ペット保険の加入率
2022年に報告されたアニコムの調査によると、2021年時点での日本のペット保険の加入率(普及率)は16.4%です。
【ペット保険普及率の推移】(※1)
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
7.7% | 9.1% | 10.2% | 12.1% | 14.4% | 16.4% |
年々加入率は上がってきているとはいえ低い数字に変わりはなく、欧米でのペット保険の加入率は30~40%、動物福祉の先進国でペット保険の発祥の地とも言われるスウェーデンでは60~70%の加入率(※2)と比べれば日本の加入率の低さは一目瞭然でしょう。
いぬなび編集部が行った、全国のわんちゃんと暮らす飼い主さんを対象にした2022年と2023年のアンケートでは、ペット保険加入率は次のようになりました。
■【2022年犬の飼い主300人調査】ペット保険の加入率
■2022年アンケート概要
実施日:2022年4月6日~4月9日
調査方法:インターネット調査
対象:10代~70代以上の全国の犬の飼い主さん300人(女性203人 / 男性97人)
内容:愛犬の医療費についてのアンケート
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■ペット保険に加入してる?
・加入していない:61.7%(185人)
・加入している:28.7%(86人)
・加入していたがやめた:9.7%(29人)
愛犬の医療費は備えてる?わんちゃんの病院代事情!5万円以上の治療は諦める飼い主さんも〇%【飼い主300人アンケート】
■【2023年犬の飼い主462人調査】ペット保険の加入率
■2023年アンケート概要
実施日:2023年4月11日~4月20日
調査方法:インターネット調査
対象:10代~70代以上の全国の犬の飼い主さん462人(女性319人 / 男性143人)
内容:ペット保険の意識調査
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■ペット保険に加入してる?
・加入していない:48.5%(224人)
・加入している:44.2%(204人)
・加入していたがやめた:7.4%(34人)
https://inunavi.plan-b.co.jp/insurance/pet_insurance_deta/
調査対象の人数や募集したアンケート内容が異なるため、単純に加入率を比較することはできませんが、2022年から2023年にかけて伸びており、みなさんが思っているよりは加入率が多いのではないでしょうか。
とは言え、ペット保険や愛犬の医療費に関心がある飼い主さんが回答してくれていると考えられるため、やはり実際の加入率はもっと低いと言えます。
ペット保険の必要性を感じている?約7割が「必要だと思う」
ペット保険の加入率は低いですが、ペット保険の必要性を感じている飼い主さんは多いのではないでしょうか。実際に、同アンケートでは以下のような結果になりました。
■【2022年犬の飼い主300人調査】ペット保険の必要性
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■ペット保険は必要だと思う?
・必要だと思う:69.0%(207人)
・いらないと思う:31.0%(93人)
【加入状態ごとの内訳】
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【加入していない:185人】
・必要だと思う:60.0%(111人)
・いらないと思う:40.0%(74人)
【加入している:86人】
・必要だと思う:94.2%(81人)
・いらないと思う:5.8%(5人)
【加入していたがやめた:29人】
・必要だと思う:51.7%(15人)
・いらないと思う:48.3%(14人)
■【2023年犬の飼い主462人調査】ペット保険の必要性
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■ペット保険は必要だと思う?
・必要だと思う:76.8%(355人)
・必要だと思わない:23.2%(107人)
【加入状態ごとの内訳】
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【加入していない:224人】
・必要だと思う:60.7%(136人)
・必要だと思わない:39.3%(88人)
【加入している:204人】
・必要だと思う:99.0%(202人)
・必要だと思わない:1.0%(2人)
【加入していたがやめた:34人】
・必要だと思う:50.0%(17人)
・必要だと思わない:50.0%(17人)
ペット保険に加入している飼い主さんでは、2022年の調査でも2023年の調査でも、9割以上が「必要だと思う」と回答しているのを見ると、実際に利用してみてペット保険の有難みや必要性を強く感じていると考えられます。
しかし、ペット保険はさまざまな会社から販売されており、その内容も複雑で解りにくく、さらに「保険金が支払われなかった」「補償してもらえなかった」といったSNSの投稿や口コミを見ると、ますますどうしていいかわからなくなってしまうのではないでしょうか。
実際、ペット保険には良いイメージを持っている飼い主さんもいれば、悪いイメージを持つ飼い主さんもおり、「補償範囲が狭いから保険料分を貯蓄したほうがいい」という意見も多数見ることができます。
次章では、賛否両論、アンケートに寄せられたリアルな意見をご覧いただきましょう。
入ってはいけないペット保険ワースト7!最悪な保険の見分け方・失敗しない選び方を伝授
ペット保険、犬の飼い主のべ762人の賛否両論をリアルに紹介!
ペット保険に加入している飼い主さんはそこまで多くありませんが、実際にわんちゃんの飼い主さんはペット保険をどう思っているのでしょうか。
いぬなび編集部で行ったアンケートから、リアルな声をご紹介します。
【賛否両論コメントまとめ】
■ペット保険肯定派
・いつ何があるかわからない
・高齢になると病気のリスクが高まる
・安心感がある
・適切な治療を受けさせてあげられる
・経済的負担を軽減できる
・愛犬がシニアになって・先代犬で必要性を実感
■ペット保険否定派
・貯金で十分
・そうそう病気にならない
・補償範囲が狭い
・保険料がもったいない
・わんちゃんには必要ないもの
ペット保険肯定派
ペット保険肯定派の飼い主さんは、ペット保険に加入することは飼い主さんのためだけでなくわんちゃんのためでもあるというコメントがたびたび見られ、わんちゃんの治療費は思っている以上に高いことを痛感しているのかもしれません。
また、愛犬がシニアになって病気にかかった飼い主さんでは、加入していなかったことを後悔しているコメントが多く見られました。
「いつ何があるかわからない」
ペットはいつどんな病気や怪我をするか分かりません。手術にかかる費用も人間よりも高額の場合があります。一度かかった疾病の為に、何年間も通院することになるかもしれません。以上のことからペット保険は必要だと思います。
ペキニーズ飼い主 / 40代 / 女性
人間もいざという時のために保険に加入しているように、ペットのいざという時のためにも保険は役立つと思うからです。もしもの時に「保険に入っていてよかった。」とホッと安心できる点も魅力です。
トイプー飼い主 / 30代 / 男性
突然の怪我や事故で想像していなかったような高額な医療費がかかる場合があると思うので、保険で備えておきたいと思うからです。
ヨーキー飼い主 / 20代 / 女性
突然の病気や怪我に数十万の金額をパッと出せるかよく考えた結果、必要だと思いました。
ポメラニアン飼い主 / 40代 / 女性
年齢に関わらず急な怪我や病気の可能性が有り、人間と違い負担額も高額になる為
マルチーズ飼い主 / 30代 / 男性
「高齢になると病気のリスクが高まる」
ペットが高齢になるほど病気にかかりやすくなるため。
MIX犬飼い主 / 30代 / 女性
飼い犬も人間のように長生きが進んでいるため、様々な病気になるリスクが高くなっていると感じるから。
ミニチュアダックス飼い主 / 30代 / 女性
病気をしないうちはいいけど、手術やシニアになってから通院が必要になった時に結構なお金がかかるので。
ミニチュアダックス飼い主 / 30代 / 女性
犬は医療費がとても高額だし、高齢になったら医者にのかかることがとても多くなると思うのでその時の備えとして必要だと思う。
ヨーキー飼い主 / 30代 / 女性
年を取ってくると体調不良などが多くなってくるため、入院や通院時が増えてくるから。
雑種飼い主 / 30代 / 男性
若いワンちゃんはリスクが少ないけど、シニア期に入るときっとあちこち不調が出てくると思うからです。
コーギー飼い主 / 30代 / 女性
「安心感がある」
何かあった際に気軽に病院に行けるようになるため
チワワ飼い主 / 30代 / 女性
万が一怪我や病気になった時にまとまったお金が必要になるため。お守りとして必要だと思います。
トイプー飼い主 / 40代 / 女性
治療費が高額の時などの心配が減るし積極的に病院にも行くと思うので(愛犬の長生きにもつながる)
柴犬飼い主 / 30代 / 男性
けがをした時や病気になった時に金銭面で安心出来るので。
チワワ飼い主 / 30代 / 男性
人間がかかる病気になった場合、保険が適応されるわけですから、治療費という方向でかなり安心すると思います。特に重病になりえる肺炎のようなものになった場合、治療費をとるか、ペットの健康をとるかと考えた場合、それらの問題を解決できるのであれば保険はあってしかるべきです。
柴犬飼い主 / 30代 / 男性
すぐ病院に行こうと思えるから。自費だと躊躇すると思う。
柴犬飼い主 / 40代 / 女性
「適切な治療を受けさせてあげられる」
ペットの犬の死因トップはがんだとのことで、もしがんが見つかった場合「何もしません」では済まないと思う。できる治療はしてあげたいと思うから。その時に高額の扶養が負担できなくて治療を諦めることがあったら、後悔することになる。
雑種飼い主 / 40代 / 女性
ペットに適切な医療を受けさせることが可能になると考えるためです。
ポメラニアン飼い主 / 40代 / 女性
病気になった時に、高額だと治療の選択肢が減るから。
チワワ飼い主 / 30代 / 女性
手術が必要になったときにお金の問題で治療できないのはつらいから。
ヨーキー飼い主 / 50代 / 男性
愛犬が病気になった時、最良の医療を安心して受けさせてあげれる
ミニチュアダックス飼い主 / 40代 / 女性
ペット保に加入していたことにより、手術の提案の際に迷わず受けることを承諾できたため
ミニチュアダックス飼い主 / 20代 / 女性
理由は人間の保険と同じです。病気や怪我のリスクはゼロにできないけど、もしもの時に「お金がかかるから」と治療を躊躇うと絶対に後悔します。ペットは私たちよりも短命なので、できることは何でもやってあげたいと思っているからです。
柴犬飼い主 / 30代 / 女性
「経済的負担を軽減できる」
ペットの医療費は高額なことが多く、さらに通院になると負担が大きくなるため。
ミニチュアダックス飼い主 / 30代 / 女性
小さい頃から病気がちだったけど、保険のおかげで病気などの時の自己負担が少なく済んだから
ジャックラッセルテリア飼い主 / 30代 / 女性
病気や怪我で病院にかかった場合に医療費が高額になる場合にも保険に入っていると安心できる。自費の場合と保険をかけている場合では支払う金額も変わってくるので。
ポメラニアン飼い主 / 30代 / 女性
言葉が話せない犬だからこそ、体調が悪く見える時は、獣医に見せるようにとは決めていますが、毎回支払い時に緊張します。高額な請求をされたらどうしようとの不安が大きいですね。
柴犬飼い主 / 40代 / 女性
もし愛犬が病気になった時に、お金のことばかり考えるのは嫌だなと思うから。
柴犬飼い主 / 40代 / 女性
思ったより診療代にお金がかかるから
マルチーズ飼い主 / 20代 / 女性
「愛犬がシニアになって・先代犬で必要性を実感」
7歳過ぎたあたりから、急に腫瘍ができたり病院にかかる事が多くなったから。やはり若いうちから加入した方がよかったなと思っています。
ジャックラッセルテリア飼い主 / 30代 / 女性
ペット保険に入りたい、と思った年齢の時点で入れなかったが、現在、腫瘍がみつかり、負担が多くびっくりしている。
ミニピン飼い主 / 40代 / 女性
家族の一員だし、突然の怪我や持病での通院、治療には想像以上の費用がかかることを先代犬で実感しているから。
ヨーキー飼い主 / 30代 / 女性
老犬なので保険料が高くて入れませんでしたが、老犬になると必要になります。
柴犬飼い主 / 60代 / 男性
昔に比べて寿命が延びているし、先代犬が16歳まで生きましたが13歳ころから病院代がけっこうな金額になったので必要だと思いました。
柴犬飼い主 / 40代 / 女性
先住犬が保険に入っていなかったため、週3回の通院費を全て自腹で払うことになっていた。5歳ごろから10歳まで通院を続けていたので今考えると恐ろしい金額を出していたのだなと感じます。わんちゃんの通院で自分の生活が破綻したら元も子もないので、わんちゃんの生活のためにも飼い主のためにも必要だと思います。
ミニチュアシュナウザー飼い主 / 20代 / 女性
今まで保険に加入してきませんでしたが、10歳をすぎてから一年に2回も大きな手術をすることになり、加入しておけば良かったと今になって思います。
ミニチュアダックス飼い主 / 50代 / 女性
入らなかったら、持病が続々と出てきて後悔したから。
キャバリア飼い主 / 40代 / 女性
年齢が上がるにつれて検査や早急な手術、体調不良でかかる夜間料など、凄く保険に助けられました。
マルチーズ飼い主 / 20代 / 女性
昔実家で買っていた犬の医療費が月10万くらいで無保険だったため苦労したからです。
ゴールデン飼い主 / 20代 / 女性
ペット保険否定派
ペット保険否定派の飼い主さんは、どんな理由があるのでしょうか。
コメントをよく見ると、「ペット保険がどういうものかわかっていない」ために出てくる声も多くありますが、これがみなさんの正直な気持ちなのでしょう。
「貯金で十分」
始めは加入していたが使うことがほぼ無かったので現在は必要ないと思います。現金を常に用意してあれば、保険に加入する必要も無いかと思います。
MIX犬飼い主 / 30代 / 女性
比較的割高なので、保険をかける代わりに貯金をして賄えば充分だと思うから。
トイプー飼い主 / 30代 / 女性
人間と一緒で貯金があれば対応できる。
柴犬飼い主 / 40代 / 女性
積み立てておけば保険までは必要ないのではないかと思う
雑種飼い主 / 30代 / 女性
「そうそう病気にならない」
そうそう病気にならないと思うので保険は必要ないと思います。
柴犬飼い主 / 30代 / 男性
そんなに頻繁に保険を使うような大病にかからないと思う
ミニチュアダックス飼い主 / 40代 / 男性
健康に気をつけることでその必要性はなくなるから。出費もかさむから
コーギー飼い主 / 30代 / 男性
定期的に獣医に連れていくことで用が足りると思う
雑種飼い主 / 40代 / 男性
人間と一緒で犬が若いうちは入る必要が無いと思います。
フレブル飼い主 / 20代 / 女性
今まで一緒に暮らしてきた子たちが、とくに大きな病気にかかることがなかったので必要性があまり感じられません。
雑種飼い主 / 50代 / 女性
寿命が短く、重篤なことに見舞われる機会がまず無いため
柴犬飼い主 / 40代 / 男性
必要な時に病院にかかっている。毎回10,000円以下で、それほど負担になってない
トイプー飼い主 / 20代 / 女性
保険に入るほど何か危険なことが起こることがないと思うから
ミニチュアダックス飼い主 / 20代 / 女性
「補償範囲が狭い」
ペット保険に加入していた友人が、愛犬の治療で使おうとした時に対象外のケースで使えなかったため無駄になったという話を聞いて。
柴犬飼い主 / 40代 / 女性
予防費用などは対象にならないので
ウェスティ飼い主 / 60代 / 男性
補償の範囲が狭く、保険適用となる治療が少ない
トイプー飼い主 / 30代 / 男性
保険料を支払っても、治療費が保険金で全額カバーされるわけではない。
ミニチュアダックス飼い主 / 40代 / 男性
保険が適応される場面が少ないと聞いた
雑種飼い主 / 30代 / 女性
保険に入っていても、保険対象外だったと、よく聞く
雑種飼い主 / 40代 / 女性
費用全額は払ってもらえないから
ミニチュアシュナウザー飼い主 / 50代 / 女性
「保険料がもったいない」
基本的に払っている方が多くて、使わない事の方が多そう
トイプー飼い主 / 30代 / 女性
保険代は家計において大きな出費となる
チワワ飼い主 / 30代 / 男性
掛け捨てなのと年齢上がるにつれてかなり保険料が高額になること。その分毎月医療費を積み立てておく方がいいと思う
ラブラドゥードル飼い主 / 50代 / 女性
その都度病院てお金を払った方が安くつく気がする
柴犬飼い主 / 30代 / 女性
将来手術や通院が必要になるかもしれないけど、その時に払うお金があるなら、なるかわからない病気のために保険にはいる必要はないと思います。
マルチーズ飼い主 / 30代 / 男性
病院行く回数が少ないので、ペット保険のほうが高くつく
トイプー飼い主 / 30代 / 女性
必要となるか分からない状況で、高額な掛け金を払うのは負担が大きい
チワワ飼い主 / 50代 / 男性
ペット保険に費やすくらいなら犬のご飯やグッズなどにお金をかけたいと思う
ラブラドール飼い主 / 20代 / 男性
「わんちゃんには必要ないもの」
私自身、社会保障以外の保険には一切入っていません。飼い主が保険に入っていないのにペットが保険に入るというのは本末転倒だと思っているからです。
ビーグル飼い主 / 60代 / 男性
完全に意思疎通ができるわけではなく、病気等の早期発見・早期治療などは難しいことことから、保険があってよかったと思えるようなことは少ないと予想されるため。
MIX犬飼い主 / 30代 / 女性
動物は自然に生きて欲しいので、そこまでペットの医療にお金をかける意味がわからない
ラブラドール飼い主 / 20代 / 女性
保険を掛けるほどぺットに費用をかける必要がないと思っているから。
シーズー飼い主 / 60代 / 男性
できるだけ医療行為をしたくないから
シーズー飼い主 / 40代 / 女性
そこまでお金をかけるものではないと思う
MIX犬飼い主 / 20代 / 女性
そこまで病院に連れて行ったことはないし、病気になったときはそれがその子の寿命だったのだと思うから。
トイプー飼い主 / 30代 / 男性
加入を考えるポイントはコレ!「生涯にかかるペット保険の保険料と治療費」
ペット保険は損得で考えるものではありませんが、否定派に「保険料がもったいない」「そんなに病気にならない」といった声が多かったように、お金が絡むからこそ損をしたくないという気持ちが働くのも当然のことでしょう。
ペット保険をどうしようか悩んでいる飼い主さんは、生涯にかかるペット保険の保険料とわんちゃんの平均治療費を天秤にかけてみると、より現実的に考えられるのではないでしょうか。
0歳~20歳まで加入した場合の生涯保険料
ペット保険の保険料は保険会社やプラン、保険タイプ、犬種によって異なりますが、現在加入できるペット保険のフルカバータイプ70%(通院+入院+手術)に0歳で加入して20歳まで利用した場合、小型犬(体重8kg未満)で396,900円~2,504,880円です。
■フルカバータイプのペット保険の0歳~20歳の生涯保険料
※あいうえお順に記載
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■一部カバータイプのペット保険の0~20歳の生涯保険料
※あいうえお順に記載
全て表示する
0歳~平均寿命14.76歳の平均治療費
日本獣医師会が行った2015年度の調査によれば、わんちゃんが1つの病気にかかったときの医療費の最大額が犬の平均では64,715円、13歳以上の犬では平均80,912円(※3)、アニコムが毎年発表する「家庭どうぶつ白書」による年間平均治療費は59,387円(※4)という数字があります。
これらをわんちゃんの平均寿命である14.76歳(※5)で計算すると、生涯にかかる治療費の平均は1,075,766円となり、加入する年齢やペット保険によっては保険料のほうが高くなることもあるでしょう。
しかし、16歳や17歳、18歳という平均寿命を超えたわんちゃんを多く見かけるように、高齢になればなるほど病気にかかりやすくなり、また治療費も高額になる傾向にあるため、生涯にかかる治療費は格段に跳ね上がる可能性もゼロではないのです。
実際、以下のようなことも…。
これは、診療明細書を残しておくようになった12歳からの治療費です。
愛犬Bは、2023年1月時点(当時16歳)で1,416,806円でしたが、新たな病気による手術や入院、通院であれよあれよと愛犬A(虹組)に迫る勢いで、毎月の通院で4万円前後かかるため12月に抜かすことは確実でしょう。
※実際の12月の定期検診の診療明細書
こうしたことも起こり得ることを考え、自分はペット保険の加入をどうしたらいいかを考えてみてくださいね。
犬の平均寿命はどのくらい?犬種別や性別による寿命の違いやギネス記録と長生きのポイントも
犬の長生きの秘訣に迫る!食べ物や普段の生活などご長寿犬飼い主さんたちにも取材
犬の手術費用の相場はどれくらい?実際にかかった手術費用や払えないときの対処法も合わせて紹介
【加入前は必見✅】ペット保険の裏技紹介!ペット保険を合法に賢く活用しよう
ペット保険を選ぶときに見る4つのポイント
せっかくなので、ペット保険の加入を検討する際に、失敗しないためにも絶対に見ておくべきポイントをご紹介します。ペット保険は「補償範囲が狭い」「使えない」「保険料が高い」というイメージが強いですが、それは1部もしくは過去のペット保険しか見ていないからでしょう。
ペット保険は選ぶポイントを押さえておけば、心理的にも金銭的にも負担を軽減してくれるとても有難いものです。
乗り換えを考えている飼い主さんも、現在加入しているペット保険と乗り換えを検討しているペット保険の内容をよく見てみてくださいね。
①わんちゃんがかかりやすい病気が補償対象になっている
飼い主さんがどんなに気をつけていても、わんちゃんは生きものである以上、病気になることはあります。どんな病気になるかは誰も分からず、また犬種によってかかりやすい病気も存在するため、わんちゃんがかかりやすい病気が補償対象となっているか確認しましょう。
■わんちゃんがかかりやすい主な病気
- 歯周病
…成犬の80~90%が罹患していると考えられている。(※6)歯周病が悪化すると抜歯などの処置が必要 - 皮膚病
…長期的な通院治療が必要になることも - 膝蓋骨脱臼(パテラ)
…トイプードルやチワワなどの小型犬に多く見られる。軽度であれば経過観察や内服薬治療だが、繰り返しなることもしばしば。重度では手術が必要になることも - 椎間板ヘルニア
…ミニチュアダックスやコーギーは特に注意。軽度であれば経過観察や内服薬による治療だが、重度になると手術が必要になることも - 関節炎
…軽度であれば経過観察や内服薬による治療だが、重度になると手術が必要になることも - ホルモン(内分泌)の病気
…定期的な検査や生涯にわたって内服薬が必要になることがほとんど。手術も可能な場合があるが、高額な上に手術できる病院が限られ、手術後は生涯内服薬が必要 - 心臓病
…定期的な検査や生涯にわたって内服薬が必要になることがほとんど。手術も可能な場合があるが、高額な上に手術できる病院が限られる - 慢性腎臓病
…定期的な通院が必要で生涯病気と付き合っていく必要がある。ステージによっては毎日の点滴が必要になることも。透析ができる病院もあるが、高額な上に生涯にわたって毎週の通院が必要 - 腫瘍
…シニア犬に多く見られる。基本は外科手術だが、悪性腫瘍の場合は抗がん剤治療や放射線治療が必要なことも。定期的な通院が必要 - 認知症
…シニア犬に多く見られる。軽度であれば経過観察だが、内服薬が必要になることも - 肺炎・肺水腫
…シニア犬に多く見られる。ICUでの入院治療になることもしばしば。1度なると再発しやすい - 子宮水腫・子宮蓄膿症
…避妊手術をしていないシニア犬の女の子は注意。命に係わることが多く緊急手術が行われることが多い
上記はほんの一部ですが、長期にわたって治療が必要となったり、高額な治療費がかかるものが多いです。
若い頃は病気とは無縁でも、シニア期以降は病気にかかりやすくなるため、現在だけではなく将来を見据えて備えておくことが大切と言えます。
②慢性の病気でも安心して利用できる
ペット保険によっては、生涯にわたって1つの病気に利用できる回数が決まっていたり、慢性の病気は補償対象外としていることもああるため、回数制限があるペット保険では更新時にリセットされるか、回数制限がないペット保険では慢性の病気がきちんと補償されるかを確認しましょう。
心臓病や腎臓病、ホルモンの病気などは生涯にわたって定期的な検査や治療が必要になります。
若くしてそれらの病気になることもあるため、補償内容をよく確認することをおすすめします。
③シニア期の保険料が高すぎない
ペット保険は年齢が上がるとともに保険料も上がっていきますが、10歳や12歳を超えたあたりから高額になるペット保険もあるため、現在の年齢の保険料だけでなくシニア期以降の保険料も確認しましょう。
できれば、シニア期以降の保険料は定額やそれに近い金額で緩やかな上昇をするペット保険にしたほうが、シニア期以降に治療費もかかることを考えると家計の負担になりにくいと言えます。
現在の保険料が高いと感じてほかのペット保険に乗り換えを検討している場合では、補償される病気はもちろん、14歳や16歳といった高齢期の保険料を比較してみるといいでしょう。
若年期や成犬期の保険料が安くても、シニア期以降の保険料は要チェックです。
④更新時に条件を追加されたり継続不可になる心配がない
ペット保険は1年ごとの契約で、基本的には自動更新となりますが、利用回数や利用金額が多かったり、病気の内容によっては更新時に特定の病気や部位を補償対象外とする条件がつけられてしまったり、継続そのものが不可となってしまうペット保険も存在するため、更新時に条件を追加されたり継続不可になる心配がないか重要事項説明書や約款でしっかり確認しましょう。
ペット保険を利用する機会は年齢を重ねるごとに増える傾向にあるため、肝心な病気の治療にペット保険が利用できない、もしくは無保険になるというのではペット保険に加入した意味がありませんね。
条件を追加されてしまった場合では、ほかのペット保険に乗り換えても同様の条件となるのはもちろん、継続不可になってしまった場合では、そこからほかのペット保険に新規で加入することは難しくなるため、注意が必要です。
ペット保険の告知はバレないと思ったらダメ!バレたときのリスクやどこまで告知するかを徹底解説
まとめ
みんなどうしているのか気になるペット保険事情ですが、「みんなどうしてる?」ではなく、「自分はどうする」かをよく考えてみましょう。
ペット保険は、補償対象となる病気やケガの治療費の一部を負担してくれるものですが、何を重要視するか、どんな目的で加入するかなど、飼い主さんそれぞれで異なります。
また、どうしても損得勘定が先走ってしまいますが、ペット保険は人間の医療保険のようなもので、加入者同士の助け合いのもと成り立っているものです。
そのため、公平性が保たれるように治療中のわんちゃんが加入できない、もしくは持病が補償対象外となる、予防医療は補償されないなどルールが存在します。
ペット保険はすべてが補償されると思っている飼い主さんも多く、「すべてが補償されないなら加入する意味がない」という意見も度々目にしますが、予防医療が保険対象とならないのは人間でも同じことで、果たして本当に加入する意味がないのでしょうか?
人間と違ってわんちゃんの治療費は100%自己負担で、いつ急に高額な治療費が必要になるかは誰もわかりません。何度も手術や入院が必要になったり、治療が続く、病気を併発するといったことは珍しいことではなく、貯金だけでは足りないということもあるでしょう。
愛犬貯金はもちろん大切ですが、合わせてペット保険もあるのが理想と言えます。これを機会に、もう一度よく考えてみてくださいね。
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<参考記事>
※1:アニコムHD「アニコムグループ『中期経営企画2022-2024』」
※2:japanrisk SPECIALIST「ペット保険の市場規模と今後の動向」
※3:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」
※4:アニコム「家庭どうぶつ白書2022」
※5:一般社団法人 ペットフード協会「令和4年(2022年)全国犬猫飼育実態調査」
※6:ペット栄養学会誌「犬の歯周病原菌数と歯肉の炎症の経時的変化について」
執筆者
- ペットライター
-
たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー