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ダックスフンドの基本情報|ドイツでアナグマ猟のために作られた狩猟犬
ダックスフンドは、短い足と長い鼻を活かして地面の穴に住むアナグマや兎を狩猟していた狩猟犬で、ドイツ原産の犬です。(※1)
正式名称はダックスフンド(DACHSHUNDS)ですが、ダッケルやテッケルと呼ばれることもあります。
非常に用途が広い有用な狩猟犬として知られており、ダックスフンドの繁殖が熱心に行われるようになったのは1888年のこと。
そこから3つのサイズと3つの異なる被毛のバラエティーごとに繁殖され、現在に至っています。
■ダックスフンドの種類
サイズ(※2)
※生後15ヶ月時の胸囲 |
スタンダード
オス:37çm~
メス:35çm~ |
ミニチュア
オス:32~37çm
メス:30~35çm |
カニーンヘン(カニヘン)
オス:~32çm
メス:~30çm |
毛質のタイプ |
スムースヘアード
・カットは不要 |
ロングヘアード
・基本的にはカットは不要 |
ワイヤーヘアード
・定期的なトリミング(ブラッキングなど)が
必要となることがある |
通常、犬種のサイズは体高が基準となりますが、ダックスフンドは胸囲がサイズの基準となります。
また、血統書にはダックスフンドとしか記載がありませんが、登録番号のところでサイズを確認することができます。
■登録番号の記号
- DH
…スタンダードダックスフンド
- DHM
…ミニチュアダックスフンド
- DHK
…カニーンヘンダックスフンド
ミニチュアダックスフンドの性格|毛色での違いはないがオスとメスでは異なる傾向
ダックスフンドは毛色のバリエーションが豊富で、毛色によって性格が違うといったことを見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
一昔前であれば、インターネットの情報サイトでも、ブラックタンはやんちゃ、レッドは勝気、クリームはおっとりといった毛色による性格の違いをアピールしていましたが、毛色の違いで性格の傾向があるという研究・データはなく、現在はそのようなサイトも少なくなりました。
それに実際、私の愛犬はブラックタンとクリームですが、まったくと言っていいほど当てはまらなかったため、毛色での性格の違いは気にしなくてもいいでしょう。
経験上、毛色がクリームの個体は怖がりで神経質な性格が多かったです。ただ、慣れてしまえばとても甘えん坊で撫でられることが大好きになってくれました。
毛色による性格の違いは、はっきり分かっていませんので、まずは、ダックスフンド全体の犬種の特徴を知る事から始めましょう。
ここでは、ダックスフンドの性格の特徴や、毛質、オスとメスでの性格の違いについて見ていきましょう。
性格の特徴①人懐っこく甘えん坊
ダックスフンドは基本的に、人懐っこく甘えん坊な性格です。遊び好きなので、たくさん遊んであげたいという人にはぴったりでしょう。
個体差はありますが落ち着きがある子が多く、C-barq(シーバーク)の調査では、トイプードルやチワワなどに比べても飼い主さんに対する攻撃性が低いというデータもあります。
ただし、知らない人や知らない犬には威嚇して吠えやすいというC-barqのスコアが出ているため、小さな頃からいろいろな人やほかの犬に会わせて慣れさせておくことがポイントとなってくるでしょう。
■C-barqとは
アメリカ・ペンシルベニア大学で開発された犬の性格判断システムのこと
性格の特徴②恐怖や不安が強く出てしまう傾向
ダックスフンドは、恐怖や不安が強く出てしまう傾向があることがC-barqのデータからもわかっています。恐怖や不安は吠えにつながりやすく、ダックスフンドは吠えやすい犬としても知られています。
特に分離不安においては、ほかの犬種に比べてミニチュアダックスフンドが1番感じやすい(※3)というデータがあるため、一人で過ごす時間に慣れてもらうためのしつけは必須です。
私が最初にお迎えしたブラックタンの愛犬は留守番のしつけをしていましたが、分離不安が強く、強迫性障害の診断も受けたほど。当時は仕事で8時間や10時間のお留守番をしてもらっていたためですが、仕事の時間を短くできないならもう1匹お迎えしたほうがいいと獣医師から言われてお迎えしたところ、分離不安が和らいだという経験があります。
留守番は可哀そうと思っても、現実問題としてまったく留守番をさせないということは不可能なので、不安や恐怖を感じさせないように予めしつけをしてあげましょう。
性格の特徴③吠えるのは狩猟犬の本能も働くから
ダックスフンドは、アナグマやウサギの生態や狩猟方法に適するように品種改良を重ねて作られた犬種のため、どうしても吠えやすい傾向にあります。
巣穴に隠れる獲物を見つけて、吠えかかることで巣穴から追い出すのが仕事だったのですから、吠えるのは本能の働きもあると理解してあげなければいけません。
ダックスフンドの吠え声が太く大きいのも、そうした歴史からです。
とは言え、家庭犬として暮らしてもらうためには、本能のまま吠えさせてしまうのはNGです。小さいころから様々なものに慣れさせて、吠える必要がないことを教えてあげましょう。
他の犬種と比べ、恐怖や不安傾向が高い犬種で、怖いから自分の身を守ろうとして吠えやすいことが特徴としてげられます。
警戒心や恐怖心を強く持ち始める生後5~6ヶ月より前から、たくさんの人に出会いご褒美をもらう経験を積むことが大切です。社会化トレーニングとしてパピークラスのようなしつけ教室にも必ず通うようにしましょう。
スムース・ロング・ワイヤーの性格の違いを歴史から見る
ダックスフンドは3種類の毛質のタイプがあり、毛質によって性格の違いがあるという情報も目にしますが、そこまで大きな違いはありません。
ダックスフンドの歴史から見ると、以下のようになります。
毛質のタイプ |
特徴 |
スムースヘアード |
・活発で警戒心が強い
・狩猟犬気質が強い |
ロングヘアード |
・スパニエル系
・人と猟をするタイプ
・コミュニケーションが取りやすい |
ワイヤーヘアード |
・シュナウザーが入っているとされている
・若干シュナウザー気質
・自己主張が強い
・スムースやロングに比べて興奮性が上がる |
とは言え、ダックスフンドに限らず、犬の性格は持って生まれたものだけでなく、生活環境や飼い主さんとのかかわり方によっても変わるものなので、あくまでも参考程度に見てくださいね。
元々の毛質はスムースヘアードだったと言われています。ロング、ワイヤーが生まれた歴史も古いですが、毛質による違いはそこまで感じません。1個体毎の性格をきちんと見て理解してあげることが、一緒に生活していく上では大切です。
オスは遊び好きメスはトイレのしつけがしやすいという傾向
毛色や毛質での性格にそこまで違いはありませんが、オスとメスでは若干の違いがあります。(※4)
性別 |
傾向 |
オス(メス犬に比べて傾向が強い・高いもの) |
犬に対する攻撃性、活動性、縄張り防衛、子供をかむ、破壊行動、遊び好き |
メス(オス犬に比べて傾向が強い・高いもの) |
愛情欲求、トイレのしつけ、トレーニング性能 |
もちろん、こちらも個体差があり、必ずしもオスだからこう!メスだからこう!というわけではありませんが、性別によってこういった傾向があることを頭の片隅に置いておくと、しつけの方法も考えやすくなるでしょう。
トイレのしつけはメスの方がしやすいと言われていますが、もちろんオス犬でも、きちんと習慣づかせれば排泄する場所を覚えてくれます。
ダックスフンドは、胴が長いため、トイレからはみ出てしまうというお悩みが多いです。最低でも“ワイド”サイズのトイレは必須の大きさです。
初心者が飼いやすいダックス|子供がいる家でも飼えるが住宅環境を考える必要がある
ダックスフンドは飼い主さんに対する攻撃性が低いことから、比較的初心者でも飼いやすい犬種です。
性格はそこまで問題としませんが、それよりも警戒や不安、恐怖といったことから吠えることが多く、また吠え声も太く大きいため通りやすく、住宅環境はよく考える必要があります。
特に、集合住宅では吠えによるご近所トラブルにも発展しかねず、吠えにくい環境を作ってあげましょう。
■吠えにくい環境にするポイント
- 留守番時間を工夫する
…不安を強く感じやすいため、留守番時間が長いと吠えやすくなります。お留守番の時間に一人でも遊べるように知育玩具を用意するなど工夫してあげましょう。
- インターホンの音に慣れさせる
…警戒から吠えてしまうため、インターホンの音に慣れてもらうようにトレーニングが必要です。
- 窓や玄関のそばにハウスや寝床を置かない
…犬の聴力は優れており、外のわずかな物音でも反応してしまうことがあります。できるだけ聞こえにくい場所で休めるようにしてあげましょう。
また、近年は集合住宅のペット可物件も増えていますが、引っ越しを考えるのであれば、アパートやコーポといった木造の集合住宅よりもマンションのほうが外からの音は聞こえにくくいです。
室内で吠えても吠え声が木造よりは伝わりにくいため、ご近所トラブルになる可能性を低くできます。とは言え、吠え声がまったく聞こえないわけではないので、吠えに対しては十分に配慮する必要があります。
“吠え”やすい犬種のため、集合住宅では近隣への迷惑にならないよう注意が必要です。インターホンや外から聞こえる生活音などに対して縄張り意識から吠えることが多いです。
また、お留守番のときに、「コング」や「ガジー」などの知育玩具を使うのもおすすめです。知育玩具に食べ物を入れておけば、食べるまで時間がかかり、苦労して食事にありつけるので、狩猟本能が満たされます。少しずつ詰め方を工夫して、簡単には食べられないようレベルを上げていきましょう。
ミニチュアダックスフンドの運動|散歩は必要ないは間違い!1日30分×2回が目安
「ダックスフンドは運動量が少なく、散歩はそんなに必要ない」と言われることがありますが、それは違います。
もともと狩猟犬だったダックスフンドなので、とても筋肉が立派!適切な散歩や運動で本能の欲求を満たしてあげましょう。
散歩は1日30分×2回は行ける!質の高い散歩をしよう
ダックスフンドの散歩にかける時間は、1日2回、1回30分程度を目安に毎日行いましょう。
散歩というと歩かなければいけないと思う飼い主さんも少なくありませんが、ただ30分歩くのではせっかく散歩をしてもダックスフンドの満足度はそう高くありません。
満足度を高めるためには、質の良い散歩をすることが大切です。
質の良い散歩とは、散歩の途中に刺激や遊びを取り入れること。途中途中でアイコンタクトを取るのはもちろん、おもちゃを持って行って引っ張りっこをしたり、安全な場所で追いかけっこをするなど散歩の中に遊びを取り入れるようにするのがおすすめです。
散歩の目的には社会化も含まれます。家の中の遊びだけでは補えないものなので、まめに外に連れ出して、さまざまな経験をさせてあげましょう。
また、散歩の際は、家の中でトイレを済ませてから散歩に出るのがマナーです。ほかにも、外でしかトイレができなくなってしまうと、病気になったときや高齢になったときなどに大変なので、家の中で済ませてから散歩に出るようにしてくださいね。
「散歩時間=歩くだけの時間」である必要はありません。人と追いかけっこやおもちゃを使った遊びなどを通して犬の欲求を満たしてあげましょう。例えば、10分くらいは歩いて、20分位は人と遊ぶ時間にするといったお散歩にするとよいでしょう。
もとは狩猟犬!追いかっこ・引っ張りっこで本能的欲求を満たそう
ダックスフンドは狩猟犬として活躍していたことから、獲物を追いかける、捕まえるという行動が本能的欲求にあります。
ボール遊びや引っ張りっこ、追いかけっこなどの遊びで欲求を満たしてあげましょう。
この狩猟犬としての欲求を満たしてあげることが吠えの軽減にもなります。
さまざまな遊びを経験させてあげることで、天候が悪くて散歩に出られないときでも家の中で遊ぶことができ、散歩に行けないストレスを紛らわせてあげることにも役立つでしょう。
狩猟犬としての本能的な欲求を満たしてあげる遊びや運動をしてあげましょう。欲求不満になると犬は吠えたり、イタズラをしたりしやすくなります。
飛びつき・後ろ足での着地は足腰に負担がかかるため注意!
ダックスフンドは胴長短足という特徴的な体型で、ただでさえ足腰を痛めやすいのに、飛びつくことが多い犬種でもあります。
この飛びつきや後ろ足での着地、二本足で立ちあがってのジャンプなどは足腰に大きく負荷がかかるため、避けなければいけません。
普段の生活の中でも、飼い主さんに飛びついたり、飼い主さんのそばにいたくてソファーやベッドに飛び乗る・飛び降りるといったことがあるため、十分に注意してあげましょう。
椎間板ヘルニアなど足腰の病気を抱えることが多い犬種です。人への激しい飛びつきや高い所からのジャンプには気をつけましょう。
ソファには乗せないように徹底したり、はじめからそのような高さのある家具は置かないようにすることもお勧めです。小さい頃から飛び乗らないことを習慣にすることが大切です。
カニヘンとミニチュアに活動量の違いは分かっていない
カニヘンは体が小さいことから、ミニチュアに比べて活動量が多い・少ないと情報が錯綜しています。
しかし、今のところ活動量の違いや活動性についての確かなデータはありません。
犬種の特性についてはまだまだわかっていないことも多いので、ネットの情報を信じるだけではなく、個々に合わせてしっかり運動させてあげましょう。
サイズによる運動量や活動性の違いははっきり分かっていません。元々狩猟犬として活躍する犬種なので、どの大きさでも活発さを持ち合わせています。
ミニチュアダックスフンドのしつけ|子犬の時期にさまざまな経験が必須
ダックスフンドの一般的なしつけは、正しく行えば比較的覚えやすい犬種と言えます。成犬になってからの問題行動を防ぐために、子犬の時期のしつけ・社会化はとても重要です。
ここでは、ダックスフンドのしつけのポイントを見ていきましょう。
①吠えにくい環境を作ってあげる
ダックスフンドは不安や恐怖を感じやすいことから、警戒して吠えることが多いです。通常のしつけのように、お座りしておやつといった方法での解決は難しく、そうならないためにも予め環境を整えてあげることが重要です。
「初心者が飼いやすいダックス|子供がいる家でも飼えるが住宅環境を考える必要がある」でも触れましたが、家の中だけでなく家の外のことにも配慮が必要なほか、家全体を縄張りとさせるのではなく、ケージを活用して自分だけのスペースを作ってあげましょう。
特に子犬の時期は、誤飲やいたずらによる事故を防ぐためにも、飼い主さんが家を留守にするときや目を離すときはケージの中に入ってもらっていたほうが安心です。
また、部屋の中で自由に動けると縄張り意識が高まって外に向かって吠えたりしてしまうため、中と外のメリハリをつけてあげることも大切なことです。だからと言って、ケージに入れっぱなしにするのは絶対にNG!
ケージに入れっぱなしはストレスとなり、問題行動を起こす原因ともなります。犬自身が自ら休む場所を選択できるように、ケージを出ても吠えたりしないようにしつけてあげるようにしましょう。
“領土防衛”を理由に吠えることが多いので、家の中を自由にパトロールしないよう、ケージなどを用意し、縄張り意識を狭めてあげることが大切です。
②分離不安対策にケージの中にいることに慣れてもらう
分離不安になって長時間吠え続けることはご近所迷惑になるだけでなく、ご近所トラブルにも発展しかねないため、小さな頃から一人でケージの中にいることに慣れてもらうことが大切です。
最初は1分、次は3分など、留守番のしつけと同様に徐々に時間を延ばしてあげると不安を感じにくく慣れやすいでしょう。
ダックスフンドは分離不安を起こしやすい犬種ですが、飼い主さんの留守中に吠えていたり分離不安を起こしていることを気づかない飼い主さんも少なくありません。
また、吠えていることはわかっていても、それが分離不安の吠えだと気づかない飼い主さんも。留守中の様子がわかるペットカメラなどを利用するのがおすすめです。
ただし、重度の分離不安は治療が必要なこともあるため、分離不安が疑われる場合は獣医師に相談してください。
寂しがりやの多い犬種です。一人でケージの中で安心して過ごせるように、たくさん運動をした後に休ませる習慣をつけましょう。
飼い主と離れることが不安な性格の場合は、食べ物が詰められるコングや、ガムのようなもので気をそらして1人遊びさせたり、湯たんぽのようなもので安心感を与えたりすると有効です。
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③子犬期から恐怖心をなくす社会化トレーニングが大事
ダックスフンドの吠えは、恐怖や不安によるものが大きいです。
そのため、子犬の時期からさまざまな人や犬に会わせてあげたり、いろいろなものを見たり聞かせてあげるなど、社会化トレーニングをしっかり行って吠えにくい犬にしてあげることが大切です。
社会化トレーニングをしっかり行っておけば、前述したような吠えや問題行動は防ぐことができ、犬自身もストレスが少ない状態で過ごすことができます。
3回目のワクチンを終えるまでは地面を歩かせたりほかの犬との接触はできませんが、抱っこで外に連れ出してあげるだけでも子犬にとっては沢山経験になるため、早い段階から外の世界を見せてあげましょう。
子犬の頃から、たくさんの人からご褒美をもらったり、楽しい経験を通して恐怖心を抱かないようにしましょう。人以外にも、色々な所に出向く事や、様々な音を聞かせることで、恐怖心からくる吠えを予防することが出来ます。
④主従関係・上下関係ではなくお互いに尊重しあう関係を意識
少し前までは、主従関係や上下関係がしつけに必要と考えられていましたが、犬と人間の関係において「上に見る」「下に見る」という意識はないことが科学的に証明されており、これまでの考え方は間違っていたことが研究で明らかになっています。
問題行動を起こさないためのしつけや人間と共に暮らすルールは必要ですが、人間の都合だけを押し付けるのではなく、お互いに尊重しあう関係を意識することが大切です。
また、叩いたり怒鳴るといったことはもちろん、マズルを掴んだり体を仰向けにさせるといった行為は体罰にあたり、信頼関係が失われるのはもちろん、問題行動の助長にも。
そもそも、人間が問題行動というものの多くは犬にとっては当たり前の行動であり、人間と暮らすルールを一から教えてあげなければわからなくて当然だということを常に頭に置いておきましょう。
あらゆる生活の場面で、犬にどのように過ごすのか、飼い主が教えてあげる必要があります。たくさんコミュニケーションを取り、正しいことをしたときは褒めて習慣づかせましょう。
人にとって都合の悪いことを叱るだけでは、犬を混乱させるだけでしつけとは言いません。
ミニチュアダックスフンドのお迎え準備|価格相場と準備するもの
ここでは、ダックスフンドを飼うために年間どれくらいの費用がかかるのかと、お迎えするにあたって準備するものについてご紹介します。
ダックスフンドの価格相場は30万~50万円程度
一般的なダックスフンドの価格相場は30~50万円程度です。
血統にこだわっていたり、両親がチャンピオン犬、カニヘンだクスフンドなどの場合は、価格が高くなる傾向にあり、100万円近くの価格がつけられていることもあります。
高いからいい、安いから悪いということはなく、どのような価格であってもしっかり最期まで愛情を持ってお世話をしてあげることが大切です。
また、近年では動物愛護管理法に基づき、ペットショップやブリーダーは子犬の病歴や親や同腹子の遺伝性疾患の発生状況を対面で説明することが定められているため、しっかりと聞いておきましょう。
犬の飼育にかかる費用平均は年間34万円
ペット保険のアニコム損害株式会社の調査では、犬の飼育にかかる費用は平均で年間345,572円(※5)というデータがあります。
しかし、これはあくまでも全犬種の平均費用であり、病気やケガなどをすればそれ以上にかかることを想定しておかなければいけません。
また、ダックスフンドは吠えやすい犬種であることから、しつけ教室に通ったり、出張のドッグトレーニングをお願いすることも多々見られます。
犬の飼育はお金がかかるものなので、しっかりと備えておく必要があるでしょう。
予防接種、ノミ・ダニ・フィラリア予防代は毎年必要
犬を飼うにあたって、感染症を防ぐための予防接種や投薬を行う必要があります。
予防は飼い主の義務となり、特に狂犬病の予防接種は法律でも定められているものなので「お金がもったいないから打たない」ということはできません。
■必要になる感染症予防の費用例
- 狂犬病予防注射:約3,500円
…1年に1回
- 混合ワクチン代:約5,000~15,000円
…子犬は計3回、成犬は1年に1回。ワクチンの種類によって値段は異なる
- フィラリア駆虫薬:約1,000円
…4月~12月もしくは5月~1月の間、1ヶ月に1回。期間は地域によって異なる
- ノミ・ダニ駆虫薬:約1,000円
…春から秋の間もしくは通年、1ヶ月に1回
混合ワクチンは3種~15種までありますが何でもかんでも打てばいいというものではありません。
愛犬の状態、住んでいる地域で流行っている感染症、川遊びをするかどうかなどで必要なワクチンは異なります。
一般的にトリミングサロンやドッグランなどを利用する際は5種以上となっているため、獣医師と相談して何種類のワクチンを打つのがいいか、よく相談して決めましょう。
子犬を迎える際に準備するもの
ダックスフンドの子犬をお迎えする際は、お迎え日までに以下のものを準備しておきましょう。
■子犬のために準備するもの
・ケージまたはサークル
・クレート
・ベッド
・ペットシート
・ウェットティッシュ
・ドッグフード
・首輪・ハーネス
・リード
・食器(フード用・水用)
・おもちゃ
・スリッカーブラシとコーム
・歯ブラシ
・滑り止め用マット
・湯たんぽ
上記のアイテムを準備するだけでも、5〜10万円程度の費用がかかります。
ここからは重要なアイテムの詳しい解説をするので、用意しておくべき理由を把握し、お迎えする子犬に最適なものを選んであげましょう。
ケージの中にはハウス型ベッドやクレートを設置
子犬が安心して休める場所を作るために、ケージの中に屋根付きのベッドやクレートを置いて、周りから見えないようにしてあげましょう。
もともと犬は狭くて暗めの場所が落ち着く傾向にあります。ケージだけでは周りから見えすぎてしまうほか、広すぎて落ち着きません。
ダックスフンドは特に不安や恐怖を感じやすいため、自分だけの落ち着ける場所を作ってあげることは大切です。
また、クレートは外出時や災害時などにも役立つため、小さな頃から慣れさせておくとクレートに入らなければいけなくなった時のストレスも軽減してあげられます。
愛犬の部屋となるような主な生活スペースは、窓際や廊下、出入口の近くなどは避け、落ち着いて過ごせる場所に設置しましょう。
特に寝床は、守ろうとして威嚇や攻撃する習性があるので、バッティングしないよう、専用のものを用意することが大切です。
食器は深さや高さ、直径にも注目
食器は必ずフード用と水用に分けて用意しましょう。できればガラスの器が衛生的な上に重みもあるので、ひっくり返す心配がなくおすすめです。
ダックスフンドは鼻が長いため、ある程度の直径があり、深さや傾斜のある器のほうが食べやすいです。
食器の直径の目安は、犬は食器に頭を突っ込んで食べることから、その犬の頭のハチ(人間でいうハチマキを巻く部分)がすっぽり入るくらいのものを選ぶようにしましょう。
近年は以下のような鼻が長い犬が食べやすい形状の食器なども販売されているので、そういったものを利用するのも1つの方法です。
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子犬期の食事はパピー用フードを準備
さまざまなドッグフードが販売されていますが、子犬の時期はパピー用フードを準備してください。
ペットショップやブリーダーで食べていたご飯から急に変更するとお腹がびっくりして嘔吐や下痢を引き起こすこともあるため、最初はどんなフードを食べているか聞いて、同じものを与えながら新しいフードの混ぜる割合を増やして切り替えるようにしましょう。
【獣医師監修】おすすめの子犬用ドッグフード人気ランキング16選【2024年最新】
おもちゃは一緒に遊べるものと一人で遊べるものを用意
おもちゃは、一緒に遊べるおもちゃと一人で遊べるおもちゃ(知育玩具)の2種類を用意しましょう。
一緒に遊べるものはダックスフンドの持つ狩猟犬の本能を満たしてあげるためにも、耐久性の高いロープなど引っ張りっこできるものや追いかけることができるボールがおすすめです。
ペットショップなどにはさまざまなおもちゃが販売されていますが、子犬にはやわらかく噛みやすいものを選び、徐々に硬いものを与えていくようにしてください。
また、おもちゃは破壊による誤飲の可能性もあるため、大きさや耐久性も考慮しなければいけません。くわえられるサイズ=飲み込めるサイズと考え慎重に選ぶ必要がありますが、大きすぎるとくわえづらいことから興味を示さないこともあります。
■おもちゃで遊ばせるときの注意点
・犬用のおもちゃ以外はおもちゃとして与えない
・体が浮くほど思い切り引っ張るなどは避ける
・滑りやすい場所での遊び、急な方向転換を必要とする遊びなど避ける
・やわらかいおもちゃは与えっぱなしにしない
犬とのおもちゃ遊びは、犬の狩猟欲求を満たす大切な時間です。運動としてだけではなく、飼い主とのコミュニケーションを図ることができますので、毎日遊んであげましょう。
また、ダックスフンドの特性を考え、トンネルなどに潜り込む遊びや、鼻を突っ込んで探して食べる知育トイやノーズワークマットもお勧めです。
足腰のために滑り止めマットやステップを利用すると安心
ダックスフンドは足腰の負担がかかりやすいことから、フローリングなどの滑りやすい床には、滑り止めマットやカーペットを敷くなど、足腰に負担がかからないようにしてあげましょう。
子犬の場合、成長途中で体が出来上がっていないため、ケージやサークルの中にも敷いてあげることをおすすめします。
また、短足なダックスフンドですが、自分の体高の何倍も高いソファーやベッドに飛び乗ったり、飛び降りることも珍しくありません。飛び乗らない・飛び降りないように習慣づけることができればいいですが、難しい場合は子犬の頃からステップやスロープを用意して、飛び乗らなくてもいいことを教えてあげましょう。
滑り止めマットを敷く際は、愛犬が噛み壊しや誤飲をしないことを確認しましょう。軽くて剥がしやすいものは、犬のおもちゃになりやすいので注意が必要です。
また、柔らかい素材は犬が排泄しやすいです。マットを敷いたら、おもちゃ遊びやご褒美をあげることを繰り返し、マット自体を気にしないようにすることが大切です。
ミニチュアダックスフンドの病気|椎間板ヘルニアは特に注意
ミニチュアダックスフンドの平均寿命は14.7歳、カニヘンダックスフンドの平均寿命は14.0歳というデータがあります(※6)が、近年は平均寿命を優に超えるミニチュアダックスフンドも珍しくはありません。
比較的長生きする犬種と言えますが、長生きしてもらうためには病気の早期発見と早期治療が重要なポイントになります。
ここでは、ダックスフンドがかかりやすい病気と治療費、注意すべきことをご紹介します。
ダックスフンドがかかりやすい病気と治療費
さまざまな病気があり、どの病気にもかかるリスクはありますが、ここでは他犬種と比較して、ダックスフンドが特に気を付けたい病気と治療費の例をご紹介します。
椎間板ヘルニア
費用の例:95,897円(年間診療費の平均)(※7)
発症しやすい年齢:8歳
胴が長く足が短いダックスフンドは、どうしても腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアになりやすいことで有名です。
適切な体重管理と腰に負担をかけない運動、滑りにくい床にすることで、椎間板ヘルニアの発症リスクを下げることはできるため、普段の生活から予防を意識してあげましょう。
皮膚疾患(膿皮症 / 細菌性皮膚炎など)
費用の例:25,969円(年間診療費の平均)(※7)
発症しやすい年齢:10歳
ダックスフンドに多く見られるのが膿皮症やマラセチア皮膚炎ですが、垂れ耳ということから外耳炎なども起こしやすいです。
皮膚疾患を起こす原因はさまざまで完全に予防することは難しいですが、定期的なシャンプーや耳掃除といったお手入れである程度の発症リスクは下げることができます。
耳掃除は動物病院でも500円程度で行ってくれるほか、飼い主さんやトリミングサロンでは耳の中を適切にきれいにすることは不可能なので、獣医師に定期的に耳掃除をしてもらうことをおすすめします。
歯の疾患(歯周病、歯肉炎など)
費用の例:52,602円(年間診療費の平均)(※7)
発症しやすい年齢:12歳
ダックスフンドに限らず、どんな犬種でも多く見られるのが歯周病です。発症リスクを下げるためにも、毎日の歯磨きを行うことが重要となります。
しかし、歯磨きが苦手な犬は多く、実際に私の愛犬たちも歯ブラシを見ただけで逃げ出してしまうほどですが、小さな頃から歯磨きに慣らしてあげることで歯磨きの苦手意識がつきにくくなります。
また、もともと歯の欠損があったり、乳歯が生え変わらず口内に残ってしまう(乳歯遺残)ことも珍しくはないため、歯石や口臭が見られたときは獣医師に相談してみましょう。
腫瘍
費用の例:脂肪腫21,657円 / 乳腺腫瘍117,870円 / 病理学的未定の皮膚腫瘍14,542円 / その他の皮膚の腫瘍30,592円(年間診療費の平均)(※7)
発症しやすい年齢:12歳
ダックスフンドは良性・悪性にかかわらず皮膚に関する腫瘍に比較的なりやすい傾向にあるようです。
腫瘍は予防することができないものですが、早期発見と早期治療が重要となってくるため、毎日のブラッシングのときにしこりがないか、皮膚に異変はないかもチェックするようにしましょう。
もし皮膚にしこりなどを見つけたら、早めに動物病院を受診してください。
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肥満にならないように体重管理が必須
肥満は病気ではありませんが、肥満はさまざまな病気を引き起こすリスクが高くなるため、体重管理が必須になります。
適正体重ではないと、その分足腰に負荷がかかってしまいます。特にダックスフンドは椎間板ヘルニアになりやすいので、ほかの犬種以上に気を配ってあげましょう。
また、避妊・去勢手術後はホルモンバランスの変化から太りやすくなります。
実際、私の愛犬も避妊手術をしたら数ヶ月で3キロ以上も増え、9キロを超えてしまいました。乳腺腫瘍の手術を控えていましたが、肥満は全身麻酔のリスクも高まり危険ということで手術は延期、元の体重6キロに戻すために2年かけてダイエットをしてやっと手術に至ったということがあります。
肥満によって病気のリスクが高まるだけでなく必要な手術ができないということも出てくるため、体重管理はしっかり行ってくださいね。
肥満になると健康に悪影響を与えてしまいます。特にダックスフンドの場合、足腰への負担も大きくなりますので、体重管理を徹底しましょう。
ドッグフードの袋に表記されている量はあくまで目安です。獣医師等と相談し、愛犬の適正量を決めることをお勧めします。
【獣医師監修】ドッグフードの正しい与え方!パッケージの給餌量はあくまで目安
ダックスフンドの多頭飼い|体の大きさ・性別・年齢差を考慮
一人での留守番が長い、遊び相手を作ってあげたいという考えから、多頭飼いをする飼い主さんも少なくありません。
「多頭飼いをすれば寂しくなくなる」というのはその犬の性格にもより、ダックスフンドが同居犬への攻撃性は低いとはいえ、多頭飼いが向いているか向いていないかは愛犬次第になるというのが正直なところです。
多頭飼いが向いていない犬では新しい犬をお迎えすることでストレスとなり、場合によっては問題行動を起こすことも。
逆に、一人ぼっちになってしまうことがきっかけで吠える、排泄の失敗、自傷行為、など問題行動を起こしてしまう犬では、もう一頭迎えることで不安にならなくなる場合もあります。
どちらにしても、ダックスフンドは甘えん坊なので、多頭飼いを検討する場合は、やりたいことがあっても必ずしもできるわけではないことを学ばせるなど、将来を見越した飼い方をする必要があるでしょう。
大前提!頭数をふやしすぎない
多頭飼い自体は悪いことではありませんが、飼いすぎは当然よくありません。先住犬と触れ合う時間を極端に減らさずに、新しい犬とも十分に触れ合える時間をとる必要があるため、しっかりコミュニケーションが取れる数でなくてはいけません。
更に、十分な社会化を行う必要があることから、「一頭ずつ散歩に連れて行けるか」が1つの基準となります。
もちろん、ケージやクレートは一頭ずつ用意して、それぞれが安心できる場所を十分に確保するということも重要です。
多頭飼いをすると不安が緩和されるというメリットがある一方で、群れ意識が増して吠えやすくなることも。特にダックスフンドはつられて吠えてしまうことが度々あるため、吠えることが増えるというデメリットも考えましょう。
また、分離不安は犬に対しても起こるものなので、同居犬と離れたときに不安になる可能性もあります。デメリットを十分に理解した上で、慎重に判断することが大切です。
多頭飼いをする際は、一頭ずつのお世話の時間、万が一病気になった際の治療費など、よく検討する必要があります。お留守番の時に一人でかわいそうだからという理由だけで迎えると、かえってストレスになる可能性があります。
また、特にダックスフンドは、群れ意識から吠えが増えることが多いので注意しましょう。
体格差があまりないオスとメスの組み合わせがおすすめ
新しい犬を迎える場合、体格差があまりない先住犬と異なる性別の犬がおすすめです。
体の大きさが違いすぎると、遊びにくいのはもとより、怖がったり、じゃれあっているうちに怪我の原因になることもあります。
また、オス同士・メス同士だと威嚇や縄張り争いをしたり、トラブルが起きる可能性も。
もちろん、個体差はあるため絶対にこうしなければいけないとうものではありませんが、体格差や性別は十分に考慮してあげましょう。
例えば、オス同士を多頭飼いすると、食べ物や縄張りなどの取り合いや、威嚇行動などが見られやすいので、オスとメスのペアがおすすめです。
同じ犬種の方がコミュニケーションを取りやすいことが多いですが、吠えやすくなることが多いです。吠えにくい犬種をお迎えすることも良いでしょう。
年齢は近すぎず離れすぎず2~3歳差が理想
多頭飼いは、先住犬の社会化やトレーニングが終わってから、成犬になってから行うのが基本です。
子犬同士で多頭飼いしてしまうと、お世話が大変なのはもちろん、過剰な群れ意識や同居犬に対する分離不安が起こりやすくなります。
また、逆にシニア犬のところにあまりに若い犬が来ると、体力やテンションに差がありすぎて先住犬にストレスがかかってしまう可能性が高いです。
多頭飼いをする場合は、2~3歳差くらいの年齢の近い犬にすることをおすすめします。
年齢が離れると、年齢が上の犬には負担が大きくなるので、シニアになってから迎える際は要注意です。場合によっては生活環境やお世話する時間をはっきりと変える必要があるでしょう。
例えば、先住犬にダックスがいるとしたら、後から迎える犬は、性別を変え、年齢を離れすぎず、体格差が無いようにすることがおすすめです。
まとめ
ダックスフンドは人懐っこく甘えん坊な性格ですが、不安や恐怖を感じやすいことから吠えることの多い犬種です。
子犬の頃からの社会化トレーニングをしっかり行うことが、吠えにくい犬にするためにも大切なこと。吠えることは犬にとっても体力的にも精神的にも疲れることなので、できる限り吠えることがないように環境を整えてあげてくださいね。
ダックスフンドは見た目がかわいいだけでなく、その性格や賢さに驚かされることが多々あります。しつけで正しい行動を教えてあげれば、初めて犬を飼う人でも良きパートナーとなり、気が付けばダックスフンドの魅力にどっぷりとハマっていることでしょう。
ダックスフンドとの生活を心から楽しんでくださいね!
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執筆者
- ペットライター
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たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー