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犬が食べてもいい果物
犬が食べてもいい果物を一覧にしてみました。横にスクロールしてご覧ください。
※果物名をクリックすると説明に飛ぶことができます
■犬が食べてもいい果物一覧
※与える際は犬が喉に詰まらせないように、薄切りにしたり細かく刻むなどしてください
※エネルギーはおおよその数字です
※体重5kgの避妊去勢済みの成犬、1日の摂取カロリー374の10%で算出
果物はおやつという位置づけになるため、愛犬が1日に必要な摂取カロリーの10%以内にとどめる必要があります。
しかし、カロリーだけで計算すると結構な量を食べられることになり、果物には水分はもちろん、糖質や食物繊維が多く含まれていることを考慮して、体型や体重、活動量やライフステージに合わせて与える量を調整することが大切です。
1日の摂取カロリーの算出方法については以下の記事で解説しています。
【獣医師監修】ドッグフードの正しい与え方!パッケージの給餌量はあくまで目安
りんご
りんごはカリウムやペクチンが豊富に含まれており、ペクチンは皮と実の間に多いので皮ごとすりおろしてあげると腸内環境のサポート効果も高いです。
ただし、無農薬や有機栽培以外のりんごは皮をむいて与えてください。
また、りんごには新陳代謝を促してくれるリンゴ酸や、強い抗酸化作用を持つりんごポリフェノールなど犬の健康に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。
主な栄養素 |
カリウム、ペクチン、リンゴ酸、りんごポリフェノール |
–kcal/100g |
56kcal |
特徴 |
・84.1%が水分
・ペクチン、カリウムが豊富
・ビタミンCは少ない |
注意点 |
・無農薬や有機栽培以外は皮をむく
・芯や種は取り除く
・食べやすいサイズに切ってあげる(もしくはすりおろす) |
【獣医師監修】犬はりんごを食べても大丈夫!1日の量や効果、与える際の注意点も
いちご
いちごは90%が水分で、果糖が少なくカロリーも低いことからダイエット中の犬にもおすすめの果物です。
ビタミンCの含有量はみかんやグレープフルーツを2倍近くで上回るほか、ポリフェノールの1種でもあるアントシアニンを含んでいます。
ビタミンCもアントシアニンも抗酸化作用のある成分で、活性酸素が増えすぎてしまうことを抑えてくれます。
主な栄養素 |
ビタミンC、アントシアニン、葉酸、ペクチン |
–kcal/100g |
31kcal |
特徴 |
・90%が水分
・糖質が少ない
・カロリーが低い |
注意点 |
・ヘタは取って与える
・詰まらせないように食べやすいサイズにしてあげる |
犬はいちごを食べても大丈夫?与え方の注意点や適量について解説【獣医師監修】
バナナ
バナナはさまざまな栄養素がバランス良く含まれており、エネルギーの補給にも最適な果物です。
糖質やカロリーがほかの果物に比べて高めですが、バナナの糖質は体内への吸収が穏やかで腹持ちもいいため、適量であればダイエット中の犬にもおすすめです。
また、神経を落ち着かせてくれたり、質の良い睡眠を促してくれるセロトニンを体内で合成してくれるのがトリプトファンですが、ほかの果物ではほとんど含まれていないのに対してバナナは豊富に含まれています。
主な栄養素 |
カリウム、ビタミンB群、ペクチン、オリゴ糖、トリプトファン(アミノ酸) |
–kcal/100g |
93kcal |
特徴 |
・75.4%が水分
・カリウムが豊富
・トリプトファンが豊富 |
注意点 |
・皮をむく
・表面のスジを取る |
犬はバナナを食べても大丈夫?体格別の適量とおやつにぴったりの手作りレシピも【獣医師監修】
みかん
みかんはビタミンCが豊富なことで有名ですが、みかんの色素であるβークリプトキサンチンも豊富に含まれています。
βークリプトキサンチンは体内でビタミンAと同じような働きをしたり、ガンの予防をはじめとしたさまざまな病気のリスクを下げる可能性があるとして、栄養疫学研究で注目されている成分です。(※1)
みかんは甘くて食べやすいことから、水分補給にもおすすめの果物ですよ!
主な栄養素 |
カリウム、クエン酸、ビタミンC、ペクチン、βークリプトキサンチン |
–kcal/100g |
49kcal |
特徴 |
・87.8%が水分
・ビタミンCが豊富
・βークリプトキサンチンが豊富 |
注意点 |
・薄皮やスジは消化しづらいため取り除く
・種がある場合は取る |
犬はみかんを食べても大丈夫?与え方と柑橘類の注意点を解説【獣医師監修】
オレンジ
オレンジはみかんの2倍近くのビタミンCが含まれているほか、葉酸やパントテン酸など、ほかのビタミンも豊富に含まれています。
オレンジに含まれるβ‐カロテンは抗酸化作用があるのはもちろん、体内でビタミンAに変換されます。注目成分のβークリプトキサンチンも含まれているため、健康維持のサポートに嬉しい果物です。
また、パントテン酸はタンパク質や脂質、糖質の分解を助けてくれたり、代謝を上げてくれる働きが期待できるため、ダイエット中の犬にもおすすめです。
主な栄養素 |
カリウム、葉酸、ビタミンC、パントテン酸、β‐カロテン |
–kcal/100g |
【ネーブル】39kcal
【バレンシア】46kcal |
特徴 |
・86.8%が水分
・ビタミンCが豊富 |
注意点 |
・薄皮やスジは消化しづらいため取り除く
・種は取って与える |
グレープフルーツ
グレープフルーツはビタミンCが豊富に含まれていますが、肝臓に余分な脂肪がたまらないようにしてくれるイノシトールも含まれています。イノシトールは血液中のコレステロールの流れを良くする働きもあるため、動脈硬化などを予防する効果も期待できます。
また、ポリフェノールの1種であるナリンギンは強い抗酸化作用が期待できるほか、食欲を抑える効果も期待できるのでダイエット中の犬にもおすすめです。
ただし、グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分は特定の薬の作用を強くしてしまうため、薬を飲んでいる犬に与える場合は獣医師に相談してからにしてください。
主な栄養素 |
カリウム、ビタミンC、イノシトール、ナリンギン(ポリフェノール) |
–kcal/100g |
40kcal |
特徴 |
・89.0%が水分
・ビタミンCが豊富
・イノシトールが含まれる |
注意点 |
・薄皮やスジ、種は取り除いて与える
・嫌がる犬には無理に与えない
・特定の薬の作用を強めてしまうので薬を飲んでいる犬は獣医師に確認 |
スイカ
スイカは食物繊維が少なく腸内環境にあまり影響を与えない果物です。スイカは90%が水分、10%が糖分なので水分吸収率も良く、効率的な水分補給ができます。
また、スイカはトマトよりも多くリコピンを含み、β-カロテンも豊富に含まれているため、強い抗酸化作用も期待できるでしょう。
腸内環境に影響を与えにくいのでほかの果物よりも多めに与えることができますが、与え過ぎると水分でお腹が緩くなってしまうため注意してください。
主な栄養素 |
カリウム、β-カロテン、リコピン、シトルリン(アミノ酸) |
–kcal/100g |
41kcal |
特徴 |
・89.6%が水分
・リコピンが豊富
・食物繊維が少ない |
注意点 |
・皮や種は取り除く
・与え過ぎない |
犬にスイカを与えても大丈夫!与える量や効果、注意点を解説【獣医師執筆】
メロン
メロンは甘みが強いですが、カロリーは低めな果物です。緑肉・赤肉の両方のメロンにβ-カロテンが含まれていますが、赤肉メロンのβ-カロテンは緑肉メロンの約26倍多いという特徴があります。
また、メロンに含まれるククミンはタンパク質の消化吸収を促してくれるタンパク質分解酵素ですが、犬の体質によってはククミンに食物アレルギーを起こす可能性もあるため、初めて与えるときは少量でとどめ様子を見てください。
主な栄養素 |
カリウム、ペクチン、ククミン、β-カロテン、パントテン酸 |
–kcal/100g |
42kcal |
特徴 |
・87.9%が水分
・赤肉メロンはβ-カロテンが豊富
・甘みは強いが低カロリー |
注意点 |
・皮は与えない
・種は取り除く
・体質によってはククミンによる食物アレルギーを起こす可能性も |
キウイ
キウイは栄養豊富な果物で、ビタミンCの量はほかの野菜や果物に比べて特に多く含まれているという特徴があります。
また、キウイに含まれるアクチニジンはキウイ特有の成分で、肉や魚などのタンパク質の分解を助けるタンパク質分解酵素です。消化を促すことはもちろん、消化不良といったトラブルが起こりにくくなります。
ただし、キウイは食物繊維が果物の中でトップクラスと豊富なため、与え過ぎると軟便や下痢になる可能性があるので注意してください。
主な栄養素 |
ビタミンC、食物繊維、カリウム、アクチニジン、鉄分 |
–kcal/100g |
51kcal |
特徴 |
・84.7%が水分
・ビタミンCが豊富
・キウイ特有のタンパク質分解酵素アクチニジンが含まれる |
注意点 |
・皮をむく
・種は消化しづらいので取り除く
・食物繊維が多いので与え過ぎない |
【獣医師監修】犬はキウイを食べてもOK!量・メリット・注意点を解説
パイナップル
パイナップルはビタミンCやビタミンB1、クエン酸が豊富に含まれており、ビタミンB1は新陳代謝を促したり、疲労回復の働きが期待できます。
また、パイナップル特有のタンパク質分解酵素ブロメラインが肉や魚などのタンパク質の分解を助け、消化を促したり、消化不良を起こしにくくしてくれます。
ただし、パイナップルには不溶性食物繊維が多く含まれているため、与えすぎると軟便や下痢になる可能性があるので注意してください。
主な栄養素 |
カリウム、食物繊維、ビタミンC、ブロメライン、β-カロテン |
–kcal/100g |
51kcal |
特徴 |
・85.2%が水分
・ビタミン類が豊富
・パイナップル特有のタンパク質分解酵素ブロメラインが含まれる |
注意点 |
・皮をむく
・芯は与えない
・食物繊維が多いので与え過ぎない |
【獣医師監修】犬がパイナップルを食べても大丈夫?与える量や効果、注意点も
マンゴー
マンゴーは、「造血ビタミン」とも呼ばれる葉酸が果物の中でも特に多く含まれています。新しい赤血球を作ったり、タンパク質やDNAの合成にも欠かせない栄養素です。
β-カロテンも豊富で、体内の活性酸素が増えることを抑えてくれたり、ビタミンAとなって粘膜を健康に保ったりと、抵抗力を強めてくれる働きが期待できます。
ただし、マンゴーはウルシ科の植物のため、ウルシにアレルギーのある犬はもちろん、アレルギーのない犬でも多量に摂取するとかぶれたりかゆみが出ることがあるので注意してください。
主な栄養素 |
カリウム、β-カロテン、葉酸、食物繊維、ビタミンC |
–kcal/100g |
64kcal |
特徴 |
・82.0%が水分
・葉酸が豊富
・β-カロテンが豊富 |
注意点 |
・皮をむく
・ウルシ科の植物のため食物アレルギーがなくても多量に摂取するとかぶれたりかゆみが出ることがある |
ブルーベリー
ブルーベリーは、ビタミンCやβ-カロテンといった抗酸化作用が期待できる成分はもちろん、ポリフェノールの1種であるアントシアニンも含まれています。
アントシアニンは目の健康に良いといったことが一般的に知られていますが、腎機能が低下した犬にブルーベリー茎エキス含有のサプリを与えたところ改善が見られた(※2)という報告もあり、果肉でも同様の効果が期待できると考えられています。
ブルーブリーは皮をむかずにそのまま与えてください。ただし、ブルーベリーは食物繊維が多く含まれているため、与え過ぎには注意が必要です。
主な栄養素 |
ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、食物繊維、アントシアニン(ポリフェノール) |
–kcal/100g |
48kcal |
特徴 |
・86.4%が水分
・ビタミン類が豊富
・アントシアニンが含まれている |
注意点 |
・皮はむかずにそのまま与える
・食物繊維が多いので与え過ぎない |
【獣医師執筆】犬がブルーベリーを食べても大丈夫?与える量や注意点を解説
さくらんぼ
さくらんぼはさまざまなビタミンがバランス良く含まれており、その量も豊富なため美容だけでなく健康にも注目されている果物です。
さくらんぼとアメリカンチェリーで栄養やカロリーにそこまで違いはありませんが、さくらんぼのほうがβ-カロテンが多く含まれています。
また、さくらんぼのアントシアニンは特に皮に多く含まれているため、愛犬に与えるときは種と茎を取って皮ごと与えましょう。茎と種には中毒を起こす成分が含まれているため絶対に食べさせてはいけません。
主な栄養素 |
ビタミンB1・B2、ビタミンC、β-カロテン、アントシアニン(ポリフェノール) |
–kcal/100g |
64kcal |
特徴 |
・83.1%が水分
・さまざまなビタミンが豊富に含まれる
・アントシアニンが含まれている |
注意点 |
・皮はむかずにそのまま与える
・茎と種は取り除く |
【獣医師監修】犬はさくらんぼを食べても大丈夫?種を食べたら要注意?何個まで与えていいかも解説
びわ
びわにはβ-カロテンやβークリプトキサンチンが豊富に含まれています。
また、ポリフェノールの1種であるクロロゲン酸は、抗酸化作用があるのはもちろん、脂肪の燃焼を促したり脂肪の蓄積を防いでくれるなどダイエット中の犬にもおすすめの果物です。(※3)
ただし、びわの種には中毒を起こす成分が含まれているため、種は絶対に与えてはいけません。
主な栄養素 |
カリウム、β-カロテン、βークリプトキサンチン、クロロゲン酸(ポリフェノール)、食物繊維 |
–kcal/100g |
41kcal |
特徴 |
・88.6%が水分
・β-カロテン、βークリプトキサンチンが豊富
・クロロゲン酸が含まれている |
注意点 |
・皮をむく
・種は取り除く |
桃
桃はコレステロールや糖質の吸収を抑えたり、細菌やウイルスから体を守ってくれるカテキンや、疲労回復効果が期待できるクエン酸、腸内を健康に保つ効果が期待できるペクチンなど、さまざまな栄養素が含まれています。
甘みがあり水分も多いので、犬の水分補給としても与えやすい果物です。
ただし、桃の皮は消化しづらく、種には中毒を起こす成分が含まれているため、皮と種は与えないようにしてください。
主な栄養素 |
カリウム、ペクチン、クエン酸、カテキン、タンニン(ポリフェノール) |
–kcal/100g |
40kcal |
特徴 |
・88.6%が水分
・ペクチンが豊富
・カテキンが含まれている |
注意点 |
・皮をむく
・種は取り除く |
【獣医師監修】犬は桃を食べてもいい?与え方や注意点を解説
柿
柿はビタミンCとβ-カロテンが豊富に含まれており、ビタミンCはみかんの2倍以上!ほかにも柿にはさまざまな栄養が含まれており、栄養価の高い果物です。
柿に含まれるポリフェノールの1種であるタンニンは、血液中の悪玉コレステロールを減少させて血液をきれいにしてくれたり、肝臓の保護効果が期待できます。(※4)
また、犬の必須アミノ酸10種を含んでいることもポイントです。ただし、栄養価が高いため与え過ぎないように注意が必要です。
主な栄養素 |
ビタミンC、β-カロテン、カリウム、食物繊維、タンニン(ポリフェノール) |
–kcal/100g |
63kcal |
特徴 |
・83.1%が水分
・βーカロテン、ビタミンCが豊富
・犬の必須アミノ酸の9種を含む |
注意点 |
・皮をむく
・種は取り除く
・熟していない柿や渋柿は与えない |
梨
梨は88%が水分で、含まれている栄養素はほかの果物に比べて少なめという特徴があります。梨には疲労のもととなる乳酸の分解を助けるアスパラギン酸や、疲労回復の効果が期待できるクエン酸が含まれています。
また、梨には水分の維持や体を冷やす作用のあるソルビトールが含まれているため、夏~秋にかけての熱中症対策にもおすすめの果物ですが、体の冷えすぎはお腹を壊してしまう可能性もあるので与え過ぎには注意しましょう。
主な栄養素 |
アスパラギン酸、カリウム、カテキン、クエン酸、ソルビトール |
–kcal/100g |
38kcal |
特徴 |
・88.0%が水分
・カロリーが低い
・アスパラギン酸が含まれている |
注意点 |
・皮をむく
・種は取り除く
・体を冷やすので多量に与えない |
【獣医師監修】犬は梨を食べても大丈夫!1日に与えていい量や注意点を解説
栗
栗はその栄養価の高さから、スーパーフードとしても注目されている果物です。犬の必須アミノ酸である10種すべてが含まれているほか、ビタミンB1やビタミンCも豊富に含まれています。
■犬の必須アミノ酸10種とは
アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、バリン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニン
でんぷん質が多く脂質は少なめという特徴があり、エネルギー補給にも最適です。このでんぷん質によってビタミンCが守られているため、加熱しても壊れにくいという特徴もあります。
犬に与える際は、必ず加熱してください。ただし、カロリーが高いので与え過ぎは肥満の原因となるため注意しましょう。
主な栄養素 |
ビタミンB1、ビタミンC、カリウム、 |
–kcal/100g |
147kcal |
特徴 |
・58.4%が水分
・ビタミンB1が豊富
・犬の必須アミノ酸10種すべて含まれている |
注意点 |
・必ず加熱する
・渋皮は与えない
・消化しやすいように細かくする |
【獣医師監修】犬は栗を食べられる?適量ならメリットも!与える量や注意点を解説
犬にあげてはダメな果物
犬は多くの果物を食べることができますが、食べてはいけない果物もあります。果物によっては重篤な症状を引き起こすこともあるため、あげてはダメな果物は与えないようにしてください。
■犬にあげてはダメな果物一覧
ぶどう
犬にぶどうを食べさせてはいけません。ぶどうは中毒や病気を起こす可能性があり、ぶどう中毒から急性腎不全を発症して、命に係わることもある危険な果物です。
実際にぶどうやレーズン(干しぶどう)を食べた犬が中毒症状を起こしたり、急性腎不全で命を落としてしまったといったことは日本のみならず海外でも多数報告されているので、愛犬が欲しがっても絶対に与えないようにしてください。(※5)
ぶどうは何の成分が原因で、どれだけ食べたら中毒症状が出るといったことがわかっておらず、ぶどうを食べても元気な犬もいますが、臓器への影響や後遺症が残ることもあるため注意が必要です。
注意すべき成分 |
不明 |
中毒を起こす量や致死量 |
不明、1粒で中毒症状が出た犬もいる |
起こり得ること |
ぶどう中毒、肝酵素の数値上昇、高窒素血症、高カルシウム血症、高リン血症、急性腎不全、腸粘膜からの出血、尿細管変性、尿細管壊死など |
注意点 |
皮だけでもNG。加熱や乾燥(干しぶどうやレーズン)、搾りカスなども危険 |
犬が食べてしまったときの対処法 |
早急に動物病院を受診する |
【獣医師監修】犬にぶどうはだめ!食べてしまった時の対処法やなぜダメなのか中毒症状を解説
未熟なプルーンやドライプルーン
未熟なプルーンやドライプルーンは犬に食べさせてはいけません。未熟なプルーンには「アミグダリン」という中毒成分が含まれており、アミグダリンは体内で青酸ガスを発生させて中毒症状を引き起こす可能性があります。
アミグダリンが含まれているのは種や葉、未熟なプルーンの果肉で、成熟すれば果肉中のアミグダリンは消失します。
また、ドライプルーンは栄養素が濃縮されておりカリウム量がとても多いため、高カリウム血症のリスクが高まるので食べさせないようにしてください。
注意すべき成分 |
【未熟なプルーン】アミグダリン
【ドライプルーン】カリウム |
中毒を起こす量や致死量 |
【致死量】アミグダリン:50mg/1kg(人間の小児の場合)(※6) |
起こり得ること |
【未熟なプルーン】青酸中毒
【ドライプルーン】高カリウム血症、下痢 |
注意点 |
プラムやすももも同様に未熟ものは与えない |
犬が食べてしまったときの対処法 |
すぐに獣医師に連絡して指示を仰ぐ |
柑橘類の外果皮
犬に柑橘類の外果皮(一番外側の皮)は食べさせないほうがいいでしょう。
犬の薬膳にも使用できる陳皮(みかんの外果皮を3年以上干して乾燥させたもの)などがあるように、外果皮は栄養素が豊富で少量であれば食べても問題はありませんが、繊維質が多く犬がたくさん食べれば消化に負担がかかり、下痢や嘔吐を起こしてしまうことがあります。
柑橘類の皮の多くは防腐剤や防虫剤などの農薬や、人工ワックス(主に原油)などが使用されているので、通常の柑橘類の外果皮は食べさせることを避けたほうが安心です。
また、柑橘類の外果皮には中毒症状を起こす「ソラレン」が微量~少量含まれていますが、こちらに関しては何Kgといった量を食べない限り問題はありません。(※7)
果物の種
果物の多くに種が含まれていますが、果物の種は犬に食べさせないようにしてください。
果物によっては種に「アミグダリン」が含まれているものもあり、種を噛み砕いてしまうと犬の体内で青酸ガスを発生させて中毒症状を引き起こしてしまうことがあります。
また、大きな種や表面がザラザラしている種では、犬の喉に引っかかって窒息してしまったり、腸で詰まって腸閉塞を引き起こしてしまう可能性も。
スイカやメロンなどの小さな種は毒性もなく、ツルンとした表面なので犬が少量を食べてしまっても便と一緒に排出されますが、たくさん食べてしまえば消化不良を起こすこともあるので注意してあげましょう。
注意すべき成分 |
アミグダリン |
中毒を起こす量や致死量 |
【致死量】アミグダリン:50mg/1kg(人間の小児の場合)(※6) |
起こり得ること |
【アミグダリン】青酸中毒
【大きな種やザラザラした種】消化不良、窒息、腸閉塞 |
注意点 |
・アミグダリンは噛み砕いたりすり潰すと毒性が強くなる
【種にアミグダリンが含まれる果物】
さくらんぼ、桃、あんず(アプリコット)、リンゴ、柿、ビワ、プルーン(すもも)、アボカド |
犬が食べてしまったときの対処法 |
・毒性のない小さな種の場合は様子観察
・大きな種や毒性のある種ではすぐに獣医師に連絡して指示を仰ぐ |
【獣医師監修】犬が果物の種・梅干しの種を食べた!うんちで出てくる?対処法を解説
犬は果物が好き!でも食べさせるときはここに注意して!
果物は栄養豊富で水分補給にも役立つものですが、犬に食べさせるときには注意しなければいけないこともあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
食物アレルギーに注意
犬が食べてもいい果物であっても、犬の体質によっては食物アレルギーを発症してしまうこともあり、初めて与える場合は注意が必要です。
最初はごく少量から与え、アレルギー反応を起こさないか様子を見てあげましょう。
■犬の食物アレルギーの主な症状
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周り、耳を痒がる
- 足先を執拗に舐めたりかじる
- 下痢や軟便
- 嘔吐
犬の食物アレルギーは15分ほど経ってから発症する即時型と、6~48時間が経ってから発症する遅発型があります。愛犬が果物を食べてから1日は様子を見てあげましょう。
また、愛犬に食物アレルギーの症状が見られた場合は、その果物が原因と飼い主さんが特定することはできないため、獣医師に相談してください。
犬の食物アレルギーの発症の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
犬のアレルギー(食物・アトピー・ノミ)原因・対策を徹底解説【皮膚科医取材】
食べてはいけない部分を与えない
果物の種、芯、茎、ヘタなどは、犬に中毒症状を引き起こしたり、体調不良を起こす可能性があるため、必ず取り除くようにしてください。
犬が食べてはいけないものについては、以下の記事でご紹介しています。
犬が食べてはいけないものを解説!36種類の症状や対処法、加熱調理が必要な食材も紹介
消化に負担のかからない形で与える
犬に果物を食べさせるときは、消化に負担のかからない形で与えてください。
シャリシャリとした歯ごたえを楽しむ犬もいれば、丸飲みしてしまう犬もいます。
薄くスライスしたり、細かく刻むなど、愛犬の食べ方に合わせて消化のしやすさを考えてあげましょう。
また、子犬や老犬に果物を与える場合では、消化の負担を考えてすりおろしてあげるなどの工夫が必要になります。
与え過ぎない
果物に限らずどんな食べものにも言えることですが、与え過ぎないようにしてください。
愛犬が好きだからと欲しがるままにあげてしまうのは、体調不良や肥満のリスクが高まります。
■犬に果物を与え過ぎるリスク
・栄養バランスの乱れ
・糖分の摂り過ぎによる肥満
・水分の摂り過ぎによる下痢や軟便
・消化不良
あくまでもおやつとして、適量を与えましょう。
持病のある犬は獣医師に相談してから
持病があって薬を服用している犬や、食事制限などがある犬では果物が治療に影響を及ぼしてしまうことがあります。
また、グレープフルーツのように特定の薬の作用を強くしてしまったり、副作用を強くしてしまうものもあるため注意が必要です。
■薬を飲んでいる犬が注意する果物一覧
柑橘類の果物に含まれる「フラノクマリン」という成分が、特定の薬に作用してしまうことは人間でも確認されています。
犬においては薬にどう作用するか解明されていないため、薬を飲んでいる犬では必ず獣医師に与えてもいいか確認してから与えるようにしてください。
老犬におすすめの果物
犬が食べてもいい果物であれば、老犬でもどの果物を与えても問題はありませんが、特におすすめするのは以下の果物です。
■老犬におすすめの果物一覧
老犬の場合、持病を抱えていることも珍しくはないため、持病がある場合や薬を服用している場合は、獣医師に相談してから与えてください。
また、老犬になると内臓機能が衰えてくるため、果物であっても消化しやすいように工夫してあげましょう。
犬に果物をあげるときのよくあるQ&A
いつから子犬に果物をあげていい?
子犬の時期は消化器官も未発達で体も成長途中のため、果物をおやつとして与える必要はありません。しかし、どうしても与えたい場合は、3~4ヶ月を過ぎてから、消化に負担のない形(すりおろす・細かく刻む)で与えてください。
おやつやトッピングを与える量の理想は1日のカロリーの10~20%ですが、これはあくまでも成犬の量であり、子犬には当てはまりません。
子犬の時期は体を作るためにもしっかりと栄養バランスの取れた食事が望ましく、糖質の多い果物であれば尚更与えていい量は少なくなるため、成犬になるまではごく僅かな量にとどめることが大切です。
■子犬が成犬になる時期の目安
・小型犬…約10ヶ月
・中型犬…約12か月
・大型犬…約18か月
犬に果物ジュースをあげていい?
人間用に作られた果物ジュースは糖分を多く使用しているものが多いため、糖分や塩分、添加物などが使用されていない100%(ストレート)の果物ジュースであれば犬も飲むことができます。
しかし、100%の果物ジュースであっても、ぶどうジュースやグレープジュースは絶対に飲ませてはいけません。
最近では犬用の果物ジュースも販売されているので、心配な飼い主さんやパッケージの見方がわからない飼い主さんはそういったものを購入するといいでしょう。
果物ジュースは与えやすい形状ですが、糖分や食物繊維が濃縮されているため与え過ぎには注意が必要です。
■犬が飲める果物ジュース
・りんご100%ジュース
・オレンジ100%ジュース
犬に果物を毎日あげても大丈夫?
果物を原材料に使用しているドッグフードもあるように、犬が果物を毎日食べることに問題はありませんが、おやつの範囲内で与えましょう。
同じ果物を毎日食べ続けていればアレルギーのリスクが高くなったり、栄養が偏る可能性もあります。
毎日食べさせてあげたい場合は、おやつの範囲内で少量を与えるようにしてください。
犬にドライフルーツをあげてもいい?
ドライフルーツは果物を乾燥させたものなので、適量であれば犬が食べても大丈夫です。ただし、成分が濃縮されているため、ごく少量にとどめておく必要があります。
人間用のドライフルーツは砂糖がたっぷり使用されていたり、高温乾燥させて栄養が抜けてしまっているものもあるため、与える場合は犬用のドライフルーツのほうが安心です。
■犬に食べさせてはいけないドライフルーツ
・ぶどう(干しぶどう、レーズン)
・プルーン
・いちじく
・砂糖漬けされたもの
犬に缶詰の果物や果物ゼリーはあげてもいい?
缶詰やパウチに入った果物や、人間用の果物ゼリーは糖分が多く含まれているため、犬に食べさせることはおすすめできません。
多少食べてしまったからといって犬の体に影響が出るわけではありませんが、カロリーオーバーや肥満の原因になる可能性があります。
また、犬は味の強いものを食べてばかりいると普段の食事を食べなくなってしまうこともあるため、甘みの強い人間用の缶詰や果物ゼリーは食べさせないほうがいいでしょう。
ダイエット中の犬に果物をあげてはダメ?
ダイエット中の犬でも、適量であれば果物を食べても大丈夫です。
特に、梨やスイカ、いちごなどはカロリーも控え目なので、ダイエット中の犬にも与えやすいでしょう。
果物は比較的血糖値の上がりにくい低GI食品で、熟した果物の水溶性食物繊維はコレステロールの吸収抑制や排泄のサポートをしてくれる(※8)ため、適量であればダイエットや肥満対策にも役立ってくれます。
ただし、与え過ぎは肥満の原因や体調不良の原因となることは変わらないため、与える量は十分に注意してください。
まとめ
果物は水分が豊富で、犬の水分補給にも役立つおやつです。果物の自然な甘みが好きな犬は多く、喜んで食べてくれるでしょう。
しかし、果物に限らずどんな食べものであっても与え過ぎはNG!特に糖質の高い果物では、肥満のリスクも高まります。
あくまでも、おやつの範囲で少量にとどめておくことが愛犬の健康のため。与え方や注意点に気をつけながら、水分補給や栄養補助に役立ててくださいね。
⇒もう一度犬が食べてもいい果物一覧を見る
<参考文献>
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
(※1)参考:J-STAGE「βークリプトキサンチンと生活習慣病リスクとの関連:疫学研究からの知見」
(※2)参考:日本獣医腎泌尿器学会誌「腎機能低下犬におけるブルーベリー茎エキス含有サプリメントの効果」
(※3)参考:NlH「Chlorogenic acid exhibits cholesterol lowering and fatty liver attenuating properties by up-regulating the gene expression of PPAR-α in hypercholesterolemic rats induced with a high-cholesterol diet」
(※4)参考:NlH「Induction of uncoupling protein-1 and -3 in brown adipose tissue by kaki-tannin in type 2 diabetic NSY/Hos mice」
(※5)参考:NlH「Retrospective evaluation of the clinical course and outcome following grape or raisin ingestion in dogs (2005-2014): 139 cases」
(※6)参考:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品の素材データベース」
(※7)参考:駒沢女子大学「『果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?』にお答えします【拡散希望】」
(※8)参考:厚生労働省「eーヘルスネット」
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執筆者
- ペットライター
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たかだ なつき
- JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / ホリスティックケア・カウンセラー