいね。
貴重なお話を聞かせてくださった飼い主のみなさん、ありがとうございました。
【結論】愛犬に長生きしてもらうためにすることはこの6つ!
これまでのアンケートや、ご長寿わんちゃん飼い主さんへの取材から、わんちゃんに長生きしてもらうために飼い主さんがすべきことが改めてはっきりとしました。
それが以下の6つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①食事内容や食事の回数を愛犬の状態に合わせてあげる
わんちゃんに長生きしてもらうためにも食事は重要なポイントですが、食事内容や食事の回数を愛犬の状態に合わせてあげなければ逆に負担をかけてしまうことになるので注意しましょう。
■わんちゃんのライフステージに合わせた食事内容と回数
ライフステージ |
1日の食事の回数 |
食事の内容 |
子犬 |
・生後2〜3ヶ月:3〜5回
・生後4〜6ヶ月 :3〜4回
・生後6ヶ月〜1才:3〜2回
・1歳~:2回 |
子犬用に栄養を考えられた
総合栄養食のフード |
成犬 |
2回 |
愛犬の体質や好みに合わせた
総合栄養食のフード |
シニア犬 |
3~4回 |
老犬用に栄養を考えられた
総合栄養食のフード |
ハイシニア犬 |
4~5回 |
・良質なたんぱく質を使用するなど
消化に配慮された総合栄養食のフード
・好みや気分、食欲の状態や体調に
合わせてフードを変更 |
ドッグフードは、年齢に合わせた栄養バランスで作られているため、成犬に子犬用を与えたり、子犬に成犬用やシニア犬用を与えるのは栄養過剰や栄養不足となる恐れがあるのでおすすめできません。
栄養バランスの偏りや、太り過ぎ・痩せすぎは健康を害するリスクがあるだけでなく、寿命を縮めてしまうことにも…。
もちろん、場合によっては成犬やシニア犬に子犬用を与えることが適していることもありますが、基本的にはライフステージのあったドッグフードを選んであげましょう。
また、ドッグフードに使用されている添加物を過剰に心配する必要はありませんが、人間では使用が禁止されている添加物や、わんちゃんの健康に無意味な着色料や発色剤といった添加物は避けたほうが安心です。
ドッグフードの正しい与え方や添加物については、以下の記事で詳しく解説しています。
【獣医師監修】ドッグフードの正しい与え方!パッケージの給餌量はあくまで目安
犬のおやつやドッグフードに含まれる添加物は危険?涙やけやアレルギーの原因になるって本当?【添加物一覧付き】
ドッグフードより手作りごはんのほうがいいの?
飼い主さんが一生懸命考えたりレシピを見て作っても、実際に手作りごはんで栄養が足りていないわんちゃんは多く(※8)、わんちゃんの栄養学や調理の方法による栄養素の違いをしっかり学んでいなければ栄養不足となって逆効果!
とは言え、ヨーロッパで2003年に行われた調査では、手作りごはんを食べていたわんちゃんは普通のドッグフードを食べていたわんちゃんよりも、平均で32ヶ月長生きしたという調査報告があります。手作りごはんとドッグフードを併用した場合でも、平均で18ヶ月違うという結果になっています。(※9)
また、日本でも2001年に同様の調査が行われ、手作りごはんを食べていたわんちゃんが長寿傾向にあるという結果に。(※10)
これらのことから、手作りごはんはわんちゃんの健康に良い影響をもたらしてくれる可能性は高いと言えますが、どちらも20年以上も前の古いデータで、現在はドッグフードの品質も高まっていることから、無理に手作りごはんにする必要はないでしょう。
手作りごはんをあげたい場合は、たまのご馳走やトッピング程度にしたり、最近注目されている総合栄養食の手作りごはんドッグフードを利用することをおすすめします。
【112種類比較】食いつきが良いドッグフードおすすめ人気ランキング26選!犬が喜ぶフードの特徴も解説
【獣医師監修】犬が食べていいもの一覧!野菜・果物・肉類など与えるメリットと注意点
【獣医師監修】犬が食べてもいい果物・ダメな果物は?与えるときの注意点や老犬におすすめの果物も
②質の良い睡眠を取ってもらえるようにする
睡眠はただ体を休ませるためのものではなく、寝ている間に体内でさまざまなことが行われるため、十分な睡眠時間や質の良い睡眠をとってもらうことが大切です。
■睡眠の主な働き
- 脳内のゴミを取り除く
…老廃物が脳に蓄積するのを防ぐことで認知症の発症リスクを下げる
- 成長ホルモン(アンチエイジングホルモン)が分泌される
…筋肉、骨、内臓、皮膚などのダメージを修復して疲労回復に導く
- 免疫力を高める
…睡眠中に分泌されるメラトニンは免疫細胞に指示を出したり活性化させるTリンパ球をたくさん作る
- 自律神経のバランスを整える
…副交感神経が優位になることで心身の状態を整える
わんちゃんは1日の半分以上を寝て過ごすように、人間よりも多くの睡眠時間を必要とします。
■わんちゃんが1日に必要な睡眠時間の目安
ライフステージ |
1日に必要な睡眠時間 |
子犬 |
18~19時間程度 |
成犬 |
12~15時間程度 |
シニア犬 |
18~19時間程度 |
睡眠不足はホルモンバランスの乱れや免疫力の低下、ストレスなど健康にさまざまな悪影響を及ぼすため、寝ているのを邪魔したり、安心して寝ていられない環境を作らないように注意しましょう。
③愛犬の状態に合わせて適度な運動をさせてあげる
小型犬の散歩の時間は、1日2回、1回15~30分程度が目安になります。しかし、これはあくまでも目安で、わんちゃんによって運動量が少なかったり多かったりするため、愛犬の状態を見ながら判断してあげる必要があります。
■運動不足の主なサイン
・吠えることが多い
・休まず動き続けている
・自分の体を舐めたり噛んだりし続けている
散歩は毎日行くことが理想ですが、わんちゃんの体調が悪いときは、無理に連れ出すことは絶対にNGです。
また、雨などで散歩に行けないときは、家の中でいつもより多く一緒に遊んだり、室内ドッグランなどの施設を利用するなどして、運動不足にならないように配慮してあげましょう。
【東京都内】室内おすすめドッグラン人気10選|雨の日もドッグランを楽しもう!
歩くことが難しい場合でも散歩はしたほうがいいの?
自分で歩くことが難しいわんちゃんでも、外の空気や音、匂い、太陽の光など、さまざまな良い刺激をもらうことができるため、カートや抱っこでお散歩に連れて行ってあげましょう。
運動することはできませんが、日光を浴びることで幸せホルモンの1つである「セロトニン」の分泌を促してくれます。セロトニンはわんちゃんに良い影響を与えてくれるので、体調がよさそうなときに無理のない範囲で連れ出してあげることをおすすめします。
■日光を浴びるメリット
・体内時計を整える
・脳の機能を健康に保つ
・認知症のリスクを軽減する
・免疫力を高める
・ストレス解消になる
・睡眠の質が高まる
しかし、中には刺激を苦手とするわんちゃんもいるので、愛犬の様子を見ながら判断し、難しい場合は家で日向ぼっこをしてもらうなど、工夫してあげてくださいね。
また、車椅子を利用することも検討してみてください。
【犬用車椅子完全ガイド】愛犬に合う車椅子の選び方とおすすめ車椅子&工房15選!自作もできる?
④わんちゃんに最適な温度や湿度にしてあげる
個体差もありますが、わんちゃんが快適に過ごせる温度と湿度は以下を目安にしてください。
■わんちゃんに快適な温度と湿度
室温:25℃前後が目安
湿度:50~60%
室温は愛犬の適温を探してあげる必要はありますが、夏場などではあまりにも低すぎると体が冷えてしまったり、外の気温との温度差で自律神経が乱れてしまったりするので注意が必要ですが、逆に高い温度や湿度は熱中症のリスクを高めることになります。特に。高温多湿は心身に負担をかけるため、温度管理はしっかり行ってあげることが大切です。
愛犬の熱中症を予防!暑さ対策が必要なのは夏だけじゃない?症状や対処法、おすすめ対策グッズも
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外飼いの場合はどうしたらいいの?
外飼いの場合は、日が当たる場所は時間によって変化するため、夏場は犬小屋だけでなく、その周辺にも日陰になる場所をいくつか用意してあげたり、冬場は暖かく過ごせるように毛布や湯たんぽなどを用意してあげましょう。
とは言え、夏場や梅雨時、冬場や降雪時などは、室内の冷暖房が効いた場所で過ごさせてあげることが理想です。
⑤床や段差にも配慮してあげる
滑りやすい床は、滑らないようにとわんちゃんが常に踏ん張っている状態で関節や足腰に負担がかかるため、カーペットやマットを敷いたり滑りにくい床材にするなど、負担を軽減する工夫をしてあげることをおすすめします。
また、段差がある場所もシニア犬では上り下りが負担となったり、転んでケガをする恐れもあるため、スロープを設置するなど配慮が必要です。
一見長生きとは関係がないように思えるかもしれませんが、健康寿命を延ばすという意味も込めて考えてみましょう。
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⑥気になることがあれば些細なことでも獣医師に相談する
わんちゃんが若いときは1年に1回、シニア犬では最低でも半年に1回の健康診断も大切ですが、健康診断をしているから大丈夫というのは危険!気になることがあったら、どんな些細なことでも獣医師に相談してください。
わんちゃんは言葉が話せないだけでなく、痛みを我慢して隠そうとする生き物です。少しでもいつもと違うと感じたときは、迷わず相談することをおすすめします。
1日でも健康に長生きしてもらうためには、病気の早期発見・早期治療はとても大切です。また、たとえ見つかったのが大きな病気であった場合でも、QOL(生活の質)を保ってあげることで1分1秒でも寿命は延びてくれます。
わんちゃんがシニアになると動物病院のお世話になることも増えるため、獣医師とスムーズな連携が取れるように、日頃からお世話になっているといいでしょう。
【犬のペット保険18選を徹底比較】私が本気で選ぶおすすめTOP3はこれ!
まとめ
わんちゃんの平均寿命は14.76歳で、日数にしたら5387日です。わんちゃんの寿命は人間に比べると短く、病気や老化など現代の医学では打ち勝てないこともありますが、1日でも長く穏やかで幸せな時間を過ごしてもらうためには飼い主さんの力も必要です。
愛犬に長生きしてもらうためには食事や運動などの健康管理はもちろん、日頃から観察し、少しでも変化があれば獣医師に相談するなど、言葉で伝えることができないわんちゃんに対しては、少し過保護なくらいがちょうどいいのかもしれません。
また、寿命はどうしても個体差があるため、どんなに飼い主さんが頑張っても、平均寿命前に亡くなってしまうわんちゃんもいます。しかし、それは飼い主さんの力が足りなかったからでもお世話不足なわけでもなく、何もしなければもっと早く亡くなっていたことが、飼い主さんのサポートによって長く生きることができたと考えることができるのではないでしょうか。
わんちゃんの長生きの秘訣は永遠のテーマで明確な答えがあるものではありませんが、だからこそ愛犬との1日1日を大切に過ごすことが何よりも重要と言えるでしょう。
<参考文献>
※1:一般社団法人ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査 主要指標サマリー」
※2:一般社団法人ペットフード協会(ペットフード工業会独自調査)
※3:公益財団法人どうぶつ基金「外飼いはやめよう。犬猫も寒いのだ!」
※4:一般社団法人ジャパンケネルクラブ「2022年(1~12月)犬種別犬籍登録頭数」
※5:AMERICAN KENNEL CLAB「How to Calculate Dog Years to Human Years」
※6:J-STAGE「愛情ホルモン・オキシトシンと心のきずなについて」
※7:CiNii Research「犬と猫における長寿に関わる要因の疫学的解析」
※8:ケンブリッジ大学「犬の栄養管理のための自家製飼料の使用における飼い主の認識の評価」
※9:ukrmb「Relation between the domestic dogs’ well-being and life expectancy statistical essay」
※10:J-STAGE「犬と猫における長寿に関わる要因の疫学的解析」
※11:THE UNIVERSITY OF CHICAGO PRESS JOURNALS「The Pace of Life under Artificial Selection: Personality, Energy Expenditure, and Longevity Are Correlated in Domestic Dogs」
アンケート調査概要
アンケート内容:わんちゃんの「長生き」についての意識調査
調査方法:インターネット調査
対象:全国の10代~60代の犬の飼い主さん212人(女性129人 / 男性83人)
実施日:2023年8月5日~8月6日
回答者の属性を見る
■回答者の属性
【女性:129人】
・10代:1人
・20代:21人
・30代:49人
・40代:33人
・50代:23人
・60代:2人
【男性:83人】
・20代:13人
・30代:32人
・40代:23人
・50代:9人
・60代:6人
アンケートに協力してくれた飼い主さんの愛犬の犬種と年齢を見る
■協力してくれた飼い主さんの愛犬の犬種と年齢
【わんちゃんの犬種】※複数回答、多い順に記載
ダックスフンド(ミニチュア/カニーンヘン含む)(31) / チワワ(29) / 柴犬(豆柴含む)(29) / トイ・プードル(26) / 雑種(22) / MIX犬(14) / ポメラニアン(10) / シー・ズー(7) / パピヨン(5) / マルチーズ(4) / パグ(3) / ヨークシャー・テリア(3) / ゴールデン・レトリーバー(3) / ジャック・ラッセル・テリア(3) / シェットランド・シープドッグ(3) / イングリッシュ・コッカー・スパニエル(3) / ラブラドール・レトリーバー(2) / ウェルシュ・コーギー(2) / ミニチュア・ピンシャー(2) / キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(2) / ビーグル(2) / ボーダー・コリー(2) / ミニチュア・シュナウザー(2) / ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
(2) / フレンチ・ブルドッグ(1) / 北海道犬(1) / フラット・コーテッド・レトリバー(1) / ジャーマン・ショートヘアード・ポインター(1) / 甲斐犬(1) / オーストラリアン・ラブラドゥードル(1)
【わんちゃんの年齢】※複数回答
1歳未満(3) / 1歳(7) / 2歳(12) / 3歳(12) / 4歳(8) / 5歳(17) / 6歳(8) / 7歳(7) / 8歳(14) / 9歳(9) / 10歳(9) / 11歳(12) / 12歳(19) / 13歳(16) / 14歳(15) / 15歳(16) / 16歳(23) / 17歳(10) / 18歳(2)
執筆者
- ペットライター
-
たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー